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第1章

それは、イースターのお祭りの後片付けが終わった、なんだかしんみりした空気の朝のこと。

「おはよう!ねぇ、ローフ」
「おお、おはよリュミ……なんだ?」

いつも通り遊ぼうとそそくさとお家から出てきたローフを呼び止めました。あたし、ちょっと気になることがあったから。

「ローフって、イースターと返礼祭以外のお祭りを知ってる?」

「いや、知らないな。なんでだ?」

「ないのかなぁ、って。いつもイースターと返礼祭だけじゃ退屈しちゃわない?」

「しないぞ?だってイースターは最高だからな!」

そうみたいです。あたしも、イースターはだいすき!でもね、まだ他のものがあるんじゃないかって……とっても素敵なお祭りが他の国にあるんじゃないかって、期待しちゃうの。

「だからね、ローフ」

「他の国に行ってみたい、だろ?」

ローフは興味なさそうに目を逸らしました。

「イースターが最高に決まってるだろ?他の国のどんなお祭りよりも!そんなこと考えるのは止めておけよ?」

そう言って、ローフはぴょんぴょん飛び跳ねていっちゃいました。
ローフはああ見えて頑固なんです。しょんぼり。

──ローフが話を聞いてくれなくても、他の人なら……!

ぴょんぴょん。飛び跳ねて、みんなを誘いに行っちゃえ!
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