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金閣寺を出たあと、四人は清水寺へ向かった。
階段をのぼっていけば一対の狛犬が一行を出迎える。
「ん、これ悪魔か?」
狛犬と対面して見上げる若に、紫乃が答えた。
「ううん、その逆。守護獣──つまり、魔除けの存在として設置しているの」
「魔除けなのに、こんなにいかつい顔してるのか。変わってるな」
いや、むしろいかつい表情だからこそ、魔除けの存在として設置されているのかもしれない。
若はじっくりと狛犬を見つめたあと、次に行こうぜと三人を促した。
「何だかあたしよりもダンテが一番楽しんでない?」
ディーヴァが苦笑すると、紫乃と髭も笑った。
先へ進んで行けば清水寺の本堂が見えてきた。
清水寺は、平安京遷都以前からの歴史を持つ寺院のひとつで、最も大きな本堂は国宝に指定されている。
「わ、高いねここ!」
「すげぇ高いぜ! テメンニグルには負けるけどな!」
ディーヴァと若が本堂を支える『舞台』というせり出し部分の下を覗き込む。
「テメンニグル?」
「昔、ちと高い塔が出来てね」
唯一テメンニグルのことを知らない紫乃が訊き返せば、髭がまた今度話してやるよと答える。
「そうそう、日本には『清水の舞台から飛び降りる』って言葉があるのよ。どういう意味か知ってる?」
「清水ってここだよな?」
「ここから飛び降りる、か……」
若と髭が考え込むが答えは出せなかったが、ディーヴァが答えを口にする。
「うーんと……確か、思いきって物事を決断する時に使う言葉だよね?」
「ええ、そうよ」
「さっすがディーヴァ、頭いいな」
若が褒めると、ディーヴァがやや照れくさそうに笑顔を見せた。
「けど、俺達は飛び降りても何ともないから、その言葉は当てはまらないな」
「はは、全くだなおっさん。オレ達には無関係な言葉だ」
半分悪魔の血が流れている二人のダンテは、その身を貫かれてもすぐに傷が治る。
普通の人間とかけ離れすぎた身体能力を持っている彼らには、この舞台の高さなんてどうということはないのだ。
「それにしても、今立ってるところって釘使ってないんだよね? 木だけで作っちゃうなんて凄いよねぇ」
ディーヴァは自分が立っている舞台をまじまじと見下ろす。
釘を使用せず、長く大きな木だけを使用する構造を懸造(かけづくり)または舞台造という。
「こんなに高さがあるっていうのに、木だけで作ったのか!?」
「……みたいだな。木が組んであって、釘を使ってないってのは本当らしい」
若は釘を使っていないことに驚き、髭は再度舞台の下を覗き込んだ。
確かに、釘が使われている形跡は見当たらない。
金閣寺といい清水寺といい、日本ってクレイジーだな、と呟く若を連れて、紫乃は三人を連れて境内を進んだ。
途中、恋占いの石があったが、観光客が多かったせいで近くに寄れなかった。
恋占いの石とは、地主神社の本殿前にある二つの守護石のことである。
片方の石からもう片方の石へ目を閉じたまま歩き、無事辿り着くことが出来れば恋の願いが叶うと伝えられている。
一度で辿り着ければ恋の成就が早く、二度三度となれば恋の成就は遅れるといわれ、人にアドバイスを受けて辿り着ければ人の助けを借りて恋が成就するという。
そんな願掛けの石にダンテ二人は、
「オレにはディーヴァがいるんだから、そんな石で占う必要ねぇな」
「俺も紫乃と一緒になってるし、占わなくていいぜ」
と、それぞれ述べる。
ディーヴァと紫乃は、ダンテと出会わず恋人がいなければこの石で願掛けをしていただろう、と思い、緑豊かな木々を楽しみながら清水寺を出た。
階段をのぼっていけば一対の狛犬が一行を出迎える。
「ん、これ悪魔か?」
狛犬と対面して見上げる若に、紫乃が答えた。
「ううん、その逆。守護獣──つまり、魔除けの存在として設置しているの」
「魔除けなのに、こんなにいかつい顔してるのか。変わってるな」
いや、むしろいかつい表情だからこそ、魔除けの存在として設置されているのかもしれない。
若はじっくりと狛犬を見つめたあと、次に行こうぜと三人を促した。
「何だかあたしよりもダンテが一番楽しんでない?」
ディーヴァが苦笑すると、紫乃と髭も笑った。
先へ進んで行けば清水寺の本堂が見えてきた。
清水寺は、平安京遷都以前からの歴史を持つ寺院のひとつで、最も大きな本堂は国宝に指定されている。
「わ、高いねここ!」
「すげぇ高いぜ! テメンニグルには負けるけどな!」
ディーヴァと若が本堂を支える『舞台』というせり出し部分の下を覗き込む。
「テメンニグル?」
「昔、ちと高い塔が出来てね」
唯一テメンニグルのことを知らない紫乃が訊き返せば、髭がまた今度話してやるよと答える。
「そうそう、日本には『清水の舞台から飛び降りる』って言葉があるのよ。どういう意味か知ってる?」
「清水ってここだよな?」
「ここから飛び降りる、か……」
若と髭が考え込むが答えは出せなかったが、ディーヴァが答えを口にする。
「うーんと……確か、思いきって物事を決断する時に使う言葉だよね?」
「ええ、そうよ」
「さっすがディーヴァ、頭いいな」
若が褒めると、ディーヴァがやや照れくさそうに笑顔を見せた。
「けど、俺達は飛び降りても何ともないから、その言葉は当てはまらないな」
「はは、全くだなおっさん。オレ達には無関係な言葉だ」
半分悪魔の血が流れている二人のダンテは、その身を貫かれてもすぐに傷が治る。
普通の人間とかけ離れすぎた身体能力を持っている彼らには、この舞台の高さなんてどうということはないのだ。
「それにしても、今立ってるところって釘使ってないんだよね? 木だけで作っちゃうなんて凄いよねぇ」
ディーヴァは自分が立っている舞台をまじまじと見下ろす。
釘を使用せず、長く大きな木だけを使用する構造を懸造(かけづくり)または舞台造という。
「こんなに高さがあるっていうのに、木だけで作ったのか!?」
「……みたいだな。木が組んであって、釘を使ってないってのは本当らしい」
若は釘を使っていないことに驚き、髭は再度舞台の下を覗き込んだ。
確かに、釘が使われている形跡は見当たらない。
金閣寺といい清水寺といい、日本ってクレイジーだな、と呟く若を連れて、紫乃は三人を連れて境内を進んだ。
途中、恋占いの石があったが、観光客が多かったせいで近くに寄れなかった。
恋占いの石とは、地主神社の本殿前にある二つの守護石のことである。
片方の石からもう片方の石へ目を閉じたまま歩き、無事辿り着くことが出来れば恋の願いが叶うと伝えられている。
一度で辿り着ければ恋の成就が早く、二度三度となれば恋の成就は遅れるといわれ、人にアドバイスを受けて辿り着ければ人の助けを借りて恋が成就するという。
そんな願掛けの石にダンテ二人は、
「オレにはディーヴァがいるんだから、そんな石で占う必要ねぇな」
「俺も紫乃と一緒になってるし、占わなくていいぜ」
と、それぞれ述べる。
ディーヴァと紫乃は、ダンテと出会わず恋人がいなければこの石で願掛けをしていただろう、と思い、緑豊かな木々を楽しみながら清水寺を出た。