5.好きだからだけど?
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日も上がり始めた頃になってようやく夢とネコ達は起きだした。
ベオが起こそうが、母親が布団をはぎ取ろうが起きなかった夢だが、腹の虫の起床とともに自らゾンビのようにむくりと起きあがったのだ。
すでに十時を軽く回ったところなのでもちろんのこと家族は仕事でいない。
家の中にいるのは夢と愉快な動物達(笑)だけである。
バージルは腹の虫の大合唱会場その一であるダンテのいるリビングを抜け、会場その二……夢のいるキッチンへと向かった。
「夢、食事のあとに話がある」
「んー、結婚してくれーとか?(*´∀`*)」
「それはない」
wktkと話す夢をすっぱりと切り捨てた。
「まじめな話だ」
それと目玉焼きは醤油だ……覚えておけ(`ー´*)キリッ
夢にそう言い残すと再び来た道を戻っていった。
「はぁ、わかった……」
今日、卵焼きなんだけどな……(°Д°)ポカーン
食事のあとは各自好きに過ごしていた。
ダンテは基本クッションの上でだらだらとしていたが、バージルと一緒に部屋に入ってしまった夢が気がかりでたまにウロウロそわそわとトイレ待ちのネコのようだった。
何も二人きりで話す必要のない話なのになぜネロと自分をハブにするのかとか、ちゃんと話ができているのかとか、余計な話はしてないだろうなバージルのヤツ……だとか考え始めたらきりがない。
「気になるなら見てこいよ、気が散る」
慣れたのかネコの体のままで基礎トレーニングを行うネロは、目の前をウロチョロする白ネコを虫でも追い払うかのようにシッシッと追い立てた。
バージルは夢に帰り方についてあらかた話終えたが、想いを繋ぐ云々は伝えなかった。
期待させてしまうのもあったし、ダンテの気持ちを自分が伝えてしまうことに成りかねないからだ。
「そっかぁ、もうすぐ帰るんだね……」
夢はにこりと笑った。
「もっと驚いたり、悲しんだりしないのか?」
「これでも驚いてるし、十分寂しくて悲しんでるよ。
でもあまり顔に出したらそっちが困るでしょ」
夢は悟りを開いたかのような表情でバージルを見つめ、撫でた。
「そうか……そう、だな……」
ところで。
と、夢がバージルに聞く。
「バージルは来る直前まで魔界にいたんでしょ……戻ったらどうするの。
そのまま魔界を進む気?」
「当たり前だ、俺は人間界に戻る気はない。魔界の王に挑むつもりだ。
夢には関係なかろう?」
鼻で笑ってそう返すバージルに後ろからどつくものがあった。
「)゜3゜)グハッ……ッ!?」
「バージルゥゥゥ!!」
ダンテだった。
「ダンテ、貴様いつから……」
ダンテに押しつぶされながらバージルは息も絶え絶えに言った。
「あたしが話を変えたあたりから後ろにいたよ。
ダンテの気配も探れないようじゃ魔界の王を倒すなんてできないと思うけど」
夢はダンテにつぶされるバージルを腕を組んで上から見ていた。
ダンテは鬼気迫る表情でバージルをにらみつけている。
「バージル、オレは今度こそアンタを殺してでも連れ戻す!
魔界なんかに行かせねえ」
「どけ、愚弟が。返り討ちにあってもしらん……ぞっ!!」
言うが早いかすばやくダンテの下から脱出し体制を立て直した。
両者とも睨みあって爪を出し、毛を逆立てている。
「おー、盛大なる兄弟喧嘩再びですねー。
別に何してもナニしてもいいけどスプラッタはなしでよろすこ!」
夢は言いながらVSバージル戦の曲をコンポで流し始めた。
「おぅふ、いい音楽♪」
「OK,baby.だけどナニは期待すんな(・∀・)」
「えー(`з´)ツマンネ」
「じゃぁピザたくさん用意してくれ。
ピザの早食い競争だぜ」
ダンテは挙手して嬉しそうに提案した。
「却下!食べ物無駄にしたらあきまへん!(`皿´#)ダァーイ」
「貴様に有利すぎるだろうが!貴様はこれでも喰ってろ!」
バージルは久しぶりに某(笑)をダンテに向かって飛ばした。
ダンテの口目掛けて発射されたそれは間違えなることなくダンテの口内へ吸い込まれていった。
「うげろっ、魚くせぇ……。
しかもこれバージルの魔力だろ、バージルを食べている気分にもなるぜ」
「気色悪い想像するな!」
「君達、いま腐女子を呼んだ?┌(┌ ^o^)┐ホモォ……」
そんな腐女子の夢は二人の首根っこを摘み上げるとリビングの入り口に降ろした。
「ダンテとバージルって血なまぐさい喧嘩しかしないからゲームでもしててよ」
ということで何故か懐かしの赤い服着た配管工のおっさんが出るゲームでダンテとバージルは決着をつけることになった。
ベオもネロも物珍しそうにダンテとバージルを見守る中、夢はゲーム壊したらぬっころす!(^ω^#)、とだけ言って昼食の準備に取り掛かった。
夢は昼とともにたくさんのごちそうの下ごしらえをしながら考えていた。
もともとダンテ達はこの世界の住民じゃないのだ。
彼らが帰ってしまうのは寂しいけれど仕方がないとして、バージルにはできれば魔界にいてほしくない。
たとえ物語が改変されてしまうとしても…。
もしどうしてもバージルを引き留められなかったとして、今ここでこうやって遊んだり楽しく過ごした記憶は消えない。
想い出は確かにバージルの心に残るだろう。
それだけでも十分だ。
「ぐぬぬ……また残機が減った」
バージルの悔しそうな声が聞こえてきた。
始めた理由がなんであれ、その声には楽しさが見えた。
「バージルは下手くそだなー。オレの華麗なるプレイを見ろよ」
「どうせ貴様は夢とやっていたんだろうが」
「ハハハ、よくわかったな」
「ならバージルは初めてやったんだからしかたねーだろ。
それにしてもネコの足でよくボタン押せるな、オレはそれがビックリだ」
「ネロもやるか?」
「いや、見てるだけで十分楽しませてもらってる」
ダンテも楽しそうだし、ネロもまあまあ楽しんでいるようだ。
聞こえてくる声をBGMに、ピザ生地をくるくると回転させる夢だった。
沢山の食材を使用して昼食、そして夕食の用意を終えた夢は料理を冷蔵庫に入れ始めた。
今夜は両親ともにデートだそうで、夕飯は自分とダンテ達やベオの分だけあればいいのだ。
いい歳こいてラブラブでうらやましい限りである。
くっそ、リア充爆発しろ!と、思うが家族なのだから不仲よりはいいだろう。
「よっこらせっ(笑)」
ピー音が入りそうな掛け声をあげ、最後の料理をしまう。
この時期は早く保冷しなくてはすぐ腐る…困ったものです。
「夢、頼みがあるんだけど」
そんな夢の後ろから今度はネロが声をかけてきた。
よっこらせっ(笑)はギリギリ聞こえなかったようで安心する。
まだダンテもバージルもゲームが白熱しているようだ。
配管工の残機が減る音とバージルの叫び、そしてダンテのm9(^Д^)プギャーが聞こえる。
「どうかしたの?」
「あー、その……紀理恵に電話かけたいんだけど……」
もうさよならだし、やっぱり一言お礼言いたくてさ……とネロはクセなのだろう、鼻の頭をポリポリとかく仕草をした。
「別にいいけど、番号わかる?」
「いや、それも教えてくれるか」
「はいよー」
言うが否や夢はエプロンのポケットにしまっておいた携帯電話を取り出してイトコの家へと繋げた。
何回かの呼び出し音のあと、紀理恵の母親が出たようだった。
「あー、おばさん。春夏秋冬夢ですこんにちはー、うん、うん、紀理恵ちゃんいます?」
スピーカーモードに切り替えて夢は素早くネロに差し出した。
「すぐ電話口に来ると思うよ、切る時は赤ボタンね」
「サンキュ」
ネコの手じゃさすがに携帯電話は持てないだろうと思いスピーカーモードにしたが、あまり聞き耳をたてるのはいいこととは言えないだろう、幸い料理の支度も終わっているのだし。
「ごゆっくり~」
そう考えて夢はリビングの様子を見るためにも席を外しキッチンをあとにした。
「夢、少し腹が減ってきたぜ……」
ゲームに飽きたのもあるだろう、ダンテが見上げてくる。
バージルの方もいささか疲弊していた。
「そうだね、お昼にしよっか」
そろそろネロと紀理恵の話も終わるころだろうと思い立ち上がる。
「そのままの優しい子になれよ、紀理恵……」
キッチンののれんをくぐった時、ネロはちょうど話を終えるところだったようだ。
ポチ、と電源ボタンを押しづらそうに押す音がむなしく響いた。
「終わったみたいだね」
「ああ、紀理恵にはあのまま育ってほしいな……夢、頼むからお前の世界色には染めないでくれよ」
夢の世界、つまりは腐女子の世界、ということを言っているのだろう。
「うーん、どうしよっかなー」
夢はニヤリと笑って受け応えした。
「頼むぜ、それとサンキュな」
ネロは肩をすぼめて夢に携帯電話を返した。
ベオが起こそうが、母親が布団をはぎ取ろうが起きなかった夢だが、腹の虫の起床とともに自らゾンビのようにむくりと起きあがったのだ。
すでに十時を軽く回ったところなのでもちろんのこと家族は仕事でいない。
家の中にいるのは夢と愉快な動物達(笑)だけである。
バージルは腹の虫の大合唱会場その一であるダンテのいるリビングを抜け、会場その二……夢のいるキッチンへと向かった。
「夢、食事のあとに話がある」
「んー、結婚してくれーとか?(*´∀`*)」
「それはない」
wktkと話す夢をすっぱりと切り捨てた。
「まじめな話だ」
それと目玉焼きは醤油だ……覚えておけ(`ー´*)キリッ
夢にそう言い残すと再び来た道を戻っていった。
「はぁ、わかった……」
今日、卵焼きなんだけどな……(°Д°)ポカーン
食事のあとは各自好きに過ごしていた。
ダンテは基本クッションの上でだらだらとしていたが、バージルと一緒に部屋に入ってしまった夢が気がかりでたまにウロウロそわそわとトイレ待ちのネコのようだった。
何も二人きりで話す必要のない話なのになぜネロと自分をハブにするのかとか、ちゃんと話ができているのかとか、余計な話はしてないだろうなバージルのヤツ……だとか考え始めたらきりがない。
「気になるなら見てこいよ、気が散る」
慣れたのかネコの体のままで基礎トレーニングを行うネロは、目の前をウロチョロする白ネコを虫でも追い払うかのようにシッシッと追い立てた。
バージルは夢に帰り方についてあらかた話終えたが、想いを繋ぐ云々は伝えなかった。
期待させてしまうのもあったし、ダンテの気持ちを自分が伝えてしまうことに成りかねないからだ。
「そっかぁ、もうすぐ帰るんだね……」
夢はにこりと笑った。
「もっと驚いたり、悲しんだりしないのか?」
「これでも驚いてるし、十分寂しくて悲しんでるよ。
でもあまり顔に出したらそっちが困るでしょ」
夢は悟りを開いたかのような表情でバージルを見つめ、撫でた。
「そうか……そう、だな……」
ところで。
と、夢がバージルに聞く。
「バージルは来る直前まで魔界にいたんでしょ……戻ったらどうするの。
そのまま魔界を進む気?」
「当たり前だ、俺は人間界に戻る気はない。魔界の王に挑むつもりだ。
夢には関係なかろう?」
鼻で笑ってそう返すバージルに後ろからどつくものがあった。
「)゜3゜)グハッ……ッ!?」
「バージルゥゥゥ!!」
ダンテだった。
「ダンテ、貴様いつから……」
ダンテに押しつぶされながらバージルは息も絶え絶えに言った。
「あたしが話を変えたあたりから後ろにいたよ。
ダンテの気配も探れないようじゃ魔界の王を倒すなんてできないと思うけど」
夢はダンテにつぶされるバージルを腕を組んで上から見ていた。
ダンテは鬼気迫る表情でバージルをにらみつけている。
「バージル、オレは今度こそアンタを殺してでも連れ戻す!
魔界なんかに行かせねえ」
「どけ、愚弟が。返り討ちにあってもしらん……ぞっ!!」
言うが早いかすばやくダンテの下から脱出し体制を立て直した。
両者とも睨みあって爪を出し、毛を逆立てている。
「おー、盛大なる兄弟喧嘩再びですねー。
別に何してもナニしてもいいけどスプラッタはなしでよろすこ!」
夢は言いながらVSバージル戦の曲をコンポで流し始めた。
「おぅふ、いい音楽♪」
「OK,baby.だけどナニは期待すんな(・∀・)」
「えー(`з´)ツマンネ」
「じゃぁピザたくさん用意してくれ。
ピザの早食い競争だぜ」
ダンテは挙手して嬉しそうに提案した。
「却下!食べ物無駄にしたらあきまへん!(`皿´#)ダァーイ」
「貴様に有利すぎるだろうが!貴様はこれでも喰ってろ!」
バージルは久しぶりに某(笑)をダンテに向かって飛ばした。
ダンテの口目掛けて発射されたそれは間違えなることなくダンテの口内へ吸い込まれていった。
「うげろっ、魚くせぇ……。
しかもこれバージルの魔力だろ、バージルを食べている気分にもなるぜ」
「気色悪い想像するな!」
「君達、いま腐女子を呼んだ?┌(┌ ^o^)┐ホモォ……」
そんな腐女子の夢は二人の首根っこを摘み上げるとリビングの入り口に降ろした。
「ダンテとバージルって血なまぐさい喧嘩しかしないからゲームでもしててよ」
ということで何故か懐かしの赤い服着た配管工のおっさんが出るゲームでダンテとバージルは決着をつけることになった。
ベオもネロも物珍しそうにダンテとバージルを見守る中、夢はゲーム壊したらぬっころす!(^ω^#)、とだけ言って昼食の準備に取り掛かった。
夢は昼とともにたくさんのごちそうの下ごしらえをしながら考えていた。
もともとダンテ達はこの世界の住民じゃないのだ。
彼らが帰ってしまうのは寂しいけれど仕方がないとして、バージルにはできれば魔界にいてほしくない。
たとえ物語が改変されてしまうとしても…。
もしどうしてもバージルを引き留められなかったとして、今ここでこうやって遊んだり楽しく過ごした記憶は消えない。
想い出は確かにバージルの心に残るだろう。
それだけでも十分だ。
「ぐぬぬ……また残機が減った」
バージルの悔しそうな声が聞こえてきた。
始めた理由がなんであれ、その声には楽しさが見えた。
「バージルは下手くそだなー。オレの華麗なるプレイを見ろよ」
「どうせ貴様は夢とやっていたんだろうが」
「ハハハ、よくわかったな」
「ならバージルは初めてやったんだからしかたねーだろ。
それにしてもネコの足でよくボタン押せるな、オレはそれがビックリだ」
「ネロもやるか?」
「いや、見てるだけで十分楽しませてもらってる」
ダンテも楽しそうだし、ネロもまあまあ楽しんでいるようだ。
聞こえてくる声をBGMに、ピザ生地をくるくると回転させる夢だった。
沢山の食材を使用して昼食、そして夕食の用意を終えた夢は料理を冷蔵庫に入れ始めた。
今夜は両親ともにデートだそうで、夕飯は自分とダンテ達やベオの分だけあればいいのだ。
いい歳こいてラブラブでうらやましい限りである。
くっそ、リア充爆発しろ!と、思うが家族なのだから不仲よりはいいだろう。
「よっこらせっ(笑)」
ピー音が入りそうな掛け声をあげ、最後の料理をしまう。
この時期は早く保冷しなくてはすぐ腐る…困ったものです。
「夢、頼みがあるんだけど」
そんな夢の後ろから今度はネロが声をかけてきた。
よっこらせっ(笑)はギリギリ聞こえなかったようで安心する。
まだダンテもバージルもゲームが白熱しているようだ。
配管工の残機が減る音とバージルの叫び、そしてダンテのm9(^Д^)プギャーが聞こえる。
「どうかしたの?」
「あー、その……紀理恵に電話かけたいんだけど……」
もうさよならだし、やっぱり一言お礼言いたくてさ……とネロはクセなのだろう、鼻の頭をポリポリとかく仕草をした。
「別にいいけど、番号わかる?」
「いや、それも教えてくれるか」
「はいよー」
言うが否や夢はエプロンのポケットにしまっておいた携帯電話を取り出してイトコの家へと繋げた。
何回かの呼び出し音のあと、紀理恵の母親が出たようだった。
「あー、おばさん。春夏秋冬夢ですこんにちはー、うん、うん、紀理恵ちゃんいます?」
スピーカーモードに切り替えて夢は素早くネロに差し出した。
「すぐ電話口に来ると思うよ、切る時は赤ボタンね」
「サンキュ」
ネコの手じゃさすがに携帯電話は持てないだろうと思いスピーカーモードにしたが、あまり聞き耳をたてるのはいいこととは言えないだろう、幸い料理の支度も終わっているのだし。
「ごゆっくり~」
そう考えて夢はリビングの様子を見るためにも席を外しキッチンをあとにした。
「夢、少し腹が減ってきたぜ……」
ゲームに飽きたのもあるだろう、ダンテが見上げてくる。
バージルの方もいささか疲弊していた。
「そうだね、お昼にしよっか」
そろそろネロと紀理恵の話も終わるころだろうと思い立ち上がる。
「そのままの優しい子になれよ、紀理恵……」
キッチンののれんをくぐった時、ネロはちょうど話を終えるところだったようだ。
ポチ、と電源ボタンを押しづらそうに押す音がむなしく響いた。
「終わったみたいだね」
「ああ、紀理恵にはあのまま育ってほしいな……夢、頼むからお前の世界色には染めないでくれよ」
夢の世界、つまりは腐女子の世界、ということを言っているのだろう。
「うーん、どうしよっかなー」
夢はニヤリと笑って受け応えした。
「頼むぜ、それとサンキュな」
ネロは肩をすぼめて夢に携帯電話を返した。