pheromone
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家屋を走り抜き、屯所へ急いで戻る。自分に染み付いた彼女の匂いで、人々は狂う。ならば人の少ない家屋を通れば、狂わせずに済むのだ。
多少なる情報を持って、***の元に向かう。
自室の襖を開ければそこには誰も居なかった。息を切らした斉藤の心臓の鼓動は更に早まり、嫌な想像をしてしまう。これ以上の彼女の誘惑。一体何をされてしまうのか分からない。悪い想像が斉藤の頭を埋め尽くしていく。
だがしかし、奥の押入れから物音がする。斉藤は不審に思いながら、その押入れの引き戸を慎重に開く。
押入れの下の段に、汗だくになった***がそこに居た。斉藤の姿を捉えると、へにゃりと笑みを浮かべた。ホッと胸を撫で下ろしながら、彼女を外へ出す。
「ふぁ……おかえりなさい」
[ただいまZ]
[なんでそこに隠れてたの…?]
「あの…先程部屋の前を通ろうとする人が居て…」
「!」
[誰だった?]
「……土方さんでした」
***は驚き、急いで押入れの中に隠れたという。そして斉藤の部屋を開けた土方が、斉藤の不在を認知した時、また襖を閉め何処かへ行ってしまったのだという。
「それで、また人が来るかもと思ってずっと……」
暑かったぁ、と手をぱたぱたと自分の方に風を送る。口角を上げる***からは、心配させまいと斉藤に笑顔を作っているのだと感じさせた。
「斉藤さんの方は…?」
そう、先程の出来事についてだ。斉藤はノートに一連の流れを書き込み、***に見せた。
「…確かに私、あの時サンプルを受けました」
「!」
「そう…歩いてたら番頭のお姉さんに話し掛けられて…それでサンプルを受けて…それから…」
それから、という言葉を最後に、思い悩んでしまった。
「…それから……物凄く記憶が曖昧なんですよ…」
「気付いたら、もうサンプルを受けた後で…」
[サンプルを受けた場所は?]
「外に出て声を掛けていたので、多分ビルの下の野外と繋がってる一室を借りてやっていたんでしょうね……」
野外と繋がっているのなら、多くの人間が目にしていてもおかしくないというのに。
「…顔を洗っても、そのサンプルの効果は落ちないんでしょうか……」
[毎日顔を洗っているから、多分意味無いZ]
「そう、ですよね……。何日か経っていますし…」
***は肩を下ろしてしまった。進んだかのように見えて、何も進んでいなかった。サンプルを行なっていた場所は一階だろう。だが斉藤の記憶にはその場所は物置きというよりか、使われていない粗大ゴミなどが大量に置かれていたのだ。
進展が無くなった状況に、二人は気を落としてしまう。打開する道が見つからず。悔しそうに掌を握り締めながら。
多少なる情報を持って、***の元に向かう。
自室の襖を開ければそこには誰も居なかった。息を切らした斉藤の心臓の鼓動は更に早まり、嫌な想像をしてしまう。これ以上の彼女の誘惑。一体何をされてしまうのか分からない。悪い想像が斉藤の頭を埋め尽くしていく。
だがしかし、奥の押入れから物音がする。斉藤は不審に思いながら、その押入れの引き戸を慎重に開く。
押入れの下の段に、汗だくになった***がそこに居た。斉藤の姿を捉えると、へにゃりと笑みを浮かべた。ホッと胸を撫で下ろしながら、彼女を外へ出す。
「ふぁ……おかえりなさい」
[ただいまZ]
[なんでそこに隠れてたの…?]
「あの…先程部屋の前を通ろうとする人が居て…」
「!」
[誰だった?]
「……土方さんでした」
***は驚き、急いで押入れの中に隠れたという。そして斉藤の部屋を開けた土方が、斉藤の不在を認知した時、また襖を閉め何処かへ行ってしまったのだという。
「それで、また人が来るかもと思ってずっと……」
暑かったぁ、と手をぱたぱたと自分の方に風を送る。口角を上げる***からは、心配させまいと斉藤に笑顔を作っているのだと感じさせた。
「斉藤さんの方は…?」
そう、先程の出来事についてだ。斉藤はノートに一連の流れを書き込み、***に見せた。
「…確かに私、あの時サンプルを受けました」
「!」
「そう…歩いてたら番頭のお姉さんに話し掛けられて…それでサンプルを受けて…それから…」
それから、という言葉を最後に、思い悩んでしまった。
「…それから……物凄く記憶が曖昧なんですよ…」
「気付いたら、もうサンプルを受けた後で…」
[サンプルを受けた場所は?]
「外に出て声を掛けていたので、多分ビルの下の野外と繋がってる一室を借りてやっていたんでしょうね……」
野外と繋がっているのなら、多くの人間が目にしていてもおかしくないというのに。
「…顔を洗っても、そのサンプルの効果は落ちないんでしょうか……」
[毎日顔を洗っているから、多分意味無いZ]
「そう、ですよね……。何日か経っていますし…」
***は肩を下ろしてしまった。進んだかのように見えて、何も進んでいなかった。サンプルを行なっていた場所は一階だろう。だが斉藤の記憶にはその場所は物置きというよりか、使われていない粗大ゴミなどが大量に置かれていたのだ。
進展が無くなった状況に、二人は気を落としてしまう。打開する道が見つからず。悔しそうに掌を握り締めながら。