my mermaid
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夏も終わりを迎え、秋へと移り変わり始めた、ある日のこと。
「ね、ダンテ!海行こ、海!」
「海?今からか?」
突然のディーヴァの言葉に、ダンテは首を傾げる。
今は9月、入れないこともないだろうが最近は肌寒い日が続いている。海の水も冷たいだろうし、ディーヴァが風邪でもひいたら大変だ。
ダンテの顔を見て言いたいことを察したのか、笑いながらディーヴァが言う。
「言っとくけど、海に入りたいわけじゃないよ?ただ海を見たいだけ」
「見る?」
「うん。今日は天気がいいから、見に行くにはちょうどいいかなーって思って」
ああなるほど、とダンテは納得する。今日は珍しく暖かい日で、散歩するには絶好の日和だ。それに、愛しいディーヴァの言うことならダンテに断る理由はない。
「わかった、ディーヴァがそう言うなら行ってみるか」
「本当!?ありがと、ダンテ!じゃあ着替えてくるね!」
「ああ」
ディーヴァは嬉しそうに二階への階段を上がっていく。その後ろ姿を見送りながら、自分も出かける準備をするためにダンテはソファから立ち上がった。
「わぁ、きれい…!」
ダンテが運転するバイクに乗って二人がやってきたのは、以前遊びに来た場所。夏も過ぎたからか人はおらず、波の音だけが辺りを満たしている。
「静かだな」
「今の時期来る人は少ないもんね。あたしとダンテくらいかな」
冗談めかして笑いながら、ディーヴァは海に近づく。そして何を思ったか、靴と靴下を脱ぐと、片足をそっと海に浸けた。
「ひゃっ、冷たーい」
「おーい、そんなことして風邪ひくなよ?」
「だいじょぶだいじょぶ、あたしだってそんなやわじゃないよ。んー、慣れると気持ちいー」
濡れないようにスカートの端を持ち、水を蹴ってはしゃぐ姿は見ていて微笑ましい。ダンテが優しい笑みを浮かべて見守っていると、ディーヴァがこちらを振り向いた。
「ね、ダンテもおいでよ!けっこう楽しいよ!」
「はいはい、今行きますよ、オヒメサマ」
こちらに向かって手を差し伸べるディーヴァに吸い寄せられるように、ダンテは彼女の元に向かって歩き始めた。
「楽しかったー!」
「そりゃ何よりで。そろそろ日も暮れてきたし、帰るか」
「そだね、早く帰らないと暗くなっちゃう!」
楽しい時間というのはあっという間なもので、空は夕焼けで赤く染まっている。
海を眺めていたディーヴァが振り返り、ダンテの元に駆け寄ろうとした、その時。
ザバッ
「え…きゃっ!」
「ディーヴァ!」
突然、海から何かが伸びてきてディーヴァの足を掴んだ。驚いて転んだディーヴァを強い力でひっぱる。
「や…っ、ダンテ!」
「っの、ディーヴァを離しやがれ!」
叫んだダンテは地面を蹴って高く飛び上がり、ディーヴァの足を掴むものに蹴りをくらわす。強力なダンテの蹴りに怯んだのか、それはディーヴァの足を離して海の中へと戻っていく。
が、次の瞬間、海の中で二つの光が煌き、ダンテに向かって白い光が飛んできた。
「ハッ、んなもんオレには当たらねえよ!」
速さのあるそれをダンテは身軽に避ける。だが。
「きゃぁっ!」
「!ディーヴァ!?」
白い光は生き物のように動き、今度はディーヴァに向かった。自分に向かってくるとは思わなかったディーヴァはその光を身体に受けてしまう。
目を見開くダンテの背後で、女の笑う声が響く。
『ふふっ…また一人、かわいいお魚さんの出来上がりね』
ひとしきり笑うと、その声を残し、二つの光はフッと消えてしまった。
このまま悪魔を追いたかったがディーヴァのことが心配だったダンテは踵を返しディーヴァに駆け寄る。
「ディーヴァ!大丈夫か!?」
「うん、何とか…」
答えたディーヴァの姿を見て、驚いたダンテは足を止める。ダンテの様子にディーヴァは首を傾げる。
「ダンテ?」
「ディーヴァ…お前、その格好…」
「え?…な、何これ!?」
ディーヴァの目が捉えたのは、スカートの下から覗く魚の尾。桜色の鱗に覆われたそれは自分の意思に反応してピチピチと動く。他にも異常がないかとペタペタ身体を触って確認すると、耳があるはずの場所に魚のヒレのようなものがあった。ーまるで人魚のような姿にディーヴァはなっていたのだ。
「どど、どうしようダンテ!」
「落ち着け、ディーヴァ。さっきの白い光を受けたせいかもしれねえな…。他に違和感感じるところはあるか?」
「う、ううん、特には…」
「そうか…ならよかった。急いで事務所帰るぞ、ここにいたら誰かにその姿見られちまう」
そう言ってディーヴァを抱き上げると、ダンテは周りに気を配りながらそこを後にした。
「ね、ダンテ!海行こ、海!」
「海?今からか?」
突然のディーヴァの言葉に、ダンテは首を傾げる。
今は9月、入れないこともないだろうが最近は肌寒い日が続いている。海の水も冷たいだろうし、ディーヴァが風邪でもひいたら大変だ。
ダンテの顔を見て言いたいことを察したのか、笑いながらディーヴァが言う。
「言っとくけど、海に入りたいわけじゃないよ?ただ海を見たいだけ」
「見る?」
「うん。今日は天気がいいから、見に行くにはちょうどいいかなーって思って」
ああなるほど、とダンテは納得する。今日は珍しく暖かい日で、散歩するには絶好の日和だ。それに、愛しいディーヴァの言うことならダンテに断る理由はない。
「わかった、ディーヴァがそう言うなら行ってみるか」
「本当!?ありがと、ダンテ!じゃあ着替えてくるね!」
「ああ」
ディーヴァは嬉しそうに二階への階段を上がっていく。その後ろ姿を見送りながら、自分も出かける準備をするためにダンテはソファから立ち上がった。
「わぁ、きれい…!」
ダンテが運転するバイクに乗って二人がやってきたのは、以前遊びに来た場所。夏も過ぎたからか人はおらず、波の音だけが辺りを満たしている。
「静かだな」
「今の時期来る人は少ないもんね。あたしとダンテくらいかな」
冗談めかして笑いながら、ディーヴァは海に近づく。そして何を思ったか、靴と靴下を脱ぐと、片足をそっと海に浸けた。
「ひゃっ、冷たーい」
「おーい、そんなことして風邪ひくなよ?」
「だいじょぶだいじょぶ、あたしだってそんなやわじゃないよ。んー、慣れると気持ちいー」
濡れないようにスカートの端を持ち、水を蹴ってはしゃぐ姿は見ていて微笑ましい。ダンテが優しい笑みを浮かべて見守っていると、ディーヴァがこちらを振り向いた。
「ね、ダンテもおいでよ!けっこう楽しいよ!」
「はいはい、今行きますよ、オヒメサマ」
こちらに向かって手を差し伸べるディーヴァに吸い寄せられるように、ダンテは彼女の元に向かって歩き始めた。
「楽しかったー!」
「そりゃ何よりで。そろそろ日も暮れてきたし、帰るか」
「そだね、早く帰らないと暗くなっちゃう!」
楽しい時間というのはあっという間なもので、空は夕焼けで赤く染まっている。
海を眺めていたディーヴァが振り返り、ダンテの元に駆け寄ろうとした、その時。
ザバッ
「え…きゃっ!」
「ディーヴァ!」
突然、海から何かが伸びてきてディーヴァの足を掴んだ。驚いて転んだディーヴァを強い力でひっぱる。
「や…っ、ダンテ!」
「っの、ディーヴァを離しやがれ!」
叫んだダンテは地面を蹴って高く飛び上がり、ディーヴァの足を掴むものに蹴りをくらわす。強力なダンテの蹴りに怯んだのか、それはディーヴァの足を離して海の中へと戻っていく。
が、次の瞬間、海の中で二つの光が煌き、ダンテに向かって白い光が飛んできた。
「ハッ、んなもんオレには当たらねえよ!」
速さのあるそれをダンテは身軽に避ける。だが。
「きゃぁっ!」
「!ディーヴァ!?」
白い光は生き物のように動き、今度はディーヴァに向かった。自分に向かってくるとは思わなかったディーヴァはその光を身体に受けてしまう。
目を見開くダンテの背後で、女の笑う声が響く。
『ふふっ…また一人、かわいいお魚さんの出来上がりね』
ひとしきり笑うと、その声を残し、二つの光はフッと消えてしまった。
このまま悪魔を追いたかったがディーヴァのことが心配だったダンテは踵を返しディーヴァに駆け寄る。
「ディーヴァ!大丈夫か!?」
「うん、何とか…」
答えたディーヴァの姿を見て、驚いたダンテは足を止める。ダンテの様子にディーヴァは首を傾げる。
「ダンテ?」
「ディーヴァ…お前、その格好…」
「え?…な、何これ!?」
ディーヴァの目が捉えたのは、スカートの下から覗く魚の尾。桜色の鱗に覆われたそれは自分の意思に反応してピチピチと動く。他にも異常がないかとペタペタ身体を触って確認すると、耳があるはずの場所に魚のヒレのようなものがあった。ーまるで人魚のような姿にディーヴァはなっていたのだ。
「どど、どうしようダンテ!」
「落ち着け、ディーヴァ。さっきの白い光を受けたせいかもしれねえな…。他に違和感感じるところはあるか?」
「う、ううん、特には…」
「そうか…ならよかった。急いで事務所帰るぞ、ここにいたら誰かにその姿見られちまう」
そう言ってディーヴァを抱き上げると、ダンテは周りに気を配りながらそこを後にした。