こういうのがお好き?
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
目の前の光景に混乱しながら、とりあえず眼についたリモコンをすぐさま拾い上げた。
震える手でなんとか一生懸命電源を落とそうとボタンを押す。
のだけれど…
「やっ…いやぁ……!
な、なんで?なんで動かないの!?」
リモコンをひっくり返すとそこはふたが外れ、中身は空っぽ。
辺りを見渡すと乾電池が二本それぞれバラバラに散らばっていた。
「こんなときにぃ…!」
恥ずかしさに震える体を抑えつけ、乾電池に手を伸ばして手間取りながらも回収。
今度はやっとのことで回収した乾電池をソケットに入れようとした。
けど、焦る手先と混乱する頭ではそれすら難しく、もたつき、乾電池が上手くソケットにはまらない。
……そこで突然。
手元からリモコンと乾電池が消えた。
「え……?」
「へぇ…、逢夏は俺が出掛けてる間にこんなのを見る趣味があったのか。」
「ネ、ネロ!?」
使えるようになったリモコンを持ったネロが知らぬ間に丁度後ろ、ソファに座りこんでいた。
いつの間に帰ってきたのか、いいやそれより…どこからこの状況を見られていたのだろうか。
呆然としている私を横目にネロは青い目を細め、珍しく意地悪そうな笑みを浮かべて私とテレビを交互に見る。
「なぁ、逢夏ってこういうのアブノーマルなのが好みなの?」
「ち、ちがうよっ!」
「見てるのに違うって事はないだろ。」
「見てないの!
こんなの、見るわけないでしょ!?」
「じゃあ今のこの状況はなんだよ。」
相変わらず流れるとんでも映像をなんともない風でひとしきり眺めたネロは突然リモコンを放りだすと私を抱き上げた。
行く先はいつものネロの膝の上。
ただ今日は後ろからガッチリと腕を回され、画面としっかり向き合わされた。
「ちょっと、ネロ!?
やめっ…やめて!」
「なんで?
俺の事は気にしなくていいから、見てろよ。」
そっと耳元に沿わされる大きな手のひら。
それは優しく私の髪を撫でる様にみせて、画面から逸らせようとした顔をしっかりと固定してくる。
頭上ではくくくっと楽しそうで意地悪なネロの笑い声、目の前では画面の中の女性の嬌声。
もう、限界で…熱くなった眦から涙が零れた。
「ごめっ、んなさい。」
「え?
なに?聞こえないなぁ。」
「勝手に、見て…ごめんなさいっ。
ごめん、なさっ…もう、意地悪っ、…しない、で。
もう、許してっ…。
これからっ、は絶対にっ、ネロの…勝手に…見ない、からぁっ!」
「…は?」
謝った途端、TVの音が止んだ。
許してくれた、そう思ってゆるんだ拘束から逃れて、ようやく俯くことができた。
けど、その間にくるりと体が回されて、鼻先が触れ合うくらいの距離までネロの顔が迫ってくる。
「誰のって?」
「だれ…っ?」
「このAV、誰のだって言った?」
「だ、から…ネロのって…。」
「違う、俺のじゃない。
大体こんなアブノーマルな趣味、俺にはないね。」
本気の形相で否定を始めるネロ。
でも…そんな、違うと言われても…。
最初は悪魔に関する資料だったんだよ?
だから見てたのに、急にあんな映像になって…混乱して…そこにネロが帰ってきて…。
「ネロのじゃなかったら、誰のなの?
シャティのって言う気?」
「そういうわけじゃないけど…。
でもこれは本当に俺のじゃないんだって。」
「本当?…絶対に?」
「本当。絶対に。」
涙で歪む視界でしっかりとネロを見つめると
そっと指先で溜まっていた涙をぬぐったネロが真剣な声で返してきた。
絶対だって、その表情が言っていた。
だから
「……分かった。
でも、私のでもないからね?」
問い詰めるのを止めた。
なんだか、そもそも私達だけでは解決できない話だという気がしたから。
それでも念押しして、私のものではないと主張するとクスリとネロが微笑む。
「分かってるよ、んなこと。
ただ、ちょっとだけからかうつもりだったんだ。
……泣かせてごめんな?」
あやすのように私の背を叩きながら抱きしめてくるネロに思わず抱きつく。
何も解決していないけれど、今はこれだけでいいような…そんな気がした。
結局その後、ネロの調査により、あのDVDはダンテが紛れ込ませたものという事が判明した。
道理で私達だけでは解決しない気がしたわけだった。
因みに今回の騒動の原因となったDVDはもちろん即刻処分。
またDVDを紛れ込ませたダンテにはネロに加えてトリッシュやレディによって相当にきつい灸を据えられたとネロから聞いた。
そうして全てが解決した日は非常に心が晴れ晴れとし、それはもう素晴らしい一日となった。
とある疑問を抱くまでは…であるが。
…そしてこれからがその後の話である。
震える手でなんとか一生懸命電源を落とそうとボタンを押す。
のだけれど…
「やっ…いやぁ……!
な、なんで?なんで動かないの!?」
リモコンをひっくり返すとそこはふたが外れ、中身は空っぽ。
辺りを見渡すと乾電池が二本それぞれバラバラに散らばっていた。
「こんなときにぃ…!」
恥ずかしさに震える体を抑えつけ、乾電池に手を伸ばして手間取りながらも回収。
今度はやっとのことで回収した乾電池をソケットに入れようとした。
けど、焦る手先と混乱する頭ではそれすら難しく、もたつき、乾電池が上手くソケットにはまらない。
……そこで突然。
手元からリモコンと乾電池が消えた。
「え……?」
「へぇ…、逢夏は俺が出掛けてる間にこんなのを見る趣味があったのか。」
「ネ、ネロ!?」
使えるようになったリモコンを持ったネロが知らぬ間に丁度後ろ、ソファに座りこんでいた。
いつの間に帰ってきたのか、いいやそれより…どこからこの状況を見られていたのだろうか。
呆然としている私を横目にネロは青い目を細め、珍しく意地悪そうな笑みを浮かべて私とテレビを交互に見る。
「なぁ、逢夏ってこういうのアブノーマルなのが好みなの?」
「ち、ちがうよっ!」
「見てるのに違うって事はないだろ。」
「見てないの!
こんなの、見るわけないでしょ!?」
「じゃあ今のこの状況はなんだよ。」
相変わらず流れるとんでも映像をなんともない風でひとしきり眺めたネロは突然リモコンを放りだすと私を抱き上げた。
行く先はいつものネロの膝の上。
ただ今日は後ろからガッチリと腕を回され、画面としっかり向き合わされた。
「ちょっと、ネロ!?
やめっ…やめて!」
「なんで?
俺の事は気にしなくていいから、見てろよ。」
そっと耳元に沿わされる大きな手のひら。
それは優しく私の髪を撫でる様にみせて、画面から逸らせようとした顔をしっかりと固定してくる。
頭上ではくくくっと楽しそうで意地悪なネロの笑い声、目の前では画面の中の女性の嬌声。
もう、限界で…熱くなった眦から涙が零れた。
「ごめっ、んなさい。」
「え?
なに?聞こえないなぁ。」
「勝手に、見て…ごめんなさいっ。
ごめん、なさっ…もう、意地悪っ、…しない、で。
もう、許してっ…。
これからっ、は絶対にっ、ネロの…勝手に…見ない、からぁっ!」
「…は?」
謝った途端、TVの音が止んだ。
許してくれた、そう思ってゆるんだ拘束から逃れて、ようやく俯くことができた。
けど、その間にくるりと体が回されて、鼻先が触れ合うくらいの距離までネロの顔が迫ってくる。
「誰のって?」
「だれ…っ?」
「このAV、誰のだって言った?」
「だ、から…ネロのって…。」
「違う、俺のじゃない。
大体こんなアブノーマルな趣味、俺にはないね。」
本気の形相で否定を始めるネロ。
でも…そんな、違うと言われても…。
最初は悪魔に関する資料だったんだよ?
だから見てたのに、急にあんな映像になって…混乱して…そこにネロが帰ってきて…。
「ネロのじゃなかったら、誰のなの?
シャティのって言う気?」
「そういうわけじゃないけど…。
でもこれは本当に俺のじゃないんだって。」
「本当?…絶対に?」
「本当。絶対に。」
涙で歪む視界でしっかりとネロを見つめると
そっと指先で溜まっていた涙をぬぐったネロが真剣な声で返してきた。
絶対だって、その表情が言っていた。
だから
「……分かった。
でも、私のでもないからね?」
問い詰めるのを止めた。
なんだか、そもそも私達だけでは解決できない話だという気がしたから。
それでも念押しして、私のものではないと主張するとクスリとネロが微笑む。
「分かってるよ、んなこと。
ただ、ちょっとだけからかうつもりだったんだ。
……泣かせてごめんな?」
あやすのように私の背を叩きながら抱きしめてくるネロに思わず抱きつく。
何も解決していないけれど、今はこれだけでいいような…そんな気がした。
結局その後、ネロの調査により、あのDVDはダンテが紛れ込ませたものという事が判明した。
道理で私達だけでは解決しない気がしたわけだった。
因みに今回の騒動の原因となったDVDはもちろん即刻処分。
またDVDを紛れ込ませたダンテにはネロに加えてトリッシュやレディによって相当にきつい灸を据えられたとネロから聞いた。
そうして全てが解決した日は非常に心が晴れ晴れとし、それはもう素晴らしい一日となった。
とある疑問を抱くまでは…であるが。
…そしてこれからがその後の話である。