2.特別だとか思わないでくれるか?
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「あったまtkt~k、冴っえてpkp~k、そっれがどぉし~た、ア~カムえもん~」
┗(゜∀゜)┓=З
ダンテと夢は歌いながら、ベオの散歩も兼ねた道中だった。
教えてもらったがその歌詞の内容にダンテはアーカムに同情せざるを得なかった。
「……変な歌だよな」
「フフン、日本の有名アニメの替え歌なのだよ」
でさ、と続ける。
「確認しておきたいんだけど、どんな時間軸から来たの?」
「時間軸?」
「テメンニグルのこと知ってるみたいだったから……ってことはアレ登った後、だよね?」
直後?と聞いてくる夢にしばし考えてから返答する。
「あの塔ねぇ……丁度ここに来る1週間くらい前に登ったな」
「……そっか」
高く、長い道のりだった。
あの中でいろんな経験をしたし、悪魔としての力を覚醒することも出来た。
そしてこれから何をすればいいのかも。
もう一度バージルと会えるなら、オレは手を切り落とされても頭を潰されても、逆にあいつの足を切り落として逃げられないようにしてでも絶対に連れ戻してやる!
目と鼻の先とは言ったが、まだもう少し先のようだ。
休憩がてら自販機で冷たく冷えたミネラルウォーターを買う。
犬だって家族だもーん、と公園の水道水ではなく、バッグから取り出したペット皿にミネラルウォーターを入れてベオにも飲ませている。
「夢、オレにもよこせよ、オレは家族以上だろ?」
ニヤリと笑い、ダンテが肩から覗きこんだ。
家族以上ってなんだ。
ダンテいつから嫁に格上げしたんだっけ、いやしてない。
あたしの嫁はバージルたんだ。
むっとしながらネコと言う名の毛玉の塊を首から離す。
「暑っダンテの毛並み暑っ」
実はダンテは夢の肩に乗って移動している。
ちょっと汗ばむくらいの気温なのに肩にダンテが乗っているせいか毛が暑苦しくまとわりついてきた。
「自分で歩くかベオに乗ってくんない?」
「いやだね、自分で歩くと腹が減るのが早いし、アスファルトが熱くて肉球が火傷しそうだ」
ダンテは夢の首筋にイヤイヤとすりよった。
ネコが甘えてきてるようにしか見えないので端から見れば微笑ましいが、その実、暑苦しくて首だけ灼熱地獄だ。
「ベオは平気で歩いてるじゃんか」
「オレはネコになって日が浅いんだよ!」
シャー、と爪を立てて肩を掴み、意思を主張する。
うわ、肩に刺さる、痛い。
「それにベオは男を乗せる趣味はないそうだ」
ケッと唾を吐くような仕草で呑気に水を飲み続けるベオをねめつける。
その仕草、毛玉吐くときにそっくり。
夢はまだまだ続きそうな首の灼熱地獄に少しうんざりしながら先を急ぐことにした。
「あ、そ。じゃあサクサクッとお兄ちゃん見つけて帰ろ」
ちなみに今の会話は小声で行われているため、周りから見た夢は動物に話しかけている変人にしか見えない。
え、もともと変人だって?
しばくぞゴルァ(゜Д゜#)
***
「あ、この辺だよ」
そう言って一行が角を曲がった目的地には、十数人の人間がいた。
その内2、3人ほどがテレビ用のカメラを構えている。
「うわ、まだ報道陣いるぜ」
げんなりした声音でヒゲをわずかに下げダンテは項垂れた。
「ほとんどは野次馬だよ、それに大事件ってわけでもないから報道陣は少ない方……ふっ暇人どもめ」(′~`)
お前もじゃね?ダンテはそう言ってやりたい思いをぐっと堪えた。
「すみません、連れてるのってもしかしてニュースのネコ……だったりしますか?」
キョロキョロしながらバージルの気配を探っていると、一般ピープルらしき男性が小型のデジカメを片手に話しかけてきた。
喋らないでよ、わかってる、目で会話し合うと夢は男性に向き合った。
「いえよく似てますけどこれはウチのネコですニュースのネコを連れてるわけないじゃないですか^^」
うわぁすがすがしいまでの営業スマイルだ。
にっこりと笑顔になりながら言っているが、副音声でどっか行けやバーローと聞こえる。
よく見れば目が笑ってないし。
しかも傍で有無を言わせないと言いたげにベオが低く唸っている。
今にも男性に飛びかかりそうなほど歯を剥き出して威嚇の真っ最中だ。
こわっΣ(°Д°;
意思は充分過ぎるほど伝わったらしい。
「そ、そうですか、すみませんでした」
男性は青い顔をしてそそくさとその場を立ち去った。
「ふ、愚民ごときがこのあたしに声をかけるなんて10年早い、そうは思わんかねダンテくん」
「お前何様だよ」
「夢様だけど?ね、ダンテ……バージルここらにまだいると思う?」
腕を組んでその場に佇み、しばらく考え込む。
その間もちらちらと数人の他の人間が好奇の目を向けてくるがすべてベオの殺気が相殺していった。
「こんだけ人がいたんじゃなぁ……」
その視線をウザったそうにしながら返答する。
「半魔で双子なんだしさ、双子センサーとかないの?」
お互いの居場所わかるんだぜ、みたいな。
この少女、自分が悪魔の血をひいてるからって何でもありだと思っている節がある。
「ねーよwww」
スパン、と後頭部に軽くチョップを繰り出して否定した。
「わぉん!」
地面の匂いを嗅いでいたベオが耳をピンと立てて、突然ぐいんとリードを引っ張った。
「うわととと、ちょ、どこへ引っ張っていく気ぃぃぃい!?」
ものすごい力で引っ張るベオに負けて、夢も走り出さざるを得ない。
「案内してくれるらしいぜ?」
さすがベオウルフの名を冠する犬なだけはある、世界が違おうとどこまでもオレ達の匂いは覚えてるってわけだ。
ダンテはフン、と鼻で笑いながらベオの後を急いだ。
┗(゜∀゜)┓=З
ダンテと夢は歌いながら、ベオの散歩も兼ねた道中だった。
教えてもらったがその歌詞の内容にダンテはアーカムに同情せざるを得なかった。
「……変な歌だよな」
「フフン、日本の有名アニメの替え歌なのだよ」
でさ、と続ける。
「確認しておきたいんだけど、どんな時間軸から来たの?」
「時間軸?」
「テメンニグルのこと知ってるみたいだったから……ってことはアレ登った後、だよね?」
直後?と聞いてくる夢にしばし考えてから返答する。
「あの塔ねぇ……丁度ここに来る1週間くらい前に登ったな」
「……そっか」
高く、長い道のりだった。
あの中でいろんな経験をしたし、悪魔としての力を覚醒することも出来た。
そしてこれから何をすればいいのかも。
もう一度バージルと会えるなら、オレは手を切り落とされても頭を潰されても、逆にあいつの足を切り落として逃げられないようにしてでも絶対に連れ戻してやる!
目と鼻の先とは言ったが、まだもう少し先のようだ。
休憩がてら自販機で冷たく冷えたミネラルウォーターを買う。
犬だって家族だもーん、と公園の水道水ではなく、バッグから取り出したペット皿にミネラルウォーターを入れてベオにも飲ませている。
「夢、オレにもよこせよ、オレは家族以上だろ?」
ニヤリと笑い、ダンテが肩から覗きこんだ。
家族以上ってなんだ。
ダンテいつから嫁に格上げしたんだっけ、いやしてない。
あたしの嫁はバージルたんだ。
むっとしながらネコと言う名の毛玉の塊を首から離す。
「暑っダンテの毛並み暑っ」
実はダンテは夢の肩に乗って移動している。
ちょっと汗ばむくらいの気温なのに肩にダンテが乗っているせいか毛が暑苦しくまとわりついてきた。
「自分で歩くかベオに乗ってくんない?」
「いやだね、自分で歩くと腹が減るのが早いし、アスファルトが熱くて肉球が火傷しそうだ」
ダンテは夢の首筋にイヤイヤとすりよった。
ネコが甘えてきてるようにしか見えないので端から見れば微笑ましいが、その実、暑苦しくて首だけ灼熱地獄だ。
「ベオは平気で歩いてるじゃんか」
「オレはネコになって日が浅いんだよ!」
シャー、と爪を立てて肩を掴み、意思を主張する。
うわ、肩に刺さる、痛い。
「それにベオは男を乗せる趣味はないそうだ」
ケッと唾を吐くような仕草で呑気に水を飲み続けるベオをねめつける。
その仕草、毛玉吐くときにそっくり。
夢はまだまだ続きそうな首の灼熱地獄に少しうんざりしながら先を急ぐことにした。
「あ、そ。じゃあサクサクッとお兄ちゃん見つけて帰ろ」
ちなみに今の会話は小声で行われているため、周りから見た夢は動物に話しかけている変人にしか見えない。
え、もともと変人だって?
しばくぞゴルァ(゜Д゜#)
***
「あ、この辺だよ」
そう言って一行が角を曲がった目的地には、十数人の人間がいた。
その内2、3人ほどがテレビ用のカメラを構えている。
「うわ、まだ報道陣いるぜ」
げんなりした声音でヒゲをわずかに下げダンテは項垂れた。
「ほとんどは野次馬だよ、それに大事件ってわけでもないから報道陣は少ない方……ふっ暇人どもめ」(′~`)
お前もじゃね?ダンテはそう言ってやりたい思いをぐっと堪えた。
「すみません、連れてるのってもしかしてニュースのネコ……だったりしますか?」
キョロキョロしながらバージルの気配を探っていると、一般ピープルらしき男性が小型のデジカメを片手に話しかけてきた。
喋らないでよ、わかってる、目で会話し合うと夢は男性に向き合った。
「いえよく似てますけどこれはウチのネコですニュースのネコを連れてるわけないじゃないですか^^」
うわぁすがすがしいまでの営業スマイルだ。
にっこりと笑顔になりながら言っているが、副音声でどっか行けやバーローと聞こえる。
よく見れば目が笑ってないし。
しかも傍で有無を言わせないと言いたげにベオが低く唸っている。
今にも男性に飛びかかりそうなほど歯を剥き出して威嚇の真っ最中だ。
こわっΣ(°Д°;
意思は充分過ぎるほど伝わったらしい。
「そ、そうですか、すみませんでした」
男性は青い顔をしてそそくさとその場を立ち去った。
「ふ、愚民ごときがこのあたしに声をかけるなんて10年早い、そうは思わんかねダンテくん」
「お前何様だよ」
「夢様だけど?ね、ダンテ……バージルここらにまだいると思う?」
腕を組んでその場に佇み、しばらく考え込む。
その間もちらちらと数人の他の人間が好奇の目を向けてくるがすべてベオの殺気が相殺していった。
「こんだけ人がいたんじゃなぁ……」
その視線をウザったそうにしながら返答する。
「半魔で双子なんだしさ、双子センサーとかないの?」
お互いの居場所わかるんだぜ、みたいな。
この少女、自分が悪魔の血をひいてるからって何でもありだと思っている節がある。
「ねーよwww」
スパン、と後頭部に軽くチョップを繰り出して否定した。
「わぉん!」
地面の匂いを嗅いでいたベオが耳をピンと立てて、突然ぐいんとリードを引っ張った。
「うわととと、ちょ、どこへ引っ張っていく気ぃぃぃい!?」
ものすごい力で引っ張るベオに負けて、夢も走り出さざるを得ない。
「案内してくれるらしいぜ?」
さすがベオウルフの名を冠する犬なだけはある、世界が違おうとどこまでもオレ達の匂いは覚えてるってわけだ。
ダンテはフン、と鼻で笑いながらベオの後を急いだ。