mission 12:pirates of the D-M-C ~船長はダンテ~
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「アラストルの言う通り、一度沸かす方がいいだろ」
ディーヴァの元へ戻ったダンテは、聖杯に似たゴブレットに湧水を汲んでくると、イフリートの炎で温かいお湯に沸かしてくれた。
持ってきていたお宝がまさかのマグカップがわりだ。
長い期間汚い場所にあっただけあり衛生的にあまり良くなかったが、水でよく洗いアラストルの電流を流す事で頑固な汚れの吸着を防いだ。
トロナ鉱石もないしアルカリ電解水というわけではないのだが、なぜかアラストルの電流が効いた。魔剣パワー、おそるべし。
イフリートの炎を上手く調節し当てていけば、大きく湯気が立ち昇る白湯の完成だ。
火傷するほど熱くなった周りをダンテに借りたコートの端で覆うと、手のひら全体で持ち上げる。
じんわりと伝わるあたたかさが強張った身体に染みる。回し飲みでお互い口にすれば、内側からぽかぽか暖かくなっていった。
「ディーヴァが淹れる紅茶のがいい」
ダンテが嬉しい事言ってくれている。
だがその顔は渋く、お湯に対しての文句を語っていたに過ぎない。
味がないから嫌だという気持ち、わからないでもない。ディーヴァはとっておきの(というわけではないが)、ギャグを言ってダンテの注意を逸らした。
「体にはいいみたいだけど、結局お湯だし味気ないもんね。でも純粋に純水だから、これはこれで不味くないと思う」
「純粋に純水……ここにきてギャグかよ。また寒くなるからやめろよ」
「えへへー」
残念、ダンテの周りにブリザード吹き荒らしてしまった。
「やれやれ、あったかい紅茶が飲めるのはいつになるやら。
ブランデーかラム酒をひと垂らししたいつものロシアンティーが飲みたいぜ」
『あらやだ贅沢ですわねマスター』
「ハッハー!御貴族様だからな」
「ダンテ、嘘言わないで。
うちはお酒入り紅茶なんて、いつも飲んでないでしょ」
ロシアンティー。夜寝る前のナイトティーとしては非常に有効な紅茶だが、ダンテはそんなものこれまで数回しか飲んでいないはず。
少なくとも、お茶はディーヴァが淹れる事が多いのだから、夜に飲んでいるのはほとんどがハーブティーか、ミルクティーの類だ。
「飲んでないけどお前は貴族だろ?」
「ぜんぜん貴族じゃないよ……」
ふうふう、手元に回ってきたお湯を吐息で冷まし一口。
小さな会社の社長一家。一般家庭に毛が生えた程度の裕福さだった我が家のどこが貴族だというのか。
ダンテが1人で過ごした少年時代を思えば、そりゃあ少しリッチだったかもしれないけれど。
「でも、美味しいショートブレッドと、贅沢にたっぷりミルク入れたクリームティーをセットにして飲みたいよね。
お行儀悪くベッドで飲んで、そのままお昼寝しちゃうの。たまにはそういうのもいいと思わない?」
「優等生非行に走る、か。いいねぇそういう贅沢最高」
帰ったらバターをたっぷり使ってショートブレッドを焼こう。クリームティーと一緒にお盆に乗せてベッドに運ぶの。
だらしないけどベッドルームで食べ散らかして……ダンテと隣、笑いあって寝る。
ああ、なんて幸せなんだろう。
そういうささやかな事こそ、幸せってものなんだと思う。
それを現実にしたい。はやく帰りたいなぁ。
「ふぁ……、あ、ごめん」
焚き火がわりにしたイフリートの炎が、目の前でパチパチと弾ける。
温かいお湯を摂取したこともあって、体はぽかぽか。思い浮かべた幸せで心もほかほか。あくびが漏れる。
「少し休め」
もともと隙間ないほどダンテにくっついていたが、頭におかれたあたたかい手でぐいと引き寄せられる。
ダンテの胸を枕に休む時間の、なんと心地よい事か。
とくん、とくんとダンテの。大好きな人の鼓動が聞こえてきて、安心する。
あったかい。目がとろとろとまどろみを帯びる。
メレンゲ生地が泡立て器からリボン状に落ちていくように、ゆったりと眠りの淵に落っこちていってしまいそうだ。
意識に合わせ、時間も声までもゆっくりになっていく。
「少なくともダンテよりは休んでるんだけどなー。ん……、ダンテもやすもー?」
おぼろげに見えてきたダンテの空いた手に指を絡ませ、頬にすりすり。
眠気であたたかいはずの自分の体温よりも、ダンテの手はいつだってあたたかい。
暖をとって幸せを堪能していると、ダンテもこちらに寄りかかってきた。
「そうだな、オレも少しだけ休むよ。
アラストル、時間は数えられるか?」
『時計ないからわからないけど、大体でよかったら数えられる、かも』
「じゃあ10分程度たったら起こせ」
『10分でいいの?』
「あまり休んでるとそのままケツに根っこ生えちまうだろ」
ダンテがアラストルにモーニングコールを頼んでいるのがどこか遠いところで聞こえる。
最後に「おやすみ」と名前を呼ぶダンテの声が、耳元で小さなリップノイズと共に聞こえた気がして。
『ぴぴぴ、ぴぴぴ、コケコッコー!』
と、何やらけたたましい鳴き声のようなものが、どこかから聞こえていた。
大海原のど真ん中でニワトリの鳴き声。いったいどこから?空からかな。
『あ、これじゃ起きないやつだわ』
次いで聞こえたこの声。
ありゃー?どこかで聞いたことある声だけど、ダンテじゃない。
ダンテならほら、そこで海賊の格好をしている。なかなか似合っていてサマになっているけれど、あたしはもっと似合う人を知ってる。
って、起きる??んん?
「うおぁぁ゛!?」
隣が騒がしくて覚醒した。
目はまだしょぼしょぼしていて開けたくない。ううん、開けられないけども、耳はしっかりとダンテの声を拾っている。
「お前なぁ……なんつぅ起こし方だよ。オレだけだからいいけどディーヴァにまでとばっちり行ったらどうすんだバカ」
『そこはピンポイントで当てられるようによ〜く気をつけてる。
それより頭静電気すごい』
「誰のせいだよ。ったく、能力の無駄遣いだぜ」
アラストルがダンテを起こすのに、ビリビリ電気ショックでも味わせたらしい。
静電気で髪の持ち上がったダンテは見てみたい気もするが、よく考えたら寝癖のすごいダンテを年中見ている。眠いしいいや。
「ディーヴァ、時間だ」
しかしぺちぺちと頬を叩かれ、起きざるを得なくなった。
ダンテのコートを握る手にも力が入る。今はこれが毛布がわりだ。
「むー。あともうちょっとぉ……」
「ここで服脱がすぞ」
「起きます」
目を開けると赤いコートに身を包むダンテ。額にバンダナ巻いてアクセじゃらじゃら、ゆらゆら歩きのダンテはどこにもいない。
「あー、やっぱりさっきのは夢だった。ダンテあの格好結構似合ってたのになぁ」
「あの格好?」
「ううん、夢の話……ふぁあぁ」
「女子にあるまじきでかいあくびだな。顎が外れそうだ」
「まぶたとまぶたがね、まだ仲良くしたがってるんだもの」
目をこすり首を回して脳と体を本格的に覚醒させる。
ぽき、首が鳴って気持ちいい。
「はいはい。上まぶたがオレで下まぶたはディーヴァなんだろ。わかってるけど、仲良くするなら帰ってからな」
地べたに置いておいた武器類を手にとり、出発の準備。
「舌噛むからそのでかい口閉じとけ、突っ込むぞ」
「口おっきくないもん!突っ込むって何!?」
「さあーなんだろな……っと!」
言われた通り口を閉じた瞬間抱えられ、ダンテは跳び上がった。
ディーヴァの元へ戻ったダンテは、聖杯に似たゴブレットに湧水を汲んでくると、イフリートの炎で温かいお湯に沸かしてくれた。
持ってきていたお宝がまさかのマグカップがわりだ。
長い期間汚い場所にあっただけあり衛生的にあまり良くなかったが、水でよく洗いアラストルの電流を流す事で頑固な汚れの吸着を防いだ。
トロナ鉱石もないしアルカリ電解水というわけではないのだが、なぜかアラストルの電流が効いた。魔剣パワー、おそるべし。
イフリートの炎を上手く調節し当てていけば、大きく湯気が立ち昇る白湯の完成だ。
火傷するほど熱くなった周りをダンテに借りたコートの端で覆うと、手のひら全体で持ち上げる。
じんわりと伝わるあたたかさが強張った身体に染みる。回し飲みでお互い口にすれば、内側からぽかぽか暖かくなっていった。
「ディーヴァが淹れる紅茶のがいい」
ダンテが嬉しい事言ってくれている。
だがその顔は渋く、お湯に対しての文句を語っていたに過ぎない。
味がないから嫌だという気持ち、わからないでもない。ディーヴァはとっておきの(というわけではないが)、ギャグを言ってダンテの注意を逸らした。
「体にはいいみたいだけど、結局お湯だし味気ないもんね。でも純粋に純水だから、これはこれで不味くないと思う」
「純粋に純水……ここにきてギャグかよ。また寒くなるからやめろよ」
「えへへー」
残念、ダンテの周りにブリザード吹き荒らしてしまった。
「やれやれ、あったかい紅茶が飲めるのはいつになるやら。
ブランデーかラム酒をひと垂らししたいつものロシアンティーが飲みたいぜ」
『あらやだ贅沢ですわねマスター』
「ハッハー!御貴族様だからな」
「ダンテ、嘘言わないで。
うちはお酒入り紅茶なんて、いつも飲んでないでしょ」
ロシアンティー。夜寝る前のナイトティーとしては非常に有効な紅茶だが、ダンテはそんなものこれまで数回しか飲んでいないはず。
少なくとも、お茶はディーヴァが淹れる事が多いのだから、夜に飲んでいるのはほとんどがハーブティーか、ミルクティーの類だ。
「飲んでないけどお前は貴族だろ?」
「ぜんぜん貴族じゃないよ……」
ふうふう、手元に回ってきたお湯を吐息で冷まし一口。
小さな会社の社長一家。一般家庭に毛が生えた程度の裕福さだった我が家のどこが貴族だというのか。
ダンテが1人で過ごした少年時代を思えば、そりゃあ少しリッチだったかもしれないけれど。
「でも、美味しいショートブレッドと、贅沢にたっぷりミルク入れたクリームティーをセットにして飲みたいよね。
お行儀悪くベッドで飲んで、そのままお昼寝しちゃうの。たまにはそういうのもいいと思わない?」
「優等生非行に走る、か。いいねぇそういう贅沢最高」
帰ったらバターをたっぷり使ってショートブレッドを焼こう。クリームティーと一緒にお盆に乗せてベッドに運ぶの。
だらしないけどベッドルームで食べ散らかして……ダンテと隣、笑いあって寝る。
ああ、なんて幸せなんだろう。
そういうささやかな事こそ、幸せってものなんだと思う。
それを現実にしたい。はやく帰りたいなぁ。
「ふぁ……、あ、ごめん」
焚き火がわりにしたイフリートの炎が、目の前でパチパチと弾ける。
温かいお湯を摂取したこともあって、体はぽかぽか。思い浮かべた幸せで心もほかほか。あくびが漏れる。
「少し休め」
もともと隙間ないほどダンテにくっついていたが、頭におかれたあたたかい手でぐいと引き寄せられる。
ダンテの胸を枕に休む時間の、なんと心地よい事か。
とくん、とくんとダンテの。大好きな人の鼓動が聞こえてきて、安心する。
あったかい。目がとろとろとまどろみを帯びる。
メレンゲ生地が泡立て器からリボン状に落ちていくように、ゆったりと眠りの淵に落っこちていってしまいそうだ。
意識に合わせ、時間も声までもゆっくりになっていく。
「少なくともダンテよりは休んでるんだけどなー。ん……、ダンテもやすもー?」
おぼろげに見えてきたダンテの空いた手に指を絡ませ、頬にすりすり。
眠気であたたかいはずの自分の体温よりも、ダンテの手はいつだってあたたかい。
暖をとって幸せを堪能していると、ダンテもこちらに寄りかかってきた。
「そうだな、オレも少しだけ休むよ。
アラストル、時間は数えられるか?」
『時計ないからわからないけど、大体でよかったら数えられる、かも』
「じゃあ10分程度たったら起こせ」
『10分でいいの?』
「あまり休んでるとそのままケツに根っこ生えちまうだろ」
ダンテがアラストルにモーニングコールを頼んでいるのがどこか遠いところで聞こえる。
最後に「おやすみ」と名前を呼ぶダンテの声が、耳元で小さなリップノイズと共に聞こえた気がして。
『ぴぴぴ、ぴぴぴ、コケコッコー!』
と、何やらけたたましい鳴き声のようなものが、どこかから聞こえていた。
大海原のど真ん中でニワトリの鳴き声。いったいどこから?空からかな。
『あ、これじゃ起きないやつだわ』
次いで聞こえたこの声。
ありゃー?どこかで聞いたことある声だけど、ダンテじゃない。
ダンテならほら、そこで海賊の格好をしている。なかなか似合っていてサマになっているけれど、あたしはもっと似合う人を知ってる。
って、起きる??んん?
「うおぁぁ゛!?」
隣が騒がしくて覚醒した。
目はまだしょぼしょぼしていて開けたくない。ううん、開けられないけども、耳はしっかりとダンテの声を拾っている。
「お前なぁ……なんつぅ起こし方だよ。オレだけだからいいけどディーヴァにまでとばっちり行ったらどうすんだバカ」
『そこはピンポイントで当てられるようによ〜く気をつけてる。
それより頭静電気すごい』
「誰のせいだよ。ったく、能力の無駄遣いだぜ」
アラストルがダンテを起こすのに、ビリビリ電気ショックでも味わせたらしい。
静電気で髪の持ち上がったダンテは見てみたい気もするが、よく考えたら寝癖のすごいダンテを年中見ている。眠いしいいや。
「ディーヴァ、時間だ」
しかしぺちぺちと頬を叩かれ、起きざるを得なくなった。
ダンテのコートを握る手にも力が入る。今はこれが毛布がわりだ。
「むー。あともうちょっとぉ……」
「ここで服脱がすぞ」
「起きます」
目を開けると赤いコートに身を包むダンテ。額にバンダナ巻いてアクセじゃらじゃら、ゆらゆら歩きのダンテはどこにもいない。
「あー、やっぱりさっきのは夢だった。ダンテあの格好結構似合ってたのになぁ」
「あの格好?」
「ううん、夢の話……ふぁあぁ」
「女子にあるまじきでかいあくびだな。顎が外れそうだ」
「まぶたとまぶたがね、まだ仲良くしたがってるんだもの」
目をこすり首を回して脳と体を本格的に覚醒させる。
ぽき、首が鳴って気持ちいい。
「はいはい。上まぶたがオレで下まぶたはディーヴァなんだろ。わかってるけど、仲良くするなら帰ってからな」
地べたに置いておいた武器類を手にとり、出発の準備。
「舌噛むからそのでかい口閉じとけ、突っ込むぞ」
「口おっきくないもん!突っ込むって何!?」
「さあーなんだろな……っと!」
言われた通り口を閉じた瞬間抱えられ、ダンテは跳び上がった。
