第3章~太陽の歌声に誘われて~
今日も夏の国を満喫する春の仲間たち。
海はとっても広くて深くて青くて、水色の笑い声が響きます。
リュミ「この国はいつもこんなにお天気がいいのね!空が海とおんなじくらい青いわ!」
ラディ「海がどこまでか、空がどこまでか分からないな!すげぇ!」
ノクトン「うん、こんなに沢山お水があったら、飲むものには困らないね〜!」
フェリーエ「ここは気温が高くて暑いけど、海風が気持ち良くて丁度いいなぁ」
リウム「皆気に入ってくれたみたいで嬉しいよ、存分に楽しんでいってね!」
ラディ「俺、喉乾いた!海の水って美味しいのかな?」
マルガリータ(海水は飲めないと思うの…)
ノア「え…海水飲むの……?」
ノーテ「飲むのはおすすめしないぞ〜、試しに舐めてみるといいぜ」
アリス「ラディ、そのお水は飲めないよ!?」
フェリーエ「飲まない方がいいと思うよ…?しょっぱいとか本に書いてあったし」
ラディ「そうなのか?んー、じゃあ舐めてみる!」
ラディ「しょっぱいのか!?」
ノクトン「じゃあ、僕も〜!(海水を掬おうとする)」
リウム「まぁ…飲むための水じゃあ無いからね…舐めてみるのも経験かもね?」
アリス「めっちゃしょっぱそう・・・」
ノア「や、やめません?ノクトンさん、ラディくん……?」
リラ「飲むん!?海水は美味しくないで!?」
ラディ「(少し海水を手に取り舐め)うわっ!!しょっぱいっ!!なんだこれ!」
リベロス「おうおう、好奇心旺盛なのはいい事だなァ」
クローズ「まあ…飲もうと思えば飲めなくはないけどな…」
ノクトン「(ちょっと舐めて)わっ!予想以上にしょっぱかった…」
ラディ「なんで海の水はしょっぱいんだ??」
パティッツ 「海は飲むためじゃないの…(困惑)」
アリス「誰かがお塩をたくさん入れたのかなぁ」
ラディ「不思議だな…飲めない水かぁ…それにしても、余計に喉乾いたな…」
リラ「たしかに、なんでしょっぱいんやろ…」
クローズ「神さまのイタズラなんじゃねえか?…なんてな!冗談だよ!」
リラ「あ、お水とジュースなら用意してあるで!よかったら飲みぃ!」
マルガリータ「喉が渇いたなら…リラちゃんと一緒にシトラスウォーター作ったんだけど…(オドオド)」
アルク「塩っぱいしな、その上目を開けて浸けると染みるぞ。まあそれに耐えてこそ海賊、って感じだな」
アリス「ぼくジュース飲むー!リラありがとう!(にこにこ)」
ラディ「おー!ありがとうな!」
ラディ「目に染みるのか…でもなんか、いいかもな!」
リウム「陸にある岩石が川によって削られて、その中にある塩が海に流れ込んでしょっぱくなってるらしいけどね…」
ラディ「おー!リウムは物知りだな!」
リラ「リウムさんめっちゃ物知りやな…!」
リュミ「しとらすうぉーたー?初めて聞く飲み物!飲みたいわ!」
ノクトン「へぇ〜!そんなことどの本にも書かれてなかったよ、リウムくんは博識だね…!」
アリス「リウムさっすが!!!」
リウム「いやいや…ちょっと本とかで読んだだけだよ……別に特別物知りってわけじゃないさ」
フェリーエ「まだまだボクたちも知らない事ばかりだなぁ…」
リウム「あぁ、僕もシトラスウォーター貰おうかな?」
ラディ「でも、俺なんか見ても忘れちゃったりするし、リウムはすごいと思うな!」
リラ「マルガリータちゃんの作るシトラスウォーター、甘酸っぱくてめっちゃ美味しくんやで!」
クローズ「でも、俺たちみんな知らなかったからやっぱすごいぜリウム!海がなぜしょっぱいかなんて気にもとめてなかったからな…」
パティッツ 「シトラスウォーター!マルガリータちゃん、オレンジフレーバーあるなの?」
アリス「リウムはすごいよー!何でも知ってるもん!!」
リベロス「あー、俺も喉乾いてんだ、飲みモン貰えるかァ?」
ノクトン「シトラスウォーター?また知らない言葉だ…あっ僕にも飲ませて〜!」
マルガリータ「今朝からオレンジやレモンを漬けておいたの!オレンジだけのもあるからみんなで飲んで?」
ノア「あ…僕も貰えますか?飲んでみたいです…!」
ラディ「なんか、分からないけど美味しそうだな!俺も貰ってもいいか?」
ノーテ「こうも暑いと喉が乾くな、俺も飲み物貰おうかな」
リウム「有難いけど、皆興味さえ持てば僕よりもずっといっぱい知識は持てるはずだよ?ん、飲み物配るなら手伝うよー」
アルク「…………俺も……………よし貰おう。マルガリータお嬢がせっかく作ったんだから……」
アリス「甘いの飲みたい〜〜」
アリス「お嬢のおすすめくーださいっ!♡」
リラ「わ、リウムさんお手伝いありがとうな〜!」
クローズ「じゃ、俺もちょーだい!」
マルガリータ「みんな分あるから慌てなくていいのよ?ふふっ♪」
パティッツ 「今日は暑いから、ピッタリね!マルガリータちゃんありがとなの!早速頂くわ!」
リウム「作ってもらったのに何もしないなんて薄情ことはしないさ、皆どうぞー」
カルロッタ「お、浜辺にみんないるな〜!早速春の奴らと遊んでるのかい?」
リウム「団長さん!おはようございますー団長さんもどうですか?マリーとリラさんが作ってくれたんですよー」(シトラスウォーターを差し出しながら)
パティッツ 「船長!そうなのよ!みんなでお話するのとっても楽しいの〜!」
アルク「あ、姉御!春の奴らがよ、海水飲みたいだとか言ってたんだぜ〜!」
カルロッタ「お、シトラスウォーター!ありがとう、頂くよ。……海水を?はは、相当塩辛いぞ」
ノクトン「船長さん…!あはは、実際すごいしょっぱかったよ…(舌を少し出して)」
すっかり友達になった夏の国の仲間たちと遊んで回るうちに、リュミが水平線を眺めてあることに気が付きました。
リュミ「あ、カルロッタ、あれも海賊船?」
ラディ「海賊って沢山いるのか?」
キャンティー「わ〜みんな楽しそうね〜!(瓶と手紙を持って海の方に歩きながらにっこりと笑う)」
ノクトン「ん…?他にも船があるの〜?」
ノア「船…?」
アリス「何あれ?・・・こわい船・・・」
サンディ「おや ?あれは……」
キャンティー「ふね?どこどこ〜?」
リウム「…こんな時間に船なんて出る予定あったかな…」
クローズ「姐御、どうする?こっちも船を出すか?」
カルロッタ「……あぁ、あれは……まずいな。春から来た奴ら、お前たちは船に戻ったほうがいいぞ。あれは__幽霊船だ。」
マルガリータ「ゆ、幽霊船…って…」
クローズ「またか…」
リラ「幽霊船…!?幽霊ってほんまにおったん…?めっちゃこわいわぁ…」
リベロス「ッあー、くそ、面倒だな」
キャンティー「ゆうれいせん!それってこわいふねのことだよね…」
ノクトン「幽…霊船?危険なの?」
ラディ「ゆうれいせん…?やばいのか?」
キャンティー「おばけがのってるふねのことよ〜」
リウム「やっぱりですか……春の方々は団長さんに言われた通り中に入りましょう、関わるのはやめた方がいい…」
ラディ「お化けも海を旅するのか?」
リュミ「……確かになんか…黒いわね」
フェリーエ「本物なのかい?幻じゃなくて?」
リラ「と、とりあえず中に入ってれば安心…なんよね?」
パティッツ 「幽霊船、前にも見たの…」
ラディ「入った方がいいって言うくらいだし、中に入ろうぜ?」
キャンティー「それはわからない…のったことないから…」
ノクトン「おばけ……それって、もしかして…悪魔とかそういう…?」
ノア「なんだか不穏な空気…ひとまず中に戻りましょうか…?」
リラ「っていうか、海賊さん達みんな幽霊船にあったことあるん!?なんだかすごいわぁ…」
アリス「ぼく怖くないもん・・・」
カルロッタ「……『あれ』がが来るな。戦える奴は準備をしろよ」
リベロス「船長の言う通りにした方がいい…万が一春の奴らに何かあれば、この海賊団の顔に泥を塗るも同然だろ」
リウム「幽霊…とは限らないかな…?!アリスも…春の子達と一緒にいてあげて?安心させてあげてね、ほら」
サンディ「ほら、駄弁ってないで春の子は避難ですよ。お前達に何かあったら大変です」
その真っ黒な船の影が近づくにつれて、暗雲が立ち込め、海の水がぐにゃりと意思を持つかのように盛り上がり、浜辺にいる彼らに襲い掛かってきました__
ノーテ「春の奴らはここに来たばかりで不安だろうが大丈夫だぞ、海のことは俺らに任せな」
パティッツ 「戦えるもの…ふ、フライパン…!?」
リラ「戦うん!?とりあえず応急処置の用意しとくわ!」
リウム「了解しました、準備をしておきましょう」
[実態は水なので簡単に倒せますが、倒しても倒しても次々に現れるようです]
アルク「ハ………大丈夫だ、穏やかじゃないけど、これを退けてこその正義の海賊……だからな……(顔が引きつる)」
キャンティー「りょ〜かいです(近くに置いてあったナイフを手に持つ)」
リラ「みんな勇気あるんやなぁ…うちもしっかりせんと…!」
クローズ「了解!姐御!船が必要なら言ってくれ!(とりあえず身構えて)」
リウム「もう来ましたか…!戦えない人達は避難して下さ…いっと!!!」(懐から出した短剣で応戦を始める)
ノクトン「ぼ、僕達は中に戻ればいいんだよね…海賊さん、ありがとう…!」
キャンティー「これもおばけなのかな…わからないけどこわいのはやだなの!」
リラ「うん、春の子達は早く避難しい!海賊さん達はみんな強いんやから!」
アリス「皆だいじょぶだよ!!落ち着いて・・・」
ノア「……!なんだかヤバそうだね…!!」
リベロス「のんびりしてんじゃねェぞ!耳塞いでなァ!」(銃を撃ちながら)
ローフ「水が動いてる…海に意思があるみたいだ…」
リラ「かなりヤバそうやね…なにか一発で倒せるような武器があれば…」
(銃を構えて皆の前に立ち水を蹴散らしながら)
「倒しても倒してもキリがないな!」
マルガリータ「(春の子たちに)大丈夫…私がみんなを守るから…」
アルク「やるのか!?チッ……素手で退けられっかどうか…」
リラ「もし万が一ケガしちゃった子がおったらうちが治したるからな!」
パティッツ 「うっ…来ないでほしいの…(泣きながらフライパンを前に構える)」
リウム「…ッ!!これ水で出来てるから攻撃が効かないのか…どうする…」
クローズ「クソっ!これじゃあいつまでもつかわからねえ!(目の前の敵を殴りながら)」
カルロッタ「ッ……皆、大丈夫か…?(水を蹴り飛ばしながら)」
リベロス「こりゃあ体力勝負になりそうだな…ッ!」
リュミ「……たいへん、海がお化けみたいに…あたしたちに何かできることは…」
キャンティー「え、えいっ!えい!(水を切っているが次々と現れてくる)わわ!きってもきってもでてくる!」
カルロッタ「くっ、あの船を沈めないとキリがないな……あっそうだ、春の奴らが船にいる……そうだ、大砲を!!おーい、リュミ!!」
リュミ「どうしたの、カルロッタ!!(停泊している船の甲板から手を振って)」
リラ「わ、大砲…!?大砲使うん…!?」
カルロッタ「リュミ!!そこの紐を思いっきり引っ張ってくれ!耳は塞げよ!」
リュミ「……この、この紐を?うっ、重い!みんな手伝って!」
リウム「…!大砲ですか、なら離れたほうが賢明ですね…っと!皆さん!大砲来ますよ!!」(大声を張り上げて)
ノクトン「この紐を引けばいいんだね?僕、力には自信があるよ…!(手伝おうとして)」
ラディ「俺も手伝うよ!」
フェリーエ「ボクも、少しでも力になれるなら…!」
キャンティー「どーんのやつするの?わかった〜!(その場から離れる)」
リラ「うちも手伝うわ!めっちゃ大きい音するから気をつけてな!」
クローズ「そうか、大砲!リュミ!俺も手伝う!」
ノア「僕も…が、頑張ってはみるけど……!!」
マルガリータ「わ、私も…!」
ローフ「大砲…こんなの触ったことねぇよ…まぁ手伝うけどさ」
アルク「チッ…俺も手伝う、ちゃんと耳塞いどくんだぞ!?」
リュミ「よーし、みんな行くわよっ!せーっの!」
パティッツ 「あ、ああ足止めしないとなの…!(怖さで焦りつつ)」
アリス「ぼくも手伝う!」
クローズ「せーの!いけー!(一緒に紐を引く)」
ラディ「いっけー!!(紐を引き)」
ノクトン「うぉー!!(一緒に紐を引き)」
ノア「う、んん……!!(紐を引き)」
春の仲間たちが協力して撃ち放った砲弾は、真っ黒な船に命中しました。
幽霊船は黒い煙になり、沈む間もなくふわりと灰色の空へ溶けていきます。
カルロッタ「お、当たったな…!助かった…」
ラディ「助かった、のか?」
パティッツ「助かった…なの?」
リウム「ふぁ…今回しつこかったですね…とりあえずはこれで大丈夫…かな?」
キャンティー「よかった〜…」
リベロス「っはぁ……ひとまず終わったな…」
ノクトン「これでいなくなった、よね…ふぁ、良かった…!」
クローズ「ふぃ〜…とりあえずこれで!あ、みんな、耳大丈夫か?」
ラディ「安心したぁ」
ノア「っはあ…!!なんとか…なった……?」
サンディ「……怪我は、ありませんか…?」
ノーテ「はぁ、はぁ…船にいた子らのおかけだな!ありがとうな!」
マルガリータ「よ、よかったぁ…(戦った夏っ子たちに)大丈夫?怪我はない…?」
フェリーエ「ふぅ…何か、安心して全身の力が抜けそうだよ……」
カルロッタ「あたしは全然平気だ、春の奴らは何事もないか…?」
ノクトン「船長さんが的確な指示を出してくれたおかけだよ、うん、何ともない!」
リウム「皆のおかげだよ、ありがとうね!怪我とか…ないようなら良かった…」
クローズ「俺も大丈夫だ!みんな…も大丈夫かな?特に耳!」
リュミ「大っきい音だったぁ……でも空もまた晴れてきたわ!」
ローフ「あの船、沈まずに霧みたいに消えてったな…」
リラ「幽霊船…とっても不気味だったわぁ…」
パティッツ「本当ね!真っ青な空に戻っているわ!」
ノクトン「夏にも怖いのがいるんだね……こういうことは良くあるのかな」
クローズ「ま、いつものだから気にしなくていいさ!よし、空も明るくなったし、よかった…」
リウム「また来るようなことがなければいいんだけど…来るかな…やっぱり……」
ラディ「沈まなかったってことは、また来るかもしれないのか…?」
リュミ「あの船はどこから来たの…?」
カルロッタ「……秋の国だ。時折こんなふうに襲い掛かってくる。前はこんなことなかったのに、どうしたものか…」
マルガリータ「秋の…国?」
ノア「秋……ですか」
カルロッタ「あそこに…目のいいやつなら多分海の向こうに小さく見えるだろう?島みたいなところだ」
ラディ「あそこが、秋…」
フェリーエ「んー…?本当だ、微かに見えるよ」
ノクトン「秋…!僕、ノアくんから聞いたことあるよ…!恐ろしいところなんだよね…」
パティッツ 「まだ他の季節があるなの…?」
キャンティー「あきのくに…」
クローズ「お前ら旅してるなら次に行くのはあそこか?…正直、あそこは物好きでない限り行かない方がいいぜ」
カルロッタ「……実は前、あたしと先代の海賊団のリーダーたちで一緒に、幽霊船を送り込むのをやめてくれって頼みに行ったんだ。でも、着いた瞬間白いウサギみたいな、黒いマントの奴に追い返されて…」
リウム「…僕には見えないけど、前は賑やかな国だったとは聞いてるけど……そうは思えないね」
リベロス「春の国と秋の国は互いに反対側に位置してるからな……ここは距離がそんな遠くねェからこういう事が起きるが、春には何の影響もねェだろう」
アルク「まあいつも物騒なこと考えてんだよ、秋の奴らは嫌な奴らだ」
ラディ「興味は、あるけど怖いな…」
リュミ「あたしたちは新しい季節を探しに来たのよ!当然秋にもいかなくちゃ!」
リウム「でもそうなったのにも理由はあるだろうし…皆が皆悪い人達ってわけじゃなさそうだけど…団長さんが会った人とかが怪しいよね……」
ノクトン「白いウサギで…黒いマント…」
パティッツ「それは怖いの…春の皆はそこにも行くつもりなの?(心配そうに)」
マルガリータ「旅をするのはいいけど…怪我とかしたら心配…また襲ってくるかもしれないし」
キャンティー「こわいところみたいだけどちょっときになる…わたしのおてがみだれかがとっててくれたりして…」
リベロス「お嬢ちゃん正気か…?今見て分かっただろうが、秋の国は今は物騒な所だ。近付くのはやめとけって」
リラ「ほんまに秋に行くん…?大丈夫なん?」
リウム「…行くのか…(少し目を細めて)、やめた方がいいとは思うよ……?」
リュミ「新しい季節に行かなきゃならない理由があるの!ここで立ち止まってちゃいられないわっ」
ノクトン「うーん…もし秋に悪魔がいるなら…僕は言いたいことがある、から(決心をつけ)」
ウルス「ほぉ…?秋の国……話は途中から聞かせて
泳いでたらドンドンばんばん聞こえるモンだから急いで戻ってくりゃ エラい事になってたみたてぇたなぁ」
パティッツ 「リュミちゃんは強いのね
フェリーエ「リュミ……気持ちは分かる、けど、かなり危ないと思うよ…?」
ノーテ「どうしても行くみたいだな…十分気をつけて行くんだぞ…?」
ノア「……あくま………と、とりあえず白いウサギには気をつけるべきですね…!!」
ラディ「そうだな、白いうさぎ…」
キャンティー「わたしこわいけどいってみたい!」
ローフ「白いウサギな…変な目には逢いたくないから覚えておかなくちゃ…」
リウム「…対策とかしていった方がいいよね…まぁでもとりあえずはここにしばらくいるんでしょ?ここでゆっくり考えればいいよ」
リュミ「なんなら旅に一緒についてきてもいいのよ?」
ローフ「そうだな、しばらくはここを楽しんでくよ、せっかくみんなと友達になれたしな!」
ノクトン「うんうん、リュミちゃんの言う通りだよ、人数は多い方が楽しいし…!」
アリス「秋の国はなんてこんなことするんだろ〜・・・」
キャンティー「いいの〜?(ぱっと笑顔になる)」
パティッツ 「一緒に行けたら確かに楽しい旅になりそうなの!でもパティは大切な場所はここだから…だから、旅のお話聞かせて欲しいの!」
マルガリータ「い、一緒に…?どうしよう…」
カルロッタ「一緒に行くのもいいと思うぞ。あたしはブライトロックを護らなきゃだから、行けないけど…」
リベロス「ついてって良いなら俺は行くぜ。元々は旅人だからなァ」
ラディ「みんなで行けるなら、心強いし楽しそうだな!」
サンディ「私は残りましょうかねぇ。旅をするには年を取りすぎましたし、後は若者に任せますよ」
ノーテ「外の世界に興味はあるが、俺の家はここだから一緒には行けなさそうだ」
マルガリータ「!…おじさん行っちゃうなら…私も行く!」
リウム「うーん、折角だけど…僕は残ろうかな…海が恋しくなっちゃいそうだ」(少し目を伏せながら)
クローズ「俺は…正直行きたいけど、まだ姐御には恩を返しきれてない…それに、俺も俺たちの居場所を、護っていきたいしな…」
アルク「俺は……いや、俺も行く。姉御に頼りすぎたかもしれんからな、本当の海賊になって…強くなって帰ってくる」
アリス「うーん・・・」
マルガリータ「…アリスくん、悩んでるの?」
パティッツ 「今すぐに答えを出さなくても、まだ居るのよねリュミ?悩んでいても良いと思うの」
アリス「・・・ラディ達についてってみたいけど〜・・・」
アリス「まだ悩んどく・・・」
リュミ「もっとこの国を見て回りたいし…まだ居るから、思う存分悩んで!」
秋の国からの刺客に襲われるも、協力でなんとか切り抜けた一行。
あの闇に包まれた国にも、恐れず立ち向かうことを決めたリュミに、段々と国の外の世界に惹かれだす夏の仲間たち。
駆け足で周り出す僕達の夏は、まだまだこれから。
海はとっても広くて深くて青くて、水色の笑い声が響きます。
リュミ「この国はいつもこんなにお天気がいいのね!空が海とおんなじくらい青いわ!」
ラディ「海がどこまでか、空がどこまでか分からないな!すげぇ!」
ノクトン「うん、こんなに沢山お水があったら、飲むものには困らないね〜!」
フェリーエ「ここは気温が高くて暑いけど、海風が気持ち良くて丁度いいなぁ」
リウム「皆気に入ってくれたみたいで嬉しいよ、存分に楽しんでいってね!」
ラディ「俺、喉乾いた!海の水って美味しいのかな?」
マルガリータ(海水は飲めないと思うの…)
ノア「え…海水飲むの……?」
ノーテ「飲むのはおすすめしないぞ〜、試しに舐めてみるといいぜ」
アリス「ラディ、そのお水は飲めないよ!?」
フェリーエ「飲まない方がいいと思うよ…?しょっぱいとか本に書いてあったし」
ラディ「そうなのか?んー、じゃあ舐めてみる!」
ラディ「しょっぱいのか!?」
ノクトン「じゃあ、僕も〜!(海水を掬おうとする)」
リウム「まぁ…飲むための水じゃあ無いからね…舐めてみるのも経験かもね?」
アリス「めっちゃしょっぱそう・・・」
ノア「や、やめません?ノクトンさん、ラディくん……?」
リラ「飲むん!?海水は美味しくないで!?」
ラディ「(少し海水を手に取り舐め)うわっ!!しょっぱいっ!!なんだこれ!」
リベロス「おうおう、好奇心旺盛なのはいい事だなァ」
クローズ「まあ…飲もうと思えば飲めなくはないけどな…」
ノクトン「(ちょっと舐めて)わっ!予想以上にしょっぱかった…」
ラディ「なんで海の水はしょっぱいんだ??」
パティッツ 「海は飲むためじゃないの…(困惑)」
アリス「誰かがお塩をたくさん入れたのかなぁ」
ラディ「不思議だな…飲めない水かぁ…それにしても、余計に喉乾いたな…」
リラ「たしかに、なんでしょっぱいんやろ…」
クローズ「神さまのイタズラなんじゃねえか?…なんてな!冗談だよ!」
リラ「あ、お水とジュースなら用意してあるで!よかったら飲みぃ!」
マルガリータ「喉が渇いたなら…リラちゃんと一緒にシトラスウォーター作ったんだけど…(オドオド)」
アルク「塩っぱいしな、その上目を開けて浸けると染みるぞ。まあそれに耐えてこそ海賊、って感じだな」
アリス「ぼくジュース飲むー!リラありがとう!(にこにこ)」
ラディ「おー!ありがとうな!」
ラディ「目に染みるのか…でもなんか、いいかもな!」
リウム「陸にある岩石が川によって削られて、その中にある塩が海に流れ込んでしょっぱくなってるらしいけどね…」
ラディ「おー!リウムは物知りだな!」
リラ「リウムさんめっちゃ物知りやな…!」
リュミ「しとらすうぉーたー?初めて聞く飲み物!飲みたいわ!」
ノクトン「へぇ〜!そんなことどの本にも書かれてなかったよ、リウムくんは博識だね…!」
アリス「リウムさっすが!!!」
リウム「いやいや…ちょっと本とかで読んだだけだよ……別に特別物知りってわけじゃないさ」
フェリーエ「まだまだボクたちも知らない事ばかりだなぁ…」
リウム「あぁ、僕もシトラスウォーター貰おうかな?」
ラディ「でも、俺なんか見ても忘れちゃったりするし、リウムはすごいと思うな!」
リラ「マルガリータちゃんの作るシトラスウォーター、甘酸っぱくてめっちゃ美味しくんやで!」
クローズ「でも、俺たちみんな知らなかったからやっぱすごいぜリウム!海がなぜしょっぱいかなんて気にもとめてなかったからな…」
パティッツ 「シトラスウォーター!マルガリータちゃん、オレンジフレーバーあるなの?」
アリス「リウムはすごいよー!何でも知ってるもん!!」
リベロス「あー、俺も喉乾いてんだ、飲みモン貰えるかァ?」
ノクトン「シトラスウォーター?また知らない言葉だ…あっ僕にも飲ませて〜!」
マルガリータ「今朝からオレンジやレモンを漬けておいたの!オレンジだけのもあるからみんなで飲んで?」
ノア「あ…僕も貰えますか?飲んでみたいです…!」
ラディ「なんか、分からないけど美味しそうだな!俺も貰ってもいいか?」
ノーテ「こうも暑いと喉が乾くな、俺も飲み物貰おうかな」
リウム「有難いけど、皆興味さえ持てば僕よりもずっといっぱい知識は持てるはずだよ?ん、飲み物配るなら手伝うよー」
アルク「…………俺も……………よし貰おう。マルガリータお嬢がせっかく作ったんだから……」
アリス「甘いの飲みたい〜〜」
アリス「お嬢のおすすめくーださいっ!♡」
リラ「わ、リウムさんお手伝いありがとうな〜!」
クローズ「じゃ、俺もちょーだい!」
マルガリータ「みんな分あるから慌てなくていいのよ?ふふっ♪」
パティッツ 「今日は暑いから、ピッタリね!マルガリータちゃんありがとなの!早速頂くわ!」
リウム「作ってもらったのに何もしないなんて薄情ことはしないさ、皆どうぞー」
カルロッタ「お、浜辺にみんないるな〜!早速春の奴らと遊んでるのかい?」
リウム「団長さん!おはようございますー団長さんもどうですか?マリーとリラさんが作ってくれたんですよー」(シトラスウォーターを差し出しながら)
パティッツ 「船長!そうなのよ!みんなでお話するのとっても楽しいの〜!」
アルク「あ、姉御!春の奴らがよ、海水飲みたいだとか言ってたんだぜ〜!」
カルロッタ「お、シトラスウォーター!ありがとう、頂くよ。……海水を?はは、相当塩辛いぞ」
ノクトン「船長さん…!あはは、実際すごいしょっぱかったよ…(舌を少し出して)」
すっかり友達になった夏の国の仲間たちと遊んで回るうちに、リュミが水平線を眺めてあることに気が付きました。
リュミ「あ、カルロッタ、あれも海賊船?」
ラディ「海賊って沢山いるのか?」
キャンティー「わ〜みんな楽しそうね〜!(瓶と手紙を持って海の方に歩きながらにっこりと笑う)」
ノクトン「ん…?他にも船があるの〜?」
ノア「船…?」
アリス「何あれ?・・・こわい船・・・」
サンディ「おや ?あれは……」
キャンティー「ふね?どこどこ〜?」
リウム「…こんな時間に船なんて出る予定あったかな…」
クローズ「姐御、どうする?こっちも船を出すか?」
カルロッタ「……あぁ、あれは……まずいな。春から来た奴ら、お前たちは船に戻ったほうがいいぞ。あれは__幽霊船だ。」
マルガリータ「ゆ、幽霊船…って…」
クローズ「またか…」
リラ「幽霊船…!?幽霊ってほんまにおったん…?めっちゃこわいわぁ…」
リベロス「ッあー、くそ、面倒だな」
キャンティー「ゆうれいせん!それってこわいふねのことだよね…」
ノクトン「幽…霊船?危険なの?」
ラディ「ゆうれいせん…?やばいのか?」
キャンティー「おばけがのってるふねのことよ〜」
リウム「やっぱりですか……春の方々は団長さんに言われた通り中に入りましょう、関わるのはやめた方がいい…」
ラディ「お化けも海を旅するのか?」
リュミ「……確かになんか…黒いわね」
フェリーエ「本物なのかい?幻じゃなくて?」
リラ「と、とりあえず中に入ってれば安心…なんよね?」
パティッツ 「幽霊船、前にも見たの…」
ラディ「入った方がいいって言うくらいだし、中に入ろうぜ?」
キャンティー「それはわからない…のったことないから…」
ノクトン「おばけ……それって、もしかして…悪魔とかそういう…?」
ノア「なんだか不穏な空気…ひとまず中に戻りましょうか…?」
リラ「っていうか、海賊さん達みんな幽霊船にあったことあるん!?なんだかすごいわぁ…」
アリス「ぼく怖くないもん・・・」
カルロッタ「……『あれ』がが来るな。戦える奴は準備をしろよ」
リベロス「船長の言う通りにした方がいい…万が一春の奴らに何かあれば、この海賊団の顔に泥を塗るも同然だろ」
リウム「幽霊…とは限らないかな…?!アリスも…春の子達と一緒にいてあげて?安心させてあげてね、ほら」
サンディ「ほら、駄弁ってないで春の子は避難ですよ。お前達に何かあったら大変です」
その真っ黒な船の影が近づくにつれて、暗雲が立ち込め、海の水がぐにゃりと意思を持つかのように盛り上がり、浜辺にいる彼らに襲い掛かってきました__
ノーテ「春の奴らはここに来たばかりで不安だろうが大丈夫だぞ、海のことは俺らに任せな」
パティッツ 「戦えるもの…ふ、フライパン…!?」
リラ「戦うん!?とりあえず応急処置の用意しとくわ!」
リウム「了解しました、準備をしておきましょう」
[実態は水なので簡単に倒せますが、倒しても倒しても次々に現れるようです]
アルク「ハ………大丈夫だ、穏やかじゃないけど、これを退けてこその正義の海賊……だからな……(顔が引きつる)」
キャンティー「りょ〜かいです(近くに置いてあったナイフを手に持つ)」
リラ「みんな勇気あるんやなぁ…うちもしっかりせんと…!」
クローズ「了解!姐御!船が必要なら言ってくれ!(とりあえず身構えて)」
リウム「もう来ましたか…!戦えない人達は避難して下さ…いっと!!!」(懐から出した短剣で応戦を始める)
ノクトン「ぼ、僕達は中に戻ればいいんだよね…海賊さん、ありがとう…!」
キャンティー「これもおばけなのかな…わからないけどこわいのはやだなの!」
リラ「うん、春の子達は早く避難しい!海賊さん達はみんな強いんやから!」
アリス「皆だいじょぶだよ!!落ち着いて・・・」
ノア「……!なんだかヤバそうだね…!!」
リベロス「のんびりしてんじゃねェぞ!耳塞いでなァ!」(銃を撃ちながら)
ローフ「水が動いてる…海に意思があるみたいだ…」
リラ「かなりヤバそうやね…なにか一発で倒せるような武器があれば…」
(銃を構えて皆の前に立ち水を蹴散らしながら)
「倒しても倒してもキリがないな!」
マルガリータ「(春の子たちに)大丈夫…私がみんなを守るから…」
アルク「やるのか!?チッ……素手で退けられっかどうか…」
リラ「もし万が一ケガしちゃった子がおったらうちが治したるからな!」
パティッツ 「うっ…来ないでほしいの…(泣きながらフライパンを前に構える)」
リウム「…ッ!!これ水で出来てるから攻撃が効かないのか…どうする…」
クローズ「クソっ!これじゃあいつまでもつかわからねえ!(目の前の敵を殴りながら)」
カルロッタ「ッ……皆、大丈夫か…?(水を蹴り飛ばしながら)」
リベロス「こりゃあ体力勝負になりそうだな…ッ!」
リュミ「……たいへん、海がお化けみたいに…あたしたちに何かできることは…」
キャンティー「え、えいっ!えい!(水を切っているが次々と現れてくる)わわ!きってもきってもでてくる!」
カルロッタ「くっ、あの船を沈めないとキリがないな……あっそうだ、春の奴らが船にいる……そうだ、大砲を!!おーい、リュミ!!」
リュミ「どうしたの、カルロッタ!!(停泊している船の甲板から手を振って)」
リラ「わ、大砲…!?大砲使うん…!?」
カルロッタ「リュミ!!そこの紐を思いっきり引っ張ってくれ!耳は塞げよ!」
リュミ「……この、この紐を?うっ、重い!みんな手伝って!」
リウム「…!大砲ですか、なら離れたほうが賢明ですね…っと!皆さん!大砲来ますよ!!」(大声を張り上げて)
ノクトン「この紐を引けばいいんだね?僕、力には自信があるよ…!(手伝おうとして)」
ラディ「俺も手伝うよ!」
フェリーエ「ボクも、少しでも力になれるなら…!」
キャンティー「どーんのやつするの?わかった〜!(その場から離れる)」
リラ「うちも手伝うわ!めっちゃ大きい音するから気をつけてな!」
クローズ「そうか、大砲!リュミ!俺も手伝う!」
ノア「僕も…が、頑張ってはみるけど……!!」
マルガリータ「わ、私も…!」
ローフ「大砲…こんなの触ったことねぇよ…まぁ手伝うけどさ」
アルク「チッ…俺も手伝う、ちゃんと耳塞いどくんだぞ!?」
リュミ「よーし、みんな行くわよっ!せーっの!」
パティッツ 「あ、ああ足止めしないとなの…!(怖さで焦りつつ)」
アリス「ぼくも手伝う!」
クローズ「せーの!いけー!(一緒に紐を引く)」
ラディ「いっけー!!(紐を引き)」
ノクトン「うぉー!!(一緒に紐を引き)」
ノア「う、んん……!!(紐を引き)」
春の仲間たちが協力して撃ち放った砲弾は、真っ黒な船に命中しました。
幽霊船は黒い煙になり、沈む間もなくふわりと灰色の空へ溶けていきます。
カルロッタ「お、当たったな…!助かった…」
ラディ「助かった、のか?」
パティッツ「助かった…なの?」
リウム「ふぁ…今回しつこかったですね…とりあえずはこれで大丈夫…かな?」
キャンティー「よかった〜…」
リベロス「っはぁ……ひとまず終わったな…」
ノクトン「これでいなくなった、よね…ふぁ、良かった…!」
クローズ「ふぃ〜…とりあえずこれで!あ、みんな、耳大丈夫か?」
ラディ「安心したぁ」
ノア「っはあ…!!なんとか…なった……?」
サンディ「……怪我は、ありませんか…?」
ノーテ「はぁ、はぁ…船にいた子らのおかけだな!ありがとうな!」
マルガリータ「よ、よかったぁ…(戦った夏っ子たちに)大丈夫?怪我はない…?」
フェリーエ「ふぅ…何か、安心して全身の力が抜けそうだよ……」
カルロッタ「あたしは全然平気だ、春の奴らは何事もないか…?」
ノクトン「船長さんが的確な指示を出してくれたおかけだよ、うん、何ともない!」
リウム「皆のおかげだよ、ありがとうね!怪我とか…ないようなら良かった…」
クローズ「俺も大丈夫だ!みんな…も大丈夫かな?特に耳!」
リュミ「大っきい音だったぁ……でも空もまた晴れてきたわ!」
ローフ「あの船、沈まずに霧みたいに消えてったな…」
リラ「幽霊船…とっても不気味だったわぁ…」
パティッツ「本当ね!真っ青な空に戻っているわ!」
ノクトン「夏にも怖いのがいるんだね……こういうことは良くあるのかな」
クローズ「ま、いつものだから気にしなくていいさ!よし、空も明るくなったし、よかった…」
リウム「また来るようなことがなければいいんだけど…来るかな…やっぱり……」
ラディ「沈まなかったってことは、また来るかもしれないのか…?」
リュミ「あの船はどこから来たの…?」
カルロッタ「……秋の国だ。時折こんなふうに襲い掛かってくる。前はこんなことなかったのに、どうしたものか…」
マルガリータ「秋の…国?」
ノア「秋……ですか」
カルロッタ「あそこに…目のいいやつなら多分海の向こうに小さく見えるだろう?島みたいなところだ」
ラディ「あそこが、秋…」
フェリーエ「んー…?本当だ、微かに見えるよ」
ノクトン「秋…!僕、ノアくんから聞いたことあるよ…!恐ろしいところなんだよね…」
パティッツ 「まだ他の季節があるなの…?」
キャンティー「あきのくに…」
クローズ「お前ら旅してるなら次に行くのはあそこか?…正直、あそこは物好きでない限り行かない方がいいぜ」
カルロッタ「……実は前、あたしと先代の海賊団のリーダーたちで一緒に、幽霊船を送り込むのをやめてくれって頼みに行ったんだ。でも、着いた瞬間白いウサギみたいな、黒いマントの奴に追い返されて…」
リウム「…僕には見えないけど、前は賑やかな国だったとは聞いてるけど……そうは思えないね」
リベロス「春の国と秋の国は互いに反対側に位置してるからな……ここは距離がそんな遠くねェからこういう事が起きるが、春には何の影響もねェだろう」
アルク「まあいつも物騒なこと考えてんだよ、秋の奴らは嫌な奴らだ」
ラディ「興味は、あるけど怖いな…」
リュミ「あたしたちは新しい季節を探しに来たのよ!当然秋にもいかなくちゃ!」
リウム「でもそうなったのにも理由はあるだろうし…皆が皆悪い人達ってわけじゃなさそうだけど…団長さんが会った人とかが怪しいよね……」
ノクトン「白いウサギで…黒いマント…」
パティッツ「それは怖いの…春の皆はそこにも行くつもりなの?(心配そうに)」
マルガリータ「旅をするのはいいけど…怪我とかしたら心配…また襲ってくるかもしれないし」
キャンティー「こわいところみたいだけどちょっときになる…わたしのおてがみだれかがとっててくれたりして…」
リベロス「お嬢ちゃん正気か…?今見て分かっただろうが、秋の国は今は物騒な所だ。近付くのはやめとけって」
リラ「ほんまに秋に行くん…?大丈夫なん?」
リウム「…行くのか…(少し目を細めて)、やめた方がいいとは思うよ……?」
リュミ「新しい季節に行かなきゃならない理由があるの!ここで立ち止まってちゃいられないわっ」
ノクトン「うーん…もし秋に悪魔がいるなら…僕は言いたいことがある、から(決心をつけ)」
ウルス「ほぉ…?秋の国……話は途中から聞かせて
泳いでたらドンドンばんばん聞こえるモンだから急いで戻ってくりゃ エラい事になってたみたてぇたなぁ」
パティッツ 「リュミちゃんは強いのね
フェリーエ「リュミ……気持ちは分かる、けど、かなり危ないと思うよ…?」
ノーテ「どうしても行くみたいだな…十分気をつけて行くんだぞ…?」
ノア「……あくま………と、とりあえず白いウサギには気をつけるべきですね…!!」
ラディ「そうだな、白いうさぎ…」
キャンティー「わたしこわいけどいってみたい!」
ローフ「白いウサギな…変な目には逢いたくないから覚えておかなくちゃ…」
リウム「…対策とかしていった方がいいよね…まぁでもとりあえずはここにしばらくいるんでしょ?ここでゆっくり考えればいいよ」
リュミ「なんなら旅に一緒についてきてもいいのよ?」
ローフ「そうだな、しばらくはここを楽しんでくよ、せっかくみんなと友達になれたしな!」
ノクトン「うんうん、リュミちゃんの言う通りだよ、人数は多い方が楽しいし…!」
アリス「秋の国はなんてこんなことするんだろ〜・・・」
キャンティー「いいの〜?(ぱっと笑顔になる)」
パティッツ 「一緒に行けたら確かに楽しい旅になりそうなの!でもパティは大切な場所はここだから…だから、旅のお話聞かせて欲しいの!」
マルガリータ「い、一緒に…?どうしよう…」
カルロッタ「一緒に行くのもいいと思うぞ。あたしはブライトロックを護らなきゃだから、行けないけど…」
リベロス「ついてって良いなら俺は行くぜ。元々は旅人だからなァ」
ラディ「みんなで行けるなら、心強いし楽しそうだな!」
サンディ「私は残りましょうかねぇ。旅をするには年を取りすぎましたし、後は若者に任せますよ」
ノーテ「外の世界に興味はあるが、俺の家はここだから一緒には行けなさそうだ」
マルガリータ「!…おじさん行っちゃうなら…私も行く!」
リウム「うーん、折角だけど…僕は残ろうかな…海が恋しくなっちゃいそうだ」(少し目を伏せながら)
クローズ「俺は…正直行きたいけど、まだ姐御には恩を返しきれてない…それに、俺も俺たちの居場所を、護っていきたいしな…」
アルク「俺は……いや、俺も行く。姉御に頼りすぎたかもしれんからな、本当の海賊になって…強くなって帰ってくる」
アリス「うーん・・・」
マルガリータ「…アリスくん、悩んでるの?」
パティッツ 「今すぐに答えを出さなくても、まだ居るのよねリュミ?悩んでいても良いと思うの」
アリス「・・・ラディ達についてってみたいけど〜・・・」
アリス「まだ悩んどく・・・」
リュミ「もっとこの国を見て回りたいし…まだ居るから、思う存分悩んで!」
秋の国からの刺客に襲われるも、協力でなんとか切り抜けた一行。
あの闇に包まれた国にも、恐れず立ち向かうことを決めたリュミに、段々と国の外の世界に惹かれだす夏の仲間たち。
駆け足で周り出す僕達の夏は、まだまだこれから。