4.いい暇潰しにはなったかな
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「させるかー!」
だが、夢が間一髪でダンテを抱き上げ横に転がった。
ズザザザザと盛大にこする音が響き、その衝撃がダンテにも伝わった。
膝を擦りむいたらしい。
夢の足からは、血がダラダラと流れ落ちていた。
「つぅ……」
涙目にならながら痛みをこらえダンテを抱き締める。
ダンテは何が起こったのかわからず困惑の表情だった。
「大丈夫か?」
「大丈夫。悪魔からの攻撃は受けてないから、ちょっぴり膝が痛いけどね」
「よく無事だったな……」
「火事場の馬鹿力ってやつよ」
ふんす!ふんす!(`ω´)
そう言って力こぶを作るがあまり盛りあがってはいない。
再び鎌を光らせ一歩一歩近づいてくる悪魔を睨み付け夢が呟く。
「みんな今はネコなんだし、あたしが何とかしないとね」
ダンテを下に降ろした夢の額には汗が伝っていた。
「でも、何とかって言っても……」
ぐるりと周りを見渡すもここはすでに亜空間なのか、鉄パイプもバールのようなものも何も落ちていない。
視界に映るのはぶん投げられた買い物袋くらいだ。
「あ、さっき買ったやつ!」
桃がチラリとのぞいているのが見えた。
ストサンでなくピーチメルバの味だが、スイーツピザをまた作ろうとした材料である。
夢はその桃をむんずと掴むと、迷うことなく悪魔に投げつけた。
「この腕はぁぁぁ、お前をブチ殺すためにあるってことだッ!!じゃっくぽぉーっど!( ゚Д゚)つ━━━○」
「桃かよ!?」
「ちょ、オレのセリフゥゥゥ!」
ギェェェエ!!
桃が当たった悪魔は苦しみの雄叫びをあげて後ずさった。
「お前らも効くのかよ!!」
「桃、パねぇ!」
ホーリーウォーターほどの威力は全く期待できないものだったが、悪魔の動きを止めることには成功したようだ。
「日本や中国では古くから桃は魔を退け、邪気を祓う力を持つという……まさか効くとは思わなかった」
あちらではあまり桃は良いイメージないがな。
「バージル、正解……ふぅ、逃げるよ!」
悪魔が動きを止めている隙に全員で駆け出した。
***
「ふぅ、はぁ~……心臓にキツい」
悪魔のいないところまで逃げ、息を整えているとダンテが怒った。
「何で庇った!
いくらネコと言えど、オレ逹は悪魔の血が流れてる。傷を負ったって治るだろうが!」
「でも、ネコなんだからちゃんと治るかどうかも怪しいでしょ!」
夢も負けじと言い返す。
「それに……咄嗟に体が動いたの」
静かに付け足す夢にダンテはそれ以上何も言えなくなった。
「夢……」
「あーあ、膝擦りむけちまって……早く洗えよ?」
ネロが心配そうに傷口を覗き込んだ。
「わかってる。こんなのすぐ治るから気にしないで」。
「すぐったってオレ逹ほど速く治んないだろ……」
夢はダンテの言葉に的確なつっこみを入れた。
「いや、君達と同じだったら人間じゃないからねヾ(-д-;)」
冗談を言いながら談笑しているとバージルが考え込んだ。
「さっきの悪魔は諦めてないな。ネロの右手が教えている」
ネロの右手にあるアザが悪魔が着実に近づいてきているのを教えるように点滅を繰り返している。
「ああ、それにまだこの空間から出てないしな」
ダンテが顎で指す先を見ると、いつの間にかお馴染みの悪魔による赤い結界が出来ていた。
「逃げらんないじゃんんん!?っていうかいつも思ってたけどこれって何で出来てるの?」
ネロは不思議そうに伸ばした夢の手を止めた。
「さあ、知らねぇ。けど、触るなよ?」
触るな、と言われると逆に触りたくなるのが人間というもの。
「触りたい~(`Д´*)」
夢はあまりの触りたさに手をワキワキさせた。
よっぽど触りたいようだ。
「はぁ……怪我するぞ」
「あ、伸びてくる腕に捕まんなきゃ大丈夫じゃないか?」
ダンテは悪魔の結界について討論を繰り広げる夢、ネロとバージルをスルーした。
「あいつら倒さねぇと出れないってか?」
万事休す、どうしたもんか……。
珍しくダンテが考え込む。
「だぁぁぁぁっ!夢、そんな悪魔の腕に構ってないでなんかねーか?」
「あらやだダンテさんったらもう考えられなくなってますわよ( ゚д゚)」
「もうキャパオーバーですってこれだから脳まで筋肉なのよやあねえ(゚д゚ ) 」
ネロとバージルがわざとらしく聞こえるように陰口を叩いている。
「うっせ、戻ったら覚えてろよ!」
「だが断る」
「ダンテとオレ、違う時代だしいちいち覚えてらんねーよ」
意地悪に笑って返答するネロとバージルはやっぱりそっくりだった。
「悪魔の腕……?」
夢がダンテの発した『悪魔の腕』の言葉にピクリと眉をあげた。
はっ!
「ネロ、デビルブリンガー使えないの?」
デビルブリンガー、悪魔の右腕のことである。
元のネロと違い、姿はネコだがその名残たるアザがあるのだ。
使えたりするのかもしれない。
「え?使えんの?」
「……え?(・∀・ )」
「え?( ・∀・)」
シーン…………。
「「「試してなかったんかい!!」」」
三人の怒号が揃った。
「だって、ネコの姿だけどバージルは(笑)が使えるよ。「おい……(笑)ってなんだ、(笑)って」ダンテも……あれ、何だっけ?」
バージルがひどくご立腹な様子で抗議している。
「オレはトリックスターでちょっと速くなる(`・ω・´)キリッ」
「それだけ?」
「うん(゜-゜)(。_。)それだけ」
「……あそ」
「orz……。
お兄ちゃん、オレ今度から、ソードマスター極めようと思うんだ……」
「そうしろ」
さすがにあわれに感じたバージルがダンテの肩に手を置いた。
「よっしゃ、いくぜ!」
ネロが念じると、右手から発せられる青い光のゆらめきと共に青い悪魔の右腕が宙に現れた。
「かっこいいね!」
夢が感激の声をあげるなか、ダンテとバージルは口をあんぐりと開けて見上げていた。
二人は夢と違って、プレイ画面を見ていたわけでもないのだ。
ビックリするのも無理もないだろう。
「Catch this!」
ネロは呆けたままのダンテを掴むと、同じように呆けたままだったバージルに向かってバスターを決めた。
ベキョ。
鈍い音が響きバージルの体にダンテの体の形のへこみ跡が出来た。
「ちょ、おま……痛えよ!HPバーが半分以下にまで一気に減っただろ!」
「死んだらどうする!俺は貴様等と違ってゴールドオーブ持ってないんだぞ!」
バージルはSpecial Edition版のバージルではないようである。
「どうせ放っとけば治るんだろ?いいじゃねーか」
使い勝手を確かめるように右手を見つめてネロが文句を言った。
「「イクナイ!」」
ダンテとバージルの息が揃った瞬間である。
そして、折り重なって倒れるダンテとバージルを見て感情を爆発させている腐女子がここに約一名。
「ふおお、ダンテがバージルを押し倒してる!ダンバジですな!ネコなのが残念です!」
ここにカメラでもあればフラッシュが炸裂していたことだろう。
「貴様、まだその変な妄想をやめてなかったのか!」
「モルスァ!)*o*)ノ」
バージルのベオウルフ仕込みのキラービーが夢の背中にヒットした。
ネコだから元々死にはしない威力だが、人間相手だ。
かなり手加減したようである。
それでも少し痛い。
ちなみに、夢から見たネロの強さはこんな感じである。
ダンテ<バージル<<<越えられない壁<<<ネロ
「ネロ、超チートじゃね?」
ネコのままでもやってけるよ、うん。
その声にダンテは涙ぐみながら「どうせオレなんて……」と、床にのの字を描いた。
だが、夢が間一髪でダンテを抱き上げ横に転がった。
ズザザザザと盛大にこする音が響き、その衝撃がダンテにも伝わった。
膝を擦りむいたらしい。
夢の足からは、血がダラダラと流れ落ちていた。
「つぅ……」
涙目にならながら痛みをこらえダンテを抱き締める。
ダンテは何が起こったのかわからず困惑の表情だった。
「大丈夫か?」
「大丈夫。悪魔からの攻撃は受けてないから、ちょっぴり膝が痛いけどね」
「よく無事だったな……」
「火事場の馬鹿力ってやつよ」
ふんす!ふんす!(`ω´)
そう言って力こぶを作るがあまり盛りあがってはいない。
再び鎌を光らせ一歩一歩近づいてくる悪魔を睨み付け夢が呟く。
「みんな今はネコなんだし、あたしが何とかしないとね」
ダンテを下に降ろした夢の額には汗が伝っていた。
「でも、何とかって言っても……」
ぐるりと周りを見渡すもここはすでに亜空間なのか、鉄パイプもバールのようなものも何も落ちていない。
視界に映るのはぶん投げられた買い物袋くらいだ。
「あ、さっき買ったやつ!」
桃がチラリとのぞいているのが見えた。
ストサンでなくピーチメルバの味だが、スイーツピザをまた作ろうとした材料である。
夢はその桃をむんずと掴むと、迷うことなく悪魔に投げつけた。
「この腕はぁぁぁ、お前をブチ殺すためにあるってことだッ!!じゃっくぽぉーっど!( ゚Д゚)つ━━━○」
「桃かよ!?」
「ちょ、オレのセリフゥゥゥ!」
ギェェェエ!!
桃が当たった悪魔は苦しみの雄叫びをあげて後ずさった。
「お前らも効くのかよ!!」
「桃、パねぇ!」
ホーリーウォーターほどの威力は全く期待できないものだったが、悪魔の動きを止めることには成功したようだ。
「日本や中国では古くから桃は魔を退け、邪気を祓う力を持つという……まさか効くとは思わなかった」
あちらではあまり桃は良いイメージないがな。
「バージル、正解……ふぅ、逃げるよ!」
悪魔が動きを止めている隙に全員で駆け出した。
***
「ふぅ、はぁ~……心臓にキツい」
悪魔のいないところまで逃げ、息を整えているとダンテが怒った。
「何で庇った!
いくらネコと言えど、オレ逹は悪魔の血が流れてる。傷を負ったって治るだろうが!」
「でも、ネコなんだからちゃんと治るかどうかも怪しいでしょ!」
夢も負けじと言い返す。
「それに……咄嗟に体が動いたの」
静かに付け足す夢にダンテはそれ以上何も言えなくなった。
「夢……」
「あーあ、膝擦りむけちまって……早く洗えよ?」
ネロが心配そうに傷口を覗き込んだ。
「わかってる。こんなのすぐ治るから気にしないで」。
「すぐったってオレ逹ほど速く治んないだろ……」
夢はダンテの言葉に的確なつっこみを入れた。
「いや、君達と同じだったら人間じゃないからねヾ(-д-;)」
冗談を言いながら談笑しているとバージルが考え込んだ。
「さっきの悪魔は諦めてないな。ネロの右手が教えている」
ネロの右手にあるアザが悪魔が着実に近づいてきているのを教えるように点滅を繰り返している。
「ああ、それにまだこの空間から出てないしな」
ダンテが顎で指す先を見ると、いつの間にかお馴染みの悪魔による赤い結界が出来ていた。
「逃げらんないじゃんんん!?っていうかいつも思ってたけどこれって何で出来てるの?」
ネロは不思議そうに伸ばした夢の手を止めた。
「さあ、知らねぇ。けど、触るなよ?」
触るな、と言われると逆に触りたくなるのが人間というもの。
「触りたい~(`Д´*)」
夢はあまりの触りたさに手をワキワキさせた。
よっぽど触りたいようだ。
「はぁ……怪我するぞ」
「あ、伸びてくる腕に捕まんなきゃ大丈夫じゃないか?」
ダンテは悪魔の結界について討論を繰り広げる夢、ネロとバージルをスルーした。
「あいつら倒さねぇと出れないってか?」
万事休す、どうしたもんか……。
珍しくダンテが考え込む。
「だぁぁぁぁっ!夢、そんな悪魔の腕に構ってないでなんかねーか?」
「あらやだダンテさんったらもう考えられなくなってますわよ( ゚д゚)」
「もうキャパオーバーですってこれだから脳まで筋肉なのよやあねえ(゚д゚ ) 」
ネロとバージルがわざとらしく聞こえるように陰口を叩いている。
「うっせ、戻ったら覚えてろよ!」
「だが断る」
「ダンテとオレ、違う時代だしいちいち覚えてらんねーよ」
意地悪に笑って返答するネロとバージルはやっぱりそっくりだった。
「悪魔の腕……?」
夢がダンテの発した『悪魔の腕』の言葉にピクリと眉をあげた。
はっ!
「ネロ、デビルブリンガー使えないの?」
デビルブリンガー、悪魔の右腕のことである。
元のネロと違い、姿はネコだがその名残たるアザがあるのだ。
使えたりするのかもしれない。
「え?使えんの?」
「……え?(・∀・ )」
「え?( ・∀・)」
シーン…………。
「「「試してなかったんかい!!」」」
三人の怒号が揃った。
「だって、ネコの姿だけどバージルは(笑)が使えるよ。「おい……(笑)ってなんだ、(笑)って」ダンテも……あれ、何だっけ?」
バージルがひどくご立腹な様子で抗議している。
「オレはトリックスターでちょっと速くなる(`・ω・´)キリッ」
「それだけ?」
「うん(゜-゜)(。_。)それだけ」
「……あそ」
「orz……。
お兄ちゃん、オレ今度から、ソードマスター極めようと思うんだ……」
「そうしろ」
さすがにあわれに感じたバージルがダンテの肩に手を置いた。
「よっしゃ、いくぜ!」
ネロが念じると、右手から発せられる青い光のゆらめきと共に青い悪魔の右腕が宙に現れた。
「かっこいいね!」
夢が感激の声をあげるなか、ダンテとバージルは口をあんぐりと開けて見上げていた。
二人は夢と違って、プレイ画面を見ていたわけでもないのだ。
ビックリするのも無理もないだろう。
「Catch this!」
ネロは呆けたままのダンテを掴むと、同じように呆けたままだったバージルに向かってバスターを決めた。
ベキョ。
鈍い音が響きバージルの体にダンテの体の形のへこみ跡が出来た。
「ちょ、おま……痛えよ!HPバーが半分以下にまで一気に減っただろ!」
「死んだらどうする!俺は貴様等と違ってゴールドオーブ持ってないんだぞ!」
バージルはSpecial Edition版のバージルではないようである。
「どうせ放っとけば治るんだろ?いいじゃねーか」
使い勝手を確かめるように右手を見つめてネロが文句を言った。
「「イクナイ!」」
ダンテとバージルの息が揃った瞬間である。
そして、折り重なって倒れるダンテとバージルを見て感情を爆発させている腐女子がここに約一名。
「ふおお、ダンテがバージルを押し倒してる!ダンバジですな!ネコなのが残念です!」
ここにカメラでもあればフラッシュが炸裂していたことだろう。
「貴様、まだその変な妄想をやめてなかったのか!」
「モルスァ!)*o*)ノ」
バージルのベオウルフ仕込みのキラービーが夢の背中にヒットした。
ネコだから元々死にはしない威力だが、人間相手だ。
かなり手加減したようである。
それでも少し痛い。
ちなみに、夢から見たネロの強さはこんな感じである。
ダンテ<バージル<<<越えられない壁<<<ネロ
「ネロ、超チートじゃね?」
ネコのままでもやってけるよ、うん。
その声にダンテは涙ぐみながら「どうせオレなんて……」と、床にのの字を描いた。