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第3章~太陽の歌声に誘われて~

【初めてのお別れ】

結婚式から数日。
ついにリュミたちが秋の国へと旅立つ日がやってきたようです。

リュミ「……お別れね、カルロッタ」
カルロッタ「ああ。大丈夫さリュミ、離れていても、心は1つだ。あたしたちは季節を超えて『ともだち』になったんだから」

パティッツ「パティもすっごく楽しかったなの!春のこと、たくさん知ることが出来て良かったなの♪」

リラ「ええっ!?みんな、もう行ってまうん?なんだかちょっと寂くなってまうなぁ…」

アルク「お別れ、ね…ずっとここに居たから……旅立つってのもよくわかんねぇな」

サンディ「寂しくなりますね……他の子もついて行くでしょうけど、船旅 気をつけてくださいね」

リラ「せやなぁ、まだまだ全然実感沸かへん…」

クローズ「まさか別れがもうくるとはな…しかも何人かこっちからも行っちゃうし…船の中も、少し寂しくなるな…」

マルガリータ「……(リベおじの後ろに隠れる)」

リウム「…あ、そういやまだ言ってなかったな……いつ言い出そうか…(小声で独り言をボソボソと言いながら)」

ティノ「皆とバイバイしなきゃいけないんだ……寂しくなっちゃうね」

リラ「ん、リウムさんなんか言うたか…?」

リウム「あ、いや…(少し迷うように視線を泳がせてから)…実は俺も…春の皆に付いて行こうかな…って、ね(申し訳なさそうに笑って)」

ノクトン「うん、実はそうなんだ。えへへ…僕が誘ったんだけど…急でごめんね」

リベロス「マジかよリウム、聞いてねェぞ…」

リラ「うぇ、そ、そうなん!?春の子達と一緒に…!素敵やな…!」

アリス「残るみんなとバイバイだ~・・・僕も春の子達についてくっ」

マルガリータ「!…リウムも来てくれるの?」

アルク「ん、アリスお前も来んのか」

リウム「はは、当日になってから言うことになってごめん…俺も前を向かなきゃ!これは1つのけじめみたいなもん!」

リラ「み、みんな行ってまうん!?みんなとお別れは嫌やや…」

パティッツ「皆行っちゃう…ブライトロックも少しだけ、寂しくなるなの」

リラ「せやなあ…でもきっとまた一緒に歌ったり騒いだりできるはずや!」

アリス「来るよ!アルクお姉、僕が来るのいや?(耳がたれる)」

アルク「あ……いや………そういう訳じゃなくてな……すまん、お前が来るなら、賑やかになるな…って……そういう……だけだ」

アリス「(耳が立ち上がって)・・・ほんと??・・・なら良かった~っ(ほっと顔)お姉が一緒に行くのすっごい嬉し~」

ティノ「うぅ、せっかく春っ子たちとも仲良くなれたなにな…でも、またいつか会えるよね…?」

マルガリータ「…でもきっと、またみんなと騒げる…よね?」

アルク「まあ横で見てな、俺はもう誰にも頼らない、一人でしっかり歩けるくらいになるまで強くなってやるから!」

リラ「なんか、みんな見てたらどんなに遠い季節にいたって、絶対会えるような気がしてきたわ!」

クローズ「ま、その気になれば俺達はいつでも秋の世界に行けるし、きっとまた会えるさ!」

ノクトン「やっぱりお別れって、どうしても寂しいけど…僕は、またここに遊びに行きたいな…!」

リウム「永遠の別れってわけでも無いだろう?またいつか皆会えるさ!!」

パティッツ「皆との思い出は全部ここにあるなの!だからここも、故郷だと思っていつでも来てほしいなの!」

カルロッタ「アルク…逞しくなって帰ってくるんだぞ(アルクの頭に手を置き)」

アルク「!………ああ、約束する。楽しみに待っててくれな、姉御」

アリス「絶対カッコよくなって帰ってくるからね!」

カルロッタ「よ〜しよしアリス、お前がいないと寂しくなるな〜」

リウム「あぁ、船長さんにもまだ言ってなかった…(カルロッタさんに向き直り)突然ですが…俺も行くことにします、今までお世話になりました(お辞儀をして)」

カルロッタ「……え?あ、あぁ、そう…なのか。リウムも、元気でな」

アリス「あねさんーえへへ~(ニコニコしながら照れ顔で)帰ってきたらまたなでなでしてね!」

リウム「はい、…カルロッタさんもお元気で、また戻ってきます(にっこりと笑って)」

ノーテ「皆旅立つのか…寂しくなるなぁ…でもこの街は俺らが守るから安心していってこいな!」

マルガリータ「…ノーテともしばらくお別れになっちゃうね…(耳を垂らしながら)」

ノーテ「そうだな…また戻ってきたら、他の国の話沢山聞かせてくれよ!(マルガリータちゃんの頭にぽんと手を乗せて)」

マルガリータ「うん…!たくさんお土産話持って帰るね!………リベロスも一緒だから、怖くないし(ボソッ)」

リベロス「まァ、コイツの身に何かあったらお兄ちゃん御二方が恐ろしいからなァ?」

リウム「…とか言いながら1番恐ろしいのは結局アンタでしょ?なぁ、おっさん?(ニヤッと笑って)」

マルガリータ「?…リウム、どーゆーこと?」

リベロス「どうだかなァ?マルガリータは気にしなくて良いんだよ」

ノーテ「まぁ、それもそうだな…本気で心配してたら俺もついて行ってる」

マルガリータ「…?(首を傾げる)」

パティッツ 「皆ー!お別れ会として、演奏会を開きたいと思いますっなの!元気に歌って踊ろうなの〜!」

アリス「パティ姉なにそれー!!!楽しそー!!」

サンディ「ふふ、いいですね。最後にめいっぱい楽しみましょうか」

リウム「演奏会…!また聞けるのか、嬉しいなぁ…!!(嬉しそうに笑って)」

マルガリータ「音楽だって!リベロス!(袖をグイグイ引っ張る)」

ノクトン「えっ、もう一度あの賑やかな音楽が聴けるのかな…うん、聞きたい…!僕、胸に焼き付けたいよ…!」

リラ「演奏会!?やったぁ!めっちゃ楽しそう!」

クローズ「おっ!いいね〜!やっぱ最後も最高に盛り上がらないとな!」

カルロッタ「そう言うと思ってギターを持ってきたんだ。じゃあ早速歌わせてくれよ!」(ギターを掻き鳴らし、初めて会ったときに聴かせた歌を歌い出す)

リベロス「あ?何だ引っ張るなって(と言いつつ楽しそうに笑い)」

リラ「うわぁ素敵ぃ!カルロッタさん!うちも一緒に演奏してええ?(おもむろにフィドルを取り出して)」

ノーテ「やっぱり海賊といえば宴だな!皆の門出の安全を祈って!」

パティッツ「夏はまだまだ終わらないなのー!」(今日一番の笑顔で)

リウム「あはは!賑やかだなぁ!やっぱりこうでなくっちゃね!(楽しそうに笑いながら座って演奏を聴き始める)」

マルガリータ「みんなで一緒に!(フワリと踊りながら歌い始める)」

クローズ「おっしゃー!これが最後の祭りだぁぁぁーーーっ!!」

リラ「せやな!みんなで一緒に!」

アリス「踊ろうっ!♡」

アルク「…………ずりぃぞ……それ!行きたくなくなんねえ!?行くけど!(スカートの裾を開くようにくるくると回りだす)」

アリス「パティ姉~!お姉~!おどろ!!、」

パティッツ「アリスくん!もちろんなの!お相手よろしくなの♪(ニッコリ笑って)」

アリス「パティ姉のリードは任せてよっ(えっへん!っとキラキラした顔をしてから手を差し出して)さぁどうぞ?♡」

パティッツ「アリスくん頼もしいなの〜!お願いしますなの!」(差し出された手をそっと取る)

アリス「えへへ~(くるくると回ったりぎゅっと抱きついたりしながら楽しそうに踊る)パティ姉もお上手!」

パティッツ「ありがとうなの!アリスくんもとっても上手なの!それに、楽しく踊るのね!」(歩幅を合わせ活き活きと踊って)

ローフ「うっ……うぐ……もうお別れかぁ…(耳を垂らして)」

アリス「そうかな~?(ちょっとだけ照れる)ありがとーね!(パティちゃんの手をとりながら元気いっぱいに)」

リラ「大丈夫や!絶対また会えるはずやろ?寂しくなったら歌って、踊ればきっとまたひとつになれるはずやからなっ!(フィドルを弾きながら)」

ローフ「さみしくなったら、うたって、おどって…そうだな!秋の国でもそうするよ!」

リラ「せやせや!うちらが一緒に歌った歌絶対忘れちゃあかんで!(ニコッと笑って)」

ローフ「おう、秋の国でもいっぱい歌うよ!!」

リラ「うん!もし風に乗ってみんなの歌が聞こえてきたらうちらもそれに合わせて歌うからな!」

ローフ「リラぁ〜!!ぜってー忘れないからなー!」

リュミ「ローフってば、旅に出るのあんなに渋ってたのに…すっかり楽しんじゃってるね」

リラ「ローフくん!うちも忘れへんでー!」

カルロッタ「あ、リュミ。秋の国の王に会えたら、これを渡してくれないか?」

カルロッタがリュミに手渡したのは臙脂色のおしゃれな封筒に入った手紙。

リュミ「わかったわ、大切に預かる!」

ノクトン「ん…?船長さん、それは何?」

カルロッタ「あぁ、秋の王への…まぁ、お願いかな?幽霊船の襲撃がこれ以上続いたらたまったものじゃないしね」

ノクトン「そっか…!この前みたいなのが続いたら大変だもんね…これは僕達がちゃんと秋の王様に渡さなきゃ、だね…!(決心したように)」

アリス「お手紙なんて書いてあるの?」

カルロッタ「ええと…秋の国の王へ、私達はあなたたちと仲良くしたいと願っています、襲撃をやめていただけますか、ブライトロックの海賊の長カルロッタ・ベアトリーチェより…」

ノア「(おずおずとカルロッタさんの元へ進み)あ、あの……ちょっと気になったんですけど、幽霊船の襲撃って、昔からずっとなんですか?」

カルロッタ「……いや、最近…だな。三月前、そのくらいか?」

ノア「最近……そうですか、ありがとうございます…(少し微笑んで)」

リュミ「みんなー!そろそろ出発するわよ!」

リウム「…!そっか…うん、行かなくちゃね……!(立ち上がり)皆に…あいつに…サヨナラしないと…(少し悲しそうに呟きながら)」

サンディ「ふふ、またお会いましょうね、土産話楽しみにしてます」

ノクトン「あれっ…もうそんな時間?お別れの時までここは賑やかで楽しくて…時間を忘れちゃったようだよ…(どこか悲しそうに笑いながら)」

アルク「………なんか、やっぱり寂しいな…でも帰ってくるとき楽しみにしてるから…だから、宜しくやっててな!頼んだぞ!」

リュミ「お手紙、しっかり預かったわ!」

バソル「...みんな行っちゃうんだな...リウムも、マルガリータも...みんな...これでお酒、飲み放題だな(少し泣きそうになりながら)」

カラリェーヴァ「えっと…皆様と過ごした時間はとても幸福で…楽しかったですわ…!…また会える日を楽しみにしておりますわ!(少し照れたように笑いながら)」

リュミ「……あぁ、カルロッタ、一つ聞きたいことがあるの。ねぇ、私と似た格好のウサギの女の子がここに来たことはないかしら?」

アルク「ま〜た……バソルお前は…姉御の手ェ煩わせんなよ?」

クローズ「…はあ…よしっ!みんながいない間、此処は俺達が守るから…だから…(少し寂しそうな顔をするがすぐに笑顔にして)絶対絶対、また会おうな!!!」

ノア「(誰ともなしに)…別れは悲しいけど、きっとまたここに戻ってくるんだから、サヨナラじゃなくて、またね、なんじゃないかな……」

ローフ「おう、またね、だな!!(手を大きく振りながら船に乗り込み)」

カルロッタ「……いや、そんな格好のやつはお前たちが初めてだな。力になれなくてすまん…」

バソル「心配すんなって!みんなの分まで酒を飲ん...じゃなくて、頑張るからさ。安心して行ってこいって」

リウム「…折角センチメンタルな気分になってた所を…(大きくため息をつき)…!(ノアくんの言葉を聞いて一瞬震え)…あぁ、うん……そうだね…また、ね!(満面の笑みを浮かべ)」

カラリェーヴァ「(口に手を当てながら)うふふっ、本当に楽しい人達ですわね…!……またね!…ですわ!(手を胸の辺りで左右に軽く振りながら)」

アルク「……ったぁく…帰ってきたら姉御に迷惑かけてたか真っ先に聞くからな、頼むぞ!」

バソル「わかってるって!それじゃ......またな!かっこよくなって帰ってこいよ!!(手を振る)」

アリス「ばいばーいっ!!」

ノクトン「またね…か、うん…いい言葉!みんな…またね…!(とびきりの笑顔を見せた後、行こうとしながら)
…じゃあ…お姉ちゃん、ノア、行こっか…!(手を振り)」

アルク「おまえが一喝でぶっ倒れるぐらい強くなってやんよ!」

アリス「ばそるー!!帰ってきたらまた一緒につまみ食いしよ!ばいばいっ!」

リウム「あぁ、もちろん!またね!!(大声で手を振ってから乗り込もうとするがふと立ち止まり海を見て)……じゃあね…アンス(誰にも聞こえないくらいの小声で呟く)」

バソル「おう!アリス!酒たくさん飲めるようになれよ!」

ノア「(一瞬驚いた表情をした後、とても嬉しそうに)……うん、にいちゃん、ねえちゃん!!」

リュミ「皆乗ったわねー?それじゃあ、また会いましょう!!パステルドロップ号、全速前進!」

夕焼けに染まる水平線へと遠くなっていく、みんなの想いを載せた小さな船。
見送る海賊団の仲間たち。
カルロッタが「……帰ろうか」と呟いたのを皮切りに、一人また一人、静かな市場へと消えていきました。




暗い暗い、僅かな蝋燭の明かりが照らす、長い廊下。

大仰な玉座に座り眠るのは、小柄な兎の少女。

「……ねぇ、女王様!」
「なぁに…?私は眠ってたの」
「あァ、ごめんナさい!でもほら、見てクダサい女王様!お船が来マす!幽霊船じゃない…」

「…あら、本当」
「新しいオトモダチですかね?仲良しになれるといいナァ…♡」

暗がりに光るは4対の双眸。
静かな城に響くは、無機質な足音だけ。

-PastelDropProject Halloween-
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