YGO ZEXAL ドルベ短編
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私は少し緊張しながら空き教室の扉を開ける。すでにそこには私を呼び出したであろう男の子がこちらに背を向けて立っていた。
「急に呼び出してごめん。伝えたいことがあって…。」
「…どうしたの?」
「オレ、君が好きなんだ。もしよければ…付き合ってくれないかな?」
呼び出された時点で薄々そうなのではないか…と少しそわそわしていたら本当に告白だった。…璃緒や小鳥ちゃんが告白されたと言うのはよく聞くが、私自身がこのように告白をされたのは生まれて初めてで本当に私…?という気分だ。
「あなたの気持ちは嬉しいけど…。ごめんなさい…。私他に好きな人がいるの。」
「…そっか。話聞いてくれてありがとう。時間取っちゃって悪かったね。」
男の子は明るくそう言って、爽やかに去っていった。悪いことをしたわけではないけれど、少し良心が痛んでしまうな…。
その日の放課後私は帰るために下駄箱へと向かっていたのだが、男の子たちの話し声が聞こえてきた。
「お前、あの子に告白したんだよな。どうだったんだ?」
告白というワードが聞こえてきて男の子たちに見つからないように聞き耳を立ててしまった。もしかして…私のことだろうか。
「振られたよ。好きな人がいるんだって。」
「ほら、見ろ!賭けはオレの勝ちだな!」
これ以上は聞いてはいけない…と思ったが体が動かなかった。
「可愛いし、あわよくば付き合えたらと思ったんだけどなぁ。」
「もっと押せば付き合えたんじゃね?あの子気が弱そうだし。」
「やめろよ!付き合ったらオレが賭けに負けてたじゃねーか。」
楽しそうにギャハハと笑う男子たち。ようやく体が動いて気づいたら私は校舎の中へと逆戻りしていた。前も見ずに全力疾走していたから、前方から来た人に思いっきりぶつかってしまい、よろけたところを固い胸板に抱き止められてしまった。
「ご、ごめんなさい…。」
「いや、こちらは大丈夫…。それより君の方は…」
「…ドルべ?」
そこで初めて私はぶつかった人の顔を見た。それは昔からよく知る私の好きな人…。ドルベだったのだ。
「…どこか痛いのか?」
「大丈夫だよ?どうしてそんなこと聞くの?」
「スミレが…泣いてるから。」
ドルベのその言葉を聞いて初めて自分が泣いていることに気づいて私は慌てて誤魔化そうとした。
「これは…走っていたから…汗をかいてて。」
「ほぅ、ならばスミレの目が赤いのは何故だ?」
「そ、それは…。」
「良ければ話してくれないか…。スミレの力になれるかもしれない。」
…ドルベは全てお見通しらしい。というか私の嘘が下手すぎるのかもしれない。私は重い口を開くのだった。
ことのあらましを簡単に説明するとドルベは眉を顰めて拳を握りしめていた。すると彼が急に歩き出したので私は慌ててその後を追いかけて行く。
「どこにいくの?!」
「…スミレをそんな気持ちにさせた者のところへだ。このままでは私の気持ちが収まらない。」
「いいよ!私なんかのために怒らないで…!」
私がドルベの腕を弱々しく掴むとドルベは困った顔をしながらも歩みを止めてくれた。
「君は…どうして…。」
「…私を想ってくれる人なんて…いるわけないから…。」
「…そんなことはない!」
ドルベが思ったより大きな声を出したので私は驚いて腕を離してしまった。
「すまない…怖がらせるつもりは…!」
「お世辞でもそう言ってくれて嬉しいよ、ありがと。私はもう大丈夫だから…。」
話を聞いてもらえたお陰で少しだけ気持ちが楽になった。流石にもう男子たちもいないだろうと思い私は下駄箱へ向かって足を踏み出した時、今度はドルベが私の腕を掴んだ。
「世辞などではない。スミレを想っている者は……確かにいる。」
「そんな物好きな人がいるの?」
おどけて明るく返したら、ドルベは神妙な表情で返事をしてくれた。
「君の目の前に…な。」
「えっ…。」
目の前にいる人…。今この場いるのは私とドルベだけ…。どうしていいかわからなくなって私は口をぱくぱくさせることしかできなかった。
「本当はまだ伝える気はなかった…。いきなりですまない。考える時間が必要だろう。返事はいつでも構わない。私はいつまでも待っている。」
ドルベは切なそうに微笑んで、私の腕を離してから横を通り過ぎていった。ドルベが掴んでいたところをさすってみると温もりがまだ残っている…。ドルベの告白が脳内で反芻されて…私はしばらくそこから動き出せなかった。
ドルベの告白から数日経ち、私はまだドルベに対して返事ができないでいた。私はずっと前から温かくて実直でカッコいいドルベのことが好きだった。だから今回の告白はものすごく嬉しくて、心から震えていた。でもそれと同時に本当に私でいいのかな…私では釣り合わないのではないか…と。だからOKしてもいいものなのか…と。ドルベはあの日以降、いつも通りに接してくれていて、その優しさがありがたい反面、更に彼に対する気持ちを加速させていることも明らかだった。彼は返事はいつでもいい…と言ってくれていたけど。このままでは…早く返事を決めなくちゃと焦るばかりだった。
「何か暗い顔してんなー。」
「きゃっ!!」
ドルベのことを考えていたら目の前にベクターぬっと出てきて、驚きすぎて少し悲鳴をあげてしまった。
「相変わらずいい反応すんじゃん!驚かしがいがあるぜ!」
「…心臓に悪いからやめてって言ってるでしょ。」
「オレは普通に前から歩いてきただけだぜ?考え事してて、気づかなかったのはそっちの落ち度だろ?」
「……それはまぁそうだけど。」
ベクターの言うことも一理あるので言い返せなくなってしまった。ベクターに捕まると長くなってしまうので私は彼の横を通り過ぎようとしたのだが。
「そうだ、驚かしたお詫びに一応お前にいいこと教えてやるよ。」
…どうせまたくだらない嘘だろうと思い無視して進もうとする私。だけどベクターは私の前に立ち塞がって通せんぼうをする。
「いいのかよ?お前の愛しのドルベくんが…教室で女子と2人きりになってたぜ…?」
「そ、そういうことくらいあるでしょ…。」
ベクターが前を通してくれそうにないので私は回れ右をして後ろへと歩き始めると私の耳元で囁いた。
「あの雰囲気は…告白だろうなぁ。今頃お二人で仲良くやってんじゃね?あーあ…。」
その言葉に私は完全に足を止めてしまった。ドルベが他の女の子と…付き合う…。
「それって…どこの教室…?」
「ドルベのクラスだったな。」
「…ちょっと行ってくる。」
私はベクターの反応を待たずに、ドルベの教室へと全力で駆け出した。
「ったく。相変わらず手のかかるやつだぜ…。」
私はドルベの教室へと辿り着いた。…ドアが少しだけ開いている。こっそり覗いてみるとドルベと話していたのは華道部の華添先輩だった。時折笑ったりして親密そうな空気が流れているし、何より2人とも美男美女だから傍から見たらすごくお似合いに見える2人だった。いつもなら遠慮して絶対に話しかけられないけれど、今の私はそんなことを気にしていられなかった。
「ドルベ…!!」
「…どうしたのだ?」
私は勢いよくドアを開けて教室に乗り込んで、ドルベの服の裾をぎゅっと強く掴んだ。ドルベは不思議そうにこちらを見つめている。
「やだ…やだ…おね…がい。誰とも…。」
全力で走ってきたせいで息が絶え絶えで全然喋れない。喋りたいけど息が足りない…。ドルベが私の背中を摩ってくれて落ち着かせようとしてくれているのがわかる。
「…私お邪魔のようですわね。」
「…この件は明日でも構わないか?」
「えぇ、急ぎじゃありませんし。私は退散いたしますわね。」
私が呼吸を整えていると華添先輩は穏やかにはにかんでから退室していった。何か思ってたのと違うような…。呼吸が落ち着いてきたので改めてドルベに話しかける。
「今の…告白…じゃなかったの?よかったの?」
「…委員会のことで話し合っていただけだ。」
「……え。」
どうやら私は盛大に勘違いをしてしまっていたらしいということにようやく気づいた。掴んだ裾から手を離そうとしたらドルベがそっと包み込むように手を握ってくれた。
「私が告白されていると思って…必死に走って来てくれたのか?」
私は恥ずかしさのあまりに頭が回らなくて、コクコクと首を縦に振ることしかできなかった。ダメだ。ちゃんとドルベに私の気持ちを伝えないと。
「私ドルベが好き…。だから…誰とも付き合わないで…。」
「はなから私は君以外選ぶ気はない。」
「…本当に私でいいの?私以外にも素敵な女の子はたくさんい…。」
そこまで言いかけた時、私の唇にドルベの唇が触れて言葉が止まってしまった。自分にされたことが理解できなくて私は固まってしまう。ドルベは少し困ったように笑いながら、私の頬に手を添える。触れた手のせいか、先ほどのキスのせいなのか、私の頬は熱を持っていた。
「スミレは確かに大人しくて目立たない女性かもしれない…。だが控えめで謙虚なところはいじらしくも愛らしい。それに一見か弱そうに見えても君は芯が強い。それから…」
「ち、ちょっと待って…!!」
男の子に褒められ慣れてない私は一旦ストップをかけてドルベの口を手で塞ぐ。
「…まだまだあるのだが。」
「…キャパオーバーです。」
「…そうか。仕方ない。ならば今日はこの辺にしておこう。」
ドルベの褒め言葉に照れくさくなって、顔を見られたくなくなったから、ドルベの胸へと顔を寄せた。
ドルベは柔らかく私の背中に手を回してくれた。
「スミレが愛されてないと思うならば、私がたくさん言葉を伝える。それでも足りないというならば私が行動で示す。君は素晴らしい女性だとな。」
「ありがとう…。」
ドルベは私をぎゅっと引き寄せてくれて心が暖かくなる。彼は今の私を好きだと言ってくれた。だからもっとドルベに相応しい女性になって、いつか自分のことも好きになりたいと思う私だった。
「急に呼び出してごめん。伝えたいことがあって…。」
「…どうしたの?」
「オレ、君が好きなんだ。もしよければ…付き合ってくれないかな?」
呼び出された時点で薄々そうなのではないか…と少しそわそわしていたら本当に告白だった。…璃緒や小鳥ちゃんが告白されたと言うのはよく聞くが、私自身がこのように告白をされたのは生まれて初めてで本当に私…?という気分だ。
「あなたの気持ちは嬉しいけど…。ごめんなさい…。私他に好きな人がいるの。」
「…そっか。話聞いてくれてありがとう。時間取っちゃって悪かったね。」
男の子は明るくそう言って、爽やかに去っていった。悪いことをしたわけではないけれど、少し良心が痛んでしまうな…。
その日の放課後私は帰るために下駄箱へと向かっていたのだが、男の子たちの話し声が聞こえてきた。
「お前、あの子に告白したんだよな。どうだったんだ?」
告白というワードが聞こえてきて男の子たちに見つからないように聞き耳を立ててしまった。もしかして…私のことだろうか。
「振られたよ。好きな人がいるんだって。」
「ほら、見ろ!賭けはオレの勝ちだな!」
これ以上は聞いてはいけない…と思ったが体が動かなかった。
「可愛いし、あわよくば付き合えたらと思ったんだけどなぁ。」
「もっと押せば付き合えたんじゃね?あの子気が弱そうだし。」
「やめろよ!付き合ったらオレが賭けに負けてたじゃねーか。」
楽しそうにギャハハと笑う男子たち。ようやく体が動いて気づいたら私は校舎の中へと逆戻りしていた。前も見ずに全力疾走していたから、前方から来た人に思いっきりぶつかってしまい、よろけたところを固い胸板に抱き止められてしまった。
「ご、ごめんなさい…。」
「いや、こちらは大丈夫…。それより君の方は…」
「…ドルべ?」
そこで初めて私はぶつかった人の顔を見た。それは昔からよく知る私の好きな人…。ドルベだったのだ。
「…どこか痛いのか?」
「大丈夫だよ?どうしてそんなこと聞くの?」
「スミレが…泣いてるから。」
ドルベのその言葉を聞いて初めて自分が泣いていることに気づいて私は慌てて誤魔化そうとした。
「これは…走っていたから…汗をかいてて。」
「ほぅ、ならばスミレの目が赤いのは何故だ?」
「そ、それは…。」
「良ければ話してくれないか…。スミレの力になれるかもしれない。」
…ドルベは全てお見通しらしい。というか私の嘘が下手すぎるのかもしれない。私は重い口を開くのだった。
ことのあらましを簡単に説明するとドルベは眉を顰めて拳を握りしめていた。すると彼が急に歩き出したので私は慌ててその後を追いかけて行く。
「どこにいくの?!」
「…スミレをそんな気持ちにさせた者のところへだ。このままでは私の気持ちが収まらない。」
「いいよ!私なんかのために怒らないで…!」
私がドルベの腕を弱々しく掴むとドルベは困った顔をしながらも歩みを止めてくれた。
「君は…どうして…。」
「…私を想ってくれる人なんて…いるわけないから…。」
「…そんなことはない!」
ドルベが思ったより大きな声を出したので私は驚いて腕を離してしまった。
「すまない…怖がらせるつもりは…!」
「お世辞でもそう言ってくれて嬉しいよ、ありがと。私はもう大丈夫だから…。」
話を聞いてもらえたお陰で少しだけ気持ちが楽になった。流石にもう男子たちもいないだろうと思い私は下駄箱へ向かって足を踏み出した時、今度はドルベが私の腕を掴んだ。
「世辞などではない。スミレを想っている者は……確かにいる。」
「そんな物好きな人がいるの?」
おどけて明るく返したら、ドルベは神妙な表情で返事をしてくれた。
「君の目の前に…な。」
「えっ…。」
目の前にいる人…。今この場いるのは私とドルベだけ…。どうしていいかわからなくなって私は口をぱくぱくさせることしかできなかった。
「本当はまだ伝える気はなかった…。いきなりですまない。考える時間が必要だろう。返事はいつでも構わない。私はいつまでも待っている。」
ドルベは切なそうに微笑んで、私の腕を離してから横を通り過ぎていった。ドルベが掴んでいたところをさすってみると温もりがまだ残っている…。ドルベの告白が脳内で反芻されて…私はしばらくそこから動き出せなかった。
ドルベの告白から数日経ち、私はまだドルベに対して返事ができないでいた。私はずっと前から温かくて実直でカッコいいドルベのことが好きだった。だから今回の告白はものすごく嬉しくて、心から震えていた。でもそれと同時に本当に私でいいのかな…私では釣り合わないのではないか…と。だからOKしてもいいものなのか…と。ドルベはあの日以降、いつも通りに接してくれていて、その優しさがありがたい反面、更に彼に対する気持ちを加速させていることも明らかだった。彼は返事はいつでもいい…と言ってくれていたけど。このままでは…早く返事を決めなくちゃと焦るばかりだった。
「何か暗い顔してんなー。」
「きゃっ!!」
ドルベのことを考えていたら目の前にベクターぬっと出てきて、驚きすぎて少し悲鳴をあげてしまった。
「相変わらずいい反応すんじゃん!驚かしがいがあるぜ!」
「…心臓に悪いからやめてって言ってるでしょ。」
「オレは普通に前から歩いてきただけだぜ?考え事してて、気づかなかったのはそっちの落ち度だろ?」
「……それはまぁそうだけど。」
ベクターの言うことも一理あるので言い返せなくなってしまった。ベクターに捕まると長くなってしまうので私は彼の横を通り過ぎようとしたのだが。
「そうだ、驚かしたお詫びに一応お前にいいこと教えてやるよ。」
…どうせまたくだらない嘘だろうと思い無視して進もうとする私。だけどベクターは私の前に立ち塞がって通せんぼうをする。
「いいのかよ?お前の愛しのドルベくんが…教室で女子と2人きりになってたぜ…?」
「そ、そういうことくらいあるでしょ…。」
ベクターが前を通してくれそうにないので私は回れ右をして後ろへと歩き始めると私の耳元で囁いた。
「あの雰囲気は…告白だろうなぁ。今頃お二人で仲良くやってんじゃね?あーあ…。」
その言葉に私は完全に足を止めてしまった。ドルベが他の女の子と…付き合う…。
「それって…どこの教室…?」
「ドルベのクラスだったな。」
「…ちょっと行ってくる。」
私はベクターの反応を待たずに、ドルベの教室へと全力で駆け出した。
「ったく。相変わらず手のかかるやつだぜ…。」
私はドルベの教室へと辿り着いた。…ドアが少しだけ開いている。こっそり覗いてみるとドルベと話していたのは華道部の華添先輩だった。時折笑ったりして親密そうな空気が流れているし、何より2人とも美男美女だから傍から見たらすごくお似合いに見える2人だった。いつもなら遠慮して絶対に話しかけられないけれど、今の私はそんなことを気にしていられなかった。
「ドルベ…!!」
「…どうしたのだ?」
私は勢いよくドアを開けて教室に乗り込んで、ドルベの服の裾をぎゅっと強く掴んだ。ドルベは不思議そうにこちらを見つめている。
「やだ…やだ…おね…がい。誰とも…。」
全力で走ってきたせいで息が絶え絶えで全然喋れない。喋りたいけど息が足りない…。ドルベが私の背中を摩ってくれて落ち着かせようとしてくれているのがわかる。
「…私お邪魔のようですわね。」
「…この件は明日でも構わないか?」
「えぇ、急ぎじゃありませんし。私は退散いたしますわね。」
私が呼吸を整えていると華添先輩は穏やかにはにかんでから退室していった。何か思ってたのと違うような…。呼吸が落ち着いてきたので改めてドルベに話しかける。
「今の…告白…じゃなかったの?よかったの?」
「…委員会のことで話し合っていただけだ。」
「……え。」
どうやら私は盛大に勘違いをしてしまっていたらしいということにようやく気づいた。掴んだ裾から手を離そうとしたらドルベがそっと包み込むように手を握ってくれた。
「私が告白されていると思って…必死に走って来てくれたのか?」
私は恥ずかしさのあまりに頭が回らなくて、コクコクと首を縦に振ることしかできなかった。ダメだ。ちゃんとドルベに私の気持ちを伝えないと。
「私ドルベが好き…。だから…誰とも付き合わないで…。」
「はなから私は君以外選ぶ気はない。」
「…本当に私でいいの?私以外にも素敵な女の子はたくさんい…。」
そこまで言いかけた時、私の唇にドルベの唇が触れて言葉が止まってしまった。自分にされたことが理解できなくて私は固まってしまう。ドルベは少し困ったように笑いながら、私の頬に手を添える。触れた手のせいか、先ほどのキスのせいなのか、私の頬は熱を持っていた。
「スミレは確かに大人しくて目立たない女性かもしれない…。だが控えめで謙虚なところはいじらしくも愛らしい。それに一見か弱そうに見えても君は芯が強い。それから…」
「ち、ちょっと待って…!!」
男の子に褒められ慣れてない私は一旦ストップをかけてドルベの口を手で塞ぐ。
「…まだまだあるのだが。」
「…キャパオーバーです。」
「…そうか。仕方ない。ならば今日はこの辺にしておこう。」
ドルベの褒め言葉に照れくさくなって、顔を見られたくなくなったから、ドルベの胸へと顔を寄せた。
ドルベは柔らかく私の背中に手を回してくれた。
「スミレが愛されてないと思うならば、私がたくさん言葉を伝える。それでも足りないというならば私が行動で示す。君は素晴らしい女性だとな。」
「ありがとう…。」
ドルベは私をぎゅっと引き寄せてくれて心が暖かくなる。彼は今の私を好きだと言ってくれた。だからもっとドルベに相応しい女性になって、いつか自分のことも好きになりたいと思う私だった。