4.いい暇潰しにはなったかな
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ネロのデビルブリンガーがどのくらい使えるか、を身をもって確かめたところで一行は悪魔を待ち伏せした。
悪魔が夢逹を探し、カラカラと鎌を引きずり歩いてくる。
「うわぁ、まだ探してるっぽい」
「あいつらしつこいからな」
夢が物影から確認すると、フードを被った骸骨顔が細部まで目に入ってきた。
ゲームで見るとポリゴン上そこまで気持ち悪さは感じなかったものだが、現実に見るととても気持ち悪い。
ダンテ逹はいつもこういった連中の相手をしているのだと思うと尊敬の意にかられる。
夢は腰に手を当て、ネロに合図を出した。
「よし、ネロきゅんGo!」
「やれやれ、人使いの荒いやつだ……All right.」
再びほの青い光と共に悪魔の右腕が現れる。
ネロはそれの動きを確認すると特攻隊よろしく駆け出していった。
「さっきも見たがネコの体に似合わん大きさだな」
「うん、まあ……確かに」
「でもムービーだと最後にでっけえの倒すとき魔人の腕でかくなってたよな」
「あーあれに似てるね」
ネロ以外の三人が物影から首だけ出して様子をうかがう。
ネロが悪魔にスナッチを決めた。
右腕に捕まった悪魔がもがき体をひねるがびくともしない。
そして間髪を入れずバスター!!
もう一匹に空中から勢いよくぶつけた。
その衝撃に悪魔が二匹いっぺんに砂に帰った。
「ふぅ、ぃよっしゃ!」
「気持ち良いくらい決まったな、ネコなのに」
「うわあシュール」
「でもスナッチとバスターしか出来ないよなー」
「うん、十分じゃない?」
見守りながらバッグに入っていたボッキーのイチゴ味をポリポリ食べる。
「ポッキーゲームやろうぜ」
「だが断る。バージルとやって」
夢と一緒にネロを見守っていたダンテは顔をしかめ「うへぇ」と声を出す。
優雅にあくびをしていたバージルも同じく顔をしかめた。
「……倒せればそれでいい」
「テメエ等もちったあ援護しろ!体がネコなせいか、魔力の消耗激しいんだよ!」
ネロが息をきらせながら悪魔をスナッチして叫ぶ。
体がネコだからというか、ネコの体に対して悪魔が大きくて重いのだろう。
「あ、オレは無理(^ω^)∩」
「あ、あたしも人間だし無理です(^ω^)∩」
「あ、俺の幻影剣使い物にならないんで(^ω^)∩」
夢逹は一斉に挙手した。
「お前らもバスター食らいたい?(^ω^#)」
悪魔を潰す勢いで握り締めたネロの顔には怒りが浮かんでいた。
とは言っても怒りを仲間に向けるわけにもいかない。
ネロは猛る憤りを掴んだ悪魔に向け、床にバンバン叩きつけた。
悪魔がそのパワーにひしゃげ、原型を崩していく。
夢はちょっぴり悪魔に同情した。
しばらくしたら辺りを悪魔だった砂塵が舞った。
悪魔狩、完了である。
「ふむ、悔しいがこの中ではネロが一番パワーがあるようだ」
「ねー?」
「おお、恐い恐い」
「ふー」
汗をかきいて毛がぺしゃんと体に張り付いているネロがぐったりしながら戻ってきた。
「乙です」
夢はネロに労いの言葉をかけながらイチゴのポッキーを差し出した。
「いらね。それよりテメエ等逃げやがって……」
はねつけながら、ダンテとバージルを睨む。
「バージルは攻撃手段あったんだろ?」
途端にバージルの表情に陰が差した。
「え、そんなに見たいか?そこまで見たかったか?ふふふネロはにぼし食べたいのか?そうかそうか<●>≡<●>」
「どうしたんだ。バージル、壊れたのか?」
若干ひきながらネロが聞く。
「うわぁん、触れないであげて!」
「バージルの幻影剣、にぼしになって出てくるんだ(・А・`)ヒソヒソ」
「にぼし……」
笑うのを通り越して同情すら覚えてくる。
「まあ、倒せてよかったよ」
落ち込み続けるバージルを苦笑しながら見たダンテがネロにそう返した。
続いて夢も笑顔で感謝を述べる。
「ネロ、Thank you」
「You're welcome。
まだ悪魔の力を使うには経験不足だけどなんとかなったぜー」
「まだ坊やだもんね!」
「おっさんに言われんのも嫌だけど、お前にだけは言われたくねーよ」
ネロは坊や発言に口を尖らせた。
「あたし、これでも18( ̄ー ̄)ドヤッ」
「あ、オレ17だ……」
「勝った!」
「くそ、負けた……」
「どっちも変わんねーだろ……ネロ、何で右手に気がつかなかったんだよ」
「だってオレ、ネコになってたから使えないと思ったんだ……」
この世界じゃ使う場面なかったしな。
「決めつける、イクナイ!」
「ああ、モノは試しだな……」
復活したバージルが言う。
ダンテが夢の膝を心配そうに覗いた。
「夢……無事で良かったよ……。
怪我、痛むか?オレがネコじゃなけりゃ……くそっ」
そう悔やみながら、苦虫を噛み潰した顔になる。
「大丈夫、こんなかすり傷……痛たた……」
傷口を見ると砂利が入り込んだりして結構ひどい。
確認した瞬間戻ってきた痛みに顔を歪ませた。
「おいおいホントかよ、やせ我慢すんな」
ネロまでも苦笑混じりに覗き込んだ。
「人間はオレ等と違ってちょっとのことで傷付くし、なかなか治らない。
もしかして傷残るのか……」
夢はネコの舌で舐めとる勢いで心配そうに見つめるダンテにストップをかけた。
「多分大丈夫。だけど、舐めたりしないでよ?ネコの舌ってザラザラしてるから痛いもん」
「はいはい、わかってますよ」
辺りはいつの間にか元の薄暗いだけの道に戻っている。
夢は近くにあった水道で傷口を軽く洗い流した。
「桃、買い直す?」
ピザのためにと買った桃は悪魔にぶつけた瞬間に潰れ、原型を留めなかった。
そのため、買い物袋には何もない状態だ。
「いいよ、もう帰ろうぜ?」
「そうだね、じゃあ帰ったら新しくピザ焼こう」
「おお、オリーブ抜きな!」
「ダンテ、オリーブくらい食えよな」
「ふふふ、しょうがないよ、もちろん生ハム&ガーリックポテトミックススペシャルでしょ?」
「of course」
一行は帰り道をゆっくり歩いた。
そんなダンテとバージルのアミュレットが光を放っている。
バージルはそれに気がついて考え事をしながら足を動かした。
「どうしたバージル」
ダンテを肩に乗せて仲良く歩く夢の後ろをついて行きながらネロはバージルに話しかけた。
「帰りが近い。いや、もしかしたら今すぐ帰れる可能性もある」
寄り添う二人は永く連れ添い続けるネコと飼い主のように仲睦まじくバージルの目に映った。
そんな二人をバージルはまっすぐ見つめた。
バージルの視線の先を追いながらネロは返した。
「そうか。ダンテと夢に言わなくていいのか?」
だがバージルは、ダンテが怪我をした夢を愛しげに見つめる目を見ると、何も言わずに黙って歩いた。
●あとがき
ネロ。小さな体におっきなデビルブリンガー。シュール過ぎた……。
桃が魔を退散させるのは古事記に載ってます。
アメリカだとおっぱいとかそういう意味にとられがちなんですけどね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
悪魔が夢逹を探し、カラカラと鎌を引きずり歩いてくる。
「うわぁ、まだ探してるっぽい」
「あいつらしつこいからな」
夢が物影から確認すると、フードを被った骸骨顔が細部まで目に入ってきた。
ゲームで見るとポリゴン上そこまで気持ち悪さは感じなかったものだが、現実に見るととても気持ち悪い。
ダンテ逹はいつもこういった連中の相手をしているのだと思うと尊敬の意にかられる。
夢は腰に手を当て、ネロに合図を出した。
「よし、ネロきゅんGo!」
「やれやれ、人使いの荒いやつだ……All right.」
再びほの青い光と共に悪魔の右腕が現れる。
ネロはそれの動きを確認すると特攻隊よろしく駆け出していった。
「さっきも見たがネコの体に似合わん大きさだな」
「うん、まあ……確かに」
「でもムービーだと最後にでっけえの倒すとき魔人の腕でかくなってたよな」
「あーあれに似てるね」
ネロ以外の三人が物影から首だけ出して様子をうかがう。
ネロが悪魔にスナッチを決めた。
右腕に捕まった悪魔がもがき体をひねるがびくともしない。
そして間髪を入れずバスター!!
もう一匹に空中から勢いよくぶつけた。
その衝撃に悪魔が二匹いっぺんに砂に帰った。
「ふぅ、ぃよっしゃ!」
「気持ち良いくらい決まったな、ネコなのに」
「うわあシュール」
「でもスナッチとバスターしか出来ないよなー」
「うん、十分じゃない?」
見守りながらバッグに入っていたボッキーのイチゴ味をポリポリ食べる。
「ポッキーゲームやろうぜ」
「だが断る。バージルとやって」
夢と一緒にネロを見守っていたダンテは顔をしかめ「うへぇ」と声を出す。
優雅にあくびをしていたバージルも同じく顔をしかめた。
「……倒せればそれでいい」
「テメエ等もちったあ援護しろ!体がネコなせいか、魔力の消耗激しいんだよ!」
ネロが息をきらせながら悪魔をスナッチして叫ぶ。
体がネコだからというか、ネコの体に対して悪魔が大きくて重いのだろう。
「あ、オレは無理(^ω^)∩」
「あ、あたしも人間だし無理です(^ω^)∩」
「あ、俺の幻影剣使い物にならないんで(^ω^)∩」
夢逹は一斉に挙手した。
「お前らもバスター食らいたい?(^ω^#)」
悪魔を潰す勢いで握り締めたネロの顔には怒りが浮かんでいた。
とは言っても怒りを仲間に向けるわけにもいかない。
ネロは猛る憤りを掴んだ悪魔に向け、床にバンバン叩きつけた。
悪魔がそのパワーにひしゃげ、原型を崩していく。
夢はちょっぴり悪魔に同情した。
しばらくしたら辺りを悪魔だった砂塵が舞った。
悪魔狩、完了である。
「ふむ、悔しいがこの中ではネロが一番パワーがあるようだ」
「ねー?」
「おお、恐い恐い」
「ふー」
汗をかきいて毛がぺしゃんと体に張り付いているネロがぐったりしながら戻ってきた。
「乙です」
夢はネロに労いの言葉をかけながらイチゴのポッキーを差し出した。
「いらね。それよりテメエ等逃げやがって……」
はねつけながら、ダンテとバージルを睨む。
「バージルは攻撃手段あったんだろ?」
途端にバージルの表情に陰が差した。
「え、そんなに見たいか?そこまで見たかったか?ふふふネロはにぼし食べたいのか?そうかそうか<●>≡<●>」
「どうしたんだ。バージル、壊れたのか?」
若干ひきながらネロが聞く。
「うわぁん、触れないであげて!」
「バージルの幻影剣、にぼしになって出てくるんだ(・А・`)ヒソヒソ」
「にぼし……」
笑うのを通り越して同情すら覚えてくる。
「まあ、倒せてよかったよ」
落ち込み続けるバージルを苦笑しながら見たダンテがネロにそう返した。
続いて夢も笑顔で感謝を述べる。
「ネロ、Thank you」
「You're welcome。
まだ悪魔の力を使うには経験不足だけどなんとかなったぜー」
「まだ坊やだもんね!」
「おっさんに言われんのも嫌だけど、お前にだけは言われたくねーよ」
ネロは坊や発言に口を尖らせた。
「あたし、これでも18( ̄ー ̄)ドヤッ」
「あ、オレ17だ……」
「勝った!」
「くそ、負けた……」
「どっちも変わんねーだろ……ネロ、何で右手に気がつかなかったんだよ」
「だってオレ、ネコになってたから使えないと思ったんだ……」
この世界じゃ使う場面なかったしな。
「決めつける、イクナイ!」
「ああ、モノは試しだな……」
復活したバージルが言う。
ダンテが夢の膝を心配そうに覗いた。
「夢……無事で良かったよ……。
怪我、痛むか?オレがネコじゃなけりゃ……くそっ」
そう悔やみながら、苦虫を噛み潰した顔になる。
「大丈夫、こんなかすり傷……痛たた……」
傷口を見ると砂利が入り込んだりして結構ひどい。
確認した瞬間戻ってきた痛みに顔を歪ませた。
「おいおいホントかよ、やせ我慢すんな」
ネロまでも苦笑混じりに覗き込んだ。
「人間はオレ等と違ってちょっとのことで傷付くし、なかなか治らない。
もしかして傷残るのか……」
夢はネコの舌で舐めとる勢いで心配そうに見つめるダンテにストップをかけた。
「多分大丈夫。だけど、舐めたりしないでよ?ネコの舌ってザラザラしてるから痛いもん」
「はいはい、わかってますよ」
辺りはいつの間にか元の薄暗いだけの道に戻っている。
夢は近くにあった水道で傷口を軽く洗い流した。
「桃、買い直す?」
ピザのためにと買った桃は悪魔にぶつけた瞬間に潰れ、原型を留めなかった。
そのため、買い物袋には何もない状態だ。
「いいよ、もう帰ろうぜ?」
「そうだね、じゃあ帰ったら新しくピザ焼こう」
「おお、オリーブ抜きな!」
「ダンテ、オリーブくらい食えよな」
「ふふふ、しょうがないよ、もちろん生ハム&ガーリックポテトミックススペシャルでしょ?」
「of course」
一行は帰り道をゆっくり歩いた。
そんなダンテとバージルのアミュレットが光を放っている。
バージルはそれに気がついて考え事をしながら足を動かした。
「どうしたバージル」
ダンテを肩に乗せて仲良く歩く夢の後ろをついて行きながらネロはバージルに話しかけた。
「帰りが近い。いや、もしかしたら今すぐ帰れる可能性もある」
寄り添う二人は永く連れ添い続けるネコと飼い主のように仲睦まじくバージルの目に映った。
そんな二人をバージルはまっすぐ見つめた。
バージルの視線の先を追いながらネロは返した。
「そうか。ダンテと夢に言わなくていいのか?」
だがバージルは、ダンテが怪我をした夢を愛しげに見つめる目を見ると、何も言わずに黙って歩いた。
●あとがき
ネロ。小さな体におっきなデビルブリンガー。シュール過ぎた……。
桃が魔を退散させるのは古事記に載ってます。
アメリカだとおっぱいとかそういう意味にとられがちなんですけどね。
ここまで読んでいただきありがとうございました。