通常夢
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
屯所の中にある物置部屋からガタガタと音が聞こえる。物を取り出しているようだが先ほどから難儀しているようで、手伝おうと中を覗くと、そこには必死に背伸びをして物を取ろうとする***さん。
意地を張って隊士を呼ばなかったのだろうか、頑張る後ろ姿がなんだか可愛らしく思えてくるが、段々こちらもむず痒くなってきてしまい、指で肩を突く。
「ひゃっ………、なんだ終くんかぁ」
驚いた表情でこちらを振り返る。取ってあげようか?と聞けばむっとした表情になり、少し間を置くと、小さくうんとだけ頷いた。
彼女の友人達は皆女性にしては身長は高めで、おまけにスタイルが良いと嘆いていたので、きっと己の低身長さがコンプレックスなのだろう。少しでも身長を伸ばしたかった…のかもしれない。
[これ?]
「うん」
置物の裏に隠れている分厚めの書物を取り出す。手で埃を叩き、彼女に手渡す。
「ありがとう終くん! 大きいから簡単に取れちゃうね」
頭一つ分下の***さんの笑顔を見下ろす。彼女の瞳はきらきらと輝いていた。
「昔は私よりちいちゃかったのになぁ〜」
どきりと、胸が揺れる。12歳になってから、それまで同じくらいだった身長の***さんに超えられてしまったのだ。妙に頭を撫でられ、子供扱いされ、同い年なのに。むむむ、という気持ちと触れ合いが多くなったことに対して喜んでいた思春期の気持ちが思い出される。
今では彼女の身長を抜かし、その小さな身体がすっぽりと腕の中に入ってしまうほど俺は成長した。
ぽん、と頭の上に手が乗せられる。その癖はその時のままだなぁ。とつま先立ちをして腕を伸ばす***さんのために頭を下ろす。
「ふふ、撫で返し」
ああ、そういえば丁度良い頭の高さだったから思わず手を乗せたんだったZ。艶のある髪を撫でていたら、見上げられた表情はむっとしていた気がする。
ありがと、ばいばい。その本を片手に、彼女は手を振って部屋を出た。なんだかとても懐かしく、暖かい瞬間だった。
意地を張って隊士を呼ばなかったのだろうか、頑張る後ろ姿がなんだか可愛らしく思えてくるが、段々こちらもむず痒くなってきてしまい、指で肩を突く。
「ひゃっ………、なんだ終くんかぁ」
驚いた表情でこちらを振り返る。取ってあげようか?と聞けばむっとした表情になり、少し間を置くと、小さくうんとだけ頷いた。
彼女の友人達は皆女性にしては身長は高めで、おまけにスタイルが良いと嘆いていたので、きっと己の低身長さがコンプレックスなのだろう。少しでも身長を伸ばしたかった…のかもしれない。
[これ?]
「うん」
置物の裏に隠れている分厚めの書物を取り出す。手で埃を叩き、彼女に手渡す。
「ありがとう終くん! 大きいから簡単に取れちゃうね」
頭一つ分下の***さんの笑顔を見下ろす。彼女の瞳はきらきらと輝いていた。
「昔は私よりちいちゃかったのになぁ〜」
どきりと、胸が揺れる。12歳になってから、それまで同じくらいだった身長の***さんに超えられてしまったのだ。妙に頭を撫でられ、子供扱いされ、同い年なのに。むむむ、という気持ちと触れ合いが多くなったことに対して喜んでいた思春期の気持ちが思い出される。
今では彼女の身長を抜かし、その小さな身体がすっぽりと腕の中に入ってしまうほど俺は成長した。
ぽん、と頭の上に手が乗せられる。その癖はその時のままだなぁ。とつま先立ちをして腕を伸ばす***さんのために頭を下ろす。
「ふふ、撫で返し」
ああ、そういえば丁度良い頭の高さだったから思わず手を乗せたんだったZ。艶のある髪を撫でていたら、見上げられた表情はむっとしていた気がする。
ありがと、ばいばい。その本を片手に、彼女は手を振って部屋を出た。なんだかとても懐かしく、暖かい瞬間だった。
38/60ページ