苺の日(拍手SS)
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「うわぁ…!おいしそう!」
「たくさんできたね」
「これだけあれば楽しいお茶会になりそうだね!」
テーブルに並べられたお菓子を見て、三人は目を輝かせる。
この日、ディーヴァとティナはリアラの誘いを受け、彼女の住む事務所に遊びに来ていた。彼女曰く、「依頼の報酬で苺をたくさんもらってダンテさんと二人では食べきれないから、お菓子を作るから食べに来ない?」というものだった。それならばお茶会をしようとディーヴァが提案し、それに二人も賛同したため、今回、女子三人でお茶会を開くことになったのだ。
招待したのがリアラとはいえ、全てを彼女に任せるのは申し訳なく感じたディーヴァとティナは、それぞれお茶会に必要な物を持ってくることにした。ディーヴァはとっておきの紅茶を、ティナはお菓子を作るのに必要な材料を。リアラは二人の好みを聞いて、それを踏まえながらお茶会に出すお菓子を決め、足りない材料をティナに頼んだ。
そして本日、リアラの住む事務所に三人で集まり、お茶会の準備を始めた、というわけだ。
「さすがに全部のお菓子をテーブルに置くことはできないから、ケーキは自分の分だけ切り分けて持っていこう。クッキーとかプリンはそのままあっちに持っていこっか」
「そうだね」
「じゃあ、あたしはクッキー持っていく!」
「じゃあ、私はケーキを切り分けて持っていくわ。ディーヴァちゃんには紅茶をお願いしていい?」
「任せて、すっごくおいしい紅茶淹れるから!」
「ふふ、楽しみにしてるね」
仲よく役割を分担しながら、三人は動き始めた。
10分後、テーブルにたくさんのお菓子と紅茶の入ったポット、三人分のティーカップが並べられ、三人はソファに座る。
「じゃあ、準備もできたことだし、お茶会始めよっか」
リアラの一言をきっかけに、女子三人の賑やかなお茶会が始まった。苺クリームの入ったミルクレープ、苺のタルト、苺ミルクプリン…苺のお菓子を並べただけあって、テーブルは鮮やかな赤で彩られている。プラス、ティナの好きなチョコが入ったクッキーもある。
「おいしー!リアラ、このタルトおいしいよ!」
「このプリンおいしい!さすがリアラお姉ちゃん!」
「ふふ、二人が喜んでくれて嬉しいわ」
妹のような存在の二人の笑顔に、リアラも嬉しそうに笑い返す。
苺のタルトを味わいながら、ティナはリアラに尋ねた。
「そういえば、こっちのダンテってこのお茶会のこと知ってるの?」
「うん、知ってるよ。許可をもらうために事前に話してるから。ここの家主はダンテさんだもの、ちゃんと聞いておかなくちゃ」
そういうところはきっちりしているリアラに二人は感心する。
「リアラって真面目だよね…まあ、あたしんところはどうしたって誰かいるから許可取らなきゃだけど」
「本当にね…。あたしだったらダンテに言わずに勝手にやっちゃうけど」
「こういう性格だから…。それに、いくら食べきれない量の苺があるって言っても、私もダンテさんも苺好きだから、一応聞いておきたかったし…」
苦笑するリアラにふーん、と返して、ティナは自分の分の紅茶に口をつける。ちなみに砂糖は多めだ。
「それにしても、よく依頼であんなにたくさんの苺もらえたね」
「報酬が苺って初めて聞いたよ…うちだったらダンテが跳び跳ねて喜ぶよ、絶対」
「私もびっくりした…。依頼先が農家だったっていうのもあるんだろうけど、2箱ももらうとは思わなかったわ…」
その時のことを思い出しながら、リアラは自分の分の紅茶に口をつける。
「ティナのところだとすぐになくなっちゃいそうだね、何せ『ダンテ』って名前の人が四人もいるんだもの」
「なくなっちゃいそうというか、すぐなくなるよ。1週間持つかどうか…」
何せストサン好きな奴が四人もいるのだ、消費量は半端ない。朝昼晩、全ての食事にデザートでストサンを付けたら彼等は大喜びするだろう。…そう考えると、1週間持つかどうかさえ怪しい。
「さすがに1週間もすれば苺が傷んじゃうと思うけどね。長く楽しみたいならジャムにするのが一番いいと思うけれど」
ヨーグルトやアイスにかけたりすることもできるし、とリアラは続ける。
「でも、あたしジャム作ったことないしなあ…」
「じゃあ、私の作ったのをあげるわ。作り方も教えてあげるから、余ってる苺を持って帰って作ってみたらどうかな?」
「本当!?ありがと、ティナ!」
「ディーヴァちゃんにもジャムと苺あげるね」
「ありがとう、リアラお姉ちゃん!ダンテ喜ぶよ!」
お菓子を食べて、紅茶を飲んで、おしゃべりをして。楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
「リアラお姉ちゃん、そろそろダンテさん帰ってくる頃なんじゃない?」
「そうだね…依頼に行ってだいぶ時間が経ってるし」
この事務所の主であるダンテは昼頃から依頼に行っている。少し離れたところらしいが、内容的にそれほど時間がかかる依頼ではないらしいので、そろそろ帰ってくるだろう。
「帰ってきてここにあるお菓子見たら、『俺にも食べさせてくれ』とか言うんじゃない?」
「大丈夫、ストロベリーサンデーの材料は取ってあるから。それに、私達で作ったお菓子全部を食べきることはできないだろうし、その時余ったのをあげるつもり」
「さすがリアラ、よくわかってる」
「ダンテさんに関わる人はみんな考えると思うよ」
「確かにね」
三人は顔を見合わせ、くすくすと笑いあう。
「せっかくだから、もう少し楽しもう?こんな機会滅多にないんだし…」
「それもそうだね」
「じゃあ、今度のお茶会の計画でも立てる?」
「それいい!ね、リアラ!」
「うん」
次のお茶会の計画を話し合いながら、三人の穏やかな時間は過ぎていった。
「たくさんできたね」
「これだけあれば楽しいお茶会になりそうだね!」
テーブルに並べられたお菓子を見て、三人は目を輝かせる。
この日、ディーヴァとティナはリアラの誘いを受け、彼女の住む事務所に遊びに来ていた。彼女曰く、「依頼の報酬で苺をたくさんもらってダンテさんと二人では食べきれないから、お菓子を作るから食べに来ない?」というものだった。それならばお茶会をしようとディーヴァが提案し、それに二人も賛同したため、今回、女子三人でお茶会を開くことになったのだ。
招待したのがリアラとはいえ、全てを彼女に任せるのは申し訳なく感じたディーヴァとティナは、それぞれお茶会に必要な物を持ってくることにした。ディーヴァはとっておきの紅茶を、ティナはお菓子を作るのに必要な材料を。リアラは二人の好みを聞いて、それを踏まえながらお茶会に出すお菓子を決め、足りない材料をティナに頼んだ。
そして本日、リアラの住む事務所に三人で集まり、お茶会の準備を始めた、というわけだ。
「さすがに全部のお菓子をテーブルに置くことはできないから、ケーキは自分の分だけ切り分けて持っていこう。クッキーとかプリンはそのままあっちに持っていこっか」
「そうだね」
「じゃあ、あたしはクッキー持っていく!」
「じゃあ、私はケーキを切り分けて持っていくわ。ディーヴァちゃんには紅茶をお願いしていい?」
「任せて、すっごくおいしい紅茶淹れるから!」
「ふふ、楽しみにしてるね」
仲よく役割を分担しながら、三人は動き始めた。
10分後、テーブルにたくさんのお菓子と紅茶の入ったポット、三人分のティーカップが並べられ、三人はソファに座る。
「じゃあ、準備もできたことだし、お茶会始めよっか」
リアラの一言をきっかけに、女子三人の賑やかなお茶会が始まった。苺クリームの入ったミルクレープ、苺のタルト、苺ミルクプリン…苺のお菓子を並べただけあって、テーブルは鮮やかな赤で彩られている。プラス、ティナの好きなチョコが入ったクッキーもある。
「おいしー!リアラ、このタルトおいしいよ!」
「このプリンおいしい!さすがリアラお姉ちゃん!」
「ふふ、二人が喜んでくれて嬉しいわ」
妹のような存在の二人の笑顔に、リアラも嬉しそうに笑い返す。
苺のタルトを味わいながら、ティナはリアラに尋ねた。
「そういえば、こっちのダンテってこのお茶会のこと知ってるの?」
「うん、知ってるよ。許可をもらうために事前に話してるから。ここの家主はダンテさんだもの、ちゃんと聞いておかなくちゃ」
そういうところはきっちりしているリアラに二人は感心する。
「リアラって真面目だよね…まあ、あたしんところはどうしたって誰かいるから許可取らなきゃだけど」
「本当にね…。あたしだったらダンテに言わずに勝手にやっちゃうけど」
「こういう性格だから…。それに、いくら食べきれない量の苺があるって言っても、私もダンテさんも苺好きだから、一応聞いておきたかったし…」
苦笑するリアラにふーん、と返して、ティナは自分の分の紅茶に口をつける。ちなみに砂糖は多めだ。
「それにしても、よく依頼であんなにたくさんの苺もらえたね」
「報酬が苺って初めて聞いたよ…うちだったらダンテが跳び跳ねて喜ぶよ、絶対」
「私もびっくりした…。依頼先が農家だったっていうのもあるんだろうけど、2箱ももらうとは思わなかったわ…」
その時のことを思い出しながら、リアラは自分の分の紅茶に口をつける。
「ティナのところだとすぐになくなっちゃいそうだね、何せ『ダンテ』って名前の人が四人もいるんだもの」
「なくなっちゃいそうというか、すぐなくなるよ。1週間持つかどうか…」
何せストサン好きな奴が四人もいるのだ、消費量は半端ない。朝昼晩、全ての食事にデザートでストサンを付けたら彼等は大喜びするだろう。…そう考えると、1週間持つかどうかさえ怪しい。
「さすがに1週間もすれば苺が傷んじゃうと思うけどね。長く楽しみたいならジャムにするのが一番いいと思うけれど」
ヨーグルトやアイスにかけたりすることもできるし、とリアラは続ける。
「でも、あたしジャム作ったことないしなあ…」
「じゃあ、私の作ったのをあげるわ。作り方も教えてあげるから、余ってる苺を持って帰って作ってみたらどうかな?」
「本当!?ありがと、ティナ!」
「ディーヴァちゃんにもジャムと苺あげるね」
「ありがとう、リアラお姉ちゃん!ダンテ喜ぶよ!」
お菓子を食べて、紅茶を飲んで、おしゃべりをして。楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
「リアラお姉ちゃん、そろそろダンテさん帰ってくる頃なんじゃない?」
「そうだね…依頼に行ってだいぶ時間が経ってるし」
この事務所の主であるダンテは昼頃から依頼に行っている。少し離れたところらしいが、内容的にそれほど時間がかかる依頼ではないらしいので、そろそろ帰ってくるだろう。
「帰ってきてここにあるお菓子見たら、『俺にも食べさせてくれ』とか言うんじゃない?」
「大丈夫、ストロベリーサンデーの材料は取ってあるから。それに、私達で作ったお菓子全部を食べきることはできないだろうし、その時余ったのをあげるつもり」
「さすがリアラ、よくわかってる」
「ダンテさんに関わる人はみんな考えると思うよ」
「確かにね」
三人は顔を見合わせ、くすくすと笑いあう。
「せっかくだから、もう少し楽しもう?こんな機会滅多にないんだし…」
「それもそうだね」
「じゃあ、今度のお茶会の計画でも立てる?」
「それいい!ね、リアラ!」
「うん」
次のお茶会の計画を話し合いながら、三人の穏やかな時間は過ぎていった。