2026七皇の日
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「頼む!もうナマエしかいないんだ!」
「…そう言われてもなぁ…。」
目の前で頭を下げて必死に頼み込んでくるギラグ。私たちの目の前にある机の上には農作業体験のパンフレット。2人からの応募でないとダメらしい。しかしはっきり言って興味が湧かない…。だから最初に断ったのだが…。
「お前の言うこと一つ聞いてやるからよ!」
「…仕方ないなぁ。」
このままだと埒があかない。ギラグがそこまで言うならついて行ってあげるとしよう。ちなみに七皇達にも頼んでいたそうだが。
「断る。」
「すまないがその日は予定があるな…。」
「遠慮しておきますわ。」
「1人で行ってこいよ!」
「農作業よりデュエルだ!」
「なぜ私が農作業をせねばならん。」
と見事に惨敗だったそうな。その様子を想像してみたら何だか居た堪れなくなってしまった。まぁこれも人助けだと思えば気分はいいかな…。
当日、目的地付近で待ち合わせしていた私とギラグ。ギラグはツナギを着て首にタオルまで巻いていてやる気満々といった風貌である。
「ギラグが農作業に興味あるなんて意外だったな。」
「農作業に興味はねぇよ。オレの狙いはアレだ。」
ギラグの目線の先にはデュエルアイドルさなぎちゃんの大きな看板があった。私は最初のパンフレットの時に見落としていたが、この農作業に参加するとさなぎちゃんの限定グッズがもらえるらしい。というのもさなぎちゃんが少し前に番組の企画で農作業体験をやっていたからコラボしているとのこと。だからあんなに必死だったのか。と少し肩の力が抜けてしまう。七皇達はそれがわかってたから断ったのかな…。
「ほら、行くぞ。しっかりやんねぇともらえねぇんだからな!」
「はいはい…。」
係の人に案内されてまずは収穫からお手伝いすることに。目の前にあった作物を引き抜こうと引っ張ってみたけど、思いの外抜けない。頑張って引っこ抜こうとしたが、勢い余って尻餅をつきそうになったところをギラグが支えてくれて、何とか転ばずにはすんだ。
「大丈夫か?」
「あ、ありがとう。」
「そんなに抜けないのか?」
「うん…。」
「仕方ねぇなぁ。貸してみろ。」
ギラグが作物を引っ張ると私が苦労していたのが嘘のようにあっさりと引っこ抜けた。…やっぱり力があるんだなぁと感心してしまう。
「ほら、ぼーっとしてねぇで次行くぞ。」
「え、あ、うん。」
休憩するまもなく次の作業場へと移動させられる。さっきの収穫作業もそうだけど、ギラグは農作業自体が手慣れているように見える。
「ギラグ、農作業やったことあるの?」
「いや、これくらい普通にできるだろ?」
「普通はできないと思うよ…。」
ギラグのおかげで農作業体験はスルスルと進んでいき、たくさんの作物を収穫できて、少しお裾分けしてもらうことになった。
「今日はありがとうね。」
全ての作業が終わり、係の人にお礼を言われながらさなぎちゃんの限定グッズを受け取った私とギラグ。ギラグはグッズを掲げて目を輝かせている。
「お疲れ様ギラグ。」
「おぉ!さなぎちゃんの限定タオル!!ゲットしたはいいが、使うのがもったいないぜ!」
「ちゃんと使いなよ…。」
私がギラグに呆れていると大きな声で泣いている子供の声が背後から聞こえてきた。振り返ると母親らしき人と係の人が子供を必死に宥めている。
「ごめんね、さなぎちゃんの限定グッズさっきで最後だったんだ…。」
「一生懸命頑張ったのに…。」
大粒の涙を流して泣いている子供を見過ごすわけにはいかない。私のグッズをあげようとしたけど、私より先に動き出した人物がいた。
「ほらよ、これ。」
「え、いいの?」
「さなぎちゃん好きなんだろ?大事にしろよ!」
「…ありがとう!おじちゃん!」
「お、おじ…ちゃん…?」
あれだけ欲しがっていた限定グッズをあっさり手放したギラグ。おじさん呼びされてショックを受けて固まってるけど子供はさっきまでの涙が嘘のように笑顔になって帰って行った。
「いいの?すんなりあげちゃって。」
「あんなにちっせぇガキが泣いてるのにオレだけ受け取るわけにもいかねぇだろ。」
「へぇ…。」
ギラグのこういうところ、嫌いじゃないなぁと思いながら私は自分の持っていたさなぎちゃんのタオルをギラグの頭へと被せた。
「な、何しやがる!」
「それあげるよ。私はファンじゃないし。」
「い、いいのか?!ナマエはやっぱいい奴だな!」
「その代わり、ケーキセット奢りね。」
「な、何でだよ?!」
「一つ言うこと聞くって約束だったでしょ?」
そう言い返すとギラグは押し黙った。さーて、どのケーキを奢ってもらおうかなと足取り軽く進んでいく私を後ろから追いかけてくるギラグだった。
「…そう言われてもなぁ…。」
目の前で頭を下げて必死に頼み込んでくるギラグ。私たちの目の前にある机の上には農作業体験のパンフレット。2人からの応募でないとダメらしい。しかしはっきり言って興味が湧かない…。だから最初に断ったのだが…。
「お前の言うこと一つ聞いてやるからよ!」
「…仕方ないなぁ。」
このままだと埒があかない。ギラグがそこまで言うならついて行ってあげるとしよう。ちなみに七皇達にも頼んでいたそうだが。
「断る。」
「すまないがその日は予定があるな…。」
「遠慮しておきますわ。」
「1人で行ってこいよ!」
「農作業よりデュエルだ!」
「なぜ私が農作業をせねばならん。」
と見事に惨敗だったそうな。その様子を想像してみたら何だか居た堪れなくなってしまった。まぁこれも人助けだと思えば気分はいいかな…。
当日、目的地付近で待ち合わせしていた私とギラグ。ギラグはツナギを着て首にタオルまで巻いていてやる気満々といった風貌である。
「ギラグが農作業に興味あるなんて意外だったな。」
「農作業に興味はねぇよ。オレの狙いはアレだ。」
ギラグの目線の先にはデュエルアイドルさなぎちゃんの大きな看板があった。私は最初のパンフレットの時に見落としていたが、この農作業に参加するとさなぎちゃんの限定グッズがもらえるらしい。というのもさなぎちゃんが少し前に番組の企画で農作業体験をやっていたからコラボしているとのこと。だからあんなに必死だったのか。と少し肩の力が抜けてしまう。七皇達はそれがわかってたから断ったのかな…。
「ほら、行くぞ。しっかりやんねぇともらえねぇんだからな!」
「はいはい…。」
係の人に案内されてまずは収穫からお手伝いすることに。目の前にあった作物を引き抜こうと引っ張ってみたけど、思いの外抜けない。頑張って引っこ抜こうとしたが、勢い余って尻餅をつきそうになったところをギラグが支えてくれて、何とか転ばずにはすんだ。
「大丈夫か?」
「あ、ありがとう。」
「そんなに抜けないのか?」
「うん…。」
「仕方ねぇなぁ。貸してみろ。」
ギラグが作物を引っ張ると私が苦労していたのが嘘のようにあっさりと引っこ抜けた。…やっぱり力があるんだなぁと感心してしまう。
「ほら、ぼーっとしてねぇで次行くぞ。」
「え、あ、うん。」
休憩するまもなく次の作業場へと移動させられる。さっきの収穫作業もそうだけど、ギラグは農作業自体が手慣れているように見える。
「ギラグ、農作業やったことあるの?」
「いや、これくらい普通にできるだろ?」
「普通はできないと思うよ…。」
ギラグのおかげで農作業体験はスルスルと進んでいき、たくさんの作物を収穫できて、少しお裾分けしてもらうことになった。
「今日はありがとうね。」
全ての作業が終わり、係の人にお礼を言われながらさなぎちゃんの限定グッズを受け取った私とギラグ。ギラグはグッズを掲げて目を輝かせている。
「お疲れ様ギラグ。」
「おぉ!さなぎちゃんの限定タオル!!ゲットしたはいいが、使うのがもったいないぜ!」
「ちゃんと使いなよ…。」
私がギラグに呆れていると大きな声で泣いている子供の声が背後から聞こえてきた。振り返ると母親らしき人と係の人が子供を必死に宥めている。
「ごめんね、さなぎちゃんの限定グッズさっきで最後だったんだ…。」
「一生懸命頑張ったのに…。」
大粒の涙を流して泣いている子供を見過ごすわけにはいかない。私のグッズをあげようとしたけど、私より先に動き出した人物がいた。
「ほらよ、これ。」
「え、いいの?」
「さなぎちゃん好きなんだろ?大事にしろよ!」
「…ありがとう!おじちゃん!」
「お、おじ…ちゃん…?」
あれだけ欲しがっていた限定グッズをあっさり手放したギラグ。おじさん呼びされてショックを受けて固まってるけど子供はさっきまでの涙が嘘のように笑顔になって帰って行った。
「いいの?すんなりあげちゃって。」
「あんなにちっせぇガキが泣いてるのにオレだけ受け取るわけにもいかねぇだろ。」
「へぇ…。」
ギラグのこういうところ、嫌いじゃないなぁと思いながら私は自分の持っていたさなぎちゃんのタオルをギラグの頭へと被せた。
「な、何しやがる!」
「それあげるよ。私はファンじゃないし。」
「い、いいのか?!ナマエはやっぱいい奴だな!」
「その代わり、ケーキセット奢りね。」
「な、何でだよ?!」
「一つ言うこと聞くって約束だったでしょ?」
そう言い返すとギラグは押し黙った。さーて、どのケーキを奢ってもらおうかなと足取り軽く進んでいく私を後ろから追いかけてくるギラグだった。