4.いい暇潰しにはなったかな
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
それからゲームのムービーを片っ端から見たがまったく答えは見つけられなかった。
それどころか、誰得なストーリーまでもをクリアしてしまうほどやりこんでしまった。
おかげさまで今では史上最強のサブキャラが出来ているほどである。
これ以上の収穫はないと見越して、今度は図書館に足を運んだ。
図書館とはいえ、外出である。
悪魔退治も出来ないから家で退屈してばかりのダンテもネロもついてきた。
ちなみに、本好きなバージルは言わずもがな、である。
だが図書館にはネコは入れないため、騒がしくなりがちなダンテとネロは近くの公園で待っているしかできない。
しゃべらないよう注意し、二人で遊んでてもらうことにした。
「遊ぶって……こいつと何して遊べって?」
二人のその言葉はスルーした。
バージルは我を貫き、動かないことを条件にバッグの中に入って図書館へ行くことになった。
ヴァチカンのそれと違い、ここは日本の県で建てた一般の図書館なため、悪魔関連の本はないかもしれない。
それどころか、あるとしても宗教関連の類いになるだろうことが予想できる。
それでもバージルは悪魔関連の背表紙を夢に探させた。
だが、本をパラパラとめくり、端から端まで探したがまったくもってヒットしてこなかった。
「やっぱさ、この世界には悪魔いないしそーゆー本ってないんじゃないの?」
「……そのようだな」
諦めて公園のダンテとネロを拾って帰ろうと足を動かす。
外へ出るといつの間にか夕方になっていた。
赤い太陽が徐々に沈んで、空が濃紺にグラデーションをかけていく。
あと少しで逢魔時、である。
「うわ、もうこんな時間だったんだ」
慌ててケータイの時間を確認するとあと少しで5時半になる頃だった。
「ダンテ、おなか空いてまたしゃべれなくなってるかも」
「雑草でも食わせておけ」
行くぞ、とバッグがら抜け出てバージルが歩き出した。
「ちょっとだけ待って」
バージルを呼び止めると夢は自販機で食料を買った。
「本当に甘いやつだ。
そんなだといつか悪い男にいいように利用されるぞ」
「君達にしかやらないよ」
苦笑しながらバージルに焼おにぎりを渡す。
「熱い……」
それは自販機から出てきたばかりと思えない位熱く、ネコの体なバージルには食べづらかったようである。
公園につくと体に葉っぱや枝をつけたダンテとネロが寝転がっていた。
「ダンテ……効いたぜ、お前のパンチ……」
「にゃ…」
殴りあいでもしたのだろうか。
これだから男の子のすることはよく分からない。
でもバージルを見ると、やはり彼も意味不明と言いたげな表情をしていた。
そして、ダンテは空腹なのだろう、ネコ言葉になってしまっている。
そんなダンテに自販機で買ったホットドックをいくつか渡して大の字になっているネロに向き直る。
「よく人間の子供とかにイタズラされなかったね……」
「来たけど逆にいじめてやった」
ああ、そうですか。
ネロにもホットドックを渡して皆が食べ終わるのを待ち帰路を歩く。
ネロとバージルは歩道を歩いているが、ダンテは夢の肩の上である。
某電気ネズミと違い6kgまではないので重くはないが、暑苦しい。
これが冬ならば暖がとれて重宝するだろうがあいにく今は夏である。
前を歩くネロとバージルの夕日に照らされた白い毛並みを見つめていると、ダンテが思い出したように「あ、」と声を出した。
「夢、またあのスイーツピザ作ってくれよ」
「なんだそれ?」
「ネロが来る少し前に作った超豪華なストロベリーサンデーの乗ったピザだよ」
「ストロベリーサンデー?それってピザに乗せるもんだっけか?」
熱いものの上に冷たいものを乗せるその料理がネロには上手く想像出来なかった。
「ピザもストサンもオレの好物だ、一緒にすると天国に導かれる(`・ω・´)キリッ」
「悪魔なのに天国行けるとはこれいかに」
「は……?」
キリッと決めるダンテと悪乗りして突っ込む夢に首をかしげる。
そこにバージルが顔をしかめながら付け足した。
「日本のフジヤマのごとく上に生クリームだのアイスクリームだのが乗っかった毒にしかならん代物だ」
「……うげ」
甘いものはそこまで嫌いじゃないネロだが、その超デカ盛りパフェのようなピザを想像して胃がむかついたようだ。
バージルと同じ顔をしている。
苦い顔をしたネロとバージルを放って、夢とダンテは店で材料を買うことにした。
アイスも生クリームもあるが、フルーツがないのだ。
今回はネロとバージルが店の外で待機である。
そしてダンテは、夢のバッグの中からフルーツ選びにせわしなく首をのぞかせている。
「おい、苺ねーぞ」
「時期じゃないからね」
「この間のは?」
「偶然あったのを買っただけ」
偶然とは言っても結構高かった。
時期外れのフルーツってのは値段が高くて困る。
「ストサン美味しいけど、たまにはピーチメルバなんてどう?幸い苺のソース自体は売ってるし……」
「ピーチメルバ?」
ピーチメルバがどういう物か説明されたダンテは「美味いならなんでもいい」と言った。
そうして仕方なしに代わりに甘そうな桃を購入することにしたのだった。
買い物して店を出るころには6時を越えていた。
「案外早かったな」
「フルーツ買っただけだもの」
そう言ってガサガサと桃の入った袋を揺らした。
「フン、早く帰るぞ」
6時を越えると大体は逢魔時と呼ばれる時間になる。
逢魔時とは大禍時ともいい、妖怪、幽霊など『魔』に出会いやすい時刻である。
バージルは先ほどから何とも言えない、うすら寒いものを感じ取っていた。
この世界が悪魔の出ない世界とは言え、用心するに越したことはない。
何かあったとしても、ネコの姿では何もできないのだから……。
それどころか、誰得なストーリーまでもをクリアしてしまうほどやりこんでしまった。
おかげさまで今では史上最強のサブキャラが出来ているほどである。
これ以上の収穫はないと見越して、今度は図書館に足を運んだ。
図書館とはいえ、外出である。
悪魔退治も出来ないから家で退屈してばかりのダンテもネロもついてきた。
ちなみに、本好きなバージルは言わずもがな、である。
だが図書館にはネコは入れないため、騒がしくなりがちなダンテとネロは近くの公園で待っているしかできない。
しゃべらないよう注意し、二人で遊んでてもらうことにした。
「遊ぶって……こいつと何して遊べって?」
二人のその言葉はスルーした。
バージルは我を貫き、動かないことを条件にバッグの中に入って図書館へ行くことになった。
ヴァチカンのそれと違い、ここは日本の県で建てた一般の図書館なため、悪魔関連の本はないかもしれない。
それどころか、あるとしても宗教関連の類いになるだろうことが予想できる。
それでもバージルは悪魔関連の背表紙を夢に探させた。
だが、本をパラパラとめくり、端から端まで探したがまったくもってヒットしてこなかった。
「やっぱさ、この世界には悪魔いないしそーゆー本ってないんじゃないの?」
「……そのようだな」
諦めて公園のダンテとネロを拾って帰ろうと足を動かす。
外へ出るといつの間にか夕方になっていた。
赤い太陽が徐々に沈んで、空が濃紺にグラデーションをかけていく。
あと少しで逢魔時、である。
「うわ、もうこんな時間だったんだ」
慌ててケータイの時間を確認するとあと少しで5時半になる頃だった。
「ダンテ、おなか空いてまたしゃべれなくなってるかも」
「雑草でも食わせておけ」
行くぞ、とバッグがら抜け出てバージルが歩き出した。
「ちょっとだけ待って」
バージルを呼び止めると夢は自販機で食料を買った。
「本当に甘いやつだ。
そんなだといつか悪い男にいいように利用されるぞ」
「君達にしかやらないよ」
苦笑しながらバージルに焼おにぎりを渡す。
「熱い……」
それは自販機から出てきたばかりと思えない位熱く、ネコの体なバージルには食べづらかったようである。
公園につくと体に葉っぱや枝をつけたダンテとネロが寝転がっていた。
「ダンテ……効いたぜ、お前のパンチ……」
「にゃ…」
殴りあいでもしたのだろうか。
これだから男の子のすることはよく分からない。
でもバージルを見ると、やはり彼も意味不明と言いたげな表情をしていた。
そして、ダンテは空腹なのだろう、ネコ言葉になってしまっている。
そんなダンテに自販機で買ったホットドックをいくつか渡して大の字になっているネロに向き直る。
「よく人間の子供とかにイタズラされなかったね……」
「来たけど逆にいじめてやった」
ああ、そうですか。
ネロにもホットドックを渡して皆が食べ終わるのを待ち帰路を歩く。
ネロとバージルは歩道を歩いているが、ダンテは夢の肩の上である。
某電気ネズミと違い6kgまではないので重くはないが、暑苦しい。
これが冬ならば暖がとれて重宝するだろうがあいにく今は夏である。
前を歩くネロとバージルの夕日に照らされた白い毛並みを見つめていると、ダンテが思い出したように「あ、」と声を出した。
「夢、またあのスイーツピザ作ってくれよ」
「なんだそれ?」
「ネロが来る少し前に作った超豪華なストロベリーサンデーの乗ったピザだよ」
「ストロベリーサンデー?それってピザに乗せるもんだっけか?」
熱いものの上に冷たいものを乗せるその料理がネロには上手く想像出来なかった。
「ピザもストサンもオレの好物だ、一緒にすると天国に導かれる(`・ω・´)キリッ」
「悪魔なのに天国行けるとはこれいかに」
「は……?」
キリッと決めるダンテと悪乗りして突っ込む夢に首をかしげる。
そこにバージルが顔をしかめながら付け足した。
「日本のフジヤマのごとく上に生クリームだのアイスクリームだのが乗っかった毒にしかならん代物だ」
「……うげ」
甘いものはそこまで嫌いじゃないネロだが、その超デカ盛りパフェのようなピザを想像して胃がむかついたようだ。
バージルと同じ顔をしている。
苦い顔をしたネロとバージルを放って、夢とダンテは店で材料を買うことにした。
アイスも生クリームもあるが、フルーツがないのだ。
今回はネロとバージルが店の外で待機である。
そしてダンテは、夢のバッグの中からフルーツ選びにせわしなく首をのぞかせている。
「おい、苺ねーぞ」
「時期じゃないからね」
「この間のは?」
「偶然あったのを買っただけ」
偶然とは言っても結構高かった。
時期外れのフルーツってのは値段が高くて困る。
「ストサン美味しいけど、たまにはピーチメルバなんてどう?幸い苺のソース自体は売ってるし……」
「ピーチメルバ?」
ピーチメルバがどういう物か説明されたダンテは「美味いならなんでもいい」と言った。
そうして仕方なしに代わりに甘そうな桃を購入することにしたのだった。
買い物して店を出るころには6時を越えていた。
「案外早かったな」
「フルーツ買っただけだもの」
そう言ってガサガサと桃の入った袋を揺らした。
「フン、早く帰るぞ」
6時を越えると大体は逢魔時と呼ばれる時間になる。
逢魔時とは大禍時ともいい、妖怪、幽霊など『魔』に出会いやすい時刻である。
バージルは先ほどから何とも言えない、うすら寒いものを感じ取っていた。
この世界が悪魔の出ない世界とは言え、用心するに越したことはない。
何かあったとしても、ネコの姿では何もできないのだから……。