pheromone
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「あ!いけない!」
***は思い出す。必ず出掛けの際は土方に連絡を入れる事と。以前帰りの連絡を入れずに屯所に戻った時、こっ酷く土方に叱られた事があったのだ。それからというもの、必ず出掛けと帰りにときは連絡を入れるようにしているが、時は既に遅く、***のメール欄には土方のメールが入って来ていた。
「う…。また怒られちゃう…」
肩を落としスマフォを閉じる。学校のトイレを出て身支度を済まし、サングラスとマスクを着け帰る。
外出の時、必ず沖田と共に出るのだが、今日一番隊は急用の仕事により不在。しかもよりによってこの日はテストであり、休みにする事は非常に難しいのだ。だからせめてものサングラスとメガネ、そして帽子を着け登校していたのだ。
以前、沖田から周囲の人間が自分を見ているということを言われてから、常に周囲の人間の視線に気を配っているが、どうやら自分の事は周囲にバレてはいないようで安心している。今でも何故こうも注目されてしまうのか分からないままだ。
帰り道、街を通るのだがその先できゃっきゃうふふと美味しそうにスイーツを口に含む銀時の姿が居た。周りは女子ばかりだが、銀時もそれに負けない程の女子らしさが溢れ出ていた。
「珍しいですね、こんなところに居るなんて」
「なんだこの不審者!?」
「あっ、すみません。私です」
そう言いマスクをずらしてサングラスを外す。その顔を見て銀時は大層驚いた。
「お***ちゃん!…あれ?いつも一緒のドS君は?」
「いろいろあって一人です」
「ほーん……。そしてその重装備ねぇ…」
いち早く異変を察していた銀時にとって、その装備をするのが変だとは思わなかった。寧ろ今するのかというくらいに。
「最近どう?」
「ぼちぼちですね」
「あっそ…まあこんな状況じゃあ良い方なんじゃないの?」
残りのスイーツをぐわりと口の中に掻き込む。
「じゃ、シンデレラ様をお城に帰してやりますかね」
「っ、ありがとうございます…!」
張り詰めた表情が少し和らいだ気がする。その表情の変化に銀時は気付き、心の中の何かがくらり、と揺れた気がした。
「お勘定、割り勘にさせてください」
「全部払ってもいいのよ〜ン?」
「嫌で〜す」
ふふふと笑いながら、***はレシートを手に取り翻す。そこで、思わず店員と肩がぶつかってしまった。その衝撃で、盆に乗せられていた水が裾を濡らしてしまう。
「す、すみません!裾が…!」
「いえこちらこそ背後を気にしていませんでしたので…!お怪我などはございませんでしたか?」
「ごめんなさいッごめんなさい!」
店員は畏れる物を見てしまったかのような表情で、必死に謝罪の言葉を連呼する。
だが次の瞬間、店員は男に殴られた。
「!?」
店員を殴る者達は次々に増え、殴る蹴るなどの暴行を加える。野外の者達はその店員に罵詈雑言を浴びせながら。
「どっ、どうして…!? やめてくださいっ…!」
店員を甚振る者達は、目尻が釣り上がり、眉間に皺を限界にまで寄せ、怒り、憎悪というものを顔に作り上げられていた。***の言葉を耳にせず、暴行を加え続けた。
「お***ちゃんッ、逃げるぞ!」
そのショッキングな情景に唖然としてしまった***の腕を掴み店を出た。
街の中を走れば、皆***の方へ振り向く。信号が青だというのに***の方へ目を向けたまま発進しない車や、横断歩道の最中で足を止める者。遠くで何かがぶつかった音が鳴り響いたというのに、誰もその事に気にしてなどいない。
ここにいる全員が***に目を奪われているのだ。
「ッたく……なんなんだこりゃッ……!」
***を連れ、人の少ない路地裏へと入る。入り組んだその場所から、段々と人気が無くなり、のちに銀時と***の二人しか居なくなった。
「大丈夫か、お***ちゃん……」
「っ…………」
ショックで、何も言葉が出ていないようだ。目の前であんな衝撃の出来事が起こったのだ。無理はない。荒い息をする***の肩を撫でる。
「…………、もう………ぃや……」
ぐっと、腕を掴む手に力が入り込まれる。爪を立て、傷を作ってしまいそうなほどに。
ごくりと、銀時は唾を飲み込んだ。
「……お***ちゃん、ここで待ってろ」
「……えっ……?」
「安心しろ、すぐに来る」
頭を優しく撫でた後、銀時は光のない暗闇の向こうへと消え去っていった。孤独と恐怖が***の身体中を覆い、何も出来なくなるのだ。
***は思い出す。必ず出掛けの際は土方に連絡を入れる事と。以前帰りの連絡を入れずに屯所に戻った時、こっ酷く土方に叱られた事があったのだ。それからというもの、必ず出掛けと帰りにときは連絡を入れるようにしているが、時は既に遅く、***のメール欄には土方のメールが入って来ていた。
「う…。また怒られちゃう…」
肩を落としスマフォを閉じる。学校のトイレを出て身支度を済まし、サングラスとマスクを着け帰る。
外出の時、必ず沖田と共に出るのだが、今日一番隊は急用の仕事により不在。しかもよりによってこの日はテストであり、休みにする事は非常に難しいのだ。だからせめてものサングラスとメガネ、そして帽子を着け登校していたのだ。
以前、沖田から周囲の人間が自分を見ているということを言われてから、常に周囲の人間の視線に気を配っているが、どうやら自分の事は周囲にバレてはいないようで安心している。今でも何故こうも注目されてしまうのか分からないままだ。
帰り道、街を通るのだがその先できゃっきゃうふふと美味しそうにスイーツを口に含む銀時の姿が居た。周りは女子ばかりだが、銀時もそれに負けない程の女子らしさが溢れ出ていた。
「珍しいですね、こんなところに居るなんて」
「なんだこの不審者!?」
「あっ、すみません。私です」
そう言いマスクをずらしてサングラスを外す。その顔を見て銀時は大層驚いた。
「お***ちゃん!…あれ?いつも一緒のドS君は?」
「いろいろあって一人です」
「ほーん……。そしてその重装備ねぇ…」
いち早く異変を察していた銀時にとって、その装備をするのが変だとは思わなかった。寧ろ今するのかというくらいに。
「最近どう?」
「ぼちぼちですね」
「あっそ…まあこんな状況じゃあ良い方なんじゃないの?」
残りのスイーツをぐわりと口の中に掻き込む。
「じゃ、シンデレラ様をお城に帰してやりますかね」
「っ、ありがとうございます…!」
張り詰めた表情が少し和らいだ気がする。その表情の変化に銀時は気付き、心の中の何かがくらり、と揺れた気がした。
「お勘定、割り勘にさせてください」
「全部払ってもいいのよ〜ン?」
「嫌で〜す」
ふふふと笑いながら、***はレシートを手に取り翻す。そこで、思わず店員と肩がぶつかってしまった。その衝撃で、盆に乗せられていた水が裾を濡らしてしまう。
「す、すみません!裾が…!」
「いえこちらこそ背後を気にしていませんでしたので…!お怪我などはございませんでしたか?」
「ごめんなさいッごめんなさい!」
店員は畏れる物を見てしまったかのような表情で、必死に謝罪の言葉を連呼する。
だが次の瞬間、店員は男に殴られた。
「!?」
店員を殴る者達は次々に増え、殴る蹴るなどの暴行を加える。野外の者達はその店員に罵詈雑言を浴びせながら。
「どっ、どうして…!? やめてくださいっ…!」
店員を甚振る者達は、目尻が釣り上がり、眉間に皺を限界にまで寄せ、怒り、憎悪というものを顔に作り上げられていた。***の言葉を耳にせず、暴行を加え続けた。
「お***ちゃんッ、逃げるぞ!」
そのショッキングな情景に唖然としてしまった***の腕を掴み店を出た。
街の中を走れば、皆***の方へ振り向く。信号が青だというのに***の方へ目を向けたまま発進しない車や、横断歩道の最中で足を止める者。遠くで何かがぶつかった音が鳴り響いたというのに、誰もその事に気にしてなどいない。
ここにいる全員が***に目を奪われているのだ。
「ッたく……なんなんだこりゃッ……!」
***を連れ、人の少ない路地裏へと入る。入り組んだその場所から、段々と人気が無くなり、のちに銀時と***の二人しか居なくなった。
「大丈夫か、お***ちゃん……」
「っ…………」
ショックで、何も言葉が出ていないようだ。目の前であんな衝撃の出来事が起こったのだ。無理はない。荒い息をする***の肩を撫でる。
「…………、もう………ぃや……」
ぐっと、腕を掴む手に力が入り込まれる。爪を立て、傷を作ってしまいそうなほどに。
ごくりと、銀時は唾を飲み込んだ。
「……お***ちゃん、ここで待ってろ」
「……えっ……?」
「安心しろ、すぐに来る」
頭を優しく撫でた後、銀時は光のない暗闇の向こうへと消え去っていった。孤独と恐怖が***の身体中を覆い、何も出来なくなるのだ。