pheromone
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「どうしてっ……斉藤さんがここにっ……?」
[万事屋さんからここに居るって聞いたから。大丈夫?]
しゃがみこみ、***と距離を寄せ顔を覗き込む。心配そうに眉尻を下ろしている斉藤の顔を見ると、どっと涙が溢れ出た。鼻を啜り、涙を堪えようと顔を手で覆い隠す***に、斉藤はあわあわと慌て出す。
「ごめ、んなさいっ……斉藤さんっ……」
[謝らなくていいZ、大変だったんでしょ?]
斉藤の優しい言葉に、***の心が何か浄化されていくのを感じる。声は聞けないが、それは確実に***の心を和らげるものだった。
[とりあえず、暗くなるまで側に居てあげるZ]
じっと、強く***に目で訴えた。その目を受けた***はほう、と頬を染め、ゆっくりと頷く。
夜、栄える人々の声が静まり返った今、斉藤は***の手を取り立ち上がらせる。
「っ……ありがとう、ございます……」
涙で腫れた顔を斉藤に見せるには少々恥ずかしく俯いてしまう。いいZ、という帳面を***に見せた。
斉藤は外の様子を伺う。歩く人は誰もおらず、***に頷き、手を寄せ夜道を歩き出す。
斉藤さんに手を握られてるっ……! ***はそこに意識が向き、いろいろな意味でドギマギとしながら連れられる。
屯所に戻る際、正面玄関ではなく裏面から入る事になる。そして隊士達の目を気にしながら、斉藤の部屋へと連れられたのだった。
[ここなら安心していいZ]
「ありがとうございますっ、斉藤さん」
手のひらの温もり無くなり寂しい感覚を覚える***だったが、それどころではないのだ。
「あの……」
「?」
「銀時、さんは……?」
[万事屋さんは、私に貴方を守ってくれと言ってきたZ]
「どうして斉藤さんに…?」
「……」
[私にしか出来ない事、らしいZ]
「斉藤さんにしか出来ない事?」
[詳しいことは…分からないZ]
食事を持ってくるZ、と書き出し、部屋を後にした。一人残された***は、またどきどきと嫌な緊張になりながら待っていた。
***は茶を差し入れるときくらいしか、斉藤の部屋に入ったことはなかったが、斉藤の部屋は綺麗で片付いており、目立ったゴミなどが一つもない。丁寧な部分が彼らしく、口角を上げてしまう。彼の匂いと墨の香りが部屋に漂い、嫌な緊張が少しだけ満足感に変わっていった。
襖が開かれると、盆を二つ持った斉藤がそこに居た。中に入れ、***が襖を閉じる。机の上に乗せられた二つの料理に向き合い、食事を始めた。
食事も終わり、特に何もすることもなくなった二人は向き合い、気まずい時間が流れる。どんな会話を切り出せばいいのか、互いに必死に考える。
斉藤はノートに文字を書き出す。
[一体、何があったんだZ?]
「っ……」
「……」
「その……」
***はぽつりぽつりとだが、今日の事を話す。自分とぶつかった店員が、男達に殴られる場面を。
その話を聞き、斉藤は大層驚く。他にも、以前窓に何かが張り付いていた、周囲の人間の様子がおかしい……など。
話している途中で涙が止まらなくなり、嗚咽を上げながら話を続ける。斉藤はうんうんと頷き、***の話を聞き入れる。
「私ッ……こわ……くて……もう…わかんなくって……」
「……」
信じられない話かもしれないが、斉藤にもその話に気掛かりがあった。最近の隊士達の様子についてだ。こうなる以前にも、***を好いているであろう人物はちらりと居たが、今はまるで無差別に人を引き寄せているように思えるのだ。
[万事屋さんからここに居るって聞いたから。大丈夫?]
しゃがみこみ、***と距離を寄せ顔を覗き込む。心配そうに眉尻を下ろしている斉藤の顔を見ると、どっと涙が溢れ出た。鼻を啜り、涙を堪えようと顔を手で覆い隠す***に、斉藤はあわあわと慌て出す。
「ごめ、んなさいっ……斉藤さんっ……」
[謝らなくていいZ、大変だったんでしょ?]
斉藤の優しい言葉に、***の心が何か浄化されていくのを感じる。声は聞けないが、それは確実に***の心を和らげるものだった。
[とりあえず、暗くなるまで側に居てあげるZ]
じっと、強く***に目で訴えた。その目を受けた***はほう、と頬を染め、ゆっくりと頷く。
夜、栄える人々の声が静まり返った今、斉藤は***の手を取り立ち上がらせる。
「っ……ありがとう、ございます……」
涙で腫れた顔を斉藤に見せるには少々恥ずかしく俯いてしまう。いいZ、という帳面を***に見せた。
斉藤は外の様子を伺う。歩く人は誰もおらず、***に頷き、手を寄せ夜道を歩き出す。
斉藤さんに手を握られてるっ……! ***はそこに意識が向き、いろいろな意味でドギマギとしながら連れられる。
屯所に戻る際、正面玄関ではなく裏面から入る事になる。そして隊士達の目を気にしながら、斉藤の部屋へと連れられたのだった。
[ここなら安心していいZ]
「ありがとうございますっ、斉藤さん」
手のひらの温もり無くなり寂しい感覚を覚える***だったが、それどころではないのだ。
「あの……」
「?」
「銀時、さんは……?」
[万事屋さんは、私に貴方を守ってくれと言ってきたZ]
「どうして斉藤さんに…?」
「……」
[私にしか出来ない事、らしいZ]
「斉藤さんにしか出来ない事?」
[詳しいことは…分からないZ]
食事を持ってくるZ、と書き出し、部屋を後にした。一人残された***は、またどきどきと嫌な緊張になりながら待っていた。
***は茶を差し入れるときくらいしか、斉藤の部屋に入ったことはなかったが、斉藤の部屋は綺麗で片付いており、目立ったゴミなどが一つもない。丁寧な部分が彼らしく、口角を上げてしまう。彼の匂いと墨の香りが部屋に漂い、嫌な緊張が少しだけ満足感に変わっていった。
襖が開かれると、盆を二つ持った斉藤がそこに居た。中に入れ、***が襖を閉じる。机の上に乗せられた二つの料理に向き合い、食事を始めた。
食事も終わり、特に何もすることもなくなった二人は向き合い、気まずい時間が流れる。どんな会話を切り出せばいいのか、互いに必死に考える。
斉藤はノートに文字を書き出す。
[一体、何があったんだZ?]
「っ……」
「……」
「その……」
***はぽつりぽつりとだが、今日の事を話す。自分とぶつかった店員が、男達に殴られる場面を。
その話を聞き、斉藤は大層驚く。他にも、以前窓に何かが張り付いていた、周囲の人間の様子がおかしい……など。
話している途中で涙が止まらなくなり、嗚咽を上げながら話を続ける。斉藤はうんうんと頷き、***の話を聞き入れる。
「私ッ……こわ……くて……もう…わかんなくって……」
「……」
信じられない話かもしれないが、斉藤にもその話に気掛かりがあった。最近の隊士達の様子についてだ。こうなる以前にも、***を好いているであろう人物はちらりと居たが、今はまるで無差別に人を引き寄せているように思えるのだ。