1.一緒にいてやってもいい
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夢がその空き地に来たのはたまたまだった。
たまたまピザを食べたくなり。
使おうと思ったお気に入りのピザ用チーズを母にたまたま使われてしまい、残り少なくなったピザ用チーズを買いに行かざるをえなくなり。
そしてたまたまピザ用チーズを取り扱うコンビニに向かう道が通行止めになっていてその空き地を迂回路として利用せざるをえなくなった。
そう、たまたまだった。
「Pizza! Pi Pizza! Pizza!(Pizza!)Pizza! Pi Pizza!ピザが食べたい~♪」
買い終えたチーズ入りのビニール袋をほくほく顔で抱え、某ピザの歌を口ずさみながらビニール傘をくるくるまわして道を歩く。
傘を回したことで雨粒が周りに跳ねる。
跳ね飛んだ先をビニール傘越しに目で追うと白っぽい物が視界に映りこんだ。
あれれ、行く時は何もなかったのに。
それは夢の目にはゴミ袋か何かに映った。
「ポイ捨て良くない!
(`・ω・´)キリッ」
と誰に言うでもなく口に出して足早に向かう。
が、拾おうとしてそれがゴミではないことに気がついた。
「え、ネコ?」
空き地の片隅にあったゴミと思っていたのはくすんだ灰色に汚れた子ネコだった。
子ネコはぐったりと弱りきり横たわっていたが、死んではいないようだった。
「たたた、たいへんだ!
どどどどうしよう!?
o(゚Д゚o≡o゚Д゚)o 」
もちつけ、自分!
ヒッヒッフー、ヒッヒッフー、はい落ち着いた!って、違う、これラマーズ法じゃん。
もしかしてお腹空いて倒れちゃったのかな。
この辺って整備された住宅街だし、野良ネコに餌やるの禁止だもんね。
そっとその背をなでるが、ネコは浅い呼吸を繰り返すだけで目を閉じたままだった。
「ん?この子変わったアクセサリーつけてる……な~んかどっかで見たことあるデザインなんだよなあ。
こんなのつけてるってことは飼い猫かな?」
でもそれにしてはなんだか変である。
野良っぽさがにじみ出ている。
買い物袋の中に手をやるがそこには買ったばかりのピザ用チーズしかない。
ネコにチーズ……、悪くはないだろうがもっと栄養のあるものを食べさせてあげた方がいいだろう、家に連れて帰ろうか。
「うちにはわんわんおがいるけどだいじょぶでしょ」
しつけしっかりしてるし、仲良くできるよ……多分。
そう思い夢はその小さな体に手を伸ばした。
ぱち。
その行動がアミュレットを奪おうとしているものと思ったダンテは目を開けた。
弱っているとは思えない速度で夢の手を叩く。
だが今や弱々しい力となっていたため、ぺちんと夢の手に前足を重ねているだけのようなものであった。
「にゃ……」
(触るな…)
蚊の鳴くような小さな鳴き声しかでない。
しかも、そのままへなへなと前足を崩して突っ伏してしまった。
「うわ、キミだいじょぶ?どっか痛いの?」
「にゃぁぁ……にゃーご……」
(これには触んじゃねェ……腹、減った……)
くそ、ネコの言葉じゃ通じねえ。
人間ごときに奪われるものかと思ったがもう限界のようだ。
願わくばこの少女が人の物を盗んだりしない奴でありますようにと、信じてもいない神に祈る。
ダンテは再び目を閉じて闇に意識を委ねた。
たまたまピザを食べたくなり。
使おうと思ったお気に入りのピザ用チーズを母にたまたま使われてしまい、残り少なくなったピザ用チーズを買いに行かざるをえなくなり。
そしてたまたまピザ用チーズを取り扱うコンビニに向かう道が通行止めになっていてその空き地を迂回路として利用せざるをえなくなった。
そう、たまたまだった。
「Pizza! Pi Pizza! Pizza!(Pizza!)Pizza! Pi Pizza!ピザが食べたい~♪」
買い終えたチーズ入りのビニール袋をほくほく顔で抱え、某ピザの歌を口ずさみながらビニール傘をくるくるまわして道を歩く。
傘を回したことで雨粒が周りに跳ねる。
跳ね飛んだ先をビニール傘越しに目で追うと白っぽい物が視界に映りこんだ。
あれれ、行く時は何もなかったのに。
それは夢の目にはゴミ袋か何かに映った。
「ポイ捨て良くない!
(`・ω・´)キリッ」
と誰に言うでもなく口に出して足早に向かう。
が、拾おうとしてそれがゴミではないことに気がついた。
「え、ネコ?」
空き地の片隅にあったゴミと思っていたのはくすんだ灰色に汚れた子ネコだった。
子ネコはぐったりと弱りきり横たわっていたが、死んではいないようだった。
「たたた、たいへんだ!
どどどどうしよう!?
o(゚Д゚o≡o゚Д゚)o 」
もちつけ、自分!
ヒッヒッフー、ヒッヒッフー、はい落ち着いた!って、違う、これラマーズ法じゃん。
もしかしてお腹空いて倒れちゃったのかな。
この辺って整備された住宅街だし、野良ネコに餌やるの禁止だもんね。
そっとその背をなでるが、ネコは浅い呼吸を繰り返すだけで目を閉じたままだった。
「ん?この子変わったアクセサリーつけてる……な~んかどっかで見たことあるデザインなんだよなあ。
こんなのつけてるってことは飼い猫かな?」
でもそれにしてはなんだか変である。
野良っぽさがにじみ出ている。
買い物袋の中に手をやるがそこには買ったばかりのピザ用チーズしかない。
ネコにチーズ……、悪くはないだろうがもっと栄養のあるものを食べさせてあげた方がいいだろう、家に連れて帰ろうか。
「うちにはわんわんおがいるけどだいじょぶでしょ」
しつけしっかりしてるし、仲良くできるよ……多分。
そう思い夢はその小さな体に手を伸ばした。
ぱち。
その行動がアミュレットを奪おうとしているものと思ったダンテは目を開けた。
弱っているとは思えない速度で夢の手を叩く。
だが今や弱々しい力となっていたため、ぺちんと夢の手に前足を重ねているだけのようなものであった。
「にゃ……」
(触るな…)
蚊の鳴くような小さな鳴き声しかでない。
しかも、そのままへなへなと前足を崩して突っ伏してしまった。
「うわ、キミだいじょぶ?どっか痛いの?」
「にゃぁぁ……にゃーご……」
(これには触んじゃねェ……腹、減った……)
くそ、ネコの言葉じゃ通じねえ。
人間ごときに奪われるものかと思ったがもう限界のようだ。
願わくばこの少女が人の物を盗んだりしない奴でありますようにと、信じてもいない神に祈る。
ダンテは再び目を閉じて闇に意識を委ねた。