食堂にやってくる彼の顔はなんだか浮かない顔をしていて、もしかして仕事が上手く行かなかったりとか、良いことなかったりするのかなって。彼は私の顔を見ると少し笑顔を作るけど、それもなんだか疲れていそうで。私が彼に何か出来ることはないかと考えてみるけど、結局何も浮かばなくって。

「終さん、お茶です」

開いた部屋の外から声を掛けてから中に入る。筆を下ろした彼は、私のお茶を待った。

「熱いので気をつけてくださいね」

私の言葉に頷く彼。口布を下ろして、そっとお茶を口に含んだ。

…そっと、終さんの背中に寄りかかってみる。

「…どうやって元気付けようか分かんなくって、でも、少しでも励みになれたらなって……」

ぎゅっと抱き締めたりしないけど、ただほんの……気持ちだけでも……。
そういう気持ちで終さんに寄りかかったのだけれど、終さんは上半身の態勢を変えて私を前に動かして、優しく抱擁されました。

「……………ありがとう」

互いに互いを充電しあって、癒しになってくれたかなぁ。