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夕方になり、西の空が茜色に染まり始める時刻。
四人は京都をあとにし、紫乃の実家へと戻っていた。
今夜の夕食はディーヴァと紫乃が作り、この家でお泊りをすることになっている。
「んー、楽しかったなぁ!」
秋葉原でコスプレをしたり、お好み焼きを食べたり、京都で寺院巡りをしたりと、初めてのことだらけでディーヴァは満足そうに笑んだ。
「お昼いっぱい食べたのに、もうお腹が空き始めちゃった」
「ディーヴァは食いしん坊だな。晩メシもチーズいっぱい入れるのか?」
「うん、食べたいね!」
「そのうち身体がチーズみたいにとろけて伸びるんじゃね? あ、胸はチーズ以上にやわらかくて気持ちいい……」
「ダンテー! 変なこと言わないの!」
にまにまと緩んだ表情を見せる若に、ディーヴァが慌てて言葉を遮る。
まだからかおうとする若はディーヴァから逃げ、それをディーヴァが追いかける。
微笑ましい二人に髭が楽しそうに笑うが、ふと視線を周囲の木々に移す。
既に嗅ぎ慣れた、しかし気分の良いものではないその臭い。
「ふむ……あんまり外ではしゃいでるから野次馬が集まってきたようだ」
若とディーヴァは立ち止まり、紫乃も髭の視線の先を見やれば、家の周囲を囲むようにして立つ木々の合間から何体もの異形が飛び出した。
姿を現したのは、蜘蛛型の悪魔アルケニーと、大きな爪と丸い盾を持つ爬虫類型の悪魔アサルトだった。
「おいおい、日本って安全な国じゃなかったか!?」
「えっと……昔、一度悪魔が出たことがあって……その影響かしら……」
冷や汗を流しながら若が叫ぶと、紫乃が少し困惑した様子で悪魔を見つめる。
若はディーヴァを守りつつ紫乃達のところへ戻る。
あと少しで合流出来るところで、ディーヴァが思いきり体勢を崩して倒れた。
「きゃあ!」
突然足が自由がきかなくなった。
ディーヴァは自分の足元を見れば、白い糸が巻き付き、その糸を辿っていけば一体のアルケニーがいた。
女性的な外見のせいか不気味な度合いが増しており、視線が合っただけで背筋に寒気が走る。
そうしている間にも、アルケニーはさらに糸を吐き出し、ディーヴァをからめとる。
「ディーヴァ!」
若は慌ててアルケニーの吐き出した糸をちぎろうと手を伸ばすが、それより一瞬早くアルケニーがディーヴァに飛びかかり、カマキリのような前肢で身動きの取れないディーヴァを掴み上げ、素早くその場を離れた。
「や……やだ……ダンテ!」
ディーヴァが目尻に涙を浮かべて若に助けを求める。
ディーヴァを捕らえたアルケニーの真下に、淡く光る何かが現れた。
次第にはっきりしてきたのは、まるで食虫植物に似た異形。
花が蕾に戻るかのようにその『口』を閉じると、捕らえられたディーヴァはアルケニーともどもその異形に飲み込まれてしまった。
「ディーヴァ!! くそっ……」
すぐ近くにいて何も出来なかった己に、若は憤りを感じた。
目の前で悪魔に捕られるだけではなく、連れ去られてしまった。
「若いの、嘆くのは早いぞ」
拳を強く握り締めて歯を食いしばる若にリベリオンが差し出された。
髭が、玄関に立てかけていた自分と若のリベリオンを持ってきたのだ。
観光旅行には必要ないものだが、いつものくせでダンテ二人はリベリオンを事務所から持ってきていた。
ちなみに、エボニー&アイボリーは銃ということで紫乃の許可が下りなかった。
いくら住宅街から少し離れているとはいえ、盛大に銃声を鳴らせば確実に通報されてしまう。
「ディーヴァを飲み込んだのはフォルトっていう悪魔だ。直接的なダメージはないが、悪魔の巣食う異界に送られる」
髭の言葉を聞いて、若は青ざめた。
ディーヴァは戦う術を持たないので、そんなところに送られても危険しかない。
「今なら間に合うかもしれねぇ。こっちは任せろ」
そう言って、髭は若にリベリオンを握らせると、フォルトが姿を現すタイミングを見計らって飛び立った。
「ディーヴァをしっかり守ってこい」
若は髭のその言葉をしっかり聞き取ると、フォルトの口に飲み込まれた。
四人は京都をあとにし、紫乃の実家へと戻っていた。
今夜の夕食はディーヴァと紫乃が作り、この家でお泊りをすることになっている。
「んー、楽しかったなぁ!」
秋葉原でコスプレをしたり、お好み焼きを食べたり、京都で寺院巡りをしたりと、初めてのことだらけでディーヴァは満足そうに笑んだ。
「お昼いっぱい食べたのに、もうお腹が空き始めちゃった」
「ディーヴァは食いしん坊だな。晩メシもチーズいっぱい入れるのか?」
「うん、食べたいね!」
「そのうち身体がチーズみたいにとろけて伸びるんじゃね? あ、胸はチーズ以上にやわらかくて気持ちいい……」
「ダンテー! 変なこと言わないの!」
にまにまと緩んだ表情を見せる若に、ディーヴァが慌てて言葉を遮る。
まだからかおうとする若はディーヴァから逃げ、それをディーヴァが追いかける。
微笑ましい二人に髭が楽しそうに笑うが、ふと視線を周囲の木々に移す。
既に嗅ぎ慣れた、しかし気分の良いものではないその臭い。
「ふむ……あんまり外ではしゃいでるから野次馬が集まってきたようだ」
若とディーヴァは立ち止まり、紫乃も髭の視線の先を見やれば、家の周囲を囲むようにして立つ木々の合間から何体もの異形が飛び出した。
姿を現したのは、蜘蛛型の悪魔アルケニーと、大きな爪と丸い盾を持つ爬虫類型の悪魔アサルトだった。
「おいおい、日本って安全な国じゃなかったか!?」
「えっと……昔、一度悪魔が出たことがあって……その影響かしら……」
冷や汗を流しながら若が叫ぶと、紫乃が少し困惑した様子で悪魔を見つめる。
若はディーヴァを守りつつ紫乃達のところへ戻る。
あと少しで合流出来るところで、ディーヴァが思いきり体勢を崩して倒れた。
「きゃあ!」
突然足が自由がきかなくなった。
ディーヴァは自分の足元を見れば、白い糸が巻き付き、その糸を辿っていけば一体のアルケニーがいた。
女性的な外見のせいか不気味な度合いが増しており、視線が合っただけで背筋に寒気が走る。
そうしている間にも、アルケニーはさらに糸を吐き出し、ディーヴァをからめとる。
「ディーヴァ!」
若は慌ててアルケニーの吐き出した糸をちぎろうと手を伸ばすが、それより一瞬早くアルケニーがディーヴァに飛びかかり、カマキリのような前肢で身動きの取れないディーヴァを掴み上げ、素早くその場を離れた。
「や……やだ……ダンテ!」
ディーヴァが目尻に涙を浮かべて若に助けを求める。
ディーヴァを捕らえたアルケニーの真下に、淡く光る何かが現れた。
次第にはっきりしてきたのは、まるで食虫植物に似た異形。
花が蕾に戻るかのようにその『口』を閉じると、捕らえられたディーヴァはアルケニーともどもその異形に飲み込まれてしまった。
「ディーヴァ!! くそっ……」
すぐ近くにいて何も出来なかった己に、若は憤りを感じた。
目の前で悪魔に捕られるだけではなく、連れ去られてしまった。
「若いの、嘆くのは早いぞ」
拳を強く握り締めて歯を食いしばる若にリベリオンが差し出された。
髭が、玄関に立てかけていた自分と若のリベリオンを持ってきたのだ。
観光旅行には必要ないものだが、いつものくせでダンテ二人はリベリオンを事務所から持ってきていた。
ちなみに、エボニー&アイボリーは銃ということで紫乃の許可が下りなかった。
いくら住宅街から少し離れているとはいえ、盛大に銃声を鳴らせば確実に通報されてしまう。
「ディーヴァを飲み込んだのはフォルトっていう悪魔だ。直接的なダメージはないが、悪魔の巣食う異界に送られる」
髭の言葉を聞いて、若は青ざめた。
ディーヴァは戦う術を持たないので、そんなところに送られても危険しかない。
「今なら間に合うかもしれねぇ。こっちは任せろ」
そう言って、髭は若にリベリオンを握らせると、フォルトが姿を現すタイミングを見計らって飛び立った。
「ディーヴァをしっかり守ってこい」
若は髭のその言葉をしっかり聞き取ると、フォルトの口に飲み込まれた。