瑠璃と碧
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「ダンテさん、遅いなあ…」
カフェオレを一口口にし、リアラはため息をつく。
朝から依頼が入り、昼頃に事務所に帰ってきたリアラと入れ替わるように、昼頃にダンテは依頼に出かけた。ここからだいぶ距離のあるところらしいが、「夕方には帰る」とダンテが言っていたので、時間を見計らい、リアラは夕食を作り始めた。だが、夕方になってもダンテは帰ってこず、一時間前に作った夕食は冷めてしまっていた。
「何も…ないよね…」
不安になって、リアラは掌を握りしめる。足元にいた黒い犬がクゥン…と心配そうに鳴いて、こちらを見上げる。
苦笑し、リアラは黒い犬の頭を撫でる。
「心配させてごめんね、ケルベロス。大丈夫だよ」
頭を撫でられ、黒い犬―ケルベロスは気持ちよさそうに目を細める。
その時、事務所の扉が音を立てて開いた。ほっと安堵の息をつき、リアラは顔を上げる。
「ダンテさん、お帰りなさ…」
だが、出迎えの言葉は途中で止まってしまった。
なぜなら、リアラの視線の先にいたのは、リアラが知っているダンテより年若い、青年姿のダンテだったからだ。
リアラが固まっていると、青年姿のダンテがいぶかしがるように呟いた。
「…お前、誰だ?」
***
「…と、いうわけだ」
「なるほど…」
ダンテから一通り話を聞き終え、リアラは頷く。
あの後、悪魔と勘違いされ、危うく撃たれそうになったリアラだったが、気配で気づいてもらえたらしく、何とか騒動にはならずに済んだ。
状況が飲み込めていないダンテに、リアラはダンテと自分が事務所で一緒に暮らすまでの経緯と、普段は事務所で家事をこなしつつ、時々ダンテの仕事のパートナーをしていることを話した。未だ実感が湧かないようだったが、すんなりとダンテはリアラの話を信じてくれた。
リアラがダンテに事情を尋ねると、ダンテいわく、気づいた時には知らない森の中で突っ立っていたらしい。何とか森を抜けてスラム街に入り、ここに辿り着いたとのことだった。ダンテの依頼先は街からそれほど離れていない森だったため、幸い、それほど迷わずに事務所に戻ってこれたのだろう。
(たぶん、悪魔の呪いね。いつ解けるかわからないけど…)
向かいのソファに座るダンテを見ながら、リアラは思案する。
いつもなら呪いをかけたであろう悪魔の気配が感じられるのだが、今回は気配が感じられない。高等な悪魔だったのか、呪いをかけた時点で魔力がなくなってしまったのか。
(この様子だと、依頼主のところには行ってないだろうから、明日、報告しなきゃ…)
リアラがそんなことを考え始めた時、ダンテが感慨深そうに言った。
「それにしても、あのリアラがこんなになるなんてなー…。想像もできなかった」
「?」
リアラが不思議そうに首を傾げると、ダンテはソファから立ち上がり、リアラに近寄ってきた。服がブカブカなため、少し動き辛そうだ。
「すっげーきれいになった」
「!!?」
頬に手を添えられて言われた言葉に、リアラはぼふん、と音がたちそうな勢いで真っ赤になる。
「ははっ、顔真っ赤だぜ。かわいいな」
「か、からかわないでください、ダンテさん!」
リアラが叫ぶように言うと、ダンテはんー、と考えるようなしぐさを見せて言う。
「その『ダンテさん』って止めねぇ?そっちの方が年上だろ?」
お前いくつ?と聞かれ、リアラは素直に答える。
「23です」
「俺は19。お前が暮らしてる『俺』は年上だからいいかもしれないけど、俺はお前より年下だから呼び捨てでいい」
あと、敬語もなしな、と言われ、戸惑いながらもリアラは頷く。
「わかった…ダンテ」
リアラの返事に、ダンテは満足そうにニッ、と笑った。
カフェオレを一口口にし、リアラはため息をつく。
朝から依頼が入り、昼頃に事務所に帰ってきたリアラと入れ替わるように、昼頃にダンテは依頼に出かけた。ここからだいぶ距離のあるところらしいが、「夕方には帰る」とダンテが言っていたので、時間を見計らい、リアラは夕食を作り始めた。だが、夕方になってもダンテは帰ってこず、一時間前に作った夕食は冷めてしまっていた。
「何も…ないよね…」
不安になって、リアラは掌を握りしめる。足元にいた黒い犬がクゥン…と心配そうに鳴いて、こちらを見上げる。
苦笑し、リアラは黒い犬の頭を撫でる。
「心配させてごめんね、ケルベロス。大丈夫だよ」
頭を撫でられ、黒い犬―ケルベロスは気持ちよさそうに目を細める。
その時、事務所の扉が音を立てて開いた。ほっと安堵の息をつき、リアラは顔を上げる。
「ダンテさん、お帰りなさ…」
だが、出迎えの言葉は途中で止まってしまった。
なぜなら、リアラの視線の先にいたのは、リアラが知っているダンテより年若い、青年姿のダンテだったからだ。
リアラが固まっていると、青年姿のダンテがいぶかしがるように呟いた。
「…お前、誰だ?」
***
「…と、いうわけだ」
「なるほど…」
ダンテから一通り話を聞き終え、リアラは頷く。
あの後、悪魔と勘違いされ、危うく撃たれそうになったリアラだったが、気配で気づいてもらえたらしく、何とか騒動にはならずに済んだ。
状況が飲み込めていないダンテに、リアラはダンテと自分が事務所で一緒に暮らすまでの経緯と、普段は事務所で家事をこなしつつ、時々ダンテの仕事のパートナーをしていることを話した。未だ実感が湧かないようだったが、すんなりとダンテはリアラの話を信じてくれた。
リアラがダンテに事情を尋ねると、ダンテいわく、気づいた時には知らない森の中で突っ立っていたらしい。何とか森を抜けてスラム街に入り、ここに辿り着いたとのことだった。ダンテの依頼先は街からそれほど離れていない森だったため、幸い、それほど迷わずに事務所に戻ってこれたのだろう。
(たぶん、悪魔の呪いね。いつ解けるかわからないけど…)
向かいのソファに座るダンテを見ながら、リアラは思案する。
いつもなら呪いをかけたであろう悪魔の気配が感じられるのだが、今回は気配が感じられない。高等な悪魔だったのか、呪いをかけた時点で魔力がなくなってしまったのか。
(この様子だと、依頼主のところには行ってないだろうから、明日、報告しなきゃ…)
リアラがそんなことを考え始めた時、ダンテが感慨深そうに言った。
「それにしても、あのリアラがこんなになるなんてなー…。想像もできなかった」
「?」
リアラが不思議そうに首を傾げると、ダンテはソファから立ち上がり、リアラに近寄ってきた。服がブカブカなため、少し動き辛そうだ。
「すっげーきれいになった」
「!!?」
頬に手を添えられて言われた言葉に、リアラはぼふん、と音がたちそうな勢いで真っ赤になる。
「ははっ、顔真っ赤だぜ。かわいいな」
「か、からかわないでください、ダンテさん!」
リアラが叫ぶように言うと、ダンテはんー、と考えるようなしぐさを見せて言う。
「その『ダンテさん』って止めねぇ?そっちの方が年上だろ?」
お前いくつ?と聞かれ、リアラは素直に答える。
「23です」
「俺は19。お前が暮らしてる『俺』は年上だからいいかもしれないけど、俺はお前より年下だから呼び捨てでいい」
あと、敬語もなしな、と言われ、戸惑いながらもリアラは頷く。
「わかった…ダンテ」
リアラの返事に、ダンテは満足そうにニッ、と笑った。