pheromone
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ここまで来れば人もおらず安心できる。門前までの道のりを落ち着いて歩く。
「ど、どうしたの総悟くん」
「……***さん、気付いてないんですかィ?」
「気付いてない…って…?」
「さっき、歩く人みんなアンタの事見てましたぜ」
「う、嘘……」
「別段変な格好はしてねぇつもりだし、警察だからって見られる事には慣れているつもりなんだが、ありゃあ異常でィ」
「……っ…」
「***さん、他に心当たりとか無いんですかィ?」
「……ん……、あん、まり……」
神楽の事、近藤の事を思い出すが少し言いづらいものと感じていた。
「……ま、外出は控えた方が良さそうですよねィ」
「うん……」
「もし外出する際は俺を呼んでくだせぇ」
「おサボりついで、でしょ?」
「さっすが***さんだい」
わしゃわしゃと沖田の頭を撫でる。二年前まではこんなに身長差は無かったはずだったのに、今では背伸びをしないと頭まで届かない程、沖田は背が伸びたのだと成長を感じる。
「おかえりなさい、***ちゃん!」
門を潜るとまるで夜の水商売かの如く、隊士達がそこで待っており頭を下げた。
「オイいつからここはホストクラブになったんだ」
「た、ただいま……?」
「心当たり、早速見つかっちまいやしたねぇ」
頭を上げた隊士達はわあわあと***の側に駆け寄る。どこに行ってただの、何をしていただの。深刻な表情で***に詰め寄る。
その隊士達の隙間を縫い、腕を伸ばして***の手を掴み引っ張る。するりと***は隊士達を抜け、沖田に何処かへ連れ去られてしまった。
「ごめん、ありがとうね。総悟くん」
手を離してもらおうと引っ張るが、沖田は一向に手を離さない。どんなに腕をぷらんぷらんと動かしてもその手は離してくれなかった。
「…あの、総悟くん。私お部屋に戻って本を……」
「…俺の部屋じゃ駄目ですかィ」
「へ?いや、読み途中のものもあるし、ラベルの整理とか…」
「そんなん俺が代わりにやりまさぁ」
強引に沖田は***の腕を引っ張って行く。自室へ連れて行こうとしているのだ。
「やっ…大丈夫だからっ、総悟、くん!」
「……アイツらに取られんのが…無性に気に食わねェ」
沖田は***が隊士達に囲まれた時、何故か無性に気に食わなかった。嫉妬か、怒りか。なんとも表現し得ない複雑で奇妙な感情が沖田の心に生まれていた。
「取られたり、とかしないから……」
「…………ッ」
じぃっと***の目を見遣る。眉尻を下げ優しい表情で顔を覗き込むように沖田の顔を見る。まるで子供を宥める姉の様で、自分は弟扱いされているのだと気に食わなかった。
大丈夫だよ、という穏やかな声を聞くと、自分の感情を締め付けていた何かがするりと外れていくような感覚を覚え、腕を掴む手を離した。
「……」
手を離した後でも、沖田は何か物足りなさそうに***を見続ける。
「…じゃ、じゃあね…?またよろしくね…?」
***はそそくさとその場を離れ、自室に戻って行くのだ。
「ど、どうしたの総悟くん」
「……***さん、気付いてないんですかィ?」
「気付いてない…って…?」
「さっき、歩く人みんなアンタの事見てましたぜ」
「う、嘘……」
「別段変な格好はしてねぇつもりだし、警察だからって見られる事には慣れているつもりなんだが、ありゃあ異常でィ」
「……っ…」
「***さん、他に心当たりとか無いんですかィ?」
「……ん……、あん、まり……」
神楽の事、近藤の事を思い出すが少し言いづらいものと感じていた。
「……ま、外出は控えた方が良さそうですよねィ」
「うん……」
「もし外出する際は俺を呼んでくだせぇ」
「おサボりついで、でしょ?」
「さっすが***さんだい」
わしゃわしゃと沖田の頭を撫でる。二年前まではこんなに身長差は無かったはずだったのに、今では背伸びをしないと頭まで届かない程、沖田は背が伸びたのだと成長を感じる。
「おかえりなさい、***ちゃん!」
門を潜るとまるで夜の水商売かの如く、隊士達がそこで待っており頭を下げた。
「オイいつからここはホストクラブになったんだ」
「た、ただいま……?」
「心当たり、早速見つかっちまいやしたねぇ」
頭を上げた隊士達はわあわあと***の側に駆け寄る。どこに行ってただの、何をしていただの。深刻な表情で***に詰め寄る。
その隊士達の隙間を縫い、腕を伸ばして***の手を掴み引っ張る。するりと***は隊士達を抜け、沖田に何処かへ連れ去られてしまった。
「ごめん、ありがとうね。総悟くん」
手を離してもらおうと引っ張るが、沖田は一向に手を離さない。どんなに腕をぷらんぷらんと動かしてもその手は離してくれなかった。
「…あの、総悟くん。私お部屋に戻って本を……」
「…俺の部屋じゃ駄目ですかィ」
「へ?いや、読み途中のものもあるし、ラベルの整理とか…」
「そんなん俺が代わりにやりまさぁ」
強引に沖田は***の腕を引っ張って行く。自室へ連れて行こうとしているのだ。
「やっ…大丈夫だからっ、総悟、くん!」
「……アイツらに取られんのが…無性に気に食わねェ」
沖田は***が隊士達に囲まれた時、何故か無性に気に食わなかった。嫉妬か、怒りか。なんとも表現し得ない複雑で奇妙な感情が沖田の心に生まれていた。
「取られたり、とかしないから……」
「…………ッ」
じぃっと***の目を見遣る。眉尻を下げ優しい表情で顔を覗き込むように沖田の顔を見る。まるで子供を宥める姉の様で、自分は弟扱いされているのだと気に食わなかった。
大丈夫だよ、という穏やかな声を聞くと、自分の感情を締め付けていた何かがするりと外れていくような感覚を覚え、腕を掴む手を離した。
「……」
手を離した後でも、沖田は何か物足りなさそうに***を見続ける。
「…じゃ、じゃあね…?またよろしくね…?」
***はそそくさとその場を離れ、自室に戻って行くのだ。