番外編
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いよいよ明日からハートランド学園の夏休みが始まる。長かった終業式を経て帰ろうとすると、璃緒から元バリアンや小鳥さん達と一緒に海にでも行きませんか?と声をかけられた。是非とも行きたいところだが、私は水着を持っていなかった。それを伝えると一緒に買いに行くわよ!とそのままショッピングモールへと連れ出された。
色とりどりの水着。どれがいいだろうか。できればタンキニとかワンピースタイプの露出の少ない水着あると助かるんだけど。と自分で探していると璃緒が私を呼ぶ声がする。
「これとかどうかしら?」
璃緒が持っていたのは上下ともにフリルのついた白い可愛いビキニタイプの水着だった。清楚な雰囲気も相まって璃緒にとてもよく似合いそうな水着だ。
「すっごくいいと思う!」
「そうでしょう?早速着てみてくださる?」
「…私が着るの?璃緒じゃなくて?」
「えぇ、あなただっていま絶賛していたでしょう?」
スタイルのいい璃緒が着るならともかく、私が着るとなれば話は別だ。露出が多めだし着る勇気が私にはない。
「私より璃緒が着たほうが…」
「つべこべ言わずにとりあえず着なさい。」
私は強引に水着と一緒に試着室へと押し込められた。これは下手したらこの水着を着ないと試着室から出してもらえないかもしれない。…仕方ない。ここなら璃緒にしか見られないんだしと自分に言い聞かせながら渋々着替えてみた。サイズ的には問題ないけど…。これを人前で着るのは…。
「そろそろ開けますわよ?」
「あ、まって…!」
「あら、まだ着替え終わってませんの?」
「終わってるけど…その…。」
私の戸惑いの声も意に介さず試着室のカーテンが開かれてしまった。反射的に手で胸元を隠してしまった。
「とても似合ってますわ!」
「いや、私には…。もうちょっと肌が隠れてるほうが…。」
「いいえ。それぐらいじゃないとドルベを悩殺できませんわよ!」
「の、悩殺…?」
「それを着ればドルベも喜んでくれるということですわ。」
「ほ、本当に?」
「えぇ、親友の言うことが信じられないかしら?自分にもっと自信を持ちなさいな。」
「そ、そうなの…?」
璃緒の勢いに乗せられて試着した水着をレジへと持っていってお会計も済ませた。これでもう後戻りはできない。璃緒が似合うと言ってくれたその言葉を信じよう。(家に帰ってから念のため小鳥ちゃんにも見てもらってお墨付きをもらうことができた。)
迎えた当日、小鳥ちゃんは遊馬達がやらかさないか心配だからと先に更衣室から出て行った。着替え終わった私。日焼け対策も抜かりなくバッチリだ。…だけどなかなか足が動かない。
「ねぇ、璃緒。上着着ちゃダメかな?」
「ダメよ。可愛さが半減するじゃない。ほら早く行きますわよ!」
尻込みする私の腕を逃げないようにかがっちり掴んで待ち合わせのパラソルの元へと向かう。璃緒の後ろに隠れようとしても腕を掴まれてるからそれもかなわない。せめてドルベが今は居ませんようにと願ったが、残念ながらパラソルの下にいるのはドルベとシャークくんのようだ。
「遅い。遊馬達はとっくの前にビーチバレーしにいったぞ。」
「凌牙はわかってないわね。女の子は準備に時間がかかるのよ。」
シャークくんがこちらに気づいて声をかけてくれた。ドルベと目が合った。今日は泳ぐからか眼鏡をかけてないんだなとつい見つめてしまっていたら、ドルベが私に近づいてきた。えっ、な、なに…と戸惑っているとドルベは無言で私に彼の着ていたパーカーを着せてくれた。そして璃緒のほうへと向き直った。
「少し君に話が。」
「あら、何かしら。」
ドルベが私を一瞥もせずに璃緒を連れてどこかへ行ってしまった。残された私とシャークくん。
「…悪かったな。」
「何で謝るの?」
「その水着…お前の趣味じゃねえよな。大方璃緒に押し切られたんだろ?」
「…そんなことないよ。最終的に選んだのは私だし。ドルベは気に入ってくれなかったのかな。」
「ちげぇな。あれは…。」
「シャークくん!後ろ!!」
私の叫び声に反応してシャークくんが振り返ってしまい、かなりの勢いで飛んできたビーチボールがシャークくんの顔面にダイレクトアタックした。
「すいませーん!手元が狂っちゃってー!」
申し訳なさそうにベクターが現れたけど、日頃の行いのせいか絶対にわざとだとしか思えない。
「そうか…。じゃあしょうがねぇな。」
許すんだ…。心が広いなシャークくん。と思っていたのも束の間。
「…ここからは俺も参加してやるよ。」
「是非!きっと遊馬くんも喜んでくれますよ!」
シャークくんはベクターについて行った。やり返す気満々だ…。激しい喧嘩に発展しなきゃいいけど…。ギラグやアリトもいるし最悪力づくで止めてくれるか。そういえばシャークくんはさっき何を言いかけたんだろうと考えていたら私の名前を呼ぶ声がした。
「スミレ。」
「ドルベ…。」
璃緒との話し合いは終わったのか、私の隣に腰掛けるドルベ。だけど私達の間に会話はないし、ドルベはこちらを見ようともしない。気まずい空気が漂っている。居た堪れなくなって私から話し始めた。
「…この水着似合ってなかった?」
「…そんなことはない。」
「じゃあ何ですぐパーカーを着せたの?全然目も合わないし…。」
ようやく目が合ったのにドルベはまたすぐに私から視線を逸らしてしまった。
「君が着ている水着は…その…。」
「これは璃緒が選んでくれたの。」
「璃緒はスミレが進んで選んだと言っていたが…。」
「私1人なら絶対に選ばなかったかな…。」
「やはりそうか…。スミレらしくないと思っていたのだ。」
「……それってやっぱり似合ってないってことなの?」
「…違う。違うのだ。」
ドルベが珍しく言い淀んでいる。いつもなら口籠るのは私のほうなのに…。
「…その水着はとてもよく似合っている。だから今のスミレは私には魅力的すぎる…。他の者にもできれば見せたくない…。…だからパーカーを着せてしまったのだ。…情けない話だな。」
「そ、そんなこと…」
ないと言い切ろうとした時に、 アリトや遊馬くん達がお前たちもビーチバレーやらねぇか?という声が飛んできた。
ドルベは立ち上がり、少しだけ行ってくると答えた後にわたしに向き直って…もう少し着ていてくれとわたしに頼むのでパーカーはしばらく脱げそうになかった。
色とりどりの水着。どれがいいだろうか。できればタンキニとかワンピースタイプの露出の少ない水着あると助かるんだけど。と自分で探していると璃緒が私を呼ぶ声がする。
「これとかどうかしら?」
璃緒が持っていたのは上下ともにフリルのついた白い可愛いビキニタイプの水着だった。清楚な雰囲気も相まって璃緒にとてもよく似合いそうな水着だ。
「すっごくいいと思う!」
「そうでしょう?早速着てみてくださる?」
「…私が着るの?璃緒じゃなくて?」
「えぇ、あなただっていま絶賛していたでしょう?」
スタイルのいい璃緒が着るならともかく、私が着るとなれば話は別だ。露出が多めだし着る勇気が私にはない。
「私より璃緒が着たほうが…」
「つべこべ言わずにとりあえず着なさい。」
私は強引に水着と一緒に試着室へと押し込められた。これは下手したらこの水着を着ないと試着室から出してもらえないかもしれない。…仕方ない。ここなら璃緒にしか見られないんだしと自分に言い聞かせながら渋々着替えてみた。サイズ的には問題ないけど…。これを人前で着るのは…。
「そろそろ開けますわよ?」
「あ、まって…!」
「あら、まだ着替え終わってませんの?」
「終わってるけど…その…。」
私の戸惑いの声も意に介さず試着室のカーテンが開かれてしまった。反射的に手で胸元を隠してしまった。
「とても似合ってますわ!」
「いや、私には…。もうちょっと肌が隠れてるほうが…。」
「いいえ。それぐらいじゃないとドルベを悩殺できませんわよ!」
「の、悩殺…?」
「それを着ればドルベも喜んでくれるということですわ。」
「ほ、本当に?」
「えぇ、親友の言うことが信じられないかしら?自分にもっと自信を持ちなさいな。」
「そ、そうなの…?」
璃緒の勢いに乗せられて試着した水着をレジへと持っていってお会計も済ませた。これでもう後戻りはできない。璃緒が似合うと言ってくれたその言葉を信じよう。(家に帰ってから念のため小鳥ちゃんにも見てもらってお墨付きをもらうことができた。)
迎えた当日、小鳥ちゃんは遊馬達がやらかさないか心配だからと先に更衣室から出て行った。着替え終わった私。日焼け対策も抜かりなくバッチリだ。…だけどなかなか足が動かない。
「ねぇ、璃緒。上着着ちゃダメかな?」
「ダメよ。可愛さが半減するじゃない。ほら早く行きますわよ!」
尻込みする私の腕を逃げないようにかがっちり掴んで待ち合わせのパラソルの元へと向かう。璃緒の後ろに隠れようとしても腕を掴まれてるからそれもかなわない。せめてドルベが今は居ませんようにと願ったが、残念ながらパラソルの下にいるのはドルベとシャークくんのようだ。
「遅い。遊馬達はとっくの前にビーチバレーしにいったぞ。」
「凌牙はわかってないわね。女の子は準備に時間がかかるのよ。」
シャークくんがこちらに気づいて声をかけてくれた。ドルベと目が合った。今日は泳ぐからか眼鏡をかけてないんだなとつい見つめてしまっていたら、ドルベが私に近づいてきた。えっ、な、なに…と戸惑っているとドルベは無言で私に彼の着ていたパーカーを着せてくれた。そして璃緒のほうへと向き直った。
「少し君に話が。」
「あら、何かしら。」
ドルベが私を一瞥もせずに璃緒を連れてどこかへ行ってしまった。残された私とシャークくん。
「…悪かったな。」
「何で謝るの?」
「その水着…お前の趣味じゃねえよな。大方璃緒に押し切られたんだろ?」
「…そんなことないよ。最終的に選んだのは私だし。ドルベは気に入ってくれなかったのかな。」
「ちげぇな。あれは…。」
「シャークくん!後ろ!!」
私の叫び声に反応してシャークくんが振り返ってしまい、かなりの勢いで飛んできたビーチボールがシャークくんの顔面にダイレクトアタックした。
「すいませーん!手元が狂っちゃってー!」
申し訳なさそうにベクターが現れたけど、日頃の行いのせいか絶対にわざとだとしか思えない。
「そうか…。じゃあしょうがねぇな。」
許すんだ…。心が広いなシャークくん。と思っていたのも束の間。
「…ここからは俺も参加してやるよ。」
「是非!きっと遊馬くんも喜んでくれますよ!」
シャークくんはベクターについて行った。やり返す気満々だ…。激しい喧嘩に発展しなきゃいいけど…。ギラグやアリトもいるし最悪力づくで止めてくれるか。そういえばシャークくんはさっき何を言いかけたんだろうと考えていたら私の名前を呼ぶ声がした。
「スミレ。」
「ドルベ…。」
璃緒との話し合いは終わったのか、私の隣に腰掛けるドルベ。だけど私達の間に会話はないし、ドルベはこちらを見ようともしない。気まずい空気が漂っている。居た堪れなくなって私から話し始めた。
「…この水着似合ってなかった?」
「…そんなことはない。」
「じゃあ何ですぐパーカーを着せたの?全然目も合わないし…。」
ようやく目が合ったのにドルベはまたすぐに私から視線を逸らしてしまった。
「君が着ている水着は…その…。」
「これは璃緒が選んでくれたの。」
「璃緒はスミレが進んで選んだと言っていたが…。」
「私1人なら絶対に選ばなかったかな…。」
「やはりそうか…。スミレらしくないと思っていたのだ。」
「……それってやっぱり似合ってないってことなの?」
「…違う。違うのだ。」
ドルベが珍しく言い淀んでいる。いつもなら口籠るのは私のほうなのに…。
「…その水着はとてもよく似合っている。だから今のスミレは私には魅力的すぎる…。他の者にもできれば見せたくない…。…だからパーカーを着せてしまったのだ。…情けない話だな。」
「そ、そんなこと…」
ないと言い切ろうとした時に、 アリトや遊馬くん達がお前たちもビーチバレーやらねぇか?という声が飛んできた。
ドルベは立ち上がり、少しだけ行ってくると答えた後にわたしに向き直って…もう少し着ていてくれとわたしに頼むのでパーカーはしばらく脱げそうになかった。