pheromone
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「ごめんねぇ総悟くん」
「別にいっすよ」
以前の蛾の事、周囲の人間の事などに対し、一人で居るのが不安になった***は、特に以前と何ら様子が変わらない沖田と共に外へ出掛ける事になった。
「まあサボりついででさァ」
「もう」
気に入っている著者の新作が出たらしく、***は本屋に行きたかったのだ。隊服のままの沖田と共に本屋に入り、目当ての本を探す。
「本当、勉強熱心ですねィ」
「ああ、今日は教材じゃないの」
そう言って奥の本棚へと入って行く。じろじろと店主と客の視線を受けながら。本屋は非常に静かで、一つの物音でもよく聞こえる場所なのだ。そのような場所で、シャッターが切られる音が鳴る。音の場所を沖田は勘付き、写真を撮ったであろう客に近付く。
「アンタ、盗撮は犯罪ですぜィ」
「ひっ…、す、すみません」
「今すぐ消しなァ、そうしたら黙っておいてやるよ」
スマートフォンを動かし、写真が消された事を確認すると沖田は***の元へ戻る。周りの客も同じ事を考えていたようで、そっと携帯を懐に仕舞い込んだ。
「…ごめんね、総悟くん」
「ああいう輩が居ちゃ大変でしょうに。モテ期ってのは辛いっすねぇ」
「だからちが…」
バンバン、と本屋のガラス窓を叩く音が鳴り響く。羽音が大きく鳴り響く音に、***は恐怖と覚え身体を震わせた。音の元を確認しに沖田は外を見ると、鳥が何かを咥えたまま地面に立っていた。鳥達が咥えているのは蛾で、窓を見ると日差しの影に蛾が窓に引っ付いているのが分かる。
「……うぇ」
「ど、どうだった……?」
「…見ない方がいいですぜ」
見ない方が良いと言われたら見たくなってしまうのが人の性分ではあるが、以前窓に張り付いていた何かに対する恐怖と同じ物だと感じており、それ以上追求はしたくないと思うのだ。
「お会計お願いします」
「おん、持って行ってええよ」
「ふぁっ!?」
「***ちゃんいっつも来とるでなぁ、そんなに本好きだったらいくらでも持っていきゃあええがちや」
「い、いえいえ!?払います払いますぅぅ!」
「いいからいいから……」
「払いますってば!」
本の代金を財布から取り出し卓上に無理矢理にでも置き、沖田を連れて外に出る。
「持っていけば良かったのに」
「いやダメでしょ!!もう…なんで…、前だって買った物が大体半額にされちゃったり……」
「たまたま半額の日だったんじゃないですかィ?」
「ううん、そんなことない……」
本を抱えながら、俯いて歩く。この瞬間でも、視線は異様にも感じる。歩く人間が皆振り向き***の方を見る。反対歩道の人間も立ち止まりこちらを向いており、信号に止まる車の人間達も***の方に目を向いている。
「………」
異様な程に不気味だ。挙げ句の果てには写真を撮ろうとする人間も居る。***の肩を抱き、足早に屯所へ戻る。
「別にいっすよ」
以前の蛾の事、周囲の人間の事などに対し、一人で居るのが不安になった***は、特に以前と何ら様子が変わらない沖田と共に外へ出掛ける事になった。
「まあサボりついででさァ」
「もう」
気に入っている著者の新作が出たらしく、***は本屋に行きたかったのだ。隊服のままの沖田と共に本屋に入り、目当ての本を探す。
「本当、勉強熱心ですねィ」
「ああ、今日は教材じゃないの」
そう言って奥の本棚へと入って行く。じろじろと店主と客の視線を受けながら。本屋は非常に静かで、一つの物音でもよく聞こえる場所なのだ。そのような場所で、シャッターが切られる音が鳴る。音の場所を沖田は勘付き、写真を撮ったであろう客に近付く。
「アンタ、盗撮は犯罪ですぜィ」
「ひっ…、す、すみません」
「今すぐ消しなァ、そうしたら黙っておいてやるよ」
スマートフォンを動かし、写真が消された事を確認すると沖田は***の元へ戻る。周りの客も同じ事を考えていたようで、そっと携帯を懐に仕舞い込んだ。
「…ごめんね、総悟くん」
「ああいう輩が居ちゃ大変でしょうに。モテ期ってのは辛いっすねぇ」
「だからちが…」
バンバン、と本屋のガラス窓を叩く音が鳴り響く。羽音が大きく鳴り響く音に、***は恐怖と覚え身体を震わせた。音の元を確認しに沖田は外を見ると、鳥が何かを咥えたまま地面に立っていた。鳥達が咥えているのは蛾で、窓を見ると日差しの影に蛾が窓に引っ付いているのが分かる。
「……うぇ」
「ど、どうだった……?」
「…見ない方がいいですぜ」
見ない方が良いと言われたら見たくなってしまうのが人の性分ではあるが、以前窓に張り付いていた何かに対する恐怖と同じ物だと感じており、それ以上追求はしたくないと思うのだ。
「お会計お願いします」
「おん、持って行ってええよ」
「ふぁっ!?」
「***ちゃんいっつも来とるでなぁ、そんなに本好きだったらいくらでも持っていきゃあええがちや」
「い、いえいえ!?払います払いますぅぅ!」
「いいからいいから……」
「払いますってば!」
本の代金を財布から取り出し卓上に無理矢理にでも置き、沖田を連れて外に出る。
「持っていけば良かったのに」
「いやダメでしょ!!もう…なんで…、前だって買った物が大体半額にされちゃったり……」
「たまたま半額の日だったんじゃないですかィ?」
「ううん、そんなことない……」
本を抱えながら、俯いて歩く。この瞬間でも、視線は異様にも感じる。歩く人間が皆振り向き***の方を見る。反対歩道の人間も立ち止まりこちらを向いており、信号に止まる車の人間達も***の方に目を向いている。
「………」
異様な程に不気味だ。挙げ句の果てには写真を撮ろうとする人間も居る。***の肩を抱き、足早に屯所へ戻る。