瑠璃と碧
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夜、賑やかな夕食を終え、二人はそれぞれの部屋で眠りについた。
依頼完了の報告やダンテの服の買い出しなど、朝から動き回っていたためか、リアラはすぐに眠りに落ちてしまった。
「すー…すー…」
部屋にリアラの安らかな寝息だけが響く。青いカーテンの隙間から月明かりが射し込み、リアラの寝ているベッドを照らしている。
ギィ…
突然、扉の開く音が響いた。ゆっくりと扉を閉めると、影は足音を立てないようにリアラの眠るベッドに近づく。
そして、一度ベッドの前で立ち止まると、影はベッドに倒れ込んだ。
「ふあっ!?」
突然感じた重さに驚いて目を覚ましたリアラは慌てて起き上がり、自分に乗っかってきたものに目をやる。
「……」
重さの正体はダンテだった。リアラが起き上がったことで後ろに手を回せるようになったためか、両腕をリアラの腰に回し、ぎゅっと抱きついてくる。顔を伏せていて、表情は見えなかった。
首を傾げながら、リアラはダンテによびかける。
「…ダンテ?」
「………」
ダンテは何も言わず、抱きしめる力を強める。
ふと、思い当たることを見つけ、リアラは静かに尋ねた。
「…お母さんの夢を見たの?」
ビクッ、とダンテの肩が跳ねる。リアラは優しく声をかけた。
「ダンテ」
ダンテが顔を上げると、リアラはダンテの頭を包み込むように優しく抱きしめた。
ダンテは驚きに目を見開く。
「…大切な人を失うのは、辛いよね。きっと今まで、何度もお母さんの夢を見て苦しんだんだよね」
自分にもわかる、今まで何度も母が死んだ過去を夢で見て、そのたびに恐怖で目が覚めたから。助けられなかったと、自分にもっと力があれば、と何度思ったことか。
幼い頃に家族を失ったダンテには、打ち明けられる人などいなかったのかもしれない。
「一人で抱え込まなくていいから。私でよければ、聞くことと、傍にいることはできるから」
ダンテの頭を優しく撫でると、ゆっくりと彼の腕から力が抜けていく。
リアラも手を離すと、ダンテに向かって微笑みかけた。
「落ち着いた?」
「…ああ」
やっと言葉を返してくれたダンテに笑みを深めると、身体ごと彼に向き直る。
「もう寝た方がいいよ。ここで寝ていいから」
そう言うと、リアラはダンテの頭を撫でながら、何かを口ずさみ始めた。
「…~♪、~、~♪」
穏やかで優しいメロディー。それは、ダンテも聞き覚えのあるものだった。
―昔、母が歌っていた子守唄だ。
懐かしさを感じるその歌に安心したのか、ゆるゆるとダンテの瞼が下がっていく。やがて、静かな寝息が聞こえてきた。
「…おやすみ、ダンテ」
一通り歌い終えると、撫でる手を止め、ダンテの額に自分の額をくっつけて、リアラは呟いた。
次の日、早く起きたダンテと一緒に朝食を取ったリアラは、キッチンで朝食の後片付けをしていた。リビングではダンテがソファに座ってくつろいでおり、ソファの下にはケルベロスが寝そべっている。
ダンテは退屈そうに天井を見上げる。
「あー、暇だなー…」
暴れてぇ、と物騒なことを呟いたダンテに、リアラはため息をつきながら言う。
「暴れるなら、依頼が来てからにして」
「んなこと言ったって、依頼来ねぇじゃん」
「いつものことです。そんな頻繁に来ません」
この事務所では2、3日依頼の電話がこないのなんてよくあることだ。酷い時は一週間こなかったこともある。
ただでさえ悪魔絡みの依頼は少ないというのにダンテが選り好みするものだから、彼が受けない依頼は代わりにリアラが受けているのだ。
「代わりにストロベリーサンデー作るから我慢して」
「!作ってくれんのか!?」
「それでいいならね」
リアラがそう言うと、ダンテの瞳が輝く。
「いい!うまいの頼むぜ!」
「はいはい」
子供のようにはしゃぐダンテに苦笑しながら、リアラが皿を吹き終えた、その時だった。
ジリリリリン!
電話の音が鳴り響き、リアラは急いで受話器を取った。
「DevilMayCry?」
時々相づちをうちながら数分話した後、リアラは受話器を置いた。期待の眼差しを向けながら、ダンテが尋ねる。
「依頼か?」
「うん、そう。町外れの屋敷に悪魔がたくさんいるから退治してほしいって」
行くんでしょ?とリアラが尋ねると、ダンテはニヤリと笑みを浮かべる。
「当たり前だろ!」
「決まりね。なら、私も準備するわ」
「リアラ、依頼終わったらストサン作ってくれよ!」
「そんなに食べたいの?仕方がないなあ…」
ちゃっかりストロベリーサンデーを要求してくるダンテに呆れながら、リアラは依頼に行く準備を始めた。
依頼完了の報告やダンテの服の買い出しなど、朝から動き回っていたためか、リアラはすぐに眠りに落ちてしまった。
「すー…すー…」
部屋にリアラの安らかな寝息だけが響く。青いカーテンの隙間から月明かりが射し込み、リアラの寝ているベッドを照らしている。
ギィ…
突然、扉の開く音が響いた。ゆっくりと扉を閉めると、影は足音を立てないようにリアラの眠るベッドに近づく。
そして、一度ベッドの前で立ち止まると、影はベッドに倒れ込んだ。
「ふあっ!?」
突然感じた重さに驚いて目を覚ましたリアラは慌てて起き上がり、自分に乗っかってきたものに目をやる。
「……」
重さの正体はダンテだった。リアラが起き上がったことで後ろに手を回せるようになったためか、両腕をリアラの腰に回し、ぎゅっと抱きついてくる。顔を伏せていて、表情は見えなかった。
首を傾げながら、リアラはダンテによびかける。
「…ダンテ?」
「………」
ダンテは何も言わず、抱きしめる力を強める。
ふと、思い当たることを見つけ、リアラは静かに尋ねた。
「…お母さんの夢を見たの?」
ビクッ、とダンテの肩が跳ねる。リアラは優しく声をかけた。
「ダンテ」
ダンテが顔を上げると、リアラはダンテの頭を包み込むように優しく抱きしめた。
ダンテは驚きに目を見開く。
「…大切な人を失うのは、辛いよね。きっと今まで、何度もお母さんの夢を見て苦しんだんだよね」
自分にもわかる、今まで何度も母が死んだ過去を夢で見て、そのたびに恐怖で目が覚めたから。助けられなかったと、自分にもっと力があれば、と何度思ったことか。
幼い頃に家族を失ったダンテには、打ち明けられる人などいなかったのかもしれない。
「一人で抱え込まなくていいから。私でよければ、聞くことと、傍にいることはできるから」
ダンテの頭を優しく撫でると、ゆっくりと彼の腕から力が抜けていく。
リアラも手を離すと、ダンテに向かって微笑みかけた。
「落ち着いた?」
「…ああ」
やっと言葉を返してくれたダンテに笑みを深めると、身体ごと彼に向き直る。
「もう寝た方がいいよ。ここで寝ていいから」
そう言うと、リアラはダンテの頭を撫でながら、何かを口ずさみ始めた。
「…~♪、~、~♪」
穏やかで優しいメロディー。それは、ダンテも聞き覚えのあるものだった。
―昔、母が歌っていた子守唄だ。
懐かしさを感じるその歌に安心したのか、ゆるゆるとダンテの瞼が下がっていく。やがて、静かな寝息が聞こえてきた。
「…おやすみ、ダンテ」
一通り歌い終えると、撫でる手を止め、ダンテの額に自分の額をくっつけて、リアラは呟いた。
次の日、早く起きたダンテと一緒に朝食を取ったリアラは、キッチンで朝食の後片付けをしていた。リビングではダンテがソファに座ってくつろいでおり、ソファの下にはケルベロスが寝そべっている。
ダンテは退屈そうに天井を見上げる。
「あー、暇だなー…」
暴れてぇ、と物騒なことを呟いたダンテに、リアラはため息をつきながら言う。
「暴れるなら、依頼が来てからにして」
「んなこと言ったって、依頼来ねぇじゃん」
「いつものことです。そんな頻繁に来ません」
この事務所では2、3日依頼の電話がこないのなんてよくあることだ。酷い時は一週間こなかったこともある。
ただでさえ悪魔絡みの依頼は少ないというのにダンテが選り好みするものだから、彼が受けない依頼は代わりにリアラが受けているのだ。
「代わりにストロベリーサンデー作るから我慢して」
「!作ってくれんのか!?」
「それでいいならね」
リアラがそう言うと、ダンテの瞳が輝く。
「いい!うまいの頼むぜ!」
「はいはい」
子供のようにはしゃぐダンテに苦笑しながら、リアラが皿を吹き終えた、その時だった。
ジリリリリン!
電話の音が鳴り響き、リアラは急いで受話器を取った。
「DevilMayCry?」
時々相づちをうちながら数分話した後、リアラは受話器を置いた。期待の眼差しを向けながら、ダンテが尋ねる。
「依頼か?」
「うん、そう。町外れの屋敷に悪魔がたくさんいるから退治してほしいって」
行くんでしょ?とリアラが尋ねると、ダンテはニヤリと笑みを浮かべる。
「当たり前だろ!」
「決まりね。なら、私も準備するわ」
「リアラ、依頼終わったらストサン作ってくれよ!」
「そんなに食べたいの?仕方がないなあ…」
ちゃっかりストロベリーサンデーを要求してくるダンテに呆れながら、リアラは依頼に行く準備を始めた。