水底巡って、味わって
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水族館を一通り回って外に出た二人は、水族館のすぐ隣にある公園へと移った。
整備された遊歩道は散歩しやすく、休憩したり遊んだり出来る芝生もあり、園内のいたるところに季節の花々の植えられた花壇がある。
「紫乃は昔からここにも来てたのか」
「うん。春にはバラ園もあって綺麗なの」
今は残念ながら春を過ぎてしまっているので別の花が咲いている。
それでも綺麗なことに変わりはない。
二人は芝生の上にピクニックシートを敷いて座り、ランチボックスを広げる。
中身はサンドイッチやサラダにフルーツ、それにバナナブレッド。
ドリンクは、公園入り口の自動販売機で購入したペットボトルに入ったフルーツジュースだ。
「お、やっぱ紫乃の手作りは美味いな」
「ありがとう」
ダンテと出会った頃に比べて、彼のストレートな言葉に幾分か慣れた紫乃は柔らかく微笑んでみせる。
「色とりどりのランチボックスっていいもんだな。向こうじゃポテトやチキンなんかがごろっと入ったものが多い」
「詰め方、結構豪快だよね」
紫乃は少し苦笑した。
アメリカでは昼食用に持っていくランチボックスはポテトなど、まさに『アメリカ』といわんばかりの食べ物が大雑把に詰め込まれることが多い。
「そういえばこの前エンツォに聞いたんだが、日本じゃ凝ったランチボックスが多いらしいな」
「凝った?」
「えっと……アニメか何かのキャラクターの……」
「キャラ弁のこと?」
「ああ、それだ。それがアメリカでも人気らしいぜ」
日本では家庭を持つ女性が、子供のために時間をかけて様々なキャラクターを模した弁当を作ることが流行している。
ブログを始めとしたネットでキャラ弁の写真を公開したことで拍車がかかり、キャラ弁の写真や作り方をまとめた書籍も出版されるほどの人気だ。
紫乃はネットの記事で見かけた、子供にキャラ弁を持たせた日本人の母親の話を思い出した。
学校で他の子供達がキャラ弁を羨ましがり、彼らは自分の母親にも作ってくれとせがんだのだが、「忙しい朝にそんな時間のかかることは出来ない。子供にキャラ弁を持たせないで」と日本人の母親に言ったのだという。
「でも、上手く出来た分、食べるのがもったいない気がするね」
「そうだな」
そんな他愛ない話を続けてランチを楽しんでいたが、紫乃はあることに気付いた。
野菜を中心としたサンドイッチやサラダの減りが遅く、ハムやチキンといった肉類のサンドイッチの減りが早い。
「ダンテ、また野菜避けてる」
「いいじゃねぇか。俺は肉派なんだ」
「お肉もいいけど、野菜も食べないと駄目だよ」
ダンテは半分悪魔なので、普通の人間が摂取すれば問題が生じるような偏食でも関係ない。
だから今までピザとストロベリーサンデーばかりを食べてきたのだ。
整備された遊歩道は散歩しやすく、休憩したり遊んだり出来る芝生もあり、園内のいたるところに季節の花々の植えられた花壇がある。
「紫乃は昔からここにも来てたのか」
「うん。春にはバラ園もあって綺麗なの」
今は残念ながら春を過ぎてしまっているので別の花が咲いている。
それでも綺麗なことに変わりはない。
二人は芝生の上にピクニックシートを敷いて座り、ランチボックスを広げる。
中身はサンドイッチやサラダにフルーツ、それにバナナブレッド。
ドリンクは、公園入り口の自動販売機で購入したペットボトルに入ったフルーツジュースだ。
「お、やっぱ紫乃の手作りは美味いな」
「ありがとう」
ダンテと出会った頃に比べて、彼のストレートな言葉に幾分か慣れた紫乃は柔らかく微笑んでみせる。
「色とりどりのランチボックスっていいもんだな。向こうじゃポテトやチキンなんかがごろっと入ったものが多い」
「詰め方、結構豪快だよね」
紫乃は少し苦笑した。
アメリカでは昼食用に持っていくランチボックスはポテトなど、まさに『アメリカ』といわんばかりの食べ物が大雑把に詰め込まれることが多い。
「そういえばこの前エンツォに聞いたんだが、日本じゃ凝ったランチボックスが多いらしいな」
「凝った?」
「えっと……アニメか何かのキャラクターの……」
「キャラ弁のこと?」
「ああ、それだ。それがアメリカでも人気らしいぜ」
日本では家庭を持つ女性が、子供のために時間をかけて様々なキャラクターを模した弁当を作ることが流行している。
ブログを始めとしたネットでキャラ弁の写真を公開したことで拍車がかかり、キャラ弁の写真や作り方をまとめた書籍も出版されるほどの人気だ。
紫乃はネットの記事で見かけた、子供にキャラ弁を持たせた日本人の母親の話を思い出した。
学校で他の子供達がキャラ弁を羨ましがり、彼らは自分の母親にも作ってくれとせがんだのだが、「忙しい朝にそんな時間のかかることは出来ない。子供にキャラ弁を持たせないで」と日本人の母親に言ったのだという。
「でも、上手く出来た分、食べるのがもったいない気がするね」
「そうだな」
そんな他愛ない話を続けてランチを楽しんでいたが、紫乃はあることに気付いた。
野菜を中心としたサンドイッチやサラダの減りが遅く、ハムやチキンといった肉類のサンドイッチの減りが早い。
「ダンテ、また野菜避けてる」
「いいじゃねぇか。俺は肉派なんだ」
「お肉もいいけど、野菜も食べないと駄目だよ」
ダンテは半分悪魔なので、普通の人間が摂取すれば問題が生じるような偏食でも関係ない。
だから今までピザとストロベリーサンデーばかりを食べてきたのだ。