番外編
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離宮のみんなも寝静まった頃、わたしはベッドからこっそり起き上がる。なるべく音を立てないように窓を開けたつもりなのに、木の軋む音が響いて少し焦ったけどこの程度なら誰もが起きないだろう。わたしはバルコニーへと出て夜風に当たる。…わたしは今日一日のことを振り返っていた。せっかくお姉様達がお茶会を開いてくれたのに…わたしは結局体調が悪くて最後まで参加できなかった。お姉様達はきにしないでと優しく笑ってくれていたけど…。今日だけじゃない。わたしは夜会でもいつも体調を崩して自分の務めを果たせてはいない。思い出すだけで情けなさすぎて泣きたくなる…。いけない、いけないと上を向いてみると星々が輝いていて、綺麗な満月が浮かんでいた。しばらく満月を見つめていたけど、それだけでは惨めな気持ちは消えず、わたしは欄干に寄りかかって涙を流していた。わたしはこの国の王女。だからこんなことで泣いちゃダメなのに…。今ぐらいは誰もいないから…とひとしきり涙を流していると、バサッと翼のはためく音がした。羽が落ちてきた。まさか…と思って顔を上げてみると目の前にいたのはマッハに乗ったドルべだった。
「どうして…ここに?」
「たまたま近くを通りかかってな…。スミレ、あまり夜に外に出ていると体に触るぞ。」
わたしは目を擦ってからそうだね。と返して戻ろうとするとドルべとマッハがバルコニーに降り立ち、マッハはドルベを残してどこかへ飛んで行ってしまった。
「マッハが行っちゃったけど…いいの?」
「…また戻ってくるさ。それより…君は泣いていたのか…?」
「…こ、これは…その、目にゴミが…。」
「…本当か?」
じっとわたしを射抜くドルベの瞳。誤魔化してもダメだなと思ったわたしは正直に話すことにした。
「わたし…王女として全然なってないな…って。」
「…なぜそう思う?」
「わたしはお姉様やお兄様のように王族としての務めを果たせてないから…。だから…情けなくて…。たまにこうして泣いてるの。」
「…どうしてこんな夜に。」
「…昔お母様に言われたの。王女は国の象徴。王女が泣いていたら国民を不安にさせてしまう。だからどんな時でも王女は明るく気丈に振る舞いなさいって」
言いながらわたしは笑おうとしたが顔が引き攣ってしまい上手く笑うことができなくてドルべから一瞬顔をそらしてしまった。
「だからね。今日わたしが泣いていたことは誰にも言わないでほしいの…。」
そう懇願するように頼むとドルベは頷いてからわたしに手招きをする。近づいてみるとそのままドルベの胸の中へと引き寄せられてしまった。
「…私は何も見ていない。だから今は思う存分泣けばいい。」
「…でも。」
「…ずっと王女でいる必要はない。…私と2人きりの時は普通の少女としていてくれればいい。」
…もう充分泣いたと思っていたのに、また目に涙が溜まってきた。わたしが嗚咽を漏らしながら泣いてるとドルべは更によしよしと言いたげに背中をさすってくれている。その手が暖かくて…。わたしは更に声をあげて泣いてしまうのだった。
「…気が済んだか?」
「うん、もう大丈夫。」
スミレの顔をみると泣いていたせいで目は赤いが、先ほどよりは清々しい顔をしている。その言葉に嘘はないようだ。
「あのね、また泣きたくなったら…呼んでもいい…?」
「王女からの頼みなら…断れないな。」
「ありがとう…騎士様。」
彼女の肩を抱き寄せた時、とても小さくて華奢で…。この体で王女としての重圧や病気も抱えてそれでも尚前を向いて一生懸命に生きている。
「そろそろマッハも戻ってくるだろう…。」
「そっか。…またマッハとも遊びたいな。」
「そうしてくれ。彼もきっと喜ぶ。」
我々の間にペガサスの羽がふわりと舞っている。マッハが月の光に照らされながらゆっくりとこちらまで降りてきた。
「王女様。どうかいい夢を。」
スミレの手の甲に軽くキスを落とし、名残惜しく思いながらも私はマッハにまたがって駆け上がって行く。許されるなら…このまま連れ去っていきたいが…。王女として生きている彼女がそれを良しとはしないだろう。いつか私が国王に認められるまで。どうかそれまで待っていてくれ。
「どうして…ここに?」
「たまたま近くを通りかかってな…。スミレ、あまり夜に外に出ていると体に触るぞ。」
わたしは目を擦ってからそうだね。と返して戻ろうとするとドルべとマッハがバルコニーに降り立ち、マッハはドルベを残してどこかへ飛んで行ってしまった。
「マッハが行っちゃったけど…いいの?」
「…また戻ってくるさ。それより…君は泣いていたのか…?」
「…こ、これは…その、目にゴミが…。」
「…本当か?」
じっとわたしを射抜くドルベの瞳。誤魔化してもダメだなと思ったわたしは正直に話すことにした。
「わたし…王女として全然なってないな…って。」
「…なぜそう思う?」
「わたしはお姉様やお兄様のように王族としての務めを果たせてないから…。だから…情けなくて…。たまにこうして泣いてるの。」
「…どうしてこんな夜に。」
「…昔お母様に言われたの。王女は国の象徴。王女が泣いていたら国民を不安にさせてしまう。だからどんな時でも王女は明るく気丈に振る舞いなさいって」
言いながらわたしは笑おうとしたが顔が引き攣ってしまい上手く笑うことができなくてドルべから一瞬顔をそらしてしまった。
「だからね。今日わたしが泣いていたことは誰にも言わないでほしいの…。」
そう懇願するように頼むとドルベは頷いてからわたしに手招きをする。近づいてみるとそのままドルベの胸の中へと引き寄せられてしまった。
「…私は何も見ていない。だから今は思う存分泣けばいい。」
「…でも。」
「…ずっと王女でいる必要はない。…私と2人きりの時は普通の少女としていてくれればいい。」
…もう充分泣いたと思っていたのに、また目に涙が溜まってきた。わたしが嗚咽を漏らしながら泣いてるとドルべは更によしよしと言いたげに背中をさすってくれている。その手が暖かくて…。わたしは更に声をあげて泣いてしまうのだった。
「…気が済んだか?」
「うん、もう大丈夫。」
スミレの顔をみると泣いていたせいで目は赤いが、先ほどよりは清々しい顔をしている。その言葉に嘘はないようだ。
「あのね、また泣きたくなったら…呼んでもいい…?」
「王女からの頼みなら…断れないな。」
「ありがとう…騎士様。」
彼女の肩を抱き寄せた時、とても小さくて華奢で…。この体で王女としての重圧や病気も抱えてそれでも尚前を向いて一生懸命に生きている。
「そろそろマッハも戻ってくるだろう…。」
「そっか。…またマッハとも遊びたいな。」
「そうしてくれ。彼もきっと喜ぶ。」
我々の間にペガサスの羽がふわりと舞っている。マッハが月の光に照らされながらゆっくりとこちらまで降りてきた。
「王女様。どうかいい夢を。」
スミレの手の甲に軽くキスを落とし、名残惜しく思いながらも私はマッハにまたがって駆け上がって行く。許されるなら…このまま連れ去っていきたいが…。王女として生きている彼女がそれを良しとはしないだろう。いつか私が国王に認められるまで。どうかそれまで待っていてくれ。
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