3.もったいないからもらってやるよ
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ネロがネコとして拾われたのは五歳の女の子の家だった。
公園で悪ガキに悪戯され、草むらで威嚇していたところを女の子に拾われた。
草むらから女の子も睨みつけ威嚇していたが、引っ掻こうと体を出した時に見えたその顔を見て、ついふらふらと外に出てしまった。
その時に拾われたのだ。
女の子は偶然か、幼いころのキリエにそっくりだった。
そしてあろうことか名前もキリエ。
ちなみに漢字で書くと紀理恵だがあいにくネロに漢字は読めない。
偶然ではない。
これは運命としか言いようがなかった。
右も左もわからない中、性格すらキリエに似て優しい紀理恵に拾われ、まずネロがしたことはここがどこで自分に何が起きたか……その判断とどうしたら元に戻れるかの見極めだった。
自分はキリエと暮らしながら、フォルトゥナでデビルハンターとして事務所を立ち上げたばかりだったのだ。
早く戻りたい、帰りたい……キリエに会いたい。
いくら幼いキリエに似た優しい女の子が近くにいても、彼女はキリエではない。
悪夢なら早く覚めてほしい。
幸い、テレビ・ネット・新聞にラジオ……ここでは多くの情報がすぐ手に入った。
だからネロはここがどこなのか、自分がどういう状況下に置かれているかをすぐに知ることができた。
ダンテ達はここが違う世界だということを夢に聞いてはじめて確信したものである。
だが、ネロはここが元々いた世界と根本的に違うことをすぐ見抜いた。
基本は一緒なようだ。
少し未来の日本らしい。
排他的なフォルトゥナにいたせいか日本がどんな国か、よくは知らない。
書物で少し知っているだけだ。
しいて言えば闇魔刀の故郷なことと、フジヤマ、サムライなどの単語くらいか。
それにしちゃずいぶん近未来的だな。
あー…このプレーヤーいいなー……。
ネロはフォルトゥナの事件で音楽プレーヤーを壊してしまったため、テレビのCMで見つけたそれがとても欲しくなった。
それにしてもだ。
まだ幼稚園生で五歳の紀理恵は見れば見るほどに幼いころ共に過ごしたキリエに重なって見えてしまう。
懐かしく感じる。
あのころは力も弱かったが右腕は人間のものだった。
彼女を守れるなら……嫌われさえしなければ、悪魔の右腕でも構わない。
嫌われると恐れていたが、悪魔の右腕でも好きでいてくれるキリエ。
ホント、早く帰りたいよ。
もちろん、いつもの姿でな。
今の手は悪魔の右腕どころか、ただの小さなネコの手である。
右腕の名残なのか、青いバラの形のアザがあるが。
そしてそんな懐かしいキリエを思い出し、ネロはうっかり失態をおかしてしまった。
紀理恵の前で言葉を発してしまったことである。
ネロはネコの姿になった己に気づいた時、人間の前で話してはならないと瞬時に悟ったのだ。
だが、まだ子供相手でよかった。
この時期の子供は余程のひねくれ者でない限りなんでも素直に信じ込む。
ネロの子供時代なんかはひねくれていたからダメだろうけど、紀理恵は素直だ。
しかし、不安は残る。
ネロはしゃべるついでに紀理恵に約束をさせた。
「いいか、他のやつにはオレがしゃべるネコだって言うなよ?」
「うん、わかった!やくそくー!」
でも、約束を忘れがちなのもこの時期の子供である。
いや、この場合は約束の意味がまだよく理解していないのかもしれない。
紀理恵は約束した早々に親に話していた。
これが男だったりしたら怒るどころか殴っていたかもしれないが、相手は子供。
ましてやキリエそっくりな女の子である。
……怒れないじゃないか。
だが両親は、幼い子供特有の隅っこで見えない友達と遊んでいる状態……つまりよくある子供の戯言と思ったようだ。
にこにこしながら紀理恵の言い分を聞くのみだった。
よかった……ほっとしたぜ。
「お前、頼むからなるべく俺がしゃべるのは言うなよ?」
ネロは冷や汗まじりに紀理恵に再度、懇願した。
「??」
紀理恵はよくわからないと言った風に笑っているだけだった。
だが、ここまで大変な思いをしたが、元の世界に戻る方法はわからなかったし、調べようもなかったのである。
公園で悪ガキに悪戯され、草むらで威嚇していたところを女の子に拾われた。
草むらから女の子も睨みつけ威嚇していたが、引っ掻こうと体を出した時に見えたその顔を見て、ついふらふらと外に出てしまった。
その時に拾われたのだ。
女の子は偶然か、幼いころのキリエにそっくりだった。
そしてあろうことか名前もキリエ。
ちなみに漢字で書くと紀理恵だがあいにくネロに漢字は読めない。
偶然ではない。
これは運命としか言いようがなかった。
右も左もわからない中、性格すらキリエに似て優しい紀理恵に拾われ、まずネロがしたことはここがどこで自分に何が起きたか……その判断とどうしたら元に戻れるかの見極めだった。
自分はキリエと暮らしながら、フォルトゥナでデビルハンターとして事務所を立ち上げたばかりだったのだ。
早く戻りたい、帰りたい……キリエに会いたい。
いくら幼いキリエに似た優しい女の子が近くにいても、彼女はキリエではない。
悪夢なら早く覚めてほしい。
幸い、テレビ・ネット・新聞にラジオ……ここでは多くの情報がすぐ手に入った。
だからネロはここがどこなのか、自分がどういう状況下に置かれているかをすぐに知ることができた。
ダンテ達はここが違う世界だということを夢に聞いてはじめて確信したものである。
だが、ネロはここが元々いた世界と根本的に違うことをすぐ見抜いた。
基本は一緒なようだ。
少し未来の日本らしい。
排他的なフォルトゥナにいたせいか日本がどんな国か、よくは知らない。
書物で少し知っているだけだ。
しいて言えば闇魔刀の故郷なことと、フジヤマ、サムライなどの単語くらいか。
それにしちゃずいぶん近未来的だな。
あー…このプレーヤーいいなー……。
ネロはフォルトゥナの事件で音楽プレーヤーを壊してしまったため、テレビのCMで見つけたそれがとても欲しくなった。
それにしてもだ。
まだ幼稚園生で五歳の紀理恵は見れば見るほどに幼いころ共に過ごしたキリエに重なって見えてしまう。
懐かしく感じる。
あのころは力も弱かったが右腕は人間のものだった。
彼女を守れるなら……嫌われさえしなければ、悪魔の右腕でも構わない。
嫌われると恐れていたが、悪魔の右腕でも好きでいてくれるキリエ。
ホント、早く帰りたいよ。
もちろん、いつもの姿でな。
今の手は悪魔の右腕どころか、ただの小さなネコの手である。
右腕の名残なのか、青いバラの形のアザがあるが。
そしてそんな懐かしいキリエを思い出し、ネロはうっかり失態をおかしてしまった。
紀理恵の前で言葉を発してしまったことである。
ネロはネコの姿になった己に気づいた時、人間の前で話してはならないと瞬時に悟ったのだ。
だが、まだ子供相手でよかった。
この時期の子供は余程のひねくれ者でない限りなんでも素直に信じ込む。
ネロの子供時代なんかはひねくれていたからダメだろうけど、紀理恵は素直だ。
しかし、不安は残る。
ネロはしゃべるついでに紀理恵に約束をさせた。
「いいか、他のやつにはオレがしゃべるネコだって言うなよ?」
「うん、わかった!やくそくー!」
でも、約束を忘れがちなのもこの時期の子供である。
いや、この場合は約束の意味がまだよく理解していないのかもしれない。
紀理恵は約束した早々に親に話していた。
これが男だったりしたら怒るどころか殴っていたかもしれないが、相手は子供。
ましてやキリエそっくりな女の子である。
……怒れないじゃないか。
だが両親は、幼い子供特有の隅っこで見えない友達と遊んでいる状態……つまりよくある子供の戯言と思ったようだ。
にこにこしながら紀理恵の言い分を聞くのみだった。
よかった……ほっとしたぜ。
「お前、頼むからなるべく俺がしゃべるのは言うなよ?」
ネロは冷や汗まじりに紀理恵に再度、懇願した。
「??」
紀理恵はよくわからないと言った風に笑っているだけだった。
だが、ここまで大変な思いをしたが、元の世界に戻る方法はわからなかったし、調べようもなかったのである。