にゃんこバージルのお食事タイム
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その時夢の家にはダンテとバージルがいた。
これはまだ、ネロがいない頃の話である。
ネコの姿をしたダンテはピザが主食だった。
相変わらずのジャンキーである。
それを飽きもせず毎日食べ続けているのだ。
一方でバージルはより好みはあまりしないほうだが、さすがに毎日ダンテに付き合ってピザばかりの生活でかなり頭にも胃にもきていた。
ダァイ!ピザなんか大嫌いだ!(`皿´#)と次元斬でダンテごと斬り刻みたいくらいに。
ある日、バージルは夢がバイトに出ていていない日に事を起こすべく動いた。
悪いとは思ったが違うものを食べるため、勝手に冷蔵庫を漁ることにしたのだ。
ネコの体はあまり便利とはいえない。
小さな隙間を通り抜ける事や、高い所に飛び乗ることは出来る。
だが、大きな扉を開けることはできない。
力がないからではなく、ネコの手の構造上上手く取っ手をつかむことができないのだ。
「くっ」
高く飛び上がりどうにか取っ手を両手でホールドするところまで出来た。
「ふぬぅ(゚Д゚#)⊃=3」
バージルはネコキックの要領で反動をつけて周りの家具を蹴り上げると、冷蔵庫の扉を開けることに成功した。
冷蔵庫を覗くと、ひんやりとした冷気が顔にあたる。
卵に納豆、牛乳、バターにオレンジジュース、生肉のパック、調味料にストロベリーサンデーの材料……そしてたくさんの野菜……、調理せずに今すぐバージルが食べれそうなものはないように見えた。
がっくりと肩を落としてバージルは扉をしめようとしたが、一つの瓶詰が目に入ってきた。
幸運なことにその蓋が完全に閉まってはおらず、ネコの手でも開けられそうな状態になっている。
バージルはその瓶詰を器用に咥えると一旦下に飛び降りた。
「なんと読むのだ……?」
バージルの持ってきた瓶詰のパッケージには『塩辛』と書いてあった。
実はダンテ達はこの世界で話し言葉は理解できるが、文字はあまり読めない。
それが漢字であるならなおさらである。
かぱり、と開けて匂いを嗅ぐ。
海鮮物特有の香りが漂ってきて唾液が口腔内にたまる。
カツオ出汁などの香りもそうだった。
今ネコだからなのかもしれない。それはなんだかとても魅力のある香りに感じられた。
耐えきれず手につけて一舐めする。
……ぺろ。
かなりしょっぱい気がする。
バージルは顔をしかめたが、風味は悪くない、と一人でうんうん頷いた。
多分日本人がよく食す漬物などと同じで白米のお供なのだろう。
ちょうどほどよくお冷ごはんと焼いて少し固くなったピザだけならば食卓の上に出ている。
用意してもらっている身だから悪い気はする。
でもピザはダンテにやればいい。
そう考えて視界の隅へ追いやった。
そしてバージルは白米と塩辛でダンテよりも一足早い食事にすることにした。
***
「にゃー……(腹減ったー)」
空腹なため、人語からネコ語になったダンテが10時頃にしてやっと起きだしてきた。
今日は確か夢はバイトの日だ、いないのはあたり前か…と寝ぼけ頭で思いだし欠伸を一つ。
あれ、そういえばバージルはどこ行ったんだ?
まさか、オレと一緒にいたくないがために出て行ったとは考えにくい。
なぜならこの世界には魔界は存在しないし、ネコから人に戻る方法のかけらすら見つかっていない。
そんな状態でここから出て行っても意味がないからだ。
寝床にはいなかった、もう先にピザを食べているのだろうか。
ダンテはキッチンのテーブルの上に飛び乗ろうとした。
だが、視界の端に白い毛並みが見え隠れしているのが見え、ダンテはゆったりとした歩みで向こう側へと回りこんだ。
目に入ってきたものにダンテは丸い目玉をさらにまるく見開いた。
バージルが白目をひん剥いて泡を吐き、倒れていたのだ。
その体はぴくぴくと痙攣を続けている。
「にゃ、にゃあにゃーにゃぅ!(ど……どうしたんだバージルゥゥゥウ!)」
ネコの姿とはいえ、いつも強く気丈な兄とは真逆の情けないこの有様を誰が想像できようか。
ただごとじゃないと、ダンテは慌ててバージルにかけより揺すり起こした。
「う……ダンテか……ネコの体に毒物となる物を摂取してしまったようだ」
バージルのそばを見れば何かの瓶詰が開いているのが見てとれた。
なんじゃこりゃ?
海鮮物の香りが食欲をそそる。
ネコの本能はこの瓶詰の中身を食べたいと叫んでいた。
だが、そこはダンテ。
体はピザを求めているのだった。
そうでなくても、夢に連絡するにしろしゃべるにしろ、取りあえずは食事が必要である。
ダンテは少し待つようバージルに伝えると、夢の用意してくれたピザの処理に取り掛かった。
余談だが夢のピザは冷めて固くなっても美味い。
普通のピザではこうはいかない。
一体どんな焼きかたをしたら冷めても美味いピザが仕上がるのかいつも疑問である。
緊急事態でもダンテはダンテだった。
ゆっくりと緩慢な動きで咀嚼し、最後の一口を飲み下す。
ぷは、今日も美味いピザだったぜ。
その場にいない夢に届くかのように虚空に感謝の気持ちを伝えたダンテは、急いでバージルの元に向かった。
「おいおいバージル、大丈夫か?」
バージルは腰を抜かして歩けないのか、ぷるぷるとした動きでその場から1ミリとも動いていなかった。
「もうむりぽ(´Д`;)」
「あー……オレ、夢に連絡入れるな」
ダンテは夢のゲームやパソコンをいじって遊ぶくらいだ。
もうこの時代の電話機の使い方もマスター済みである。
ダンテは壁に張られた夢の携帯番号のメモを見ながら、ダイヤルを押して受話器をずらした。
***
『ゆらり、ゆらり、ゆれてい~る男心ピ~ンチ♪~』
「あれ、家の電話からかかってきてる……」
バイト中だった夢は突然の着信に気付き訝しげに休憩スペースに入った。
「はいはいもしもし」
「オレだよ、オレ!」
「オレオレ詐欺は間に合ってます……なんてね。よく電話かけられたね、どしたのダンテ」
「バージルがかゆうま状態で、あぼーんしそうなんだhelp me!えーりん!(((°Д°;)))アヒィ」
「……なんとなくわかった、急いで帰る。
ダンテまた勝手にパソコン見たでしょ、あとで校舎裏な(^ω^#)」
「校舎ないだろ!」
と言うことで夢はその日初めてバイトを早退することにしたのだった。
「まっててねぇバージルたんんんんぅ!!┗(((*°∀°*)))┓=3」
自転車をふっとばして帰った夢は、ダンテの案内でだるそうにしているバージルを早速見た。
「このアーモンド臭……死因はこの瓶詰に含まれる青酸カリか……」
どこから取り出したのか、黒ぶち眼鏡をかけて某見た目は子供な探偵を気取る。
「まじめにやってくれ」
アーモンド臭もないし、青酸カリなんてどこからもでないだろ?
ダンテが突っ込む。
「ごめんごめん、何があったの?」
「その瓶詰を食べてから上手く歩けん、あと腹が痛い」
バージルが指す先を辿ると、塩辛の瓶詰があった。
たしか『ネコにイカを与えると腰を抜かす』という俗説があった気がする。
「ははーん、イカの塩辛食べたからだと思うよ」
「ネコってイカ食べちゃだめなのか?」
「取りあえず生はだめらしいよ」
「そーなのかー(^q^)」
「香りに釣られて食べてしまった……不覚ッ」
「ていうか、よく冷蔵庫開けられたよね。そっちのがびっくりだわ」
腐っちゃうから冷蔵庫入れないとね。
と付け足して今度は蓋をしっかり閉め保冷する。
「俺はどうすればいい?」
「うーん、ホントなら動物病院に行った方がいいんだけど……」
夢の言葉にバージルは縮みあがって毛を逆立てた。
「冗談じゃない、誰が行くか!(゚Д゚;)」
「だよねぇ……」
「なんだよバージル、お注射が恐いんでちゅか~?m9(^∀^*)ゲラ」
その瞬間ダンテの目玉に無言でにぼしが刺さった。
「目が!目がぁぁあ!」
「んーしょうがないから、全部モリモリ出すしかないんじゃない?」
「俺にス●トロプレイを強要する気か貴様!?」
「だって薬ないし……(・ω・`)」
「わかった……」
バージルは嫌そうな顔をしながらしぶしぶといった具合に頷いた。
「そんなしょっぺーモン喰うからそうなるんだ。ピザ喰え、ピザ」
「……ダンテ、目から血が出てる状態でこっち来ないで。
SI●ENの屍人かよ、恐い恐い近い近い!Σ(゚А゚Ⅲ)
でもまぁ、勝手に食べちゃったバージルも悪いよね。大人しくピザ食べときゃいいのに」
「そんなジャンクフードいらん!」
それからバージルの体調が戻るまでは3日もの時がかかったそうだ。m9(^Д^)
これはまだ、ネロがいない頃の話である。
ネコの姿をしたダンテはピザが主食だった。
相変わらずのジャンキーである。
それを飽きもせず毎日食べ続けているのだ。
一方でバージルはより好みはあまりしないほうだが、さすがに毎日ダンテに付き合ってピザばかりの生活でかなり頭にも胃にもきていた。
ダァイ!ピザなんか大嫌いだ!(`皿´#)と次元斬でダンテごと斬り刻みたいくらいに。
ある日、バージルは夢がバイトに出ていていない日に事を起こすべく動いた。
悪いとは思ったが違うものを食べるため、勝手に冷蔵庫を漁ることにしたのだ。
ネコの体はあまり便利とはいえない。
小さな隙間を通り抜ける事や、高い所に飛び乗ることは出来る。
だが、大きな扉を開けることはできない。
力がないからではなく、ネコの手の構造上上手く取っ手をつかむことができないのだ。
「くっ」
高く飛び上がりどうにか取っ手を両手でホールドするところまで出来た。
「ふぬぅ(゚Д゚#)⊃=3」
バージルはネコキックの要領で反動をつけて周りの家具を蹴り上げると、冷蔵庫の扉を開けることに成功した。
冷蔵庫を覗くと、ひんやりとした冷気が顔にあたる。
卵に納豆、牛乳、バターにオレンジジュース、生肉のパック、調味料にストロベリーサンデーの材料……そしてたくさんの野菜……、調理せずに今すぐバージルが食べれそうなものはないように見えた。
がっくりと肩を落としてバージルは扉をしめようとしたが、一つの瓶詰が目に入ってきた。
幸運なことにその蓋が完全に閉まってはおらず、ネコの手でも開けられそうな状態になっている。
バージルはその瓶詰を器用に咥えると一旦下に飛び降りた。
「なんと読むのだ……?」
バージルの持ってきた瓶詰のパッケージには『塩辛』と書いてあった。
実はダンテ達はこの世界で話し言葉は理解できるが、文字はあまり読めない。
それが漢字であるならなおさらである。
かぱり、と開けて匂いを嗅ぐ。
海鮮物特有の香りが漂ってきて唾液が口腔内にたまる。
カツオ出汁などの香りもそうだった。
今ネコだからなのかもしれない。それはなんだかとても魅力のある香りに感じられた。
耐えきれず手につけて一舐めする。
……ぺろ。
かなりしょっぱい気がする。
バージルは顔をしかめたが、風味は悪くない、と一人でうんうん頷いた。
多分日本人がよく食す漬物などと同じで白米のお供なのだろう。
ちょうどほどよくお冷ごはんと焼いて少し固くなったピザだけならば食卓の上に出ている。
用意してもらっている身だから悪い気はする。
でもピザはダンテにやればいい。
そう考えて視界の隅へ追いやった。
そしてバージルは白米と塩辛でダンテよりも一足早い食事にすることにした。
***
「にゃー……(腹減ったー)」
空腹なため、人語からネコ語になったダンテが10時頃にしてやっと起きだしてきた。
今日は確か夢はバイトの日だ、いないのはあたり前か…と寝ぼけ頭で思いだし欠伸を一つ。
あれ、そういえばバージルはどこ行ったんだ?
まさか、オレと一緒にいたくないがために出て行ったとは考えにくい。
なぜならこの世界には魔界は存在しないし、ネコから人に戻る方法のかけらすら見つかっていない。
そんな状態でここから出て行っても意味がないからだ。
寝床にはいなかった、もう先にピザを食べているのだろうか。
ダンテはキッチンのテーブルの上に飛び乗ろうとした。
だが、視界の端に白い毛並みが見え隠れしているのが見え、ダンテはゆったりとした歩みで向こう側へと回りこんだ。
目に入ってきたものにダンテは丸い目玉をさらにまるく見開いた。
バージルが白目をひん剥いて泡を吐き、倒れていたのだ。
その体はぴくぴくと痙攣を続けている。
「にゃ、にゃあにゃーにゃぅ!(ど……どうしたんだバージルゥゥゥウ!)」
ネコの姿とはいえ、いつも強く気丈な兄とは真逆の情けないこの有様を誰が想像できようか。
ただごとじゃないと、ダンテは慌ててバージルにかけより揺すり起こした。
「う……ダンテか……ネコの体に毒物となる物を摂取してしまったようだ」
バージルのそばを見れば何かの瓶詰が開いているのが見てとれた。
なんじゃこりゃ?
海鮮物の香りが食欲をそそる。
ネコの本能はこの瓶詰の中身を食べたいと叫んでいた。
だが、そこはダンテ。
体はピザを求めているのだった。
そうでなくても、夢に連絡するにしろしゃべるにしろ、取りあえずは食事が必要である。
ダンテは少し待つようバージルに伝えると、夢の用意してくれたピザの処理に取り掛かった。
余談だが夢のピザは冷めて固くなっても美味い。
普通のピザではこうはいかない。
一体どんな焼きかたをしたら冷めても美味いピザが仕上がるのかいつも疑問である。
緊急事態でもダンテはダンテだった。
ゆっくりと緩慢な動きで咀嚼し、最後の一口を飲み下す。
ぷは、今日も美味いピザだったぜ。
その場にいない夢に届くかのように虚空に感謝の気持ちを伝えたダンテは、急いでバージルの元に向かった。
「おいおいバージル、大丈夫か?」
バージルは腰を抜かして歩けないのか、ぷるぷるとした動きでその場から1ミリとも動いていなかった。
「もうむりぽ(´Д`;)」
「あー……オレ、夢に連絡入れるな」
ダンテは夢のゲームやパソコンをいじって遊ぶくらいだ。
もうこの時代の電話機の使い方もマスター済みである。
ダンテは壁に張られた夢の携帯番号のメモを見ながら、ダイヤルを押して受話器をずらした。
***
『ゆらり、ゆらり、ゆれてい~る男心ピ~ンチ♪~』
「あれ、家の電話からかかってきてる……」
バイト中だった夢は突然の着信に気付き訝しげに休憩スペースに入った。
「はいはいもしもし」
「オレだよ、オレ!」
「オレオレ詐欺は間に合ってます……なんてね。よく電話かけられたね、どしたのダンテ」
「バージルがかゆうま状態で、あぼーんしそうなんだhelp me!えーりん!(((°Д°;)))アヒィ」
「……なんとなくわかった、急いで帰る。
ダンテまた勝手にパソコン見たでしょ、あとで校舎裏な(^ω^#)」
「校舎ないだろ!」
と言うことで夢はその日初めてバイトを早退することにしたのだった。
「まっててねぇバージルたんんんんぅ!!┗(((*°∀°*)))┓=3」
自転車をふっとばして帰った夢は、ダンテの案内でだるそうにしているバージルを早速見た。
「このアーモンド臭……死因はこの瓶詰に含まれる青酸カリか……」
どこから取り出したのか、黒ぶち眼鏡をかけて某見た目は子供な探偵を気取る。
「まじめにやってくれ」
アーモンド臭もないし、青酸カリなんてどこからもでないだろ?
ダンテが突っ込む。
「ごめんごめん、何があったの?」
「その瓶詰を食べてから上手く歩けん、あと腹が痛い」
バージルが指す先を辿ると、塩辛の瓶詰があった。
たしか『ネコにイカを与えると腰を抜かす』という俗説があった気がする。
「ははーん、イカの塩辛食べたからだと思うよ」
「ネコってイカ食べちゃだめなのか?」
「取りあえず生はだめらしいよ」
「そーなのかー(^q^)」
「香りに釣られて食べてしまった……不覚ッ」
「ていうか、よく冷蔵庫開けられたよね。そっちのがびっくりだわ」
腐っちゃうから冷蔵庫入れないとね。
と付け足して今度は蓋をしっかり閉め保冷する。
「俺はどうすればいい?」
「うーん、ホントなら動物病院に行った方がいいんだけど……」
夢の言葉にバージルは縮みあがって毛を逆立てた。
「冗談じゃない、誰が行くか!(゚Д゚;)」
「だよねぇ……」
「なんだよバージル、お注射が恐いんでちゅか~?m9(^∀^*)ゲラ」
その瞬間ダンテの目玉に無言でにぼしが刺さった。
「目が!目がぁぁあ!」
「んーしょうがないから、全部モリモリ出すしかないんじゃない?」
「俺にス●トロプレイを強要する気か貴様!?」
「だって薬ないし……(・ω・`)」
「わかった……」
バージルは嫌そうな顔をしながらしぶしぶといった具合に頷いた。
「そんなしょっぺーモン喰うからそうなるんだ。ピザ喰え、ピザ」
「……ダンテ、目から血が出てる状態でこっち来ないで。
SI●ENの屍人かよ、恐い恐い近い近い!Σ(゚А゚Ⅲ)
でもまぁ、勝手に食べちゃったバージルも悪いよね。大人しくピザ食べときゃいいのに」
「そんなジャンクフードいらん!」
それからバージルの体調が戻るまでは3日もの時がかかったそうだ。m9(^Д^)