pheromone
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朝、斉藤は目覚めた。今自分がいる場所は畳の上で、頭には座布団を丸めて枕代わりににしていて。横を見ると、そこには男物の寝巻きを着た***が自分の布団の上に居て。その状況にドキドキとしながらも、己の掛け布団の存在に気付く。確か掛け布団は彼女に譲ったつもりだが、横にして斉藤にも掛けていたのだ。ちょっとした気遣いに感謝する斉藤だったが、身体を起こした所で異変に気付く。
朝であるというのに、部屋が真っ暗であると。斉藤の部屋には窓は無く、唯一の明かりを入れる場所が出入り口の障子のみなのだ。その真っ暗な部屋の元凶を見ると、障子には何かがべったりと張り付いているようなものが分かる。それはかさかさと羽音のようなものを出し、斉藤は身の毛が逆立つような感覚を覚える。
身体を身構え刀を手にし、そっと障子に近づく。近付けば近付くほど羽音は大きくなり、斉藤の冷や汗が増える。ドン、と肘でその障子を叩くと、べっとりと張り付いていた物は、円状にばさばさと飛び去っていった。そして、部屋に光が差し込んだところで横に開くと、先程いた羽音の正体は何も居なかった。虫であることは分かるが、何故あんなに張り付いていたのか。ますます斉藤はこの異変が分からなくなるのだ。
「……斉藤、さん」
***が布団から顔を覗かせていた。
[昨日言ってた…]
「……はい、多分、そうです」
隙間から入り込む風が斉藤の髪を撫でる。
[行ってくるから、あまりお部屋から出ないでね]
「はい、わかりました。…あの……お手洗いの時はどうしましょう」
「……」
斉藤は引き戸からごそごそと何かを取り出し、***に手渡した。高速道路の渋滞等に役立つ簡易トイレだ。
「…なんだか、斉藤さんも変な気がします…」
「!?」
首を横に激しく降る。
「…っふ、冗談ですよっ。もしもの際は、ですね」
斉藤は頷く。***を部屋に後にし、外へ出た。
朝であるというのに、部屋が真っ暗であると。斉藤の部屋には窓は無く、唯一の明かりを入れる場所が出入り口の障子のみなのだ。その真っ暗な部屋の元凶を見ると、障子には何かがべったりと張り付いているようなものが分かる。それはかさかさと羽音のようなものを出し、斉藤は身の毛が逆立つような感覚を覚える。
身体を身構え刀を手にし、そっと障子に近づく。近付けば近付くほど羽音は大きくなり、斉藤の冷や汗が増える。ドン、と肘でその障子を叩くと、べっとりと張り付いていた物は、円状にばさばさと飛び去っていった。そして、部屋に光が差し込んだところで横に開くと、先程いた羽音の正体は何も居なかった。虫であることは分かるが、何故あんなに張り付いていたのか。ますます斉藤はこの異変が分からなくなるのだ。
「……斉藤、さん」
***が布団から顔を覗かせていた。
[昨日言ってた…]
「……はい、多分、そうです」
隙間から入り込む風が斉藤の髪を撫でる。
[行ってくるから、あまりお部屋から出ないでね]
「はい、わかりました。…あの……お手洗いの時はどうしましょう」
「……」
斉藤は引き戸からごそごそと何かを取り出し、***に手渡した。高速道路の渋滞等に役立つ簡易トイレだ。
「…なんだか、斉藤さんも変な気がします…」
「!?」
首を横に激しく降る。
「…っふ、冗談ですよっ。もしもの際は、ですね」
斉藤は頷く。***を部屋に後にし、外へ出た。