ハラハラドキドキプチ旅行!
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「リアラお姉ちゃんって、髭さんと一緒にお風呂入ったことあるでしょ?恥ずかしくないの?」
「一緒に入るっていうよりは、半ば無理矢理に入られてるようなものなんだけどね…。時々ああいうことするんだよね、ダンテさん」
はぁ、とリアラはため息をつく。
恋人になってからというもの、時々だが自分がお風呂に入っている時にわざわざ入ってくる。止めてほしいと思うのだが、自分の反応を見ておもしろがっているようで、止めるに止められないのだ。
リアラの言葉にあー…、とディーヴァは呟く。
「そういえばそうだったかも…」
「裸だから焦っちゃうし、あっちも腰にタオル巻いただけだし…その上、『髪洗ってくれ』ってせがまれちゃうから逃げられないし…」
緊張する…、と困った顔で呟くリアラ。
リアラの顔を覗き込み、ディーヴァは尋ねる。
「やっぱり恥ずかしい?」
「それは、まあ…」
ただ、とリアラは続ける。
「髪洗うのが、嫌いなわけじゃないんだよ?」
「そうなの?」
ぱちぱちとディーヴァは目を瞬かせる。恥ずかしそうに手を組み、おずおずとリアラは口を開く。
「髪洗ってて、気持ちよさそうにしてくれてると嬉しいし…お風呂上がりに髪拭くのも、仕方がないなと思いながらも甘えてもらえるのが嬉しくて…」
それに、とリアラは続ける。
「私も、ダンテさんの髪触るの好きだし…触ってて気持ちいいと思っちゃうのは事実、だし…」
段々と声が小さくなっていき、ついには顔を真っ赤にしてしまったリアラに、ディーヴァは目を瞬かせながらもくすりと笑みを溢す。
「それくらい髭さんのことが好きってことだね、リアラお姉ちゃんは」
「う゛…」
言葉に詰まり、思いっきり身体を湯に沈ませてしまうリアラに、ディーヴァが再び笑みを溢した、その時。
ガサッ
「!」
「え…」
突然聞こえた物音に、二人の動きが止まる。ビクビクしだすディーヴァをよそに、リアラは注意深く気配を探ると、ある一点を見据えて右手をかざした。
「そこっ!」
リアラがかざした手から生み出された氷柱が庭の低い木に向かって飛んでいく。すると。
「ぐえっ!!」
低く呻き声が響き、何かが倒れる音が響く。
湯から上がり、タオルで前を隠すと、リアラは躊躇いもなく音のした方へ足を向ける。
「やっぱり…」
「リアラ…!」
木の影に隠れていたのは若だった。リアラに気づいた若が倒れたまま見上げるが、リアラの怒気にそのままびしりと固まる。
「こんなところでも覗こうなんて、いい度胸ね…」
「ち、ちょっと待っ…!」
若が言い終わる前に、リアラの生み出した無数の氷柱が若に降り注ぎ、若は血塗れになって倒れる。
キッと柵の向こうを睨み、リアラは低い声で言う。
「ダンテさん、いますよね…?」
途端、柵の向こうでバシャリと水の跳ねる音が響き、少しの間を置いて聞き慣れた声が届く。
「あ、ああ…」
「他に、お客さんいます?」
「い、いや、俺と若だけだ」
「…そうですか、なら、遠慮はいらないですね」
その言葉の意味に気づき、髭が口を開くも遅く、リアラが手をついた柵からビシビシと音を立てて男湯が凍りつき、髭もろとも凍り漬けにしてしまった。
「ずっとそうしてろ、バカ」
冷たく言い放つと、リアラはディーヴァを連れて露天風呂を後にしてしまった。
「もう、信じられない…」
受付の近くにある休憩所で椅子に座り、リアラはため息をつく。
あれから、部屋に戻ったディーヴァとリアラは遅れて戻ってきた二人と口を聞かず、夕食も無言で食べ終えた。
ディーヴァはすぐに布団を被ってふて寝を始めてしまい、横で謝る若を放っておいて、リアラは部屋を出てここに来たのだ。
(せっかく、遠いところまで旅行に来たのに、何も楽しくない…)
せっかくみんなで浴衣も選んだのに、とリアラは自分の着ている浴衣を見る。
ディーヴァの選んでくれた薄紫と白の格子模様の浴衣に、自分で選んだ雪の刺繍入りの白い羽織。貴重な体験で顔が綻ぶはずなのに、今の気持ちじゃ笑顔も出ない。
はぁ、とリアラがため息をついた、その時。
「ここにいたのか」
「!」
突然かけられた声に、リアラはびくりと肩を震わせる。大好きな人の声だが、今は振り向きたくなくて、リアラは俯く。
何も言わずに声の主―髭はリアラの隣に腰を下ろすと、ゆっくりと口を開く。
「…悪かったよ。機嫌直してくれ」
「……」
だんまりを決め込むリアラに触れようと髭は手を伸ばすが、リアラにその手を払われる。
「触らないでください」
「リアラ…」
「いつもいつもこんなことして…事務所ならまだしも、こんなところでまでやるなんて…」
そう言い、再び黙ってしまったリアラに、髭は再び手を伸ばす。また払われるのも気にせずに、リアラの腰に手を添えて引き寄せ、もう片方の手で彼女の顎を持ち上げる。見つめた先にある潤んだ瞳にチクリと心が痛んだ。
「リアラ…」
「離してください。いたずらばっかり…こんなの、嫌いです」
「リアラ、頼むから話だけでも聞いてくれないか?」
懇願するように言われ、渋々リアラは髭と目線を合わせる。彼女の頬を撫でながら、髭は口を開く。
「一緒に入るっていうよりは、半ば無理矢理に入られてるようなものなんだけどね…。時々ああいうことするんだよね、ダンテさん」
はぁ、とリアラはため息をつく。
恋人になってからというもの、時々だが自分がお風呂に入っている時にわざわざ入ってくる。止めてほしいと思うのだが、自分の反応を見ておもしろがっているようで、止めるに止められないのだ。
リアラの言葉にあー…、とディーヴァは呟く。
「そういえばそうだったかも…」
「裸だから焦っちゃうし、あっちも腰にタオル巻いただけだし…その上、『髪洗ってくれ』ってせがまれちゃうから逃げられないし…」
緊張する…、と困った顔で呟くリアラ。
リアラの顔を覗き込み、ディーヴァは尋ねる。
「やっぱり恥ずかしい?」
「それは、まあ…」
ただ、とリアラは続ける。
「髪洗うのが、嫌いなわけじゃないんだよ?」
「そうなの?」
ぱちぱちとディーヴァは目を瞬かせる。恥ずかしそうに手を組み、おずおずとリアラは口を開く。
「髪洗ってて、気持ちよさそうにしてくれてると嬉しいし…お風呂上がりに髪拭くのも、仕方がないなと思いながらも甘えてもらえるのが嬉しくて…」
それに、とリアラは続ける。
「私も、ダンテさんの髪触るの好きだし…触ってて気持ちいいと思っちゃうのは事実、だし…」
段々と声が小さくなっていき、ついには顔を真っ赤にしてしまったリアラに、ディーヴァは目を瞬かせながらもくすりと笑みを溢す。
「それくらい髭さんのことが好きってことだね、リアラお姉ちゃんは」
「う゛…」
言葉に詰まり、思いっきり身体を湯に沈ませてしまうリアラに、ディーヴァが再び笑みを溢した、その時。
ガサッ
「!」
「え…」
突然聞こえた物音に、二人の動きが止まる。ビクビクしだすディーヴァをよそに、リアラは注意深く気配を探ると、ある一点を見据えて右手をかざした。
「そこっ!」
リアラがかざした手から生み出された氷柱が庭の低い木に向かって飛んでいく。すると。
「ぐえっ!!」
低く呻き声が響き、何かが倒れる音が響く。
湯から上がり、タオルで前を隠すと、リアラは躊躇いもなく音のした方へ足を向ける。
「やっぱり…」
「リアラ…!」
木の影に隠れていたのは若だった。リアラに気づいた若が倒れたまま見上げるが、リアラの怒気にそのままびしりと固まる。
「こんなところでも覗こうなんて、いい度胸ね…」
「ち、ちょっと待っ…!」
若が言い終わる前に、リアラの生み出した無数の氷柱が若に降り注ぎ、若は血塗れになって倒れる。
キッと柵の向こうを睨み、リアラは低い声で言う。
「ダンテさん、いますよね…?」
途端、柵の向こうでバシャリと水の跳ねる音が響き、少しの間を置いて聞き慣れた声が届く。
「あ、ああ…」
「他に、お客さんいます?」
「い、いや、俺と若だけだ」
「…そうですか、なら、遠慮はいらないですね」
その言葉の意味に気づき、髭が口を開くも遅く、リアラが手をついた柵からビシビシと音を立てて男湯が凍りつき、髭もろとも凍り漬けにしてしまった。
「ずっとそうしてろ、バカ」
冷たく言い放つと、リアラはディーヴァを連れて露天風呂を後にしてしまった。
「もう、信じられない…」
受付の近くにある休憩所で椅子に座り、リアラはため息をつく。
あれから、部屋に戻ったディーヴァとリアラは遅れて戻ってきた二人と口を聞かず、夕食も無言で食べ終えた。
ディーヴァはすぐに布団を被ってふて寝を始めてしまい、横で謝る若を放っておいて、リアラは部屋を出てここに来たのだ。
(せっかく、遠いところまで旅行に来たのに、何も楽しくない…)
せっかくみんなで浴衣も選んだのに、とリアラは自分の着ている浴衣を見る。
ディーヴァの選んでくれた薄紫と白の格子模様の浴衣に、自分で選んだ雪の刺繍入りの白い羽織。貴重な体験で顔が綻ぶはずなのに、今の気持ちじゃ笑顔も出ない。
はぁ、とリアラがため息をついた、その時。
「ここにいたのか」
「!」
突然かけられた声に、リアラはびくりと肩を震わせる。大好きな人の声だが、今は振り向きたくなくて、リアラは俯く。
何も言わずに声の主―髭はリアラの隣に腰を下ろすと、ゆっくりと口を開く。
「…悪かったよ。機嫌直してくれ」
「……」
だんまりを決め込むリアラに触れようと髭は手を伸ばすが、リアラにその手を払われる。
「触らないでください」
「リアラ…」
「いつもいつもこんなことして…事務所ならまだしも、こんなところでまでやるなんて…」
そう言い、再び黙ってしまったリアラに、髭は再び手を伸ばす。また払われるのも気にせずに、リアラの腰に手を添えて引き寄せ、もう片方の手で彼女の顎を持ち上げる。見つめた先にある潤んだ瞳にチクリと心が痛んだ。
「リアラ…」
「離してください。いたずらばっかり…こんなの、嫌いです」
「リアラ、頼むから話だけでも聞いてくれないか?」
懇願するように言われ、渋々リアラは髭と目線を合わせる。彼女の頬を撫でながら、髭は口を開く。