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(…………………)
どうしても緊張してお腹が痛いZ。トイレに逃げ込みたい。だが今ここでこの場を離れたらもうあの人にこれを渡せなくなってしまうかもしれない。
先月、彼女から貰ったバレンタインチョコ。本当に嬉しくて食べるのがもったいなかったくらいだった。食べたけど。味はとても俺好みだった。覚えててくれたんだ。
装飾のリボンに挟まれた紙には、彼女の字で”Happy Valentine Day”と書かれていたから、彼女で合っているはず。あれから、彼女とはあのチョコの話は出さなかったが、きっと……意識……してくれてたのだろうか。
拳に力を入れ、緊張を解そうとする。
昨日、お返しのチョコを買って、ら…ら…ラブレター…まで書いたんだ。渡さなければ……。
(……***さんのことが好きです……って)
マフラーで口元を隠す。もうすぐ彼女の委員会が終わる頃だろう。姿勢を正す。
「……あれ、斉藤くん、どうしたの?」
カバンを肩にかけ直し、***さんはこちらの存在に気付く。
「………」
……俺の馬鹿。何で何も言わずに箱だけを差し出したんだZ。片手で彼女にお返しのチョコを差し出した。彼女はそれに驚いたがすぐに気付く。
「……あ、お返しねっ。ありがとう!」
***さんは俺の箱を手に取り、俺の手から離そうとした。…するり、と。俺は箱の下に潜ませていたラブレターを指で掬い取り、袖の中に隠そうとする。
「……待って」
ぎゅっと、その行為は手紙ごと固定された彼女の指によって阻止された。慌てた俺は両手で手紙を取る。
ぐぐぐ、と互いにその手紙を握り合う。
「っ見せてよ、その手紙」
むっとする***さん。この期に及んで、自分は機会を失おうとしているのだ。
「私に渡そうとしてくれたんでしょ…?……見せてほしい、なぁ」
じぃっと見つめられる。やっぱり自分はこの人に想いを伝えたい。力を弱めて、彼女に渡した。
彼女が手紙の中身を開く。……自分の心臓の鼓動が、早まっている……Z……。
ちらりと彼女の表情を見遣る。見ぬふりは、不安しかなかったからだ。
ちらりと見た彼女の表情は……。
……耳まで顔を赤くして、目を丸くしていた。
「…さ……斉藤くん……」
「!」
「……ほ……本当…?」
紙で顔半分を隠して、俺を見上げた。
勿論。強く、何度も頷いた。
「…うれしい」
私も、好きなの。とても蕩けてしまいそうな表情で、彼女は俺に向かって笑ってくれたんだ。
どうしても緊張してお腹が痛いZ。トイレに逃げ込みたい。だが今ここでこの場を離れたらもうあの人にこれを渡せなくなってしまうかもしれない。
先月、彼女から貰ったバレンタインチョコ。本当に嬉しくて食べるのがもったいなかったくらいだった。食べたけど。味はとても俺好みだった。覚えててくれたんだ。
装飾のリボンに挟まれた紙には、彼女の字で”Happy Valentine Day”と書かれていたから、彼女で合っているはず。あれから、彼女とはあのチョコの話は出さなかったが、きっと……意識……してくれてたのだろうか。
拳に力を入れ、緊張を解そうとする。
昨日、お返しのチョコを買って、ら…ら…ラブレター…まで書いたんだ。渡さなければ……。
(……***さんのことが好きです……って)
マフラーで口元を隠す。もうすぐ彼女の委員会が終わる頃だろう。姿勢を正す。
「……あれ、斉藤くん、どうしたの?」
カバンを肩にかけ直し、***さんはこちらの存在に気付く。
「………」
……俺の馬鹿。何で何も言わずに箱だけを差し出したんだZ。片手で彼女にお返しのチョコを差し出した。彼女はそれに驚いたがすぐに気付く。
「……あ、お返しねっ。ありがとう!」
***さんは俺の箱を手に取り、俺の手から離そうとした。…するり、と。俺は箱の下に潜ませていたラブレターを指で掬い取り、袖の中に隠そうとする。
「……待って」
ぎゅっと、その行為は手紙ごと固定された彼女の指によって阻止された。慌てた俺は両手で手紙を取る。
ぐぐぐ、と互いにその手紙を握り合う。
「っ見せてよ、その手紙」
むっとする***さん。この期に及んで、自分は機会を失おうとしているのだ。
「私に渡そうとしてくれたんでしょ…?……見せてほしい、なぁ」
じぃっと見つめられる。やっぱり自分はこの人に想いを伝えたい。力を弱めて、彼女に渡した。
彼女が手紙の中身を開く。……自分の心臓の鼓動が、早まっている……Z……。
ちらりと彼女の表情を見遣る。見ぬふりは、不安しかなかったからだ。
ちらりと見た彼女の表情は……。
……耳まで顔を赤くして、目を丸くしていた。
「…さ……斉藤くん……」
「!」
「……ほ……本当…?」
紙で顔半分を隠して、俺を見上げた。
勿論。強く、何度も頷いた。
「…うれしい」
私も、好きなの。とても蕩けてしまいそうな表情で、彼女は俺に向かって笑ってくれたんだ。
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