YGO ZEXAL短編(ドルベ以外)
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ハートランド学園の屋上。真月零ことベクターは静かに佇ずみながらDパッドでニュースを読んでいた。ニュースの内容はハートランド学園の生徒である澪が亡くなったという記事だ。その記事によると彼女は交通事故に遭い即死だったと記載されている。見た瞬間彼は歯を食いしばっていた。
亡くなった澪は真月零と同じクラスであった。隣の席だった二人は自然と仲良くなっていった。澪は誰に対しても分け隔てなく優しく、よく笑う女の子だったからか、クラスからかなり愛されている存在だった。彼女と真月零として接するうちにベクターはある考えを抱いてしまう。
きっかけは彼女の笑顔だった。本人にそのつもりはないのだろうが彼女は色んな生徒に笑顔を振りまいている。ベクターは次第に澪に対して苛つきを覚えていた。苛ついている理由は最初はわからなかったが、自分に澪の笑顔が向けられた時にその理由に気づいたのだ。
ベクターが自分の気持ちを自覚してから程なくクラス内で事件が発生した。クラスメイトの財布が紛失したのだ。盗んだ者がいないか念のためにクラス全員の持ち物をチェックした際に澪の鞄から紛失していた財布が見つかったのだ。澪は私はやってない!と涙を流しながらクラスに訴えかけた。
「澪さんがするわけないですよ!」
「真月くん…。」
ベクターも必死になって真月零としてクラスメイトを説得したが、決定的な証拠がある以上彼女とベクターの言葉はクラスメイトには届かなかったのだ。
「澪さん…これはきっと陰謀です。誰かが君を陥れようとしています。」
「そんな…一体誰が…?」
「犯人はボクが探します!澪さんはいつも通りでいてください。君は悪いことをしていないのだから、堂々としといて下さい。」
「…真月くんは信じてくれるの?」
「もちろんです!」
真月零は翌日から宣言通り犯人探しを開始し、彼なりに色々調査したようだが、真犯人にはたどり着けずにいた。
「もういいよ。真月くん。このままだとあなたまで私と同じ目になっちゃう。」
あの事件があってからというもの、澪はクラスメイトから相手にされなくなっていた。今までは彼女が挨拶すればクラスメイトは明るく笑って返してくれていたのに今では完全に無視である。…一度地に落ちた信用はそう簡単には戻らないのだ。
「それでも構いません。澪さんの疑いが晴らすほうがボクにとっては大事です。」
「どうしてここまでしてくれるの?」
「…わかりませんか?澪さんは案外鈍感なんですね?」
「…勘違いしちゃうよ?」
「澪さんなら大歓迎です。全てが解決したら改めてボクの気持ちをお伝えしますね!」
「う、うん…。」
澪にとってはにかんだ笑顔で笑う真月は暗闇に差し込んだ希望の光だった。クラスメイトとはもう元の関係には戻れないかもしれないけれど、どんな時でも真月は味方でいてくれる。澪はそう信じて疑わなかった。
明くる日の放課後、私はDゲイザーを教室に忘れていることに気づいて、学校へと逆戻りしていた。無くても困らないが、もし真月くんからの連絡があった場合にすぐに返せないのは嫌だなと思い取りに戻ったのだ。
教室に入ろうとドアに手をかけた時、ドアの小窓から誰かがいるのが見えた。自分と同じように忘れ物をクラスメイトが取りに来たのかと最初は思ったけど、よく見ると教室にいるのは真月くんのようだった。今日は真月くんは委員会があるって聞いてたから先に帰ってたのだけど、せっかくだし一緒に帰りたいなと思ってドアを開けようとした瞬間だった。
真月くんは私の机の中から取り出したDゲイザーを思いっきり踏んづけたのだ。その光景を私は信じることはできなかった。このまま何も見なかったことにして帰ればただの見間違い、悪い夢で終わる。だけど私の体が勝手に動いてドアを開いてしまっていた。
「ねぇ、真月くん何してるの?」
「澪さん?!どうしてここに?先に帰ったんじゃ…。」
「Dゲイザーを取りに来たの…。」
「そうだったんですか…。ボクは来た時にはもう壊れていて…。」
「嘘つかないで!!」
私はこの目で見たのだ。真月くんが壊しているところを。私の中で今まで築き上げてきたものが崩れ落ちる音がした。
「まさか…私の鞄に財布を入れたのもあなたなの?」
「……。」
真月くんは私のほうを向いてくれないし、答えてもくれない。ねぇ、なんで否定してくれないの…?
「沈黙は肯定と受け取るよ…。」
「待ってください。澪さん!話を聞いてください。」
「来ないで!二度と私に近寄らないで!!」
真月くんが伸ばしてきた手を私は思いっきり弾いて、彼から逃げ出した。走りながら私はこれまでのことを思い返していた。あの時私を助けてくれて一生懸命犯人探しをしてくれた彼は?頬を染めながらいつか私に想いを伝えてくれると言ったのは?全てが嘘だったの…。私は世界中の人から嫌われても真月くんさえいればそれで良かったのに…!
「待て!!止まれ!!澪!!」
普段とは違う乱暴な真月くんの声。真月くんの言うことを私はもう聞くことはできない。…そして私は逃げることに夢中で学校からいつの間にか出てしまったことに気づいてなかった。トラックのクラクションの音、それが私が最後に聴いた音。そして必死の形相で追いかけてきてくれた真月くん。それが私が最後に見た景色だった。
…オレはどうするべきだったのか。何が正しかったのか。ただオレは澪を独り占めしたかった。だからアイツがクラスから嫌われればアイツはオレだけの物になる。だから財布を澪の鞄に仕込み、他のクラスの奴の仕業ということにしてDゲイザーを壊した。アイツが来るのがもう少し遅ければ全ては上手くいっただろう。
こんな日でもそれは憎らしいほどに澄んだ綺麗な空だった。この空の彼方に澪はいるのだろうか。
…そうだ、まだオレにもできることはある。あの世できっと澪は1人ぼっちだ。ならば今度こそ独占できる。待ってろよ澪。すぐに追いついてやるからな。
そう意気込んでオレは勢いよく地面を蹴った。
亡くなった澪は真月零と同じクラスであった。隣の席だった二人は自然と仲良くなっていった。澪は誰に対しても分け隔てなく優しく、よく笑う女の子だったからか、クラスからかなり愛されている存在だった。彼女と真月零として接するうちにベクターはある考えを抱いてしまう。
きっかけは彼女の笑顔だった。本人にそのつもりはないのだろうが彼女は色んな生徒に笑顔を振りまいている。ベクターは次第に澪に対して苛つきを覚えていた。苛ついている理由は最初はわからなかったが、自分に澪の笑顔が向けられた時にその理由に気づいたのだ。
ベクターが自分の気持ちを自覚してから程なくクラス内で事件が発生した。クラスメイトの財布が紛失したのだ。盗んだ者がいないか念のためにクラス全員の持ち物をチェックした際に澪の鞄から紛失していた財布が見つかったのだ。澪は私はやってない!と涙を流しながらクラスに訴えかけた。
「澪さんがするわけないですよ!」
「真月くん…。」
ベクターも必死になって真月零としてクラスメイトを説得したが、決定的な証拠がある以上彼女とベクターの言葉はクラスメイトには届かなかったのだ。
「澪さん…これはきっと陰謀です。誰かが君を陥れようとしています。」
「そんな…一体誰が…?」
「犯人はボクが探します!澪さんはいつも通りでいてください。君は悪いことをしていないのだから、堂々としといて下さい。」
「…真月くんは信じてくれるの?」
「もちろんです!」
真月零は翌日から宣言通り犯人探しを開始し、彼なりに色々調査したようだが、真犯人にはたどり着けずにいた。
「もういいよ。真月くん。このままだとあなたまで私と同じ目になっちゃう。」
あの事件があってからというもの、澪はクラスメイトから相手にされなくなっていた。今までは彼女が挨拶すればクラスメイトは明るく笑って返してくれていたのに今では完全に無視である。…一度地に落ちた信用はそう簡単には戻らないのだ。
「それでも構いません。澪さんの疑いが晴らすほうがボクにとっては大事です。」
「どうしてここまでしてくれるの?」
「…わかりませんか?澪さんは案外鈍感なんですね?」
「…勘違いしちゃうよ?」
「澪さんなら大歓迎です。全てが解決したら改めてボクの気持ちをお伝えしますね!」
「う、うん…。」
澪にとってはにかんだ笑顔で笑う真月は暗闇に差し込んだ希望の光だった。クラスメイトとはもう元の関係には戻れないかもしれないけれど、どんな時でも真月は味方でいてくれる。澪はそう信じて疑わなかった。
明くる日の放課後、私はDゲイザーを教室に忘れていることに気づいて、学校へと逆戻りしていた。無くても困らないが、もし真月くんからの連絡があった場合にすぐに返せないのは嫌だなと思い取りに戻ったのだ。
教室に入ろうとドアに手をかけた時、ドアの小窓から誰かがいるのが見えた。自分と同じように忘れ物をクラスメイトが取りに来たのかと最初は思ったけど、よく見ると教室にいるのは真月くんのようだった。今日は真月くんは委員会があるって聞いてたから先に帰ってたのだけど、せっかくだし一緒に帰りたいなと思ってドアを開けようとした瞬間だった。
真月くんは私の机の中から取り出したDゲイザーを思いっきり踏んづけたのだ。その光景を私は信じることはできなかった。このまま何も見なかったことにして帰ればただの見間違い、悪い夢で終わる。だけど私の体が勝手に動いてドアを開いてしまっていた。
「ねぇ、真月くん何してるの?」
「澪さん?!どうしてここに?先に帰ったんじゃ…。」
「Dゲイザーを取りに来たの…。」
「そうだったんですか…。ボクは来た時にはもう壊れていて…。」
「嘘つかないで!!」
私はこの目で見たのだ。真月くんが壊しているところを。私の中で今まで築き上げてきたものが崩れ落ちる音がした。
「まさか…私の鞄に財布を入れたのもあなたなの?」
「……。」
真月くんは私のほうを向いてくれないし、答えてもくれない。ねぇ、なんで否定してくれないの…?
「沈黙は肯定と受け取るよ…。」
「待ってください。澪さん!話を聞いてください。」
「来ないで!二度と私に近寄らないで!!」
真月くんが伸ばしてきた手を私は思いっきり弾いて、彼から逃げ出した。走りながら私はこれまでのことを思い返していた。あの時私を助けてくれて一生懸命犯人探しをしてくれた彼は?頬を染めながらいつか私に想いを伝えてくれると言ったのは?全てが嘘だったの…。私は世界中の人から嫌われても真月くんさえいればそれで良かったのに…!
「待て!!止まれ!!澪!!」
普段とは違う乱暴な真月くんの声。真月くんの言うことを私はもう聞くことはできない。…そして私は逃げることに夢中で学校からいつの間にか出てしまったことに気づいてなかった。トラックのクラクションの音、それが私が最後に聴いた音。そして必死の形相で追いかけてきてくれた真月くん。それが私が最後に見た景色だった。
…オレはどうするべきだったのか。何が正しかったのか。ただオレは澪を独り占めしたかった。だからアイツがクラスから嫌われればアイツはオレだけの物になる。だから財布を澪の鞄に仕込み、他のクラスの奴の仕業ということにしてDゲイザーを壊した。アイツが来るのがもう少し遅ければ全ては上手くいっただろう。
こんな日でもそれは憎らしいほどに澄んだ綺麗な空だった。この空の彼方に澪はいるのだろうか。
…そうだ、まだオレにもできることはある。あの世できっと澪は1人ぼっちだ。ならば今度こそ独占できる。待ってろよ澪。すぐに追いついてやるからな。
そう意気込んでオレは勢いよく地面を蹴った。