Tea party beyond the world
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「なるほどね。聞かせてくれてありがとう」
ふふ、と紫乃が微笑むと、今度はディーヴァが尋ねる番となった。
「じゃあ、今度はあたしが訊く番。紫乃さんはどうなの?」
ディーヴァに訊かれ、紫乃もダンテと出会い、恋人同士になった経緯を話し始めた。
かつて悪魔の母親を死に追いやった悪魔マンモンに、魔力を吸い取る石を植え付けられた。
それは純粋な悪魔ならばたちどころに魔力を吸われ命を落とすものだが、幸いにも人間の血が混ざった半魔であったため石の作用が上手く働かず、ゆっくりとしたものであった。
マンモンが日本からアメリカへ逃げたため、紫乃もそれを追ってアメリカへ向かい、移動先のスラム街でトリッシュに連れられて『Devil May Cry』に行き着き、ダンテと出会った。
一宿一飯の恩義でダンテとトリッシュに食事を振舞ったことがきっかけで事務所の家政婦として働き、同時にダンテがマンモンの捜索に協力すると申し出てくれた。
かくしてマンモンを倒したのは、同居生活を始めてから二週間程経ってからだった。
長くない期間ではあったが、ダンテと想いを通わせるには充分な日数であった。
「家事の合間に悪戯してくるから大変だけど、作った料理を美味しそうに食べてくれるの」
ダンテは好物のピザやストロベリーサンデーはもちろん、他のメニューも食べてくれる。
全て残さずに食べるので、作る方としてもとてもありがたい。
「気付いたら、いつもダンテを目で追いかけてたわ。ダンテと同じ時間に寝起きしていたら、生活リズムもすっかり夜型になっちゃった」
それでも、朝に起きようと思えば起きれるんだけど、と苦笑しながら付け足した。
「あと、毎日悪戯されるのも困るけど、悪戯する時の楽しそうな笑顔を見たら、つい許しちゃうのよねぇ」
「毎日……って、一日何回くらい悪戯されるの?」
「うーん……数えたことはないけど、最低でも一日三回は」
平均すれば朝昼夜それぞれ一回ずつである。
それを毎日受けるのだから、紫乃はなかなか忍耐強い方ではないだろうか。
悪戯の種類は主に紫乃にちょっかいを出したり、キスをしたり、接触を求めてきたり。
「……何だかうちのダンテよりも欲求強くない?」
「ひ……否定出来ない……」
「でも、それほどまでに愛されてるってことなんだよ」
「ふふっ、ありがとう」
ディーヴァがそう言えば、紫乃は照れくさそうにはにかんだ。
世界軸は違えど同じダンテを好きになった者同士、彼の全てを受け入れるのだ。
同じダンテでも、年齢が違うだけで随分差があることにも気付いた。
──便宜上、ディーヴァの世界のダンテを若、紫乃の世界のダンテを髭とする。
若はまだ若い盛りで、何をするにも勢いというものが付いてくる。
そのためディーヴァは、一緒にいる時は若は自分の中でいろいろと葛藤しているような節があるというのだ。
それは主にディーヴァに対する『熱』であるのだが、若くて対処を知らない分、勢いでディーヴァを求めてくる。
ディーヴァ本人は節度を守って欲しいので、若の勢いに流されないように注意を払っている。
一方、髭は年齢的に経験を重ねているため、若のように勢いに任せることはない。
しかし、その分自分の思惑通りに事を進めることに長けており、紫乃はしばしば髭の策にはまってしまう。
はまってしまうと髭の好きなようにされてしまうので、日々彼との戦いなのだという。
「私が日本人で欧米のスキンシップに慣れてないのをいいことに、何かしら仕掛けてくるの。この前なんかキスで立てなくされて、まだ昼間だっていうのに部屋に連行されて……」
機嫌良く掃除を終わらせたところを見計らった髭によるキスで脱力してしまい、そこを狙った彼によってベッドルームに連れ込まれてしまったことを思い出した。
が、今は年若いディーヴァがおり、そういった話題をするには早すぎる時間帯である。
紫乃はすぐにハッとして会話を打ち切った。
「って、これはどうでもいいの! ディーヴァちゃんはダンテとのキスは済んだの?」
「え……う、うん……」
ディーヴァはこれ以上ないくらい真っ赤になった。
初々しい反応に、紫乃は思わずくすりと笑う。
「まあ、可愛い。トリッシュとレディがいたら、ディーヴァちゃんも可愛がられるわね」
「トリッシュ……と、レディ?」
「私の世界でデビルハンターをしてる女性達で、とても強いのよ。二人とも面倒見が良くて、私もお世話になったわ」
紫乃はマンモンを追ってアメリカにやって来た時に出会ったトリッシュと、家政婦として働き始めた時に事務所を訪れたレディを思い出した。
二人とも同業者の間でも有名な女性デビルハンターだ。
レディなんか、生身の人間なのに銃火器を駆使して悪魔を倒していくのだ。
もう人間やめていますと言っても差し支えないほどに彼女は強い。
トリッシュは純粋の悪魔で髭の相棒であるが、この世界にはまだ彼女は存在していないようだ。
今はまだ秘密にしていた方がいいのかもしれないと思い、紫乃は詳細を伏せることにした。
「女性のデビルハンターですか……凄いです」
デビルハンターはダンテしか知らないディーヴァにとって、同じ女性がデビルハンター稼業をしているなんてすぐに信じられなかったが、他ならぬ紫乃が言うのだ。
彼女は嘘をつくことはしないので、女性のデビルハンターがいるということをすぐに受け入れた。
ふふ、と紫乃が微笑むと、今度はディーヴァが尋ねる番となった。
「じゃあ、今度はあたしが訊く番。紫乃さんはどうなの?」
ディーヴァに訊かれ、紫乃もダンテと出会い、恋人同士になった経緯を話し始めた。
かつて悪魔の母親を死に追いやった悪魔マンモンに、魔力を吸い取る石を植え付けられた。
それは純粋な悪魔ならばたちどころに魔力を吸われ命を落とすものだが、幸いにも人間の血が混ざった半魔であったため石の作用が上手く働かず、ゆっくりとしたものであった。
マンモンが日本からアメリカへ逃げたため、紫乃もそれを追ってアメリカへ向かい、移動先のスラム街でトリッシュに連れられて『Devil May Cry』に行き着き、ダンテと出会った。
一宿一飯の恩義でダンテとトリッシュに食事を振舞ったことがきっかけで事務所の家政婦として働き、同時にダンテがマンモンの捜索に協力すると申し出てくれた。
かくしてマンモンを倒したのは、同居生活を始めてから二週間程経ってからだった。
長くない期間ではあったが、ダンテと想いを通わせるには充分な日数であった。
「家事の合間に悪戯してくるから大変だけど、作った料理を美味しそうに食べてくれるの」
ダンテは好物のピザやストロベリーサンデーはもちろん、他のメニューも食べてくれる。
全て残さずに食べるので、作る方としてもとてもありがたい。
「気付いたら、いつもダンテを目で追いかけてたわ。ダンテと同じ時間に寝起きしていたら、生活リズムもすっかり夜型になっちゃった」
それでも、朝に起きようと思えば起きれるんだけど、と苦笑しながら付け足した。
「あと、毎日悪戯されるのも困るけど、悪戯する時の楽しそうな笑顔を見たら、つい許しちゃうのよねぇ」
「毎日……って、一日何回くらい悪戯されるの?」
「うーん……数えたことはないけど、最低でも一日三回は」
平均すれば朝昼夜それぞれ一回ずつである。
それを毎日受けるのだから、紫乃はなかなか忍耐強い方ではないだろうか。
悪戯の種類は主に紫乃にちょっかいを出したり、キスをしたり、接触を求めてきたり。
「……何だかうちのダンテよりも欲求強くない?」
「ひ……否定出来ない……」
「でも、それほどまでに愛されてるってことなんだよ」
「ふふっ、ありがとう」
ディーヴァがそう言えば、紫乃は照れくさそうにはにかんだ。
世界軸は違えど同じダンテを好きになった者同士、彼の全てを受け入れるのだ。
同じダンテでも、年齢が違うだけで随分差があることにも気付いた。
──便宜上、ディーヴァの世界のダンテを若、紫乃の世界のダンテを髭とする。
若はまだ若い盛りで、何をするにも勢いというものが付いてくる。
そのためディーヴァは、一緒にいる時は若は自分の中でいろいろと葛藤しているような節があるというのだ。
それは主にディーヴァに対する『熱』であるのだが、若くて対処を知らない分、勢いでディーヴァを求めてくる。
ディーヴァ本人は節度を守って欲しいので、若の勢いに流されないように注意を払っている。
一方、髭は年齢的に経験を重ねているため、若のように勢いに任せることはない。
しかし、その分自分の思惑通りに事を進めることに長けており、紫乃はしばしば髭の策にはまってしまう。
はまってしまうと髭の好きなようにされてしまうので、日々彼との戦いなのだという。
「私が日本人で欧米のスキンシップに慣れてないのをいいことに、何かしら仕掛けてくるの。この前なんかキスで立てなくされて、まだ昼間だっていうのに部屋に連行されて……」
機嫌良く掃除を終わらせたところを見計らった髭によるキスで脱力してしまい、そこを狙った彼によってベッドルームに連れ込まれてしまったことを思い出した。
が、今は年若いディーヴァがおり、そういった話題をするには早すぎる時間帯である。
紫乃はすぐにハッとして会話を打ち切った。
「って、これはどうでもいいの! ディーヴァちゃんはダンテとのキスは済んだの?」
「え……う、うん……」
ディーヴァはこれ以上ないくらい真っ赤になった。
初々しい反応に、紫乃は思わずくすりと笑う。
「まあ、可愛い。トリッシュとレディがいたら、ディーヴァちゃんも可愛がられるわね」
「トリッシュ……と、レディ?」
「私の世界でデビルハンターをしてる女性達で、とても強いのよ。二人とも面倒見が良くて、私もお世話になったわ」
紫乃はマンモンを追ってアメリカにやって来た時に出会ったトリッシュと、家政婦として働き始めた時に事務所を訪れたレディを思い出した。
二人とも同業者の間でも有名な女性デビルハンターだ。
レディなんか、生身の人間なのに銃火器を駆使して悪魔を倒していくのだ。
もう人間やめていますと言っても差し支えないほどに彼女は強い。
トリッシュは純粋の悪魔で髭の相棒であるが、この世界にはまだ彼女は存在していないようだ。
今はまだ秘密にしていた方がいいのかもしれないと思い、紫乃は詳細を伏せることにした。
「女性のデビルハンターですか……凄いです」
デビルハンターはダンテしか知らないディーヴァにとって、同じ女性がデビルハンター稼業をしているなんてすぐに信じられなかったが、他ならぬ紫乃が言うのだ。
彼女は嘘をつくことはしないので、女性のデビルハンターがいるということをすぐに受け入れた。