Tea party beyond the world
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また、二人は互いの年齢を確認し合えば、紫乃は二十三歳、ディーヴァは十六歳であった。
「ディーヴァちゃん十六歳ってことは、高校二年生……アメリカだからソフモアね」
「そうなの。でも、紫乃さんが二十三歳だなんて……もう少し若いかと思っちゃった」
「あはは、アメリカにいるとよく言われるわ。日本人だし実年齢よりも低く見られるの」
「え、そうなの? 実はあたしの母方の祖母も日本人だったの」
意外な共通点が見つかったことで、二人の間に何かが芽生えた瞬間だった。
「ディーヴァちゃんの髪、凄く綺麗ね。ペールグリーン……よりも薄い……」
「エメラルドティントっていう色なの」
「へえ。何だかダンテの銀髪にエメラルドが加わったみたいな色」
紫乃は何の気なしに素直な感想を述べたのだが、そこでディーヴァの表情に変化があった。
今まで柔らかな笑みを浮かべていたが、紫乃がダンテの名を出すと意表をつかれたような、目をぱちくりとさせて紫乃を見つめる。
「ダンテのこと、知っているの?」
今度は紫乃が目を瞬かせる番になった。
どうやらディーヴァもダンテのことを知っているらしい。
「えっと……まず、ここは『Devil May Cry』よね?」
「ええ」
「ダンテっていうのは、ここの店主で……」
「はい」
「半分人間で」
「半分悪魔」
淀みなく応答するディーヴァに、紫乃はしばらくの間言葉を失った。
この建物は『Devil May Cry』であることに間違いはないようだ。
自分が見慣れた事務所の構造や雰囲気はどことなく似通っているし、ジュークボックスや大きな事務机もある。
しかし、『Devil May Cry』の支店が存在するなんて聞いたことがない。
窓の外の景色はスラム街で、人間どころか猫の子一匹いない。
そんなすさんだ場所に建ち、店内の構造や雰囲気からしても、ここは確かに『Devil May Cry』で間違いない。
『ダンテ』という人物についても二人の認識は共通していた。
半分人間で、半分悪魔。
赤いコートを羽織り、背には長い大剣を携え、白と黒の二丁拳銃を相棒だと言う銀髪の男。
ただ、二人の認識には決定的な違いがあった。
それは、ダンテの年齢についてだ。
「私の知るダンテは三十代後半なの。不精髭を生やして、結構がっしりとした体格で、悪戯好き」
「あたしの知るダンテはまだ二十歳手前で、ズボラで、背は高いけどがっしりはしていないわ」
「……どういうことなの?」
「……どういうことかしら?」
二人同時に首を傾げる。
ここは確かに『Devil May Cry』で、店主はダンテである。
だが、店内をよく観察してみれば紫乃の見慣れた店内とは違っている。
それに、ダンテの年齢に差がありすぎる。
ディーヴァが嘘をついているとは思えない。
紫乃は今までの出来事の整理も兼ねてディーヴァに説明することにした。
「事務所のキッチンで不思議な力を放つ羽根を拾ったの。そうしたら私の能力が発動しちゃって……」
「能力?」
ディーヴァが訊き返すと、紫乃は自分の能力について話した。
自分もダンテのような半魔で、魔力を用いて『ゲート』を通じて別の場所へ移動することが可能なのだ、と。
「それでその『ゲート』が出てしまって、気付いたらここのキッチンにいたの」
「そうだったんだ……」
「これがその羽根よ」
紫乃は手の中に包み込むようにして持っている羽根をディーヴァに差し出した。
白い羽根から魔力と清浄な力を感じることに、ディーヴァは驚きを隠せなかった。
「何だか天使の羽根みたい……」
「え?」
「あたし、天使の血筋なの。その羽根から感じる力が天使のもの……でも、魔力もあるみたい」
紫乃はディーヴァが天使だという告白に驚きつつも納得していた。
この世に悪魔がいて魔界があるのだ。
天使がいても不思議ではない。
「ディーヴァちゃん十六歳ってことは、高校二年生……アメリカだからソフモアね」
「そうなの。でも、紫乃さんが二十三歳だなんて……もう少し若いかと思っちゃった」
「あはは、アメリカにいるとよく言われるわ。日本人だし実年齢よりも低く見られるの」
「え、そうなの? 実はあたしの母方の祖母も日本人だったの」
意外な共通点が見つかったことで、二人の間に何かが芽生えた瞬間だった。
「ディーヴァちゃんの髪、凄く綺麗ね。ペールグリーン……よりも薄い……」
「エメラルドティントっていう色なの」
「へえ。何だかダンテの銀髪にエメラルドが加わったみたいな色」
紫乃は何の気なしに素直な感想を述べたのだが、そこでディーヴァの表情に変化があった。
今まで柔らかな笑みを浮かべていたが、紫乃がダンテの名を出すと意表をつかれたような、目をぱちくりとさせて紫乃を見つめる。
「ダンテのこと、知っているの?」
今度は紫乃が目を瞬かせる番になった。
どうやらディーヴァもダンテのことを知っているらしい。
「えっと……まず、ここは『Devil May Cry』よね?」
「ええ」
「ダンテっていうのは、ここの店主で……」
「はい」
「半分人間で」
「半分悪魔」
淀みなく応答するディーヴァに、紫乃はしばらくの間言葉を失った。
この建物は『Devil May Cry』であることに間違いはないようだ。
自分が見慣れた事務所の構造や雰囲気はどことなく似通っているし、ジュークボックスや大きな事務机もある。
しかし、『Devil May Cry』の支店が存在するなんて聞いたことがない。
窓の外の景色はスラム街で、人間どころか猫の子一匹いない。
そんなすさんだ場所に建ち、店内の構造や雰囲気からしても、ここは確かに『Devil May Cry』で間違いない。
『ダンテ』という人物についても二人の認識は共通していた。
半分人間で、半分悪魔。
赤いコートを羽織り、背には長い大剣を携え、白と黒の二丁拳銃を相棒だと言う銀髪の男。
ただ、二人の認識には決定的な違いがあった。
それは、ダンテの年齢についてだ。
「私の知るダンテは三十代後半なの。不精髭を生やして、結構がっしりとした体格で、悪戯好き」
「あたしの知るダンテはまだ二十歳手前で、ズボラで、背は高いけどがっしりはしていないわ」
「……どういうことなの?」
「……どういうことかしら?」
二人同時に首を傾げる。
ここは確かに『Devil May Cry』で、店主はダンテである。
だが、店内をよく観察してみれば紫乃の見慣れた店内とは違っている。
それに、ダンテの年齢に差がありすぎる。
ディーヴァが嘘をついているとは思えない。
紫乃は今までの出来事の整理も兼ねてディーヴァに説明することにした。
「事務所のキッチンで不思議な力を放つ羽根を拾ったの。そうしたら私の能力が発動しちゃって……」
「能力?」
ディーヴァが訊き返すと、紫乃は自分の能力について話した。
自分もダンテのような半魔で、魔力を用いて『ゲート』を通じて別の場所へ移動することが可能なのだ、と。
「それでその『ゲート』が出てしまって、気付いたらここのキッチンにいたの」
「そうだったんだ……」
「これがその羽根よ」
紫乃は手の中に包み込むようにして持っている羽根をディーヴァに差し出した。
白い羽根から魔力と清浄な力を感じることに、ディーヴァは驚きを隠せなかった。
「何だか天使の羽根みたい……」
「え?」
「あたし、天使の血筋なの。その羽根から感じる力が天使のもの……でも、魔力もあるみたい」
紫乃はディーヴァが天使だという告白に驚きつつも納得していた。
この世に悪魔がいて魔界があるのだ。
天使がいても不思議ではない。