3.もったいないからもらってやるよ
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それから1人と三匹は自己紹介した。
ネロの知っているダンテは髭の生えた三十路のおっさんだった。
驚きを隠せず、二度見してしまう。
「え、これおっさんなのか!」
「オレはおっさんじゃねぇ」
「あ、そっか。ごめん、おっさんの若い時」
「普通にダンテって呼べよこのヤロー!喧嘩売ってんのか(`Д´#)」
「だってオレは未来のアンタしか知らねーし」
ネロの中ではダンテはおっさんのダンテらしい。
まあ、あんだけ殺りあった仲である。
当たり前と言えば当たり前か。
「あんなナイスミドルをおっさんとか呼ぶな」
自分で未来の自分をナイスミドルって言ってるよ。
夢もネロも、バージルもブフォァ、と噴き出しそうになった。
「それで、ネロは来る前なんか変わったことあったか?」
バージルと夢を睨み付けながらダンテが聞いた。
「何って……いや、特になにもなかったな。
オレの世界のダンテからいかがわしいピンクのネオンサイン付看板なら送られてきたけど」
アンタのセンス、一体なんなんだよ。
「いや、オレに言われてもな……」
迷惑そうに顔をしかめるが、まだ十代のダンテに言ったところでどうしようもない。
ああ、小説版のアレか。
夢は小説に出てきた表現を思い出していた。
つまり、フォルトゥナの偽神事件はつい最近あったことらしい。
「空間転移を得意とする悪魔を相手したとかはないのか……?」
「ああ、元々フォルトゥナは悪魔が多く出るけど、最近は弱いのしか出てこないしそんな高等魔術とは無縁だな」
バージルとネロが額をくっつけるかのようにして話し合う。
「ふーん、これのほぼ直後ってやつか」
「これ?」
「フォルトゥナの偽神事件はこの世界ではゲームになってるのよ」
「これがゲームの箱な」
ダンテが見てみろと、Devil May Cry4と書かれた薄い箱をくわえてネロに差し出した。
「うお、オレがいる。なんか恥ずいな……」
パッケージにはドヤ顔で右腕を構える自分が表記されていた。
ここが異世界なのは知っていたがゲームのことは知らなかった。
だからダンテもバージルもこの夢という少女も自分を知っているように話したようだ。
「そのゲームだけどね」
夢が困った風に眉を寄せた。
「ゲーム上からスッパリ君達消えてるんだ。 おかげで、ストーリーがぐちゃぐちゃだよー」
「まっそのおかげでオレ達に会えたじゃねーか!」
いつでも楽天的なダンテがどこまでも軽く言うが、夢はそれを遮って続けた。
「このままだと誰がテメングニルが建つのを阻止する?……誰がキリエを悪魔から守る?」
「いや、テメンニグルは建ったままでいい。
いやしかし、俺が魔界に行けないな……」
バージルがブツブツと呟く内容をダンテがおい、と突っ込んだ。
「ネロ、想像してみ?ネロがいなかった場合、あの事件どうなったと思う?」
オレがいなかったら……?
考えて絶句する。
「……」
「……ネロは早く帰った方がいいね」
待ってる人、いるんだし。
夢は言いながらネロの頭を撫でた。
「このリア充め!(`∀´*)」
ダンテがネットスラングを使ってネロをからかう。
「ダンテ、どこでそんな言葉覚えたの……」
「お前のパソコン。ちゃんねるまとめスレ、かいうやつ開いてたから見たぜ。あとなんかバージルとオレがからんでる気色悪い絵とかいっぱいあったなーなんだアレ?」
ダンテの間延びした答えに夢は慌てた。
「まとめスレはまぁ……いいとして、BLフォルダ見たってこと!?
うわああああ見んなし!!」Σ(´Д`lll)
「ほほう……あとで詳しく聞かせていただくとしようか?」
バージルが不穏な空気をまといながら夢に振り返る。
「バージルこわっ(((゜ω゜;)))」
「ととと、とにかく、帰るには三人が揃わなくちゃいけなかったみたい」
「そっか、ならよかったぜ」
その時遊び疲れたベオと紀理恵が戻ってきた。
「たのしかったよー」
ベオが降りやすいようゆっくりと腰を落とし、紀理恵を下に降ろしている。
「丁度良かった、紀理恵ちゃん」
紀理恵の目線にあわせて膝を折る。
「ネロは前にいたところに大好きな人がいるんだって」
「ちょ、子供の前だぞ。なに言って……まあ、本当の事だけどさ」
「帰りたいって言ってるんだけどどうする?ネロがいなくなっても大丈夫かな?」
紀理恵はしばらく考え込んでから、朗らかにまるでキリエのように笑って言った。
「うん、だいじょうぶだよ。ねろがかえりたいならそうするべき」
大人顔負けの受け答えにバージルが舌を巻く。
「ほう、よくできた小娘だな。ダンテ、貴様も見習え」
「いや、ダンテ……いや、おっさんの場合、母親の腹ん中からやり直さないと無理じゃね?」
そのネロの話に再び夢は噴き出した。
「ダンテで合ってるよ!
なんで言い直したんだよ。しかも失礼過ぎるだろ!
あと夢は笑うな!!オレいじめて楽しいか?」
ああ楽しいな、と揃って言うネロとバージルの顔はそっくりだった。
「ちょっとさみしいけどがまんするね……」
紀理恵が少しだけ声のトーンを落として言った。
「紀理恵……」
ネロはなにも言ってやれなくて申し訳ない思いで紀理恵を見つめた。
「えらいね、いいこ」
夢は紀理恵を抱き締め、ゆっくりと撫でた。
ネロの知っているダンテは髭の生えた三十路のおっさんだった。
驚きを隠せず、二度見してしまう。
「え、これおっさんなのか!」
「オレはおっさんじゃねぇ」
「あ、そっか。ごめん、おっさんの若い時」
「普通にダンテって呼べよこのヤロー!喧嘩売ってんのか(`Д´#)」
「だってオレは未来のアンタしか知らねーし」
ネロの中ではダンテはおっさんのダンテらしい。
まあ、あんだけ殺りあった仲である。
当たり前と言えば当たり前か。
「あんなナイスミドルをおっさんとか呼ぶな」
自分で未来の自分をナイスミドルって言ってるよ。
夢もネロも、バージルもブフォァ、と噴き出しそうになった。
「それで、ネロは来る前なんか変わったことあったか?」
バージルと夢を睨み付けながらダンテが聞いた。
「何って……いや、特になにもなかったな。
オレの世界のダンテからいかがわしいピンクのネオンサイン付看板なら送られてきたけど」
アンタのセンス、一体なんなんだよ。
「いや、オレに言われてもな……」
迷惑そうに顔をしかめるが、まだ十代のダンテに言ったところでどうしようもない。
ああ、小説版のアレか。
夢は小説に出てきた表現を思い出していた。
つまり、フォルトゥナの偽神事件はつい最近あったことらしい。
「空間転移を得意とする悪魔を相手したとかはないのか……?」
「ああ、元々フォルトゥナは悪魔が多く出るけど、最近は弱いのしか出てこないしそんな高等魔術とは無縁だな」
バージルとネロが額をくっつけるかのようにして話し合う。
「ふーん、これのほぼ直後ってやつか」
「これ?」
「フォルトゥナの偽神事件はこの世界ではゲームになってるのよ」
「これがゲームの箱な」
ダンテが見てみろと、Devil May Cry4と書かれた薄い箱をくわえてネロに差し出した。
「うお、オレがいる。なんか恥ずいな……」
パッケージにはドヤ顔で右腕を構える自分が表記されていた。
ここが異世界なのは知っていたがゲームのことは知らなかった。
だからダンテもバージルもこの夢という少女も自分を知っているように話したようだ。
「そのゲームだけどね」
夢が困った風に眉を寄せた。
「ゲーム上からスッパリ君達消えてるんだ。 おかげで、ストーリーがぐちゃぐちゃだよー」
「まっそのおかげでオレ達に会えたじゃねーか!」
いつでも楽天的なダンテがどこまでも軽く言うが、夢はそれを遮って続けた。
「このままだと誰がテメングニルが建つのを阻止する?……誰がキリエを悪魔から守る?」
「いや、テメンニグルは建ったままでいい。
いやしかし、俺が魔界に行けないな……」
バージルがブツブツと呟く内容をダンテがおい、と突っ込んだ。
「ネロ、想像してみ?ネロがいなかった場合、あの事件どうなったと思う?」
オレがいなかったら……?
考えて絶句する。
「……」
「……ネロは早く帰った方がいいね」
待ってる人、いるんだし。
夢は言いながらネロの頭を撫でた。
「このリア充め!(`∀´*)」
ダンテがネットスラングを使ってネロをからかう。
「ダンテ、どこでそんな言葉覚えたの……」
「お前のパソコン。ちゃんねるまとめスレ、かいうやつ開いてたから見たぜ。あとなんかバージルとオレがからんでる気色悪い絵とかいっぱいあったなーなんだアレ?」
ダンテの間延びした答えに夢は慌てた。
「まとめスレはまぁ……いいとして、BLフォルダ見たってこと!?
うわああああ見んなし!!」Σ(´Д`lll)
「ほほう……あとで詳しく聞かせていただくとしようか?」
バージルが不穏な空気をまといながら夢に振り返る。
「バージルこわっ(((゜ω゜;)))」
「ととと、とにかく、帰るには三人が揃わなくちゃいけなかったみたい」
「そっか、ならよかったぜ」
その時遊び疲れたベオと紀理恵が戻ってきた。
「たのしかったよー」
ベオが降りやすいようゆっくりと腰を落とし、紀理恵を下に降ろしている。
「丁度良かった、紀理恵ちゃん」
紀理恵の目線にあわせて膝を折る。
「ネロは前にいたところに大好きな人がいるんだって」
「ちょ、子供の前だぞ。なに言って……まあ、本当の事だけどさ」
「帰りたいって言ってるんだけどどうする?ネロがいなくなっても大丈夫かな?」
紀理恵はしばらく考え込んでから、朗らかにまるでキリエのように笑って言った。
「うん、だいじょうぶだよ。ねろがかえりたいならそうするべき」
大人顔負けの受け答えにバージルが舌を巻く。
「ほう、よくできた小娘だな。ダンテ、貴様も見習え」
「いや、ダンテ……いや、おっさんの場合、母親の腹ん中からやり直さないと無理じゃね?」
そのネロの話に再び夢は噴き出した。
「ダンテで合ってるよ!
なんで言い直したんだよ。しかも失礼過ぎるだろ!
あと夢は笑うな!!オレいじめて楽しいか?」
ああ楽しいな、と揃って言うネロとバージルの顔はそっくりだった。
「ちょっとさみしいけどがまんするね……」
紀理恵が少しだけ声のトーンを落として言った。
「紀理恵……」
ネロはなにも言ってやれなくて申し訳ない思いで紀理恵を見つめた。
「えらいね、いいこ」
夢は紀理恵を抱き締め、ゆっくりと撫でた。