pheromone
夢小説設定
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[それ以前の事とか何か憶えていることってある?]
「憶えていること……?」
[異変が起きる前、なにか予兆みたいなものが起こったとか]
「……いえ、そのようなことは……」
***は記憶をなんとか遡るが、どれもこの異変に繋がる出来事には心当たりが無いらしい。
「……」
[じゃあ、異変が起きる前まで、何をしたか、どこに行ったかを憶えている限りでいいから教えて?]
***は息を整え、考える。
そして、異変が起きる前の出来事を、憶えている限り斉藤に話した。
「……どう、ですか?」
「………」
[ごめん、私もあまりピンと来ないZ]
「やっぱり……」
「……」
目を伏せ、じっと縮こまる***。この状況をなんとか打開したい。彼女をこれ以上苦しませたくない。彼女を守る、斉藤の心はそう決意する。
静かな時の中、***の携帯の着信音が鳴る。びくりと身体が跳ねた***は、急いでその携帯を取り出し着信を受けた。
「はい、もしもしっ……あっ……土方さんっ……い、今は……」
「っ…」
「今は友人の家に泊まらせていただいております。レポートを書き終えなければいけませんのでっ……はい……」
「連絡を入れなかったのは私の不届きでしたっ……はい……」
「明日には帰りますから……。ありがとう、ございます……」
そう話すと電話が切れ、そっと閉じた。
「明日もお休み頂いちゃった……。でもこのまま逃げてても…仕方、ないですよね」
***の脳裏には、どうやってこの状況の中、過ごしていけば良いのか、そればかり考える。逃げることができないのなら、立ち向かうしかないのだと…。
***の頭の上に、大きく、温かな物が乗せられる。それはぽんぽんと優しく浮遊し、離れた。
[大丈夫だよ、安心して]
[私が君の代わりに、原因を突き止めるから]
[それまでは、ここに居ていいZ]
無意識に、言葉が出た。筆は止まることなく紙面をなぞり、自身の気持ちが何の悔いもなく紙面に映し出されていた。
唇をぎゅっと締めながら、***は静かに頷いた。
「憶えていること……?」
[異変が起きる前、なにか予兆みたいなものが起こったとか]
「……いえ、そのようなことは……」
***は記憶をなんとか遡るが、どれもこの異変に繋がる出来事には心当たりが無いらしい。
「……」
[じゃあ、異変が起きる前まで、何をしたか、どこに行ったかを憶えている限りでいいから教えて?]
***は息を整え、考える。
そして、異変が起きる前の出来事を、憶えている限り斉藤に話した。
「……どう、ですか?」
「………」
[ごめん、私もあまりピンと来ないZ]
「やっぱり……」
「……」
目を伏せ、じっと縮こまる***。この状況をなんとか打開したい。彼女をこれ以上苦しませたくない。彼女を守る、斉藤の心はそう決意する。
静かな時の中、***の携帯の着信音が鳴る。びくりと身体が跳ねた***は、急いでその携帯を取り出し着信を受けた。
「はい、もしもしっ……あっ……土方さんっ……い、今は……」
「っ…」
「今は友人の家に泊まらせていただいております。レポートを書き終えなければいけませんのでっ……はい……」
「連絡を入れなかったのは私の不届きでしたっ……はい……」
「明日には帰りますから……。ありがとう、ございます……」
そう話すと電話が切れ、そっと閉じた。
「明日もお休み頂いちゃった……。でもこのまま逃げてても…仕方、ないですよね」
***の脳裏には、どうやってこの状況の中、過ごしていけば良いのか、そればかり考える。逃げることができないのなら、立ち向かうしかないのだと…。
***の頭の上に、大きく、温かな物が乗せられる。それはぽんぽんと優しく浮遊し、離れた。
[大丈夫だよ、安心して]
[私が君の代わりに、原因を突き止めるから]
[それまでは、ここに居ていいZ]
無意識に、言葉が出た。筆は止まることなく紙面をなぞり、自身の気持ちが何の悔いもなく紙面に映し出されていた。
唇をぎゅっと締めながら、***は静かに頷いた。