3.もったいないからもらってやるよ
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夜になり、紀理恵達一家は帰っていった。
紀理恵を乗せて少しずつ遠ざかる車を見送りながらネロが呟く。
「紀理恵ってキリエにホントそっくりだったな……」
「ん、そうなの?名前は一緒だけど」
ゲームのやりこみ度はハンパないが、そこまで似てると感じたことはなかった。
「キリエの小さい頃ってあんなだった……」
ネロは懐かしさに目を細め、昔を振り返った。
その瞳には早く帰りたいという色が深く出ていた。
「早く帰る方法見つけないとね」
「ああ」
ゆっくりとネロが頷く。
「このアザはなんだ?」
2人で部屋に戻ると、バージルが開口一番、興味津々にネロの右手を覗いた。
「元々オレの右腕って悪魔の腕だからじゃねーか?
つーか、おっさんに兄貴がいるのは知ってたけど、なんつーか……クレドみたいなやつだな」
「クレド?」
「いかつくて厳しいオレの上司兼、兄貴みたいだった人。……もう死んじまったけどな」
いかつい、のネロのセリフにダンテが噴いた。
「それより、俺はお前から闇魔刀の気配がするのにびっくりしている。
未来の俺は闇魔刀をなくしたとでも……?orz」
ネロは、自分の世界のダンテが兄貴の『形見』と言っていたのを思い出した。
だが、本人を目の前にして「お前、死ぬんだぜ」などとは言えない。
「まぁ……キニスンナ」
ネロは、カタコトになりながらごまかすしかできなかった。
まぁ、バージルのその後はさすがに教えられないよね、ダンテにもバージルにも。
まだ5は発売されてないし。
「オレはネロからバージルと同じ魂の気配がするのが気になってしゃーないな」
そりゃそうだ、なにせバージルの息子設定だもの。
似ていて当たり前だろう。
「ああ、オレもものすごく親近感を覚えるな……。
嬉しくないことに今まではおっさんと似てるような気がしてたんだけどさ、バージルの方が近い感じする」
「確かにおかしいくらい似ているな」
三匹がじっと夢の方を見てくる。
もしかして、お前知ってるんだろう、教えろと?
しばし考え込んでからかわいく決める。
「……禁則事項です♪」
うぜぇ……。
(^ω^#)( ̄д ̄ )(=ω=ι)
三人ともそれぞれの表情で夢を見る。
だが、そのすべてが夢を見下す目だった。
「うわぁその汚物を見る目はやめてよ!っていうか、見た感じネコの集会ね」
夢は一匹ずつ抱きあげて違いを確かめた。
「くっ、元の体に戻ったら覚えていろ」
まず、シャープな曲線を描き筋肉もそこそこついた体で一番白く、目元がつり上がり気味のバージル。
「うわ何をするやめ」
一番体が大きくがっしりしていて、目が大きなアーモンド形。
そしていたずらっ子のようなダンテ。
ただ、最近余分な肉がついてきてるかもしれない、ちょっと重くなった。
「好きでこの体になってるわけじゃねーぞ」
そして、一番小柄ですばしっこく体がやわらかい、真ん丸な目をもつネロ。
こちらは二匹と比べるとあまり筋肉はついてないようだ。
でも、抱っこすると一番ふわふわで気持ちいいし、かわいいかもしれない。
夢はしばらく堪能したあと、下に降ろした。
「今抱きあげたのは、一体なんだ?」
「ダンテが重くなったかどうか確かめただけ。重くなったねぇダンテぷぷぷ。
トリックスターは封印だねーm9(^Д^)」
「え゛orz」
「だからピザばかり食べるなと言ったんだ……」
へこむダンテにバージルが呆れている。
反対にネロは嬉しそうだ。
「このまま行けばオレも楽におっさんに勝てるってことか!すばしっこい時のおっさんって相手しづらいんだよな」
へこんだダンテを誰もフォローしないで放置して、夢はゲームの準備を始めた。
「よし、早く帰りたいだろうからちょっとゲームのムービーでも見てきっかけ探ろう!」
「夢はゲームやりたいだけだろう」
「オレも見る。おっさんの若い頃のことも知っておきたいしな」
夢とネロがノリノリでテレビの前に座った。
だが、バージルとベオは少し離れた場所から遠目に見るようだった。
「ゲームはおかしなことになってるけど、ムービーは普通に見れるみたい」
夢が少しずつ再生していくとダンテの赤裸々な日常が明かされていった。
『ぼくをみろぉぉぉおЩ(゜Д゜)Щ』
「ちょwww(;゚;ж;゚; )ブッ」
ネロが頭をのけ反らせて噴いた。
「わあ、黒歴史ktkr」
「これのどこが黒歴史だよ」
夢の脇からダンテが覗いて否定する。
「もう復活したの!はや!こういうのってね、年取ったら恥ずかしく感じるのよ~」
「ふっふっふ。これでいつかおっさんをおどすネタが出来たな」
ダンテはいつかくるその瞬間を想像した。
「こわ!」
「こんな愚弟で俺は恥ずかしい……」
そして、後ろでバージルもボソリと呟いていた。
その後、4も見た。
ネロはキリエが出てくる度にキリエキリエとうるさかった。
最後のムービーを見たあと夢とダンテは赤くなっているネロに振り返った。
「このあとkissした?ねぇしたの?ねぇねぇ?(゜∀゜)」
「うっせ!そのあと生き残った住民が来たから結局出来なかったよ……!
それきりタイミング悪くてまだしてない……」
「聞きました?この子まだしてないんだって( ゚д゚)ヒソヒソ」
「あらやだどんだけチキンなんでしょうね(゚д゚ ) ヒソヒソ」
「だぁぁぁぁあ!!!アンタこそ、あんなエロオヤジになっちまって!
おいバージル今から教育しなおせよ」
「ことわる」
「でもさ、どっちもどっちでイカれてるっていうか……うん。二人ともクレイジーだよね」
夢が上手くまとめた。
「どこがだよ!」
「一緒にすんな!」
はもった。
「おい、ツラ貸せ」
バージルがそんなコントを遠目に見ながら、ベオを呼んで部屋を静かに出ていった。
「……三匹集まったようだな」
「ああ、象徴たる力が何なのかは大体わかった。アミュレットのことだな」
そう言って自分の首にかかる赤い宝石をシャランと鳴らす。
アミュレットはテメンニグルでもカギになっていた代物。
そういったことに使いやすいのかもしれない。
「あのネロとかいうやつの右手の力に呼応している。ダンテは気がついてないようだがな」
「だがあと一つ足りない」
「テメン二グルの時と同じで血と穢れなき巫女の血でも必要だとでも?」
「……」
「スパーダの血が必要と言うならオレ達がいるからまた殺し合いでもなんでもすればいい。
それに、ネロもわずかとはいえスパーダの血をひいているようだ……」
バージルが思い付いたように顔をあげた。
「お前の主人……夢は処女か?」
しかも、真顔だ。
「なぜそうなる。……主人のそういうプライバシーは知らん」
「巫女の代わりにはやはり処女の血しかないではないか」
「別に血の類は必要ない、違うなにかだ。
我はこの世界で見守る、貴様らの世界でいうところのベオウルフそのものだ」
その言葉に臨戦態勢をとるバージルを鼻で笑う。
「かといってお前らに復讐したいとかはないから安心しろ。……ただ生理的に受け付けないがな」
目を細めて宙を見上げ、ベオは昔を思い出した。
「主人が我を拾ってベオと名付けた時はそれはびっくりしたものだ。なつかしい……」
「バージルぅ?ベオ?」
主人、夢からの呼び声が届く、行かなければ。
「きっともうすぐ戻れる」
ベオは部屋へ急ぎながら振り返って言い残した。
「皆、これあげるから着てみて」
呼ばれたバージルが戻ってみると、夢が青い布を渡してきた。
前足で器用に広げていくとそれは着なれた青いコートになった。
ネコサイズではあるが。
見ればダンテには赤の、ネロには黒っぽいコートが渡されている。
「これは……?」
「さっき皆を持ち上げた時寸法測ったぜイェイ(≧ε≦) 」
「作んの早くね?」
「家庭科の成績いい方だからね。あと言ってなかったっけ?レイヤーだから」
言いながらダンテ、ネロ、バージルに着せていく。
「ネコだって服を着る時代ですから、これで見分けつくね」
最後にピシッと整え、順に並ばせて完成。
「うん、やっぱり似合う」
お互い確認し合い鏡で自分の姿を見て感嘆の声をあげる。
ダンテがくるりと一回転し赤いコートをはためかせる。
バージルは口角をあげニヤリと笑った。
「らしくなったぜ」
「悪くない」
「……あー、サンキュ」
ネロは照れ隠しに小さく呟いた。
だが、慣れると喉をゴロゴロ鳴らすようだ。
現在進行形で喉がゴロゴロ鳴っている。
「ツンデレパート2、ktkr(*´д`*)アハァ」
バージルじゃなくネロに鞍替えしてしまいそうだ。
●あとがき
ネロたんあらわる。の巻
これで3匹そろいました。
ダンテもネロも同じくらいクレイジーだと思うんだ…若干ダンテのがクレイジーだけど。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
紀理恵を乗せて少しずつ遠ざかる車を見送りながらネロが呟く。
「紀理恵ってキリエにホントそっくりだったな……」
「ん、そうなの?名前は一緒だけど」
ゲームのやりこみ度はハンパないが、そこまで似てると感じたことはなかった。
「キリエの小さい頃ってあんなだった……」
ネロは懐かしさに目を細め、昔を振り返った。
その瞳には早く帰りたいという色が深く出ていた。
「早く帰る方法見つけないとね」
「ああ」
ゆっくりとネロが頷く。
「このアザはなんだ?」
2人で部屋に戻ると、バージルが開口一番、興味津々にネロの右手を覗いた。
「元々オレの右腕って悪魔の腕だからじゃねーか?
つーか、おっさんに兄貴がいるのは知ってたけど、なんつーか……クレドみたいなやつだな」
「クレド?」
「いかつくて厳しいオレの上司兼、兄貴みたいだった人。……もう死んじまったけどな」
いかつい、のネロのセリフにダンテが噴いた。
「それより、俺はお前から闇魔刀の気配がするのにびっくりしている。
未来の俺は闇魔刀をなくしたとでも……?orz」
ネロは、自分の世界のダンテが兄貴の『形見』と言っていたのを思い出した。
だが、本人を目の前にして「お前、死ぬんだぜ」などとは言えない。
「まぁ……キニスンナ」
ネロは、カタコトになりながらごまかすしかできなかった。
まぁ、バージルのその後はさすがに教えられないよね、ダンテにもバージルにも。
まだ5は発売されてないし。
「オレはネロからバージルと同じ魂の気配がするのが気になってしゃーないな」
そりゃそうだ、なにせバージルの息子設定だもの。
似ていて当たり前だろう。
「ああ、オレもものすごく親近感を覚えるな……。
嬉しくないことに今まではおっさんと似てるような気がしてたんだけどさ、バージルの方が近い感じする」
「確かにおかしいくらい似ているな」
三匹がじっと夢の方を見てくる。
もしかして、お前知ってるんだろう、教えろと?
しばし考え込んでからかわいく決める。
「……禁則事項です♪」
うぜぇ……。
(^ω^#)( ̄д ̄ )(=ω=ι)
三人ともそれぞれの表情で夢を見る。
だが、そのすべてが夢を見下す目だった。
「うわぁその汚物を見る目はやめてよ!っていうか、見た感じネコの集会ね」
夢は一匹ずつ抱きあげて違いを確かめた。
「くっ、元の体に戻ったら覚えていろ」
まず、シャープな曲線を描き筋肉もそこそこついた体で一番白く、目元がつり上がり気味のバージル。
「うわ何をするやめ」
一番体が大きくがっしりしていて、目が大きなアーモンド形。
そしていたずらっ子のようなダンテ。
ただ、最近余分な肉がついてきてるかもしれない、ちょっと重くなった。
「好きでこの体になってるわけじゃねーぞ」
そして、一番小柄ですばしっこく体がやわらかい、真ん丸な目をもつネロ。
こちらは二匹と比べるとあまり筋肉はついてないようだ。
でも、抱っこすると一番ふわふわで気持ちいいし、かわいいかもしれない。
夢はしばらく堪能したあと、下に降ろした。
「今抱きあげたのは、一体なんだ?」
「ダンテが重くなったかどうか確かめただけ。重くなったねぇダンテぷぷぷ。
トリックスターは封印だねーm9(^Д^)」
「え゛orz」
「だからピザばかり食べるなと言ったんだ……」
へこむダンテにバージルが呆れている。
反対にネロは嬉しそうだ。
「このまま行けばオレも楽におっさんに勝てるってことか!すばしっこい時のおっさんって相手しづらいんだよな」
へこんだダンテを誰もフォローしないで放置して、夢はゲームの準備を始めた。
「よし、早く帰りたいだろうからちょっとゲームのムービーでも見てきっかけ探ろう!」
「夢はゲームやりたいだけだろう」
「オレも見る。おっさんの若い頃のことも知っておきたいしな」
夢とネロがノリノリでテレビの前に座った。
だが、バージルとベオは少し離れた場所から遠目に見るようだった。
「ゲームはおかしなことになってるけど、ムービーは普通に見れるみたい」
夢が少しずつ再生していくとダンテの赤裸々な日常が明かされていった。
『ぼくをみろぉぉぉおЩ(゜Д゜)Щ』
「ちょwww(;゚;ж;゚; )ブッ」
ネロが頭をのけ反らせて噴いた。
「わあ、黒歴史ktkr」
「これのどこが黒歴史だよ」
夢の脇からダンテが覗いて否定する。
「もう復活したの!はや!こういうのってね、年取ったら恥ずかしく感じるのよ~」
「ふっふっふ。これでいつかおっさんをおどすネタが出来たな」
ダンテはいつかくるその瞬間を想像した。
「こわ!」
「こんな愚弟で俺は恥ずかしい……」
そして、後ろでバージルもボソリと呟いていた。
その後、4も見た。
ネロはキリエが出てくる度にキリエキリエとうるさかった。
最後のムービーを見たあと夢とダンテは赤くなっているネロに振り返った。
「このあとkissした?ねぇしたの?ねぇねぇ?(゜∀゜)」
「うっせ!そのあと生き残った住民が来たから結局出来なかったよ……!
それきりタイミング悪くてまだしてない……」
「聞きました?この子まだしてないんだって( ゚д゚)ヒソヒソ」
「あらやだどんだけチキンなんでしょうね(゚д゚ ) ヒソヒソ」
「だぁぁぁぁあ!!!アンタこそ、あんなエロオヤジになっちまって!
おいバージル今から教育しなおせよ」
「ことわる」
「でもさ、どっちもどっちでイカれてるっていうか……うん。二人ともクレイジーだよね」
夢が上手くまとめた。
「どこがだよ!」
「一緒にすんな!」
はもった。
「おい、ツラ貸せ」
バージルがそんなコントを遠目に見ながら、ベオを呼んで部屋を静かに出ていった。
「……三匹集まったようだな」
「ああ、象徴たる力が何なのかは大体わかった。アミュレットのことだな」
そう言って自分の首にかかる赤い宝石をシャランと鳴らす。
アミュレットはテメンニグルでもカギになっていた代物。
そういったことに使いやすいのかもしれない。
「あのネロとかいうやつの右手の力に呼応している。ダンテは気がついてないようだがな」
「だがあと一つ足りない」
「テメン二グルの時と同じで血と穢れなき巫女の血でも必要だとでも?」
「……」
「スパーダの血が必要と言うならオレ達がいるからまた殺し合いでもなんでもすればいい。
それに、ネロもわずかとはいえスパーダの血をひいているようだ……」
バージルが思い付いたように顔をあげた。
「お前の主人……夢は処女か?」
しかも、真顔だ。
「なぜそうなる。……主人のそういうプライバシーは知らん」
「巫女の代わりにはやはり処女の血しかないではないか」
「別に血の類は必要ない、違うなにかだ。
我はこの世界で見守る、貴様らの世界でいうところのベオウルフそのものだ」
その言葉に臨戦態勢をとるバージルを鼻で笑う。
「かといってお前らに復讐したいとかはないから安心しろ。……ただ生理的に受け付けないがな」
目を細めて宙を見上げ、ベオは昔を思い出した。
「主人が我を拾ってベオと名付けた時はそれはびっくりしたものだ。なつかしい……」
「バージルぅ?ベオ?」
主人、夢からの呼び声が届く、行かなければ。
「きっともうすぐ戻れる」
ベオは部屋へ急ぎながら振り返って言い残した。
「皆、これあげるから着てみて」
呼ばれたバージルが戻ってみると、夢が青い布を渡してきた。
前足で器用に広げていくとそれは着なれた青いコートになった。
ネコサイズではあるが。
見ればダンテには赤の、ネロには黒っぽいコートが渡されている。
「これは……?」
「さっき皆を持ち上げた時寸法測ったぜイェイ(≧ε≦) 」
「作んの早くね?」
「家庭科の成績いい方だからね。あと言ってなかったっけ?レイヤーだから」
言いながらダンテ、ネロ、バージルに着せていく。
「ネコだって服を着る時代ですから、これで見分けつくね」
最後にピシッと整え、順に並ばせて完成。
「うん、やっぱり似合う」
お互い確認し合い鏡で自分の姿を見て感嘆の声をあげる。
ダンテがくるりと一回転し赤いコートをはためかせる。
バージルは口角をあげニヤリと笑った。
「らしくなったぜ」
「悪くない」
「……あー、サンキュ」
ネロは照れ隠しに小さく呟いた。
だが、慣れると喉をゴロゴロ鳴らすようだ。
現在進行形で喉がゴロゴロ鳴っている。
「ツンデレパート2、ktkr(*´д`*)アハァ」
バージルじゃなくネロに鞍替えしてしまいそうだ。
●あとがき
ネロたんあらわる。の巻
これで3匹そろいました。
ダンテもネロも同じくらいクレイジーだと思うんだ…若干ダンテのがクレイジーだけど。
ここまで読んでいただきありがとうございました。