Animal Knight
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次の日。
「おはようございます」
「ああ、リアラちゃん、おはよう」
ペットショップ『happy clover』。家から30分ほど歩いたところにある、リアラの職場だ。
「今日も動物達がお待ちかねだよ」
「そうですか、じゃあ早く行かなくちゃ」
店長の言葉に笑みを浮かべると、リアラは荷物を置きにロッカールームへと向かった。
十分後、準備を終えたリアラは動物達のいる売り場へと向かう。
売り場への扉を開けると同時に、たくさんの動物達の声がリアラの頭に響いてきた。
『リアラ、おはよう!』
『今日もたくさん遊んでね!』
『外、暑そうだなあ…』
『今日ってあそこの家のクロ来るのか?』
『お腹空いたよー…』
「はいはい、みんな落ち着いて。順番に回るからね」
口々に言う動物達に苦笑しながら、リアラは順番に売り場を回り始めた。
平日とはいえ、いつも地元のお客が来る店内はそこそこ賑わっていた。
そんな中、リアラはカットルームでお客であるクロの毛をカットしていた。
シベリアンハスキーのオスである。
「よし、終わり!シャンプーするから、移動するよ」
『うん』
よいしょ、と勢いをつけてクロを持ち上げると、リアラはシャンプー台に移動する。そして、棚からシャンプーを取り出すと、手に取り、クロの身体を洗い始めた。
「どこか痛かったりしない?」
『痛くはないけど、さっき切った毛で背中が痒いよー…』
「背中ね、これでいい?」
『んー、気持ちいいなぁー…』
「ほら、尻尾振ったら泡が飛んじゃうわ。大人しくしてて」
優しくたしなめつつ、リアラはクロの身体を洗ってやる。
『今日この後、雪と散歩するんだ』
「よかったね。でも、今日は暑いから、ちゃんと水分取るんだよ」
『うん』
シャワーで泡を洗い流すと、リアラはドライヤーをかけながら、丁寧にクロの毛をブラッシングしていく。
「はい、終わり。じゃあ、雪ちゃんのところに行こっか」
『うん!』
クロは嬉しそうに尻尾を振る。
リアラがクロと一緒にカットルームから出てくると、黒髪の女の子が走り寄って来た。
「クロ!」
女の子は長い髪を揺らすと、クロを抱きしめる。
クロの飼い主でこの辺りでは珍しい日本人の女の子、雪だ。
「わー、ふわふわだー!」
「ふふ、気持ちいい?」
屈んでリアラが聞くと、雪は嬉しそうに笑う。
「うん!お姉ちゃん、いつもありがとう!」
「どういたしまして」
リアラが笑って返すと、雪は母親から預かってきたお金をリアラに渡す。
8歳にしてはしっかり者である。
「この後、クロと散歩に行くんだって?今日は暑いから、お水持っていってあげてね」
もちろん、雪ちゃんの分もね、とリアラが言うと、雪は大きく頷く。
「うん!またね、お姉ちゃん!」
「またね」
リアラに大きく手を振ると、雪はクロと一緒に店を出る。
ふいに、クロが動きを止めた。
「クロ?どうしたの?」
「……」
クロは何かを探すように視線をさ迷わせる。
何か、視線を感じたような気がしたのだが…。
そんなクロを雪はリードを引いて急かす。
「早くお家にもどろう、クロ。おさんぽの時間なくなっちゃう」
「ワンッ!」
気のせいかもしれない、そう思い、クロは急かされるままに雪と歩き始めた。
店の向かい側で、電柱の影から何かが店を見ていた。
「おはようございます」
「ああ、リアラちゃん、おはよう」
ペットショップ『happy clover』。家から30分ほど歩いたところにある、リアラの職場だ。
「今日も動物達がお待ちかねだよ」
「そうですか、じゃあ早く行かなくちゃ」
店長の言葉に笑みを浮かべると、リアラは荷物を置きにロッカールームへと向かった。
十分後、準備を終えたリアラは動物達のいる売り場へと向かう。
売り場への扉を開けると同時に、たくさんの動物達の声がリアラの頭に響いてきた。
『リアラ、おはよう!』
『今日もたくさん遊んでね!』
『外、暑そうだなあ…』
『今日ってあそこの家のクロ来るのか?』
『お腹空いたよー…』
「はいはい、みんな落ち着いて。順番に回るからね」
口々に言う動物達に苦笑しながら、リアラは順番に売り場を回り始めた。
平日とはいえ、いつも地元のお客が来る店内はそこそこ賑わっていた。
そんな中、リアラはカットルームでお客であるクロの毛をカットしていた。
シベリアンハスキーのオスである。
「よし、終わり!シャンプーするから、移動するよ」
『うん』
よいしょ、と勢いをつけてクロを持ち上げると、リアラはシャンプー台に移動する。そして、棚からシャンプーを取り出すと、手に取り、クロの身体を洗い始めた。
「どこか痛かったりしない?」
『痛くはないけど、さっき切った毛で背中が痒いよー…』
「背中ね、これでいい?」
『んー、気持ちいいなぁー…』
「ほら、尻尾振ったら泡が飛んじゃうわ。大人しくしてて」
優しくたしなめつつ、リアラはクロの身体を洗ってやる。
『今日この後、雪と散歩するんだ』
「よかったね。でも、今日は暑いから、ちゃんと水分取るんだよ」
『うん』
シャワーで泡を洗い流すと、リアラはドライヤーをかけながら、丁寧にクロの毛をブラッシングしていく。
「はい、終わり。じゃあ、雪ちゃんのところに行こっか」
『うん!』
クロは嬉しそうに尻尾を振る。
リアラがクロと一緒にカットルームから出てくると、黒髪の女の子が走り寄って来た。
「クロ!」
女の子は長い髪を揺らすと、クロを抱きしめる。
クロの飼い主でこの辺りでは珍しい日本人の女の子、雪だ。
「わー、ふわふわだー!」
「ふふ、気持ちいい?」
屈んでリアラが聞くと、雪は嬉しそうに笑う。
「うん!お姉ちゃん、いつもありがとう!」
「どういたしまして」
リアラが笑って返すと、雪は母親から預かってきたお金をリアラに渡す。
8歳にしてはしっかり者である。
「この後、クロと散歩に行くんだって?今日は暑いから、お水持っていってあげてね」
もちろん、雪ちゃんの分もね、とリアラが言うと、雪は大きく頷く。
「うん!またね、お姉ちゃん!」
「またね」
リアラに大きく手を振ると、雪はクロと一緒に店を出る。
ふいに、クロが動きを止めた。
「クロ?どうしたの?」
「……」
クロは何かを探すように視線をさ迷わせる。
何か、視線を感じたような気がしたのだが…。
そんなクロを雪はリードを引いて急かす。
「早くお家にもどろう、クロ。おさんぽの時間なくなっちゃう」
「ワンッ!」
気のせいかもしれない、そう思い、クロは急かされるままに雪と歩き始めた。
店の向かい側で、電柱の影から何かが店を見ていた。