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どーしたってムリ!

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旧『ドットのうらがわ』様宅夢主の名前は?

海が近い所為か磯の香りがほんのりと漂うマーケット。
朝と昼の中間の時間と言う事もあってか新鮮な魚がズラリと並ぶのを眺めながら、今日もシャティと買い物に出てた。
水揚げされたばかりで、目が僅かに差し込む日光でキラキラ光っていて、どれも見れば見るほどどこもかしこも美味しそうな魚ばかり。

悪魔だけれど形は猫と言う事もあってかシャティも舌舐めずりして見渡すマーケットの端で

ふと、今では見慣れた光景に出会った。

「…もったいない。」

この世界に来て、食事を作る様になってから知ったことがある。
それは

『この国の人はヌルヌルネバネバした食べ物が苦手なことが多い。』

ということ。
オクラなどはスープにいれなければ絶対に食べてくれないし
イカなんてイカリングにしないと見向きもしない。(それもオニオンリングと間違えて手を出してる可能性が大)
もずく、海藻類に至っては食べ物と認識してすらくれない。

…そんな中、特にショックを受けたのは

『ネロ、日本ではね"タコ"ってタコスの事じゃなくて、オクトパスの事を言うんだよ。』
『へー…、変なの。
 あんなのと一緒にされるとか、タコスのが可哀想だな。』
『そう?
 私はタコ、好きだから気にならないけ…ど?
 ……どうしたの?変な顔して。』
『お前…今なんて言った?』
『タコ、好きだよって。』

この国では私の好物のタコは食べ物として論外扱いにされていること。
なんでも足の先には毒があるだとかへんな話しがあるわ
デビルフィッシュとかもはや食べ物に付けるべきでない別名で呼ばれるわ

それはもう、随分な嫌われ者として君臨していて
加えて…好き嫌いが本当に少ないネロも例に漏れず、大のタコ嫌いだったりする。

どのくらい嫌いかと言うと
以前に今目の前で繰り広げられている様に大量に廃棄されている途中のタコをなんとかお願いして一杯だけ持ちかえり

『何やってるんだ?』
『タコの下ごしらえしてるの。』
『は?…タ、コ??』
『うん、タコ。
 おっきいの貰えたんだよ、みてみて!』

塩もみ途中だったタコを何気なく見せた瞬間。

『ネロ?
 え、…嘘!?
 ネロ!?ネロ!!!?』

立ったまま気絶してしまうくらい、嫌い。
私から言わせてもらえば、依頼先で見る悪魔と比べればタコなんて可愛いものでしょう?
でもネロから言わせてみれば、あれは食べるものじゃないし、悪魔だからいい。タコはそれとは別に生理的に無理。
なのだそうで…。

少し、納得いかないながらもあそこまで嫌われてしまっては我慢するしかない。

けれど…
好物が廃棄されているのを見過ごすのはとても心苦しく
思わず、今回も声をかけてしまうのだった。
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