瑠璃と碧
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「ここか?」
「うん」
依頼主の家から20分ほど行ったところに、その屋敷はあった。
依頼人いわく、以前の持ち主からいわく付きで貰ったのだが、その『いわく付き』というのが、悪魔が来るという意味だったらしく、それを知らなかった依頼人が困り果て、自分達に頼んだらしい。
屋敷の敷地内に入ってすぐ、リアラが目を細める。
「たくさんいるわね…」
敷地に入っただけで感じる悪魔の気配。一体二体、という数ではない。ざっと30体はいるだろうか。
「いいじゃねえか、狩りがいあるぜ?」
「だからって油断しないでよ?何があるかわからないんだから」
リアラがダンテに注意していると、リアラの足元にいたケルベロスがリアラの脚に身体を擦りつけた。
「主、どうする?」
「そうね…数が多いから、武器になってもらうよりはその姿で戦ってもらった方がいいかも。必要な時は指示を出すわ」
「承知した」
頷くと、ケルベロスの回りを冷気を纏った風が吹き、瞬く間に本来の姿に戻る。とはいえ、大きさは大型犬のままだ。
「大きさはそのままでいいの?もう少し大きくしてあげられるよ?」
「心配ない。こちらの方が小回りが利く」
「そっか。わかった」
リアラは腕につけているレイザードを発動させる。すでに周りには、悪魔達が集まり始めていた。
「さて、行きますか」
「さっさと片付けようぜ!」
「同感だ」
それぞれ言うと、リアラ達は悪魔の群れに飛び込んだ。
「ケルベロス、そっちに回って!」
「承知した!」
リアラの指示に従い、ケルベロスが反対側に回り込む。両側からスケアクロウの群れを囲むと、リアラとケルベロスは空中に無数の氷柱を生み出し、一気に降り下ろした。
ギィイイイ!!!
悲鳴をあげ、スケアクロウ達は砂になって消えていく。残りのスケアクロウを倒しながら、リアラはダンテのいる方を見やる。
ダンテはスケアクロウの群れに混ざっていたヘル=プライド達の相手をしていた。
5体と数では相手の方が有利なはずなのに、ダンテの前ではまるで意味をなさない。襲いくる鎌を飛んでかわし、着地するとダンテはリベリオンを構える。
「さっさと消えな!」
言うと同時に5体の内の一体に突進し、スティンガーを見舞う。次いで切り刻むように斬撃を繰り出すと、悲鳴をあげながら砂となって消えていった。
(あっちは任せても大丈夫そうね…)
そう判断したリアラは、残りのスケアクロウを倒すことに集中した。
ケルベロスと協力したことにより、10分程でスケアクロウの群れを倒した。リアラは辺りを見回す。
(残ってる奴はいないわね)
残ったスケアクロウがいないことを確認すると、リアラは最後の一体であるヘル=プライドと戦っているダンテの元へと駆け寄ろうとした。
その時。
ゴウッ
「!」
「主!」
音と共に自分に近づくものに気づき、リアラは飛んでよける。それと同時に火柱が駆け抜けていき、地面を焼き焦がした。
リアラが炎のやってきた方角を見ると、暗闇からのそりのそりとゆっくりした足取りで悪魔が現れた。巨大なトカゲのような姿をした悪魔で身体の至るところが燃え盛っている。ギョロリ、と悪魔の赤い目がこちらを見た。
(サラマンダー、ってやつか…)
武器を構えたまま、リアラはゆっくりと距離を取る。
氷結属性の自分やケルベロスは火炎属性が苦手だ。炎と氷。相性が悪い。
ケルベロスを見やると、ケルベロスも距離を取って様子を窺っていた。
(炎を纏っている限り近づけないし…あいつ自身に氷を溶かさせて、水をかけるしかないか)
リアラがそう考えていると、サラマンダーが口を開いた。ゴウッ、と音を立てて炎の塊が吐き出される。
素早くよけると、リアラはケルベロスにテレパシーで呼びかける。
『ケルベロス、あいつに氷をぶつけてわざと溶けさせて!水を被って炎が消えた瞬間を一気に攻める!』
『承知した!』
リアラとケルベロスは距離を取りつつ、サラマンダーに氷柱の雨を見舞う。だが、小さいものだとサラマンダーが纏う炎に阻まれ、たちまち水蒸気となって霧散してしまう。
(小さいのじゃだめか…なら…!)
考えると、リアラは走り出す。
『ケルベロス、あいつの足元を凍らせて!』
『承知した!』
ケルベロスの頭が入れ換わり、赤い目の頭が地面に足を叩きつけた。ビキビキと音を立てて氷が広がり、サラマンダーの足を凍らせる。
地面を蹴り、大きく跳躍すると、リアラは両手を掲げる。できあがった氷柱は先ほどより遥かに大きいものだ。
「くらえっ!」
叫びと共にリアラが氷柱を振り下ろすと、氷柱はサラマンダー目掛けて落下していく。振り下ろされた高さと氷柱自身の重さにより速度を増したそれは、鈍い音を立ててサラマンダーの身体を貫いた。
ギィイイイイ!!!
叫び声をあげ、サラマンダーが身をよじらせる。
(炎が弱まった!今ならいける!)
降下しながら、リアラが思った、その時。
「うん」
依頼主の家から20分ほど行ったところに、その屋敷はあった。
依頼人いわく、以前の持ち主からいわく付きで貰ったのだが、その『いわく付き』というのが、悪魔が来るという意味だったらしく、それを知らなかった依頼人が困り果て、自分達に頼んだらしい。
屋敷の敷地内に入ってすぐ、リアラが目を細める。
「たくさんいるわね…」
敷地に入っただけで感じる悪魔の気配。一体二体、という数ではない。ざっと30体はいるだろうか。
「いいじゃねえか、狩りがいあるぜ?」
「だからって油断しないでよ?何があるかわからないんだから」
リアラがダンテに注意していると、リアラの足元にいたケルベロスがリアラの脚に身体を擦りつけた。
「主、どうする?」
「そうね…数が多いから、武器になってもらうよりはその姿で戦ってもらった方がいいかも。必要な時は指示を出すわ」
「承知した」
頷くと、ケルベロスの回りを冷気を纏った風が吹き、瞬く間に本来の姿に戻る。とはいえ、大きさは大型犬のままだ。
「大きさはそのままでいいの?もう少し大きくしてあげられるよ?」
「心配ない。こちらの方が小回りが利く」
「そっか。わかった」
リアラは腕につけているレイザードを発動させる。すでに周りには、悪魔達が集まり始めていた。
「さて、行きますか」
「さっさと片付けようぜ!」
「同感だ」
それぞれ言うと、リアラ達は悪魔の群れに飛び込んだ。
「ケルベロス、そっちに回って!」
「承知した!」
リアラの指示に従い、ケルベロスが反対側に回り込む。両側からスケアクロウの群れを囲むと、リアラとケルベロスは空中に無数の氷柱を生み出し、一気に降り下ろした。
ギィイイイ!!!
悲鳴をあげ、スケアクロウ達は砂になって消えていく。残りのスケアクロウを倒しながら、リアラはダンテのいる方を見やる。
ダンテはスケアクロウの群れに混ざっていたヘル=プライド達の相手をしていた。
5体と数では相手の方が有利なはずなのに、ダンテの前ではまるで意味をなさない。襲いくる鎌を飛んでかわし、着地するとダンテはリベリオンを構える。
「さっさと消えな!」
言うと同時に5体の内の一体に突進し、スティンガーを見舞う。次いで切り刻むように斬撃を繰り出すと、悲鳴をあげながら砂となって消えていった。
(あっちは任せても大丈夫そうね…)
そう判断したリアラは、残りのスケアクロウを倒すことに集中した。
ケルベロスと協力したことにより、10分程でスケアクロウの群れを倒した。リアラは辺りを見回す。
(残ってる奴はいないわね)
残ったスケアクロウがいないことを確認すると、リアラは最後の一体であるヘル=プライドと戦っているダンテの元へと駆け寄ろうとした。
その時。
ゴウッ
「!」
「主!」
音と共に自分に近づくものに気づき、リアラは飛んでよける。それと同時に火柱が駆け抜けていき、地面を焼き焦がした。
リアラが炎のやってきた方角を見ると、暗闇からのそりのそりとゆっくりした足取りで悪魔が現れた。巨大なトカゲのような姿をした悪魔で身体の至るところが燃え盛っている。ギョロリ、と悪魔の赤い目がこちらを見た。
(サラマンダー、ってやつか…)
武器を構えたまま、リアラはゆっくりと距離を取る。
氷結属性の自分やケルベロスは火炎属性が苦手だ。炎と氷。相性が悪い。
ケルベロスを見やると、ケルベロスも距離を取って様子を窺っていた。
(炎を纏っている限り近づけないし…あいつ自身に氷を溶かさせて、水をかけるしかないか)
リアラがそう考えていると、サラマンダーが口を開いた。ゴウッ、と音を立てて炎の塊が吐き出される。
素早くよけると、リアラはケルベロスにテレパシーで呼びかける。
『ケルベロス、あいつに氷をぶつけてわざと溶けさせて!水を被って炎が消えた瞬間を一気に攻める!』
『承知した!』
リアラとケルベロスは距離を取りつつ、サラマンダーに氷柱の雨を見舞う。だが、小さいものだとサラマンダーが纏う炎に阻まれ、たちまち水蒸気となって霧散してしまう。
(小さいのじゃだめか…なら…!)
考えると、リアラは走り出す。
『ケルベロス、あいつの足元を凍らせて!』
『承知した!』
ケルベロスの頭が入れ換わり、赤い目の頭が地面に足を叩きつけた。ビキビキと音を立てて氷が広がり、サラマンダーの足を凍らせる。
地面を蹴り、大きく跳躍すると、リアラは両手を掲げる。できあがった氷柱は先ほどより遥かに大きいものだ。
「くらえっ!」
叫びと共にリアラが氷柱を振り下ろすと、氷柱はサラマンダー目掛けて落下していく。振り下ろされた高さと氷柱自身の重さにより速度を増したそれは、鈍い音を立ててサラマンダーの身体を貫いた。
ギィイイイイ!!!
叫び声をあげ、サラマンダーが身をよじらせる。
(炎が弱まった!今ならいける!)
降下しながら、リアラが思った、その時。