気になる2人(ドルベ中編)
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クラスにいる大人しくて控えめで可憐な女性。それが最初に彼女に抱いた印象だった。彼女の方を向くと必ずと言っていいほど視線を逸らされる。最初は嫌われているのかとも思っていたが、彼女を少し観察していると、どうやら私がどうこうというよりは女性と話しているところしかほぼ見かけないので、男自体が苦手なのだろう。と解釈しており、私からはあまり近づかないようにしていた。だが、彼女が笑った時はどのような表情をするのか…。それが少し気にもなっていた。
ある日のこと。図書委員のために返却された本を棚に戻し終わったところ、本棚の前にいる彼女を見かけた。何か本を探しているのか…もしそうなら委員として声をかけるべきか…。しかし彼女の性格を考慮すると女性の図書委員を呼んできたほうがいいか…?。と悩みながら少し様子を伺っていると、彼女が手を伸ばしながら本を取ろうとしている。背伸びもしていたが、あと一歩が届かない。いじらしいな…と少し微笑ましく見ていたら、彼女が諦めてその場を離れようとしていたので…自然と手が伸びてしまった。
「…これか?」
「あ、ありがとう。」
鳥の囀りのように可愛らしくも消え入りそうな声。彼女がこちらを振り向いて私の顔を確認した。その際に目を見開いてから、勢いよく本棚の方へ後ずさってしまう。本棚と彼女がぶつかって上にあった本が揺れている。このままでは彼女の上に落ちてくる…。私は咄嗟に本を抑えた。
「…君がぶつかった衝撃で本が落ちかけていた。怪我はないか?」
「う、うん…。」
少し顔を赤らめている眼前の彼女。怪我をさせなかったことに安堵したが、彼女との距離を詰めすぎていたことに気づいて私は彼女から離れた。
「…初めてだな。」
「何が…?」
「…君と目が合うのが。君はいつも私がそちらを向くと顔を背けるからな。」
「…そ、そんなこと。」
初めて彼女の瞳をちゃんと見た。綺麗な翡翠色をしていることに気づき、一瞬見惚れてしまった。だが、次第に彼女の瞳は泳ぎ始めていた。その様子を見て私はあることを思い出した。
「…すまなかったな。」
「どうして謝るの?」
「君は恐らく…男が苦手なんだろう?さっき私は少し近づきすぎてしまった。怖くなかったか…?」
慌てて謝罪をしてみたら、一瞬不思議そうな顔をしていたが、先ほどまでとは違い今度はしっかりこちらを見てくれた。
「わたしを本から守ろうとしてくれたんでしょう?それに本が落ちたのもわたしのせいだし…。だから謝らないで…。」
「君がそう言うのなら…。この話は終わりにしようか。」
少し落ち着いたのか、先ほどまでよりも表情が柔らかい。何か他に話題は…と考えていたら自分の手に持っていた本の存在が視界に入った。
「そういえば、これ君が欲しかった本だろう。」
「あ…。」
私が本を差し出すと、彼女も手を差し出したが受け渡しの際に彼女の指先が私に触れてしまい、本を落とさないか心配したが、それは大丈夫だったようだ。…だが触れた瞬間の彼女の指先は少し冷たかったのが少し気にかかった。
「…ありがとう。」
「君もその本を読むのだな。」
「うん、この作家さんの本好きだから。読んでみたくて。」
「…そうか。私もその本を読んだことがある。」
「そうなの?!」
この作者を彼女が知っているとは思わなかった。彼女も私程ではないのかもしれないが、相当な読書家なのだろう。
「もしよければ…君の感想を聞かせてくれ。」
「うん!」
先ほどまではまだ少し強張った面持ちだったが、同志が見つかって嬉しかったのか、朗らかな表情になっていた。例えるなら…花が咲いたような笑顔だ。
「君は…そのように笑うのだな。」
…いつもの調子を保とうとしたつもりだったが。恐らく今は私の顔も緩んでしまっているのだろう。
「もし教室で私に話しかけづらいなら…。私は放課後図書室にいることが多い。…だからまた君が来てくれるのを待っている。」
そう言い残して彼女に背を向けてカウンターへと戻っていく。…正直に言うともう少し話していたい気持ちがあったが、職務は全うしなければならない。彼女に引き止められなかったのも少し残念だが…。今はまだ仕方ないだろう。
彼女が喜びそうな本はなんだろうか。他に好きな物はなんだろうか。また彼女の笑顔を見るにはどうすればいいのだろうか。
委員の仕事をこなしながらも私は明日が待ち遠しくて仕方なかった。
ある日のこと。図書委員のために返却された本を棚に戻し終わったところ、本棚の前にいる彼女を見かけた。何か本を探しているのか…もしそうなら委員として声をかけるべきか…。しかし彼女の性格を考慮すると女性の図書委員を呼んできたほうがいいか…?。と悩みながら少し様子を伺っていると、彼女が手を伸ばしながら本を取ろうとしている。背伸びもしていたが、あと一歩が届かない。いじらしいな…と少し微笑ましく見ていたら、彼女が諦めてその場を離れようとしていたので…自然と手が伸びてしまった。
「…これか?」
「あ、ありがとう。」
鳥の囀りのように可愛らしくも消え入りそうな声。彼女がこちらを振り向いて私の顔を確認した。その際に目を見開いてから、勢いよく本棚の方へ後ずさってしまう。本棚と彼女がぶつかって上にあった本が揺れている。このままでは彼女の上に落ちてくる…。私は咄嗟に本を抑えた。
「…君がぶつかった衝撃で本が落ちかけていた。怪我はないか?」
「う、うん…。」
少し顔を赤らめている眼前の彼女。怪我をさせなかったことに安堵したが、彼女との距離を詰めすぎていたことに気づいて私は彼女から離れた。
「…初めてだな。」
「何が…?」
「…君と目が合うのが。君はいつも私がそちらを向くと顔を背けるからな。」
「…そ、そんなこと。」
初めて彼女の瞳をちゃんと見た。綺麗な翡翠色をしていることに気づき、一瞬見惚れてしまった。だが、次第に彼女の瞳は泳ぎ始めていた。その様子を見て私はあることを思い出した。
「…すまなかったな。」
「どうして謝るの?」
「君は恐らく…男が苦手なんだろう?さっき私は少し近づきすぎてしまった。怖くなかったか…?」
慌てて謝罪をしてみたら、一瞬不思議そうな顔をしていたが、先ほどまでとは違い今度はしっかりこちらを見てくれた。
「わたしを本から守ろうとしてくれたんでしょう?それに本が落ちたのもわたしのせいだし…。だから謝らないで…。」
「君がそう言うのなら…。この話は終わりにしようか。」
少し落ち着いたのか、先ほどまでよりも表情が柔らかい。何か他に話題は…と考えていたら自分の手に持っていた本の存在が視界に入った。
「そういえば、これ君が欲しかった本だろう。」
「あ…。」
私が本を差し出すと、彼女も手を差し出したが受け渡しの際に彼女の指先が私に触れてしまい、本を落とさないか心配したが、それは大丈夫だったようだ。…だが触れた瞬間の彼女の指先は少し冷たかったのが少し気にかかった。
「…ありがとう。」
「君もその本を読むのだな。」
「うん、この作家さんの本好きだから。読んでみたくて。」
「…そうか。私もその本を読んだことがある。」
「そうなの?!」
この作者を彼女が知っているとは思わなかった。彼女も私程ではないのかもしれないが、相当な読書家なのだろう。
「もしよければ…君の感想を聞かせてくれ。」
「うん!」
先ほどまではまだ少し強張った面持ちだったが、同志が見つかって嬉しかったのか、朗らかな表情になっていた。例えるなら…花が咲いたような笑顔だ。
「君は…そのように笑うのだな。」
…いつもの調子を保とうとしたつもりだったが。恐らく今は私の顔も緩んでしまっているのだろう。
「もし教室で私に話しかけづらいなら…。私は放課後図書室にいることが多い。…だからまた君が来てくれるのを待っている。」
そう言い残して彼女に背を向けてカウンターへと戻っていく。…正直に言うともう少し話していたい気持ちがあったが、職務は全うしなければならない。彼女に引き止められなかったのも少し残念だが…。今はまだ仕方ないだろう。
彼女が喜びそうな本はなんだろうか。他に好きな物はなんだろうか。また彼女の笑顔を見るにはどうすればいいのだろうか。
委員の仕事をこなしながらも私は明日が待ち遠しくて仕方なかった。