夢に描いた幸せ(III中編)

はぁ…。僕はため息をつく。この舞踏会の本当の目的は僕たち王子三兄弟の婚約者探しのためのパーティだ。女性達もそのつもりで来ているだろう。僕は最初から乗り気じゃなかった。なぜなら好きな人がいるからだ。でも、その人はこの舞踏会には来ない。しかし、父の意見には逆らえないので渋々女性たちの相手をしている。
城のバルコニーで休んでいるとトーマス兄様がやってきた。

「ミハエル、サボってんじゃねぇよ。」
「ちょっと疲れてしまって…。」
「だらしねえなあ。」

バルコニーから外の様子を見ていると一台の馬車がやってきた。そこには男性と女性が乗っているようだった。僕は目を凝らしてその二人を見てみる。僕はその女性の顔を見て一瞬見間違いかと思った。

「トーマス兄様、すいません!ちょっと抜けます!」
「おい、ミハエル?!」

トーマス兄様を無視して僕はその女性に向かって駆け出していくのだった。



お城にたどり着いたのはいいけれど、ここからどうすればいいの?とりあえず王子様に会えばいいのかな?華やかなホールには女の子がたくさんいて、人だかりができていた。多分そこに王子様がいるんだろうと推測できる。私も向かって見ようとしたら、誰かが私に声をかけてくれた。

「よく来てくれたね#name#。嬉しいよ。」
「あなた…IIIじゃない…!どうしてここに?」
「詳しくは後で話すよ。…せっかく来てくれたんだから僕と踊ってくれませんか?」

そう言ってIIIは私に手を差し出した。私は戸惑いながらもその手を取った。

「でも、私あんまり踊れないの。」
「大丈夫。僕に任せて。」

IIIは私を優しくリードしてくれたため、なんとか私のダンスは様になっているようには感じた。周りから見れば滑稽かもしれないが。

「いい加減話して欲しいんだけど…。どうしてあなたがこの舞踏会にいるの?」
「それは…。」

その時、時計の鐘の音がお城中に鳴り響いた。

「今何時?」
「ちょうど12時だね。」
「いけない!もう帰らなきゃ!延滞料金が…!」
「延滞料金ってなんのこと?あ、待ってよ!#name#!」

IIIの手を振り払って私は出口へと慌てて向かう。履き慣れてない靴のせいもあってつまずきかけたけど、何とかこけずに向かうことができた。
城門にはシャークさんが立っていた。

「遅いぞ。」
「ごめんなさい。」
「カイトがうるさいから急いで帰るぞ。」
「わかりました。」

馬車に乗ってから私は靴を片方落としてしまったことに気づいたが、もう戻るに戻れない状況なので諦めるしかなかった。
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