5.好きだからだけど?
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
夕食の時間になった。
両親はリア充タイムでいないため、家に残った人間は夢だけとなる。
その他は全員、半魔というか動物である。
たまにこうしてデートしている両親がちょっぴり羨ましく思うが、こっちはこっちでお別れパーティーで盛り上がろうと思った。
盛り上が……ろう、と……。
ち~ん
「…………(-ω-;)」
しんみり~
みなそれぞれ思うところがあるのか、無言でもくもくと食事をしている。
ダンテですら静かとは一体どうしたのだろう。
ちらし寿司、唐揚げ、ポテトフライ、パスタ、サラダ、ピザ、ストサン、ケーキ……せっかくの豪華な食事がまずくなりそうである。
夢は耐えきれず立ち上がって沈黙をやぶった。
「なにこの空気、通夜じゃないんだからさ、パーッとやろうよ!ヽ(゚∀゚ヽ)(ノ゚∀゚)ノ」
パーッと、ね!
そう言って用意していたのだろう、クラッカーを鳴らした。
はしゃぐ夢を見てクスリと笑うとダンテはネロとバージルと顔を見合わせた。
「そうだな!」
「ああ」
「最後くらい楽しくやるか!」
ダンテは何と言って想いを伝えたものか考えていたがそんなものはその場に任せて自分らしく伝えるのがいい。
セクシーな女共を口説く時みたいに軽く、な。
「イカれたパーティーの始まりってか?」
「そうそう、This party is getting crazyってやつ。最後くらいしんみりしないでいっぱい話そうよ」
言いながらどこから取り出したのか、夢はパーティー用の三角帽をかぶった。
キラキラしたモールが先端部についた手作り感が満載のそれを、テキパキとダンテ達だけでなくベオにもかぶせていく。
「ちょ、クリスマスかよ!ヾ(・ε・。)」
ネロが吹き出しながらつっこんだ。
こういうノリは嫌いじゃないな、と思いながらダンテは隣に座るバージルを見た。
バージルも笑っているから嫌いではないのだろう、まあ、双子だし根本的な部分は同じということか。
「「「「Let's Rock!」」」」
皆でいっせーの!でクラッカーを鳴らす。
ネコ達は片方の足で本体を押さえ器用にもう片足で紐をひいた。
しばらく談笑しながら食事を再開しているとネロが赤い顔で飛び上がった。
「今夜は無礼講だぜヒャッハー(Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)」
ネロが騒ぎだすのなんて珍しいこともあったものだ。
おかしく思って見てみるとチューハイやビールの缶が転がっているのが見えた。
いつのまに飲んだのだろう、酔っぱらっているらしい。
「ちょ、お前酒おいてあったのかよ、オレも飲むー!」
「ネロも夢も未成年者だろうが」
バージルがあわてて止めるが、ダンテは聞く耳を持たない。
「無礼講、無礼講。ま、あたしは飲まないけどねっ」
いや、ネロもダメだろう。
ダンテもネロも聞かないし、頼みの夢だって止めないだろうとバージルとベオがため息を吐きながら心中でつっこんだ。
「ダンテが二人に増えたような状態を作りおって……なんで酒など用意した……ッ」
バージルは酔っぱらってバスターを繰り出そうとするネロを落ち着かせようとボロボロになりながら奮闘している。
「鍛練になっていいでしょ?あたしは見てて楽しいし一石二鳥」
夢はケラケラ笑いながらビール……麦酒の代わりにと、麦茶のグラスを揺らした。
「スカム……(`皿´#)ダァーイ」
潰されたり投げられたりしながらバージルは夢に毒づき、ネロに飛びかかった。
「うわ、どーすんだよこの惨状www((*^∀^* )))」
笑い上戸なのか器用に缶ビールを啜りピザを食べながら、これまた夢以上にゲラゲラと笑ってダンテがやってきた。
バージルを手伝う気は全くないらしい。
「う~ん、大乱闘スタイリッシュデビルズってやつね」
「誰がうまいこと言えとwww(´∀`;」
じゃれあう(?)ネロとバージルを遠目に、夢は呟く。
「ダンテは言うほど酔ってないみたいだね」
「ああ、飲み慣れてるからな」
「ジントニック、とかだよねー」
なあ。
ダンテが夢の顔も見ずに話しかける。
「もし、扉が開いて夢も行けるとしたらどうする?
夢もオレ逹の世界に来るか?……オレのとこに……」
ダンテの遠回しな告白に夢は苦笑して返した。
「何が起こるかわからない所だし危ないからやめとく。
それにこっちの生活は捨てられないしまだやりたいこと沢山あるから行かないよ、ごめんね」
ダンテの告白の意図には気がつかなかったらしい。
「悪い、そうだよな。あー……えっと、そう言えばお前ホントに料理うまいよな!」
ダンテは撃沈しながらも話を変えた。
「ありがと。あたしね、将来はシェフとかパティシエになってお店を持ちたいんだ~」
こぢんまりした店でいいから美味しい物を色んな人に食べてもらいたい。
将来を語る夢の瞳はキラキラと輝いていた。
「夢ならなれるさ」
愛しげに見つめるダンテが肯定すると夢はにこりと笑った。
「お店を持てたらダンテのこと、皆のこと忘れないように、美味しいピザとストサンも置くね!」
あ、あとバージル忘れないようににぼし代わりのアーモンドフィッシュでも置かなきゃねー(>艸<):;*プププ
「そうなったら最初の料理はオレが喰いてぇもんだ」
ダンテが至極残念そうに述べるのを夢は苦笑して答えた。
「そう言ってくれるだけで十分嬉しいよ」
「……オレ、ここにずっといようかな、悪魔退治とかなーんも気にしなくて平和だし」
ダンテは冗談ではなく、本気の色を滲ませながらそう呟いた。
夢は一瞬目を見開いたがすぐに眉を吊り上げて叫んだ。
「ダメ!」
びくっ!!
その大きな声にダンテだけでなく、酔っ払いネロもバスターの餌食になっていたバージルも、我関せずと眠っていたベオも目を覚まして夢を見る。
「一緒にいて欲しい気持ちもあるけど、……ダメだよ」
視線が集まるのも気にせず、ダンテを真っすぐ見つめて夢は言った。
「ダンテにはダンテの世界がある。
ダンテはまだやんなきゃいけないことたくさんある……ダンテだけじゃない、皆だってそう」
悲痛な言葉は終いにして、夢は顔をあげ皆に笑いかけた。
「ここから……、この世界から、ダンテのこと、皆のことずっと見守ってるよ」
そしてダンテの頭を優しく撫でた。
夢のその言葉にそれぞれが、何と返していいか判断がつかないとでも言いたげな表情で夢とダンテの元へ集まってきた。
「あー……えっと」
ネロが口をごにょごにょもごもごとさせながら、バージルを見る。
お先にどうぞ、ということらしい、バージルは咳払いをしてから言った。
「コホン、確かに俺は魔界でまだやることがあったから早く帰りたかった。
だがお前のおかげでこの世界でもなんとか過ごすことが出来たし、これはこれで貴重な体験をした。
……悪くなかった。ありがとう」
「ああ、確かに案外楽しかった、ネコになるなんて普通体験できねーからな。
夢、Thanksな。チビ紀理恵にもよろしく言っといてくれよ?」
ネロとバージルが一歩下がってダンテが再び夢へと向き直った。
「そうだよな、オレには家族の仇を討つという使命とかやらなくちゃいけないことまだまだ沢山あるんだよな……」
ダンテは自分に言い聞かせるかのように小さく言葉を発した。
「夢……ありがとな。
オレ達のためにお前は沢山力貸してくれた。お前がいたからオレ達もこの世界で生きてこれたよ。
美味い飯に、安心して眠れる環境……感謝してる」
ダンテとネロ、そしてバージルが礼を述べながら手を差し出す。
「そんなの、当たり前でしょ……」
夢はその手を取らずにダンテとネロ、バージルの体をひとまとめに抱きしめた。
ひとまとめ、というのが本当は気に入らないのだが、三人ともただ静かに、されるがままにしていた。
ズズ、と鼻をすするような音が肩口から聞こえてくる。
「ん?泣いてんのか」
ダンテの言葉に抱きしめていた手を離して顔を見られないようにくるりとうしろを向いた。
「ちがう!感動して不覚にも泣いた、なんてことないんだから!
いいから早く料理食べてよね、冷めちゃうでしょ」
そう言う後ろから見た夢の耳たぶは赤く色づいていた。
ダンテ達は肩をすくめて目を見合わせ、夢の言葉通り料理の方に戻ることにした。
夢は空いた皿や空き缶を持って部屋をあとにしながら小さく礼をのべた。
「ありがと、あたしも楽しかったよ」
両親はリア充タイムでいないため、家に残った人間は夢だけとなる。
その他は全員、半魔というか動物である。
たまにこうしてデートしている両親がちょっぴり羨ましく思うが、こっちはこっちでお別れパーティーで盛り上がろうと思った。
盛り上が……ろう、と……。
ち~ん
「…………(-ω-;)」
しんみり~
みなそれぞれ思うところがあるのか、無言でもくもくと食事をしている。
ダンテですら静かとは一体どうしたのだろう。
ちらし寿司、唐揚げ、ポテトフライ、パスタ、サラダ、ピザ、ストサン、ケーキ……せっかくの豪華な食事がまずくなりそうである。
夢は耐えきれず立ち上がって沈黙をやぶった。
「なにこの空気、通夜じゃないんだからさ、パーッとやろうよ!ヽ(゚∀゚ヽ)(ノ゚∀゚)ノ」
パーッと、ね!
そう言って用意していたのだろう、クラッカーを鳴らした。
はしゃぐ夢を見てクスリと笑うとダンテはネロとバージルと顔を見合わせた。
「そうだな!」
「ああ」
「最後くらい楽しくやるか!」
ダンテは何と言って想いを伝えたものか考えていたがそんなものはその場に任せて自分らしく伝えるのがいい。
セクシーな女共を口説く時みたいに軽く、な。
「イカれたパーティーの始まりってか?」
「そうそう、This party is getting crazyってやつ。最後くらいしんみりしないでいっぱい話そうよ」
言いながらどこから取り出したのか、夢はパーティー用の三角帽をかぶった。
キラキラしたモールが先端部についた手作り感が満載のそれを、テキパキとダンテ達だけでなくベオにもかぶせていく。
「ちょ、クリスマスかよ!ヾ(・ε・。)」
ネロが吹き出しながらつっこんだ。
こういうノリは嫌いじゃないな、と思いながらダンテは隣に座るバージルを見た。
バージルも笑っているから嫌いではないのだろう、まあ、双子だし根本的な部分は同じということか。
「「「「Let's Rock!」」」」
皆でいっせーの!でクラッカーを鳴らす。
ネコ達は片方の足で本体を押さえ器用にもう片足で紐をひいた。
しばらく談笑しながら食事を再開しているとネロが赤い顔で飛び上がった。
「今夜は無礼講だぜヒャッハー(Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)」
ネロが騒ぎだすのなんて珍しいこともあったものだ。
おかしく思って見てみるとチューハイやビールの缶が転がっているのが見えた。
いつのまに飲んだのだろう、酔っぱらっているらしい。
「ちょ、お前酒おいてあったのかよ、オレも飲むー!」
「ネロも夢も未成年者だろうが」
バージルがあわてて止めるが、ダンテは聞く耳を持たない。
「無礼講、無礼講。ま、あたしは飲まないけどねっ」
いや、ネロもダメだろう。
ダンテもネロも聞かないし、頼みの夢だって止めないだろうとバージルとベオがため息を吐きながら心中でつっこんだ。
「ダンテが二人に増えたような状態を作りおって……なんで酒など用意した……ッ」
バージルは酔っぱらってバスターを繰り出そうとするネロを落ち着かせようとボロボロになりながら奮闘している。
「鍛練になっていいでしょ?あたしは見てて楽しいし一石二鳥」
夢はケラケラ笑いながらビール……麦酒の代わりにと、麦茶のグラスを揺らした。
「スカム……(`皿´#)ダァーイ」
潰されたり投げられたりしながらバージルは夢に毒づき、ネロに飛びかかった。
「うわ、どーすんだよこの惨状www((*^∀^* )))」
笑い上戸なのか器用に缶ビールを啜りピザを食べながら、これまた夢以上にゲラゲラと笑ってダンテがやってきた。
バージルを手伝う気は全くないらしい。
「う~ん、大乱闘スタイリッシュデビルズってやつね」
「誰がうまいこと言えとwww(´∀`;」
じゃれあう(?)ネロとバージルを遠目に、夢は呟く。
「ダンテは言うほど酔ってないみたいだね」
「ああ、飲み慣れてるからな」
「ジントニック、とかだよねー」
なあ。
ダンテが夢の顔も見ずに話しかける。
「もし、扉が開いて夢も行けるとしたらどうする?
夢もオレ逹の世界に来るか?……オレのとこに……」
ダンテの遠回しな告白に夢は苦笑して返した。
「何が起こるかわからない所だし危ないからやめとく。
それにこっちの生活は捨てられないしまだやりたいこと沢山あるから行かないよ、ごめんね」
ダンテの告白の意図には気がつかなかったらしい。
「悪い、そうだよな。あー……えっと、そう言えばお前ホントに料理うまいよな!」
ダンテは撃沈しながらも話を変えた。
「ありがと。あたしね、将来はシェフとかパティシエになってお店を持ちたいんだ~」
こぢんまりした店でいいから美味しい物を色んな人に食べてもらいたい。
将来を語る夢の瞳はキラキラと輝いていた。
「夢ならなれるさ」
愛しげに見つめるダンテが肯定すると夢はにこりと笑った。
「お店を持てたらダンテのこと、皆のこと忘れないように、美味しいピザとストサンも置くね!」
あ、あとバージル忘れないようににぼし代わりのアーモンドフィッシュでも置かなきゃねー(>艸<):;*プププ
「そうなったら最初の料理はオレが喰いてぇもんだ」
ダンテが至極残念そうに述べるのを夢は苦笑して答えた。
「そう言ってくれるだけで十分嬉しいよ」
「……オレ、ここにずっといようかな、悪魔退治とかなーんも気にしなくて平和だし」
ダンテは冗談ではなく、本気の色を滲ませながらそう呟いた。
夢は一瞬目を見開いたがすぐに眉を吊り上げて叫んだ。
「ダメ!」
びくっ!!
その大きな声にダンテだけでなく、酔っ払いネロもバスターの餌食になっていたバージルも、我関せずと眠っていたベオも目を覚まして夢を見る。
「一緒にいて欲しい気持ちもあるけど、……ダメだよ」
視線が集まるのも気にせず、ダンテを真っすぐ見つめて夢は言った。
「ダンテにはダンテの世界がある。
ダンテはまだやんなきゃいけないことたくさんある……ダンテだけじゃない、皆だってそう」
悲痛な言葉は終いにして、夢は顔をあげ皆に笑いかけた。
「ここから……、この世界から、ダンテのこと、皆のことずっと見守ってるよ」
そしてダンテの頭を優しく撫でた。
夢のその言葉にそれぞれが、何と返していいか判断がつかないとでも言いたげな表情で夢とダンテの元へ集まってきた。
「あー……えっと」
ネロが口をごにょごにょもごもごとさせながら、バージルを見る。
お先にどうぞ、ということらしい、バージルは咳払いをしてから言った。
「コホン、確かに俺は魔界でまだやることがあったから早く帰りたかった。
だがお前のおかげでこの世界でもなんとか過ごすことが出来たし、これはこれで貴重な体験をした。
……悪くなかった。ありがとう」
「ああ、確かに案外楽しかった、ネコになるなんて普通体験できねーからな。
夢、Thanksな。チビ紀理恵にもよろしく言っといてくれよ?」
ネロとバージルが一歩下がってダンテが再び夢へと向き直った。
「そうだよな、オレには家族の仇を討つという使命とかやらなくちゃいけないことまだまだ沢山あるんだよな……」
ダンテは自分に言い聞かせるかのように小さく言葉を発した。
「夢……ありがとな。
オレ達のためにお前は沢山力貸してくれた。お前がいたからオレ達もこの世界で生きてこれたよ。
美味い飯に、安心して眠れる環境……感謝してる」
ダンテとネロ、そしてバージルが礼を述べながら手を差し出す。
「そんなの、当たり前でしょ……」
夢はその手を取らずにダンテとネロ、バージルの体をひとまとめに抱きしめた。
ひとまとめ、というのが本当は気に入らないのだが、三人ともただ静かに、されるがままにしていた。
ズズ、と鼻をすするような音が肩口から聞こえてくる。
「ん?泣いてんのか」
ダンテの言葉に抱きしめていた手を離して顔を見られないようにくるりとうしろを向いた。
「ちがう!感動して不覚にも泣いた、なんてことないんだから!
いいから早く料理食べてよね、冷めちゃうでしょ」
そう言う後ろから見た夢の耳たぶは赤く色づいていた。
ダンテ達は肩をすくめて目を見合わせ、夢の言葉通り料理の方に戻ることにした。
夢は空いた皿や空き缶を持って部屋をあとにしながら小さく礼をのべた。
「ありがと、あたしも楽しかったよ」