家事だって大変なんです
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「なーディーヴァー、デートしようぜ、デート」
「今ご飯の後片付けしてるでしょ、それにこの後は事務所の掃除があるからだーめ。どうしてもって言うなら、午後からね」
「えー…」
「えー、じゃないの。ダンテは暇かもしれないけれど、あたしは家事で忙しいんだからね」
カチャカチャと皿を洗いながらディーヴァは言う。
今朝、朝食を食べ終わった後に突然ダンテがデートをしようと言い出した。まあ、ダンテの唐突な行動なんていつものことだし、デートに誘ってくれるのはとても嬉しいことだ。
だが。
「最近、依頼もないし、デートって称して出かけてばっかりでしょ。お金使ってばっかりだと、すぐなくなっちゃうよ?」
「ないのはしょうがないだろー?」
「だからって毎日毎日出かける!?大体、ダンテが選り好みしなきゃ、もう少しお金が入ってます!」
ソファに寝そべりながら間伸びした声で言うダンテに、ディーヴァは次第に苛つき始める。
「最近仕事が忙しくてちゃんと掃除できてないんだから、この機会にしっかりやっておかなくちゃ。日用品だって足りない物があるかもしれないし…ああ、もう何か考えるの疲れる…」
(あー…だいぶ疲れ溜まってるな…)
ため息をつくディーヴァの様子に、さすがにこれ以上出かけようとは言えず、ダンテはどうしようかと考える。
ふいに、ダンテはある一つの案を思いついた。
「なぁ、ディーヴァ」
「何?」
億劫そうにディーヴァが振り返ると、ダンテがこちらを見てニヤニヤと笑っている。
(あ、何か嫌な予感がする…)
ディーヴァがそう思うと同時にダンテが口を開いた。
「あのさ…」
***
「ダンテが家事?」
「そ。最近バイト始めたし、合間に家事やるのも大変だろ?それに、お前疲れてるみたいだし」
ソファに座らされたディーヴァは、ダンテの提案にうーん、と唸る。
「確かにちょっぴり疲れてるから、その申し出はありがたいけど…ダンテ、家事できるの?」
「おう!毎日、ディーヴァのやってるところ見てるからな!」
「うーん、何だか心配だなあ…」
見てるだけでやれると言い切られると、とても不安だ。けれど、疲れているのも確かで、やってくれるというのは正直ありがたい。
「そこまで言うなら、今日だけお願いしようかな。よろしくね、ダンテ」
「おう、任せとけ!」
腕まくりをして意気込むダンテに、ディーヴァは一言付け加える。
「あ、料理だけはやらなくていいからね。前にダンテが作った料理酷かったから」
「うっ…わかった」
こうして、ダンテの一日限定主夫が始まったのである。
「まずは掃除か。えーっと、掃除道具は…」
まずは掃除から始めることにしたダンテだが、掃除用具のある場所がわからず、辺りをキョロキョロと見回す。見かねたディーヴァが掃除用具のある場所を教え、やっとのことでダンテは掃除を始めた。
まずは手始めにとほうきで床を掃き始めたダンテだが、始めて早々、すぐにディーヴァに注意された。
「ダンテ、ストップ!掃除するなら、下から上じゃなくて、上から下に掃除してよ」
「え、そうなのか?」
「そうだよ、じゃないと、せっかく床をきれいにしたのに、棚の埃とか落ちて汚れちゃうでしょ?」
「ああ、なるほど…」
頷くダンテに、ディーヴァは水の入ったバケツと雑巾を用意し、手渡す。
「はい、まずは雑巾で棚とか拭いてね!床を掃くのはそれから!」
「おう、わかった」
「せっかくだから、天井のシーリングファンの掃除も頼もうかな。あそこ、掃除大変なんだー。ダンテなら背高いし、楽に手届きそうだし」
「任せとけ!」
意気込み、ダンテは雑巾を手に掃除を再開する。ディーヴァは何かあっても大丈夫なように傍で様子を見ることに決め、お茶を用意するふりをしてキッチンに向かった。
「ディーヴァ、終わったぞ!」
「あ、お疲れー。ちょっと休憩したら?ちょうどお茶淹れるところだから」
「ああ」
頷き、一旦掃除用具を片付けに姿を消したダンテはすぐに戻ってきてキッチンに入る。キッチンの近くにある椅子に座ると、ディーヴァが淹れたての紅茶をテーブルの上に置いた。
「はい、どうぞ」
「サンキュー」
お礼を言うと、ダンテはティーカップを持ち上げる。ゆらりと揺れる琥珀色の紅茶から自分の好物の匂いがふわりと立ち上り、お、とダンテが声を上げる。
「イチゴの匂いがするな、これ」
「あ、気づいた?これ、苺の紅茶なんだ。ダンテがんばってくれてるから、ちょっとしたお礼」
「ディーヴァ…」
そう言ってにこっと笑うディーヴァに、感極まったダンテは彼女を抱きしめる。
「これくらいお安い御用だ!ディーヴァのためなら何でもやるぜ!」
「ふふ、ありがとダンテ」
子供を褒めるようにディーヴァがダンテの頭を撫でてやると、ダンテは顔を上げて問う。
「なあ、他にやることあるか?」
「うーん、そうだなあ…洗濯、とかかな」
「洗濯な、わかった!」
「でもダンテ、どの洗剤使ってるかとかわからないでしょ?まずはそれを教えてからね」
「おう!」
大きく頷くダンテに苦笑しながら、ディーヴァはティーカップに口をつけた。
「今ご飯の後片付けしてるでしょ、それにこの後は事務所の掃除があるからだーめ。どうしてもって言うなら、午後からね」
「えー…」
「えー、じゃないの。ダンテは暇かもしれないけれど、あたしは家事で忙しいんだからね」
カチャカチャと皿を洗いながらディーヴァは言う。
今朝、朝食を食べ終わった後に突然ダンテがデートをしようと言い出した。まあ、ダンテの唐突な行動なんていつものことだし、デートに誘ってくれるのはとても嬉しいことだ。
だが。
「最近、依頼もないし、デートって称して出かけてばっかりでしょ。お金使ってばっかりだと、すぐなくなっちゃうよ?」
「ないのはしょうがないだろー?」
「だからって毎日毎日出かける!?大体、ダンテが選り好みしなきゃ、もう少しお金が入ってます!」
ソファに寝そべりながら間伸びした声で言うダンテに、ディーヴァは次第に苛つき始める。
「最近仕事が忙しくてちゃんと掃除できてないんだから、この機会にしっかりやっておかなくちゃ。日用品だって足りない物があるかもしれないし…ああ、もう何か考えるの疲れる…」
(あー…だいぶ疲れ溜まってるな…)
ため息をつくディーヴァの様子に、さすがにこれ以上出かけようとは言えず、ダンテはどうしようかと考える。
ふいに、ダンテはある一つの案を思いついた。
「なぁ、ディーヴァ」
「何?」
億劫そうにディーヴァが振り返ると、ダンテがこちらを見てニヤニヤと笑っている。
(あ、何か嫌な予感がする…)
ディーヴァがそう思うと同時にダンテが口を開いた。
「あのさ…」
***
「ダンテが家事?」
「そ。最近バイト始めたし、合間に家事やるのも大変だろ?それに、お前疲れてるみたいだし」
ソファに座らされたディーヴァは、ダンテの提案にうーん、と唸る。
「確かにちょっぴり疲れてるから、その申し出はありがたいけど…ダンテ、家事できるの?」
「おう!毎日、ディーヴァのやってるところ見てるからな!」
「うーん、何だか心配だなあ…」
見てるだけでやれると言い切られると、とても不安だ。けれど、疲れているのも確かで、やってくれるというのは正直ありがたい。
「そこまで言うなら、今日だけお願いしようかな。よろしくね、ダンテ」
「おう、任せとけ!」
腕まくりをして意気込むダンテに、ディーヴァは一言付け加える。
「あ、料理だけはやらなくていいからね。前にダンテが作った料理酷かったから」
「うっ…わかった」
こうして、ダンテの一日限定主夫が始まったのである。
「まずは掃除か。えーっと、掃除道具は…」
まずは掃除から始めることにしたダンテだが、掃除用具のある場所がわからず、辺りをキョロキョロと見回す。見かねたディーヴァが掃除用具のある場所を教え、やっとのことでダンテは掃除を始めた。
まずは手始めにとほうきで床を掃き始めたダンテだが、始めて早々、すぐにディーヴァに注意された。
「ダンテ、ストップ!掃除するなら、下から上じゃなくて、上から下に掃除してよ」
「え、そうなのか?」
「そうだよ、じゃないと、せっかく床をきれいにしたのに、棚の埃とか落ちて汚れちゃうでしょ?」
「ああ、なるほど…」
頷くダンテに、ディーヴァは水の入ったバケツと雑巾を用意し、手渡す。
「はい、まずは雑巾で棚とか拭いてね!床を掃くのはそれから!」
「おう、わかった」
「せっかくだから、天井のシーリングファンの掃除も頼もうかな。あそこ、掃除大変なんだー。ダンテなら背高いし、楽に手届きそうだし」
「任せとけ!」
意気込み、ダンテは雑巾を手に掃除を再開する。ディーヴァは何かあっても大丈夫なように傍で様子を見ることに決め、お茶を用意するふりをしてキッチンに向かった。
「ディーヴァ、終わったぞ!」
「あ、お疲れー。ちょっと休憩したら?ちょうどお茶淹れるところだから」
「ああ」
頷き、一旦掃除用具を片付けに姿を消したダンテはすぐに戻ってきてキッチンに入る。キッチンの近くにある椅子に座ると、ディーヴァが淹れたての紅茶をテーブルの上に置いた。
「はい、どうぞ」
「サンキュー」
お礼を言うと、ダンテはティーカップを持ち上げる。ゆらりと揺れる琥珀色の紅茶から自分の好物の匂いがふわりと立ち上り、お、とダンテが声を上げる。
「イチゴの匂いがするな、これ」
「あ、気づいた?これ、苺の紅茶なんだ。ダンテがんばってくれてるから、ちょっとしたお礼」
「ディーヴァ…」
そう言ってにこっと笑うディーヴァに、感極まったダンテは彼女を抱きしめる。
「これくらいお安い御用だ!ディーヴァのためなら何でもやるぜ!」
「ふふ、ありがとダンテ」
子供を褒めるようにディーヴァがダンテの頭を撫でてやると、ダンテは顔を上げて問う。
「なあ、他にやることあるか?」
「うーん、そうだなあ…洗濯、とかかな」
「洗濯な、わかった!」
「でもダンテ、どの洗剤使ってるかとかわからないでしょ?まずはそれを教えてからね」
「おう!」
大きく頷くダンテに苦笑しながら、ディーヴァはティーカップに口をつけた。