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第一章


カーテンから漏れる日の光で目が覚めた。携帯の画面を見ると、午前6時半。今日は平日、つまり学校がある。その準備のため下に降りる。洗面所に行くと、先客がいた。


「おはよう、天哉。」

そう声をかけると、寝起きとは思えない、ハキハキとした口調と爽やかな笑顔で返事が返って来た。

「あぁ、おはよう!」
彼は私のもう1人の兄だ。兄といっても同い年。私と天哉はいわゆる双子というものである。天哉は私と違い、とても優秀だ。日本国内で最も難関と言われる国立雄英高校というところに通っている。そして彼はその高校の中でも毎年入試倍率が300倍を超えるというヒーロー学科の1人だ。





ここで説明をしておくと、ヒーロー学科というのは名前の通り、ヒーローになるための学科である。

今この地球上で少年少女がなりたい職業ナンバーワンを挙げるなら間違いなくヒーローだろう。ヒーローというのは、れっきとした国家公務員であり、世の中の悪を倒すというアメコミのような職業だ。ちなみに天晴兄さんもヒーローとして日本を悪から守っている。天哉はそんな兄さんに憧れヒーロー科を志したという。
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