This Time, I Won’t Look Away (ドルベ中編)
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飲み物を持って座席を探す。ドルベは端の席を取ってくれていた。わたしを端に座らせてからドルベも隣に腰を下ろす。
「今日の映画はどんな映画なんだ?」
「恋愛映画だよ。えーっと余命宣告を受けた女の子のために男の子が奔走するお話…だったかな…。」
「ふむ…興味深いな。」
「…男の子ってこういうの興味ないかと思ってた。」
「確かに私1人なら選ばないな。だが、スミレが興味のあるものはちゃんと知っておきたい。」
わたしは飲んでいたジュースが危うく変なところに入りそうになって咽かけた。
「そ、そう…じゃあ今度はドルベの観たい映画見に行こうね。」
「あぁ…。そうだな。」
その時に映画館のブザーが鳴り響いて周りが暗くなってきてドルベの表情が見えなくなった。向こうからもわたしの表情は見えないだろう。今の顔は正直見られたくはなかったのでいいタイミングで暗くなってくれたなと思った。
長いCMが終わり、映画が始まる。映画の内容は最初はベタかなと思ったけど終盤になるにつれて、女の子のために行動する男の子と、死にゆく自分のためなんかに行動してほしくない女の子との切ないすれ違いが積み重なって…わたしは涙ぐんでしまっていた。肘置きに手を置くとすぐにそっと手が重なった。思わず退けようとしたけど、きゅっと握られてしまったために手を退けることができなかった。
ドルベの顔をみてみると彼の顔は画面に集中していて…。わたしは手に集中してしまいドキドキしてその後の映画の内容は入って来なかった。
エンドロールが終わった頃に手が離れていって…名残惜しさを覚えたことにわたしは少し動揺していた。わたしの手にはまだドルベの温もりが残っている。
「いい映画だったな。…色々と参考になった。」
「…気に入ってもらえたなら良かったけど、参考になったっって言うのは…?」
「…好きな者のために後悔をしない選択をとり続けたことだ。…私も見習わねばな。」
「そっか…わたしお手洗いに行ってくるね。」
「わかった。私はここで待っている。」
ドルベの見習わねばなと言った時の顔…。気のせいかもしれないけどわたしをまっすぐ見つめていたように見えた。いや、ドルベはいつもあんな感じ…あ、あれ…。そういえばドルベはわたしのために怒ってくれて…別れ話にも付き合ってくれて…まさか…ドルベの好きな人って……。いやいや…今はデートに集中しよう。あまりお手洗い長居するとあらぬことを疑われてしまう。軽く身だしなみだけ整えてトイレを出るとドルベと泣いている小さな女の子が立っていた。
「…どうしたの?」
「…すまない。迷子のようなんだ。私はご両親を探してくるからこの子と一緒にいてやってくれないか?」
「わかった。」
ドルベは映画館の受付の方へと向かっていった。人が多いからはぐれちゃったのかな。女の子は心細いのかスカートの裾を握っていた。わたしは女の子の手をそっと取る。
「…大丈夫だよ。きっとお父さんとお母さんは見つかるよ。」
「…ありがとうお姉ちゃん。ねぇ、お姉ちゃんは…さっきのお兄ちゃんのこと……好き?」
「えっ…。」
こんな質問をしてくれるということは少し元気になったんだろう。それはいいことだけど…。女の子の質問にわたしは言葉が止まってしまった。ど、どう答えるべきなの…?悩んでいると女の子の名前を呼ぶ声がした。
「パパ!ママ!」
女の子はご両親へと駆け寄っていった。ご両親の後ろからドルベも戻ってきて、これにて一件落着…かと思われたが…。
「お姉ちゃんとお兄ちゃん!ありがとう!さっきね、お兄ちゃんがね、お姉ちゃんといつか付き合いたいって言ってたよ!」
「………!!」
ご両親がこ、こら!と軽く叱りながらもお礼を言って去っていく。わたしが思わずドルベのほうを見ると、ドルベは困ったような、でもどこか照れくさそうに息を吐いていた。
「い、今の…?」
「…先ほどの少女にお兄ちゃんはお姉ちゃんと付き合ってるの?と聞かれてな…。…いずれそうなればいいと思っていると答えてしまったのだ。」
わたしは思わず顔を抑えてしまった。だけどドルベの声色は極めて冷静だった。
「別れたばかりのスミレに想いを告げる気はまだなかった。だが…私がスミレに好意を抱いてることは…知っておいてほしい。」
「あ、えっと…。」
「…困らせたくはなかったのだが…。…今まで通りに接してくれればそれでいい。」
「う、うん…。」
「そろそろ帰ろうか。」
…ドルベはわたしに気を遣ってくれたのだろう。今日1日だけで色々ありすぎて…パンクしてしまいそうだった…。帰りもドルベが色々話してくれたけどほとんど上の空だった。
家に帰ってからわたしはずっとドルベのことを考えていた。きっとそれがドルベの想いに対するわたしの答えそのものなのだろう…。明日ドルベにあったら…伝えなきゃ…上手く言えるかはわからないけれど…。想いを巡らせているとDゲイザーからコール音がした。誰だろう…。相手は璃緒ちゃんのようだった。通話ボタンを押すと璃緒ちゃんの焦った声が聞こえてくる。
「…大変よ!ドルベが…!」
…璃緒ちゃんから告げられた事実にわたしは先ほどの考えを後悔することになってしまうのだった。
「今日の映画はどんな映画なんだ?」
「恋愛映画だよ。えーっと余命宣告を受けた女の子のために男の子が奔走するお話…だったかな…。」
「ふむ…興味深いな。」
「…男の子ってこういうの興味ないかと思ってた。」
「確かに私1人なら選ばないな。だが、スミレが興味のあるものはちゃんと知っておきたい。」
わたしは飲んでいたジュースが危うく変なところに入りそうになって咽かけた。
「そ、そう…じゃあ今度はドルベの観たい映画見に行こうね。」
「あぁ…。そうだな。」
その時に映画館のブザーが鳴り響いて周りが暗くなってきてドルベの表情が見えなくなった。向こうからもわたしの表情は見えないだろう。今の顔は正直見られたくはなかったのでいいタイミングで暗くなってくれたなと思った。
長いCMが終わり、映画が始まる。映画の内容は最初はベタかなと思ったけど終盤になるにつれて、女の子のために行動する男の子と、死にゆく自分のためなんかに行動してほしくない女の子との切ないすれ違いが積み重なって…わたしは涙ぐんでしまっていた。肘置きに手を置くとすぐにそっと手が重なった。思わず退けようとしたけど、きゅっと握られてしまったために手を退けることができなかった。
ドルベの顔をみてみると彼の顔は画面に集中していて…。わたしは手に集中してしまいドキドキしてその後の映画の内容は入って来なかった。
エンドロールが終わった頃に手が離れていって…名残惜しさを覚えたことにわたしは少し動揺していた。わたしの手にはまだドルベの温もりが残っている。
「いい映画だったな。…色々と参考になった。」
「…気に入ってもらえたなら良かったけど、参考になったっって言うのは…?」
「…好きな者のために後悔をしない選択をとり続けたことだ。…私も見習わねばな。」
「そっか…わたしお手洗いに行ってくるね。」
「わかった。私はここで待っている。」
ドルベの見習わねばなと言った時の顔…。気のせいかもしれないけどわたしをまっすぐ見つめていたように見えた。いや、ドルベはいつもあんな感じ…あ、あれ…。そういえばドルベはわたしのために怒ってくれて…別れ話にも付き合ってくれて…まさか…ドルベの好きな人って……。いやいや…今はデートに集中しよう。あまりお手洗い長居するとあらぬことを疑われてしまう。軽く身だしなみだけ整えてトイレを出るとドルベと泣いている小さな女の子が立っていた。
「…どうしたの?」
「…すまない。迷子のようなんだ。私はご両親を探してくるからこの子と一緒にいてやってくれないか?」
「わかった。」
ドルベは映画館の受付の方へと向かっていった。人が多いからはぐれちゃったのかな。女の子は心細いのかスカートの裾を握っていた。わたしは女の子の手をそっと取る。
「…大丈夫だよ。きっとお父さんとお母さんは見つかるよ。」
「…ありがとうお姉ちゃん。ねぇ、お姉ちゃんは…さっきのお兄ちゃんのこと……好き?」
「えっ…。」
こんな質問をしてくれるということは少し元気になったんだろう。それはいいことだけど…。女の子の質問にわたしは言葉が止まってしまった。ど、どう答えるべきなの…?悩んでいると女の子の名前を呼ぶ声がした。
「パパ!ママ!」
女の子はご両親へと駆け寄っていった。ご両親の後ろからドルベも戻ってきて、これにて一件落着…かと思われたが…。
「お姉ちゃんとお兄ちゃん!ありがとう!さっきね、お兄ちゃんがね、お姉ちゃんといつか付き合いたいって言ってたよ!」
「………!!」
ご両親がこ、こら!と軽く叱りながらもお礼を言って去っていく。わたしが思わずドルベのほうを見ると、ドルベは困ったような、でもどこか照れくさそうに息を吐いていた。
「い、今の…?」
「…先ほどの少女にお兄ちゃんはお姉ちゃんと付き合ってるの?と聞かれてな…。…いずれそうなればいいと思っていると答えてしまったのだ。」
わたしは思わず顔を抑えてしまった。だけどドルベの声色は極めて冷静だった。
「別れたばかりのスミレに想いを告げる気はまだなかった。だが…私がスミレに好意を抱いてることは…知っておいてほしい。」
「あ、えっと…。」
「…困らせたくはなかったのだが…。…今まで通りに接してくれればそれでいい。」
「う、うん…。」
「そろそろ帰ろうか。」
…ドルベはわたしに気を遣ってくれたのだろう。今日1日だけで色々ありすぎて…パンクしてしまいそうだった…。帰りもドルベが色々話してくれたけどほとんど上の空だった。
家に帰ってからわたしはずっとドルベのことを考えていた。きっとそれがドルベの想いに対するわたしの答えそのものなのだろう…。明日ドルベにあったら…伝えなきゃ…上手く言えるかはわからないけれど…。想いを巡らせているとDゲイザーからコール音がした。誰だろう…。相手は璃緒ちゃんのようだった。通話ボタンを押すと璃緒ちゃんの焦った声が聞こえてくる。
「…大変よ!ドルベが…!」
…璃緒ちゃんから告げられた事実にわたしは先ほどの考えを後悔することになってしまうのだった。
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