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第2章〜旅立ち〜

「さぁ、いよいよね!あたしワクワクが止まらないわ!」
「はいはい、遠足じゃないぞー」
「だってだって、ローフはワクワクしないの!!?なんて素敵なんでしょう、山の向こうにある新しい季節……」

きらきらはじけるクラッカーの紙吹雪みたいに、あたしの小さなハートはぴょんぴょん飛び跳ねてどこかに行っちゃいそう。
それに、大好きな皆が一緒!お友達と追いかける夢って、ひとりで見てるよりカラフルで、どこまでも広がってて____

「さぁ、一緒に行くわよ、ローフ!」
「ああ、行先は……」

「ブライトロック、よ!!大きな海が広がる太陽がとっても近い国!」

あの日資料室で読んだ一冊の本は、あたしを大きなきらきらの場所に導いてくれた。
旅って楽しいことばかりじゃないって、わかってるけど、挑戦したくなったの。
お姉ちゃんと違って、引っ込み思案で内気だったあたしにも、夢は叶えられるんだよって、その本は教えてくれてる気がして。

「リュミ、その荷物……」
「へーき、重くないわ!」
「まさかそんなでかい本を入れてくるなんて、な」

図書館の職員さんは、そんなに興味があるなら譲るよ、ってこの本をくれたんです。
藍色の革表紙に、薄れたタイトルの刻印は目を凝らしても読めません。

「この本はコンパスよ、これがなきゃ始まらないわ!」
「はいはい、そうですか。ほら、みんなが待ってるぞ」

ローフの指さす先には、大好きな皆が待っています。
楽しそうだったり、飛び跳ねてたり、喧嘩してたり、眠そうだったり。

そんな素敵な仲間たちと、あたしは今旅立とうとしています。

だから____応援してくださいね♡
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